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83話

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 私はレーリアにもっと大きいテーブルを作って欲しいと頼んで、レーリアが大きいテーブルを作ってくれる。

 これなら大丈夫そうで――私は食材を使って、料理スキルをとにかく使っていくと。

「うおぉぉっ!?」

「これは……今まで食べてきた料理ですが、ここまで高速で連続使用ができるのですか」

 ウォルが歓喜の声をあげて、レーリアは何度も料理を作っていることに驚いていた。

 レーリアが用意してくれた大きなテーブルの上には、フルコースのように沢山の料理が並んでいる。

 前菜のサラダ、スープはシチュー、顔以外は鯛のような魚ドラゴラの煮つけ、ベーコンを使ったピザ、ドラゴンのステーキ、パンと塩おにぎり。

 猪鍋とかは用意しなかったけど……この世界に来て、私が料理スキルで作った料理を並べていく。

「アカネ様。どうして今日、いきなり今まで食べていたほとんどの料理を、1食で出そうと考えたのですか?」

 レーリアとしては夜の食事でここまでの量なのが理解できないみたいだから、私は説明する。

「ウォルと覚醒した時……ウォルは私の記憶から、この世界に来てから食べた料理を見て羨ましそうにしていたから、すぐ全部作ろうって思ったの」

「覚醒するとそこまで解るのですか……羨ましい」

 悔し気にレーリアが呟くけど、強くなれば兄リアークを追い越せるかもしれないし、当然の反応ね。

 ウォルは興奮している様子でテーブルを凝視したかと思えば、私を見て。

「ほっ、本当に食べてもいいのか!」

「ええ。食後にはアイスとケーキとクッキーを用意するわ」

「やった!」

「私も楽しみです……アカネ様のスキルなら、作り過ぎてしまうこともありませんね」

 料理もイメージすれば完成で時間がかからないから、たくさん作ることに向いている。

 私達はウォルが仲間になったこと、拠点を手に入れたことを祝っていた。 
 
 ――これからも、こんな日々が一生続いたら幸せだ。

 そう考えていると――そんな考えを砕くように、私の体が急に光り出す。

「……えっ?」

「アカネ様!?」

「アカネ!?」

「ど、どういうこと!?」

 無我夢中だったウォルも食事の手を止めて、レーリアと共に私を心配してくれる。

 私の体から出ていた金色の発光はすぐに収まったけど……私の目の前には、2枚のカードが宙に浮かんでいた。

「なに、これ……」

 2枚とも別のイラストが描かれたカードで、ローブを纏った魔法使いのカードと、祈りを捧げる白の法衣を着た聖職者のカード。

 両方女性をイメージしたカードで……そのカードを私が手にすると、カードについて知ることができてしまう。

「賢者と……聖女のカード」

 私の中で賢者と聖女は……転移者のマミカとミユキしか知らない。

 どうして今になって、賢者と聖女のカードが私から出てきたのか……私は困惑するしかなかった。
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