私が子供だったときのこと

第14回 憧れの八重歯さん

   八重歯って、昔は可愛いという認識でしたね。
   私も八重歯の人にすごく憧れたものです。

   影響は当時のトップアイドル、石野真子さん。
   タレ目も相まって最強の可愛さでした。

   私の中で初めての「なりたい顔」だったかもしれません。

  特に、私が小学校4、5年生ぐらいの時期のアイドルって
八重歯の人が多かったです。その中でも飛び抜けて
人気があったのが、伊藤つかささんでした 。

    そのときもまだ、往生際が悪いことに自然と八重歯に
ならないかな～、などと思ったりしていました... 
   もう永久歯に生え替わっていたにも関わらず。

 まあ、顔はどうしようもないので、代わりにというか 
伊藤さんの影響は受けましたね～、やっぱり。 

   アイドル雑誌「明星」や「平凡」などに載っていた
伊藤さんの記事で紹介されていたいろいろなことに憧れ、
真似しようと思ったり。

   たとえば、ミッキーマウスグッズで持ち物を統一するのって
イケてる、と解釈し、出来るところだけでもミッキーを選んだり。
   編み物は棒針で私もやってみたい、とか。 
   洗顔ブラシを私も使いたい、などなど。

   伊藤さん＝中学生の世界、というのもあったと思います。

   事実、伊藤さんはセーラー服で歌っていたりドラマでも
よく着ていて、私はそれにもめちゃくちゃ憧れていました。
   のちに進学するであろう中学校はセーラー服ではなく、
高校なんてどこがどんな制服かなんてわからなかったし。
   だから余計に私も着たいな～と思ったのかも。

   私にとって、そう遠くない未知の世界。ちょっと背伸びして、
先取りしている気分だったのでしょう、きっと。

   ちなみに、思いが強過ぎたせいかどうか、結局セーラー服とは
無縁。１度も袖を通すことなく、私の青春は終わりました。  

   似合う似合わないは、別として。