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第4章 ― 4つのヒント ―

第4話 イメージ・チェンジ

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 短い冬休みが終わり、高校最後の3学期がスタートした。

 治希と愛はふたつ隣りの教室だったが、治希は愛の姿を
廊下で見かけ唖然とした。ポニーテールにしていても背中
まであった髪をバッサリとカットしていたのだ。

 「槙野さんどうしたの?その髪型」

 「う、うん。ただ切りたくなっただけ。
まあ、“イメチェン”ってとこ・・・かな」

 「今の短い髪の方が似合ってるよ」

 治希はそう言いかけたが、愛はそれには気づかず、
自分の教室に入って行った。

 治希は驚きともなんとも言えない気持を、どこに置いて
いいのかわからないまま自分の教室へと向かった。

 それからの数日間、愛と紗耶香は頻繁に治希の教室に
出入りした。だが、治希に用があるという訳ではなく、
目が合って軽く手を振ったりすることはあるが、女友達や
雅哉の所に行って話をしていることが多かった。

 それから数日後の成人の日、学校は休みのため治希は愛を
電話で呼び出し、街に出て洋服選びに付き合ってもらうことにした。
 3年間部活をしていたこともあり、服のセンスに欠ける治希は
女性からのアドバイスが欲しかった。

 治希は約束の時間より10分程早く待ち合わせ場所の駅に到着したが、
愛は更に 早く到着していた。

 「あれ?もう来てたの?早かったね」

 「うん。ま、まあね。ヒマだったし」


     ― 「近くにいるから」とヤツの誘い
       しょうがないから 行ってあげる 1時間くらいかかるも
       ダッシュで身支度整えて 自転車風を切ってグングンこいでる
       スカートの裾押さえもせずに 気付いたら必死でペダル踏んでる
       “浮かれてなんかない” “好奇心よ”
       速まる足を棚に上げて 自分に言い訳してるみたい ―
                         『Ring!Ring!Ring!』


 あれこれと服選びに悩みながら2時間かけて数件の店舗をめぐり、
愛のアドバイスで選んだジーンズとセーターを購入した後、海を見ようと
フェリー乗り場のある埠頭までの約20分の道をふたり並んで歩いた。

 そう、お互いに体に触れないよう注意して・・・。
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