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命の大樹

あの大きな樹は

　ただポンと　

それだけで　そこに立っているのではない
 
あの大きな樹の下に
　どれほどの
堅固で　膨大で　緻密な根を　張っているのか
 
その根が樹を支え
　あるいは
根こそ
　樹そのものであるのかもしれない
 
根は時を超え　無限に広がり
水を吸い　養分を吸い
　梢を養う
 
ならば
天に広がるあの樹もまた
　根を養うための根なのだろうか
 
根の王国を養うために
　あの幹は　葉は　梢は
太陽を目指しているのか
 
見よ
　我々の頭上に聳える若い梢を
 
見よ
　我々の　グラグラとした頼りない足を
その下に広がる
　綿々と連なり　網の目のごとく張りめぐらされた
黄金に輝く命の根を