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95話

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 あれから翌日――私達は依頼を受けて、グレイトアリゲーターと戦うことになっている。

 街から少し離れた場所にある湖に向かいながら、私は今日のことを歩きながら考えていた。

 ワニの肉は食べたことがないんだけど……テレビで見た料理をイメージすれば、きっと大丈夫のはず。

 食材も昨日用意しているし、問題なく料理スキルが発動するはず。

 そこまで考えて……普通に問題なく倒せるモンスターだから、私はレーリアに提案する。

「今日はウォルと覚醒の力を試してみたいけど……大丈夫かしら?」

 ウォルが覚醒すると、モンスターを倒すことで私も強くなれるのなら、強くなっておきたい。

 それが結果的にレーリアとウォルを守ることに繋がるし……マミカやミユキが捜索する可能性もあるけど、そこから更にリアークのこともある。

 レーリアの双子の兄リアーク……今はどこに居るのか解らないも、塔を破壊したことでレーリアに敵意を向けるかもしれない。

 レーリアは「もうリアークは忘れている可能性が高いです」と言ってたけど、それでも不安になってしまう。

 私が心配性なだけなのかもしれないけど、この世界は何が起きてもおかしくない。

 それなら……強くなれる手段があるのなら、私はその手段を試してみたかった。

「覚醒の力を試す……確かに覚醒の力は強力ですが、リスクも大きいです」

「いや、それは塔の時に問題なかっただろ?」

「それは……そうですね。これも嫉妬からつい口に出てしまいましたが、アカネ様の為にも試しておきましょう」

 どうやらレーリアは獣人と違って覚醒できないことが、不満な様子だ。

 契約によって魔力を同調させている状態から、獣人特有の覚醒能力でその力が底上げされるらしい。

 それによって精神、魂も同調されるみたいだけど……ウォルは本当に食べることだけ考えていた。

 ウォルが私の記憶のどこを覗いたのかも解るけど、ウォルは今までの食事の記憶だけしか知ろうとしなかったわね。

 そこまで考えて……もしレーリアと私が同調したら、どうなってしまうのか考えてしまう。

 私の気持ちもわかり、レーリアの気持ちもわかる――その時、レーリアの心次第で私はショックを受けそうだ。

 レーリアと覚醒できないのはよかったと考えてしまう辺り、この生活が崩れる可能性に恐怖しているのでしょう。

 × × ×

 その後――私達は湖に到着すると、巨大なワニが湖で泳いでいた。

 あれが突然発生したグレイトアリゲーターで、ウォルが覚醒しながら突撃する。

 私の料理を食べて強くなっているからか、ウォルは普通に覚醒することができていた。

 覚醒したウォルは私と同調して一撃でグレイトアリゲーターを仕留めるけど、肉に一切傷がついていない。

 これは覚醒によって力加減が完璧だからこそで……発見してすぐに討伐依頼を達成した私達は、昼食をとろうとしていた。
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