67 / 117
67話
しおりを挟む
私とレーリアは冒険者ギルドに到着する。
ギルドの中に入ると、一部の冒険者達が私達を避けているのが気になって。
「私の見た目がリアークに似ているせいでしょう……弟だから、兄に協力すると思われても仕方ありません」
そうレーリアが説明してくれるけど……これはリアークの建てた塔を壊さない限り、避けられそうね。
「あそこでロドリゴ様が待機しています……行きましょう」
そう言ってレーリアは冒険者ギルドに併設している酒場、そのテーブル席を指差して、私と一緒に向かう。
テーブル越しに水を飲みながら待機していたロドリゴと対面して、レーリアを見るやハッと笑い。
「レーリアとアカネか。お前等は活躍したら、オレの権限でBランクに上げてやるよ」
「善処します。ギルドマスターは部屋で待機するものだと思っていました」
私を守ることが最優先だから、レーリアは善処するって曖昧なことを言っているようね。
レーリアと私の前に、店の人が水の入ったコップを置いてくれるけど注文はしない。
酒場は誰も食事をしていない……いつゴーレムがやって来ても、すぐ動けるように待機している。
「前の襲撃から1ヶ月だ。今日が可能性が高く、今日なければ確実に明日やって来る……それは、今までの防衛依頼から間違いねぇ」
「確認します。警報が鳴ったと同時に依頼を受けた冒険者達は東の門へ走り、外で待機している人達が足止めしたゴーレムを排除するだけですね」
レーリアが防衛依頼を再確認していると、ロドリゴは苦笑いを浮かべて。
「簡単に言うが簡単じゃねぇ……ゴーレムは人型、獣型と多種存在し、相当強い癖に数も多いし厄介だ……レーリアの話を聞いて、侵攻してくるゴーレムを排除して翌日から再構築して揃う前に塔を潰す予定でいるが、負傷者次第だな」
「いかに被害なく魔力と体力の消耗を抑えることで、翌日の塔破壊を行うか決まるということですね」
「そうだ。頼りにしてるぜ!」
豪快に笑うロドリゴを見て、レーリアは頷き。
「善処します」
そう言ってからレーリアは水を飲んでお互いが沈黙して、質問に入ろうとしている。
「ロドリゴ様……ウォルという冒険者について、教えてもらえないでしょうか?」
レーリアは本題の、ウォルが仲間に相応しい人かどうか質問することで把握するらしい。
私としては仲間になって欲しいといっても、実際ウォルが仲間になってくれるか解らないけど……レーリアは仲間になると確信している様子だ。
「ウォルか……奴が何か問題を起こしたか?」
「いえ、宿で知り合いました……彼は、問題を起こすような人なのですか?」
レーリアが追及すると、ロドリゴが「いや」と否定して。
「あいつが問題を起こしたことは一度もねぇよ。ただ、あいつはソロの獣人でリーダーだから受け取ることができる報酬が少ねぇ……1人でやるだけの実力はあるが、俺はあいつに「人間がリーダーのパーティに入れ」と何度も忠告した」
レーリアが前に言っていたけど……人界の冒険者ギルドでは、人間がリーダーでないと報酬の額が下がるらしい。
それを気にしたロドリゴがウォルと話し合っていたみたいで、パーティに入れて欲しいと、ウォルが私達に言ったのではないかと推測したみたいね。
「あいつは「うめぇメシが食えたらそれでいい」ってだけのいい奴だ。精霊界より人界の方が美味いもんにありつけるからやって来たんだと……単純だろ?」
「そ、そうですね……」
私も似たような理由で冒険者になろうと決めたから、気持ちはわかる。
美味しい料理が食べたくて精霊界から人界に来たほどなら……ウォルは、私達の仲間になってくれるかもしれない。
ギルドの中に入ると、一部の冒険者達が私達を避けているのが気になって。
「私の見た目がリアークに似ているせいでしょう……弟だから、兄に協力すると思われても仕方ありません」
そうレーリアが説明してくれるけど……これはリアークの建てた塔を壊さない限り、避けられそうね。
「あそこでロドリゴ様が待機しています……行きましょう」
そう言ってレーリアは冒険者ギルドに併設している酒場、そのテーブル席を指差して、私と一緒に向かう。
テーブル越しに水を飲みながら待機していたロドリゴと対面して、レーリアを見るやハッと笑い。
「レーリアとアカネか。お前等は活躍したら、オレの権限でBランクに上げてやるよ」
「善処します。ギルドマスターは部屋で待機するものだと思っていました」
私を守ることが最優先だから、レーリアは善処するって曖昧なことを言っているようね。
レーリアと私の前に、店の人が水の入ったコップを置いてくれるけど注文はしない。
酒場は誰も食事をしていない……いつゴーレムがやって来ても、すぐ動けるように待機している。
「前の襲撃から1ヶ月だ。今日が可能性が高く、今日なければ確実に明日やって来る……それは、今までの防衛依頼から間違いねぇ」
「確認します。警報が鳴ったと同時に依頼を受けた冒険者達は東の門へ走り、外で待機している人達が足止めしたゴーレムを排除するだけですね」
レーリアが防衛依頼を再確認していると、ロドリゴは苦笑いを浮かべて。
「簡単に言うが簡単じゃねぇ……ゴーレムは人型、獣型と多種存在し、相当強い癖に数も多いし厄介だ……レーリアの話を聞いて、侵攻してくるゴーレムを排除して翌日から再構築して揃う前に塔を潰す予定でいるが、負傷者次第だな」
「いかに被害なく魔力と体力の消耗を抑えることで、翌日の塔破壊を行うか決まるということですね」
「そうだ。頼りにしてるぜ!」
豪快に笑うロドリゴを見て、レーリアは頷き。
「善処します」
そう言ってからレーリアは水を飲んでお互いが沈黙して、質問に入ろうとしている。
「ロドリゴ様……ウォルという冒険者について、教えてもらえないでしょうか?」
レーリアは本題の、ウォルが仲間に相応しい人かどうか質問することで把握するらしい。
私としては仲間になって欲しいといっても、実際ウォルが仲間になってくれるか解らないけど……レーリアは仲間になると確信している様子だ。
「ウォルか……奴が何か問題を起こしたか?」
「いえ、宿で知り合いました……彼は、問題を起こすような人なのですか?」
レーリアが追及すると、ロドリゴが「いや」と否定して。
「あいつが問題を起こしたことは一度もねぇよ。ただ、あいつはソロの獣人でリーダーだから受け取ることができる報酬が少ねぇ……1人でやるだけの実力はあるが、俺はあいつに「人間がリーダーのパーティに入れ」と何度も忠告した」
レーリアが前に言っていたけど……人界の冒険者ギルドでは、人間がリーダーでないと報酬の額が下がるらしい。
それを気にしたロドリゴがウォルと話し合っていたみたいで、パーティに入れて欲しいと、ウォルが私達に言ったのではないかと推測したみたいね。
「あいつは「うめぇメシが食えたらそれでいい」ってだけのいい奴だ。精霊界より人界の方が美味いもんにありつけるからやって来たんだと……単純だろ?」
「そ、そうですね……」
私も似たような理由で冒険者になろうと決めたから、気持ちはわかる。
美味しい料理が食べたくて精霊界から人界に来たほどなら……ウォルは、私達の仲間になってくれるかもしれない。
80
お気に入りに追加
4,365
あなたにおすすめの小説
没落した建築系お嬢様の優雅なスローライフ~地方でモフモフと楽しい仲間とのんびり楽しく生きます~
土偶の友
ファンタジー
優雅な貴族令嬢を目指していたクレア・フィレイア。
しかし、15歳の誕生日を前に両親から没落を宣言されてしまう。
そのショックで日本の知識を思いだし、ブラック企業で働いていた記憶からスローライフをしたいと気付いた。
両親に勧められた場所に逃げ、そこで楽しいモフモフの仲間と家を建てる。
女の子たちと出会い仲良くなって一緒に住む、のんびり緩い異世界生活。
異世界に召喚されたけど間違いだからって棄てられました
ピコっぴ
ファンタジー
【異世界に召喚されましたが、間違いだったようです】
ノベルアッププラス小説大賞一次選考通過作品です
※自筆挿絵要注意⭐
表紙はhake様に頂いたファンアートです
(Twitter)https://mobile.twitter.com/hake_choco
異世界召喚などというファンタジーな経験しました。
でも、間違いだったようです。
それならさっさと帰してくれればいいのに、聖女じゃないから神殿に置いておけないって放り出されました。
誘拐同然に呼びつけておいてなんて言いぐさなの!?
あまりのひどい仕打ち!
私はどうしたらいいの……!?
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
聖女やめます……タダ働きは嫌!友達作ります!冒険者なります!お金稼ぎます!ちゃっかり世界も救います!
さくしゃ
ファンタジー
職業「聖女」としてお勤めに忙殺されるクミ
祈りに始まり、一日中治療、時にはドラゴン討伐……しかし、全てタダ働き!
も……もう嫌だぁ!
半狂乱の最強聖女は冒険者となり、軟禁生活では味わえなかった生活を知りはっちゃける!
時には、不労所得、冒険者業、アルバイトで稼ぐ!
大金持ちにもなっていき、世界も救いまーす。
色んなキャラ出しまくりぃ!
カクヨムでも掲載チュッ
⚠︎この物語は全てフィクションです。
⚠︎現実では絶対にマネはしないでください!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる