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帰還
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保安局軍が出発してから1日が経過しようとしていた。森の中を進んでいると遠くから雄叫びが近づいてきた。
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
「なんだ、なんの声だ!」
「近づいてくるぞ!気をつけろ!」
高速で近づいてきた物体は、砂埃をあげながら軍の目の前で止まった。
「なんだぁ?」
「そっちこそ・・って、局長!?」
砂煙が落ち着きやっと対面した両者は、お互いに驚いていた。
片方は目の前に武装集団がいることに、もう片方は高速で走ってきた人物に、ぐったりとした局長が背負われていることに。
「大丈夫ですか局長!!」
「ああ、なんとかな・・」
「お前局長を降ろせ、不敬だぞ!」
ミモルグが、グランツを指さしながら起こると
「よせ、この方は命の恩人だ・・・」
ぐったりとしつつ、ゆっくりと降り、しっかりと地面にたった。
「して、この男どもは・・」
「悪魔を倒してくれた、元冒険者の怪力無双グランツとサラマンダーロイだ。命の、いや王国の恩人と言っても過言ではないだろう」
「その名前はとっくに捨てたんだけどなぁ」
冒険者たちは各ギルド長から話を聞いてたのか、そりゃそうだよなという顔を浮かべていたが、ミモルグは「これがあの・・・」という驚きの表情をしていた。
「早く帰ろうぜ」
ロイがそう言うと、周りは落ち着きを取り戻し、新たに3人を向かえ王都へ帰って行った。
「シーフォリア=クオークただいま帰還いたしました」
「よく、よく生き延びて帰ってきてくれました」
アントレットは目に涙を溜ながらねぎらった。
「私の悪運もまだつきていなかったということですな」
「話はうかがいました。例の配達会社の二人にはちゃんと礼をしませんと・・」
「いいえ、私もそう思い、その旨を伝えたところ自分たちではなく社長にして欲しいと話しておりました。であれば、配達会社グリフォンフライに還元するのがよろしいかと」
「分かりました。何にしましょうか・・」
アントレットは本当に感謝しているのか真剣に悩んでいた。そんな様子を見て、救われたことにシーフォリアも感謝していた。
配達会社グリフォンフライにて
「お疲れ様です、グランツさん、ロイさん。まさかロイさんも一緒に居たとは思いませんでした」
「まあな、シュアルでたまたま会ったんだよ。本当にたまたまかは社長のみぞ知ってるんだろうけどね」
「そういえば、社長はどこにいるんだ?聞きたいことがあるんだが・・」
「社長なら昼間から銭湯に行ってますよ」
二人は顔を見合わせて、お互いに笑い出した。
「すごいね、社長は」
「ああ、俺たちが今日帰ってくることも、銭湯に行こうって話してたことも分かってたのかよ」
「副社長、とりあえず報告はこのくらいにして、社長に会ってくるよ」
会社を出て行った二人の背中を見て、男の裸の付き合いはよく分からないが少しうらやましいとも思うエリーナであった。
王都の工業区にある銭湯「源」
「昼間っから銭湯で露天につかるのが一番気持いいんだよなぁ」
ふふん、ふふふーん、ふふん、と鼻歌を陽気にしていると声をかけられた。
「社長、ただいま戻りました」
「ついでに俺も、もどってきたぜ」
筋肉がムキムキと歩いてきた!!
よく見るとそれはグランツとロイだった。
「グランツはお帰り、ロイも久しぶりだね。とりあえず身体洗ってきなよ」
銭湯のルールには厳しいキールであった。
二人がしっかりと汗を流して、露天にやってくると、本題を切り出した。
「社長、今回のことで聞きたいことがあるんだが」
「うん、何かな?」
「精霊の守人のことだ、グランツに聞いて、あらかたは教えて貰ったんだが、もっと知りてぇ、教えてくれねぇか?」
でた、謎単語、精霊の守人。知らん!!・・・と言えたらなぁ、なんだか二人ともすごく真剣な目をしてるから言いづらいなぁ
「僕が知ってることなんて、少しだよ。せいぜいお伽噺くらいだよ。あ、お伽噺と言えば、建国祭の由来にもなった、財宝があるじゃん?あれを探す任務があるよ」
「財宝・・・それが精霊の守人とどう繋がってくるんだ?」
「まぁまぁ、色々あるよ」
にこにこ
「あと、精霊の守人になるためのお供え物の件なんだが、あれは何でも良いのか?てきとうなモノだったが・・・」
「お供え物?気持がこもってれば良いんじゃない?あ、ユリも精霊の守人らしいから、ユリにも聞いてみたら?情報共有は大事だよ」
「やっぱりか、あいつもそれなりに腕は立つからな。ところで、ユリは今どこにいるんだ?」
「さぁ、仕事から帰ってきたばっかだったから、その辺をふらふら歩いてるんじゃない?」
王都の商業区
ユリは確かに街をふらふらと歩いていた。
「ここにもない・・どこにあるのおおおお」
「うおおおおおおおおおおおおおおお」
「なんだ、なんの声だ!」
「近づいてくるぞ!気をつけろ!」
高速で近づいてきた物体は、砂埃をあげながら軍の目の前で止まった。
「なんだぁ?」
「そっちこそ・・って、局長!?」
砂煙が落ち着きやっと対面した両者は、お互いに驚いていた。
片方は目の前に武装集団がいることに、もう片方は高速で走ってきた人物に、ぐったりとした局長が背負われていることに。
「大丈夫ですか局長!!」
「ああ、なんとかな・・」
「お前局長を降ろせ、不敬だぞ!」
ミモルグが、グランツを指さしながら起こると
「よせ、この方は命の恩人だ・・・」
ぐったりとしつつ、ゆっくりと降り、しっかりと地面にたった。
「して、この男どもは・・」
「悪魔を倒してくれた、元冒険者の怪力無双グランツとサラマンダーロイだ。命の、いや王国の恩人と言っても過言ではないだろう」
「その名前はとっくに捨てたんだけどなぁ」
冒険者たちは各ギルド長から話を聞いてたのか、そりゃそうだよなという顔を浮かべていたが、ミモルグは「これがあの・・・」という驚きの表情をしていた。
「早く帰ろうぜ」
ロイがそう言うと、周りは落ち着きを取り戻し、新たに3人を向かえ王都へ帰って行った。
「シーフォリア=クオークただいま帰還いたしました」
「よく、よく生き延びて帰ってきてくれました」
アントレットは目に涙を溜ながらねぎらった。
「私の悪運もまだつきていなかったということですな」
「話はうかがいました。例の配達会社の二人にはちゃんと礼をしませんと・・」
「いいえ、私もそう思い、その旨を伝えたところ自分たちではなく社長にして欲しいと話しておりました。であれば、配達会社グリフォンフライに還元するのがよろしいかと」
「分かりました。何にしましょうか・・」
アントレットは本当に感謝しているのか真剣に悩んでいた。そんな様子を見て、救われたことにシーフォリアも感謝していた。
配達会社グリフォンフライにて
「お疲れ様です、グランツさん、ロイさん。まさかロイさんも一緒に居たとは思いませんでした」
「まあな、シュアルでたまたま会ったんだよ。本当にたまたまかは社長のみぞ知ってるんだろうけどね」
「そういえば、社長はどこにいるんだ?聞きたいことがあるんだが・・」
「社長なら昼間から銭湯に行ってますよ」
二人は顔を見合わせて、お互いに笑い出した。
「すごいね、社長は」
「ああ、俺たちが今日帰ってくることも、銭湯に行こうって話してたことも分かってたのかよ」
「副社長、とりあえず報告はこのくらいにして、社長に会ってくるよ」
会社を出て行った二人の背中を見て、男の裸の付き合いはよく分からないが少しうらやましいとも思うエリーナであった。
王都の工業区にある銭湯「源」
「昼間っから銭湯で露天につかるのが一番気持いいんだよなぁ」
ふふん、ふふふーん、ふふん、と鼻歌を陽気にしていると声をかけられた。
「社長、ただいま戻りました」
「ついでに俺も、もどってきたぜ」
筋肉がムキムキと歩いてきた!!
よく見るとそれはグランツとロイだった。
「グランツはお帰り、ロイも久しぶりだね。とりあえず身体洗ってきなよ」
銭湯のルールには厳しいキールであった。
二人がしっかりと汗を流して、露天にやってくると、本題を切り出した。
「社長、今回のことで聞きたいことがあるんだが」
「うん、何かな?」
「精霊の守人のことだ、グランツに聞いて、あらかたは教えて貰ったんだが、もっと知りてぇ、教えてくれねぇか?」
でた、謎単語、精霊の守人。知らん!!・・・と言えたらなぁ、なんだか二人ともすごく真剣な目をしてるから言いづらいなぁ
「僕が知ってることなんて、少しだよ。せいぜいお伽噺くらいだよ。あ、お伽噺と言えば、建国祭の由来にもなった、財宝があるじゃん?あれを探す任務があるよ」
「財宝・・・それが精霊の守人とどう繋がってくるんだ?」
「まぁまぁ、色々あるよ」
にこにこ
「あと、精霊の守人になるためのお供え物の件なんだが、あれは何でも良いのか?てきとうなモノだったが・・・」
「お供え物?気持がこもってれば良いんじゃない?あ、ユリも精霊の守人らしいから、ユリにも聞いてみたら?情報共有は大事だよ」
「やっぱりか、あいつもそれなりに腕は立つからな。ところで、ユリは今どこにいるんだ?」
「さぁ、仕事から帰ってきたばっかだったから、その辺をふらふら歩いてるんじゃない?」
王都の商業区
ユリは確かに街をふらふらと歩いていた。
「ここにもない・・どこにあるのおおおお」
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