かみさまコネクト

辻 欽一

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4章 コネクト転生

02 龍神と縁

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 まずは、梨華が元気なときに龍成と縁を結ばせる。
名前が表すようにあの男は龍神の転生先である。
本人は気付いてないが、水龍神である。今は常人ばなれした身体能力だけだが、
龍成が危機に陥った時に龍神は力を使い延命したりして力を使う。

 龍神の力が覚醒していないときは、これで終わり。
だがもし覚醒していれば、龍神の力を自在に使うことができる。
その一番簡単な方法が神と縁を結ぶこと。

 梨華の命は冬まで持たず、助けるためには私の力で私の存在を梨華に託すこと。
それにより梨華は私に代わり神となる。
その時私は一時的に霊体になるが、その問題の解決法は既に分かっている。
これで、三人の神と覚醒した水龍神の出来上がり。

 梨華の病気は数回の通院と血液検査で直ぐに分かった。
『EBウイルス感染症』といって、殆どの人間が持っているウイルスだが、
一度発病してしまうと白血病と似た症状により死に至る病、
早期発見で治療は可能だが梨華の場合は死相が強く出ている。
どんな名医に任せても徒労(とろう)に終わるだろう。

 梨華はそれなりに落ち込んでいたが、私が死相の話をすると渋々承知した。
そして私は龍成と縁の話をする。梨華は「信じがたい」と言ったが、
「今は私と小梅にしか見えぬ、お前が神になれば見えるよ」
と返した。すると「いつ私は神に?」と聞いてくる梨華。私はこう答えた――。


「お前の死後に私の存在すべてを賭けてお前を神にする。
 龍成の件だが、お前の死後だと縁が結べない。だから、生きている時に縁を結んでおけ」

「……。そうは言うけど、お姉ちゃん龍成と縁を結ぶって一体どうすればいいの?」

「ん…簡単に言うと、二人で好きあって、確実な証をたてればいい。
 まあ、二人は好き合っているのだろ? ならば、後は証だけだ」
「ん……? 証って具体的に何?」
「まあ、アレだ。キスとか抱いてもらうとか、体どうしの確りした接触だな」

「……。結構ディープなことしないといけないのね。
 私は龍成が好きだけど、龍成は私のことどう思っているのかな……?」

「問題ない。縁結びの神である私が保証する。アレが小梅や私を相手にするのは、
 お前に相手してもらいたいからで、私らはオマケだ。
 で、どうだ。もうなんかやったのか?」

「何かって……。手を繋いだくらいかな……。ああっ――。コレは縁になるかな?
 あの私、交通事故にあった時に龍成と血液型が一緒で輸血したよ。どうかな?」

「あーそう、体液の交換したのね。それで十分だよ」

「お姉ちゃん……言い方。まあ、エッチなことしなくて済むのはホッとしたよ。
 でさ、私の寿命は後どれ位なの?」

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