かみさまコネクト

辻 欽一

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4章 コネクト転生

01 新学期

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 新学期、私は梨華と一緒に在籍している高校へ向かった。
今回は特殊で何処の学校かも分からなかった。
校門が近づくと男女問わず挨拶をしてくる。
どうやら人気の生徒会長とゆうのは本当らしい。
私は始業式で挨拶をすますとクラスへ戻りホームルームへ、
其れが終わると生徒会へ、まあなんとも忙しい。

 その後、待たせていた梨華と近くの大型書店にこの時代の流行を調べるべく立ち寄った。
其処で今流行りの小説と雑誌を十冊ほど購入して、
桃山神社へ向かう。目的は神気の充実である。
夕方まで元に相手をしてもらい私達は帰宅した。

 夜、甘い物を飲みつつ今日買った書物に目をとおす。
『………』酷い内容だった。雑誌のほうはまだしも、小説が酷い。
二十年前も随分崩れて大衆受けを狙った作品が多かったが、
今の物は語学力が無くても内容が分かり、絵本の方が感動するレベルである。

 コレに私は三千円も払ったのか……。鬱になる。

 さて、明日は冷やし飴でも作るか。缶ジュースもいいが、
最終的に割高だ。冷やし飴は水飴、ニッキ飴、砂糖、レモン、
生姜を煮詰めて出来上がり。出来た原液を好きに薄めて飲めばいい。
私が京都に滞在していたときのお気に入りである。
冬はお湯割り、夏は氷にかけても美味しい。

 私が住む街は八代市の近くの桃山町と言うところらしい。
今のところは、毎日学校に行き、昼休みと放課後に生徒会、
帰りに神社へ寄る、の繰り返しで特に変化はない。
ただ二十年前と違うのは土曜日が休校だと言うこと、
昔は無かったが『ゆとり教育』とかのおかげで休校になったらしい。

 私は安穏に日々を過ごしているように見えるが、実は違う。
此処での問題は梨華の寿命だ。私は梨華の死相を毎日確認していた。
そして…六月中旬、梨華の死相が一段と濃くなってきた。
下旬には発熱を繰り返し、しばしば学校を休むようになる。

 私は市内の大学病院に梨華を連れて行き精密検査を受けさせた。
知りたいのは病名と余命である。
死相の濃さを見るに、秋まで持つか微妙なところだが、
梨華に残された時間を正確に知ることが出来れば、やれることは幾らでもある。

   言っても、梨華が助かる訳ではないが……。

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