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攻略レベル1「幼馴染」Vll
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ハデスとルナが対峙していたその頃。レストラン”赤い竈亭”では—————
山崎真也VS伊藤弘樹による決闘が行われていた。
「離せ———いい加減にしろよテメェ!!!」
山崎が下半身にしがみついていると、伊藤は剥がすようにして山崎の軽い体を吹き飛ばす。
「なんなんだよテメェは‥‥ここに入ってくるなりいきなり話があるとか言い出してよぉ。桜坂ならもう返してやったろ?これ以上俺になんの用があるってんだ!」
「返してやった‥‥だと?」
顔中に血傷をつけながら息を切らして立ち上がると、山崎は険しい表情で伊藤を睨みつけた。
「‥‥‥約束しろ—————ッ!」
「は?なにを?」
「女の子をあたかも自分の道具みたいに言うのも、綾乃のような犠牲を生むのも。今日で‥‥最後にすることを約束しろ!」
山崎の声はレストラン一帯に響くと、一瞬の静寂がこの場を支配する。
「は?なんだそれ。はいはーい!お前らぁ!コイツ何言ってるか分かる人いるー?」
伊藤は後ろに目をやると、奥のテーブルにてこの現状を眺めていた3人の男達が一斉に笑い合う。
「おい弘樹!もういいからさっさとそのダサ男追い出せよ!腹もいっぱいになったし、早く愛ちゃんとヤりたいんだけど?」
「それな!こんなアイドル顔負けの可愛い子とヤレる機会なんてそうそうねぇし、さっきからムラムラしっぱなしなんだよ!」
「てか犠牲者って。お前完全に悪役やん」
1人の男が笑い始めると、同調するように周りの奴らも言いたい放題言い始めた。
「ほんとそれな!?おい山崎!綾乃の野郎は最初こそ嫌がってたけど俺と付き合ってるうちに段々ノリよくなって来てたんだぜ?」
「それはお前が脅してたからだろ!?弱い僕を利用して、お前は彼女に近づいたんだ!」
「あれ?なんだあいつから聞いたのかよ。アソコも緩ければ口も緩いってか?」
上手いこと言ってやった。そんな顔をするとテーブルにいる奴ら揃ってまたケタケタと腹を抱えて笑い出す。
「ていうかお前も男なら一回で聞き分けろよな?さっきは大人しくテーブル囲んで話聞いてやったけどよ、まさかここまでしつこいとは思わなかったからこうなったんだ———ぜ!!!」
語尾を強くしながら山崎の脇腹狙って蹴りを繰り出すと再び山崎は入り口向かってその身体を転がした。
「——————っ!!」
その痛みに悶絶しさらにその場で身体を右へ左へ転がした。
「それにしてもよかったな弘樹。いつのまにか客居なくなってたからいいけど、通報されたらこれ傷害罪で豚小屋行きだぜ?」
「客って言えばなんで店員出て来ねぇんだろうな?普通止めるだろ」
「この街荒れてるし、きっと茶飯事なんじゃねぇの?まぁ流石に俺も痛ぶるの飽きてきたからさっさと失神させるけどよ」
仲間達の疑問に軽く答えると、伊藤は大股でズカズカと山崎の元へと近寄る。
「まったく困った彼氏だよな?こんなに弱けりゃ女一人も守れねぇってのに。まぁ安心していいぞ?俺は捨てた女は二度抱かねぇ主義だからよ」
「主義じゃなくて。次の女ナンパするか寝取るかしてるうちに忘れてんだろ?」
「うるせぇよ吉崎!ちょっと黙ってろ!」
伊藤は笑いながら男友達に一喝すると、今度は僕の耳元に寄せて囁いた。
「まぁもし?あの女が俺とのセックスが忘れられないってならまた抱いてやるかもな。お前の知らない所で、な?」
その言葉を聞いた瞬間。全ての痛みがなかったかのように弾き飛び、山崎は体を起こすと拳を伊藤の頬目掛けて貫く。
咄嗟の出来事に回避が遅れた伊藤は山崎の攻撃をモロに喰らい、純白でシミひとつない自慢の顔に血傷を付けた。
「て、テメェ—————ッ!殺す!!絶対殺してやる!!!」
激昂した伊藤は山崎に跨ると、両手を硬めて拳を振り下ろした。
全ての殴打を顔面一心に受けた山崎は先ほどの比にならない出血を床に撒き散らす。
「あ————やべ。おい弘樹?そろそろやめとけって!マジで死ぬって!」
男の声は奴には届かず。伊藤は目を血走らせて山崎を殴り続ける。
「ブ————べッ————バッッ!」
声にならない苦痛が山崎を襲う。
「早く謝れ山崎!!じゃねぇとお前ガチで殺されるぞ!」
余裕を持って腰をかけていた友人のうち一人が伊藤の脇の下から手を通して羽交《はが》い締めすると、山崎に謝罪を強いる。
「落ち着けって弘樹!!ほら早くしろ山崎!潔く土下座しろクソが!!」
「‥‥‥‥僕は、僕は何も悪いことはしてない。謝るのはお前の方だ、この————女を弄ぶしか脳のない家畜が!!!」
「はぁ!?お前何言って————ダメだって弘樹!!そうだ‥‥‥愛ちゃん!アンタ、弘樹の彼氏なんだからなんとか言ってやってよ!!」
必死に伊藤の動きを止めようとしている中、ウサギの方に振り向くも、彼女は毅然とした態度で食後の紅茶を嗜んでいた。
「あ、愛ちゃん?」
同じくテーブルに座る別の友人が尋ねる。
「豚が騒いでますね。お望みとあらば私がいつでも家に帰してやるというのに」
「は?何言って——————」
この修羅場の中ではとてもじゃないが場違いな発言をした彼女に対して、男たちは首をすくめた。
突然、鳴り止んでいた鈍い音が再びレストラン内に響き渡る。上半身を抑えられた伊藤はサッカー部で鍛え抜かれた足で横たわる山崎の体を踏み始めたのだ。
「———このッ!死ね!死ね!死ね!」
山崎の体の皮膚が赤みから徐々に青みへと変わっていくと、伊藤は笑いながらトドメの一撃を放とうと踵《かかと》を思い切り振り上げて頭蓋骨目掛けて落とそうとする。
「マジで洒落になんねぇよ弘樹!いい加減にしろって—————」
その瞬間。レストラン入口の扉が勢いよく開かれ、涼しい夜風が吹き込むと共に彼女は現れた。
「真也君———————ッ!」
彼女は、綾乃は横たわった僕の上に覆いかぶさると、代わって伊藤の踵下ろしを背中に受けた。
「あ、綾乃!?どうして—————」
「ごめんね真也君。ずっと、ずっと君を1人ぼっちにさせて‥‥」
叫びたい苦痛の雄叫びも、転がり回りたくなるほどの衝撃も、彼女は全てを押し殺して僕に言葉を紡いでくれた。
突然の出来事に伊藤も暴走した怒りの感情が収まり、羽交わる締めしていた友人から離れると、口角を吊り上げてその光景を嘲笑う。
「おーおー、お暑いねお二人さん。いいじゃん山崎。お前はそうやって彼女にこれからも守ってもらうんだろ?それでまた綾乃はどこの馬の骨とも知らない男に——————」
「黙れ‥‥‥伊藤‥‥弘樹」
ドアノブに手をかけて僕は立ち上がると、伊藤に罵声を浴びせた。
「今なんつった?俺に黙れって言ったのか?」
「もうやめろ弘樹!今日の目的はコイツを痛ぶることじゃねぇだろ!お前が今日いい女連れてくるから乱交しようぜって言うから俺たちは来たんだ!ここでサツ絡みのこと起こされるとかまじ勘弁だかんな!!」
額に青筋を浮かべた伊藤をなんとか鎮めようと男の1人はそう叫んだ。
「どういうことだ‥‥?それじゃあお前‥‥今日ここでウサギさんと会ってなかったら、綾乃を‥‥コイツらに?」
「ウサギ?殴られすぎて頭狂ったかよ———あぁそうさ、今日コンビニで愛ちゃんと出会ってなかったら綾乃はここにいる4人で犯すつもりだった」
頭にチリっとした痛みが走ると、僕はその場で歯を震わせていた。
「ぶっちゃけさ、乱交するっても盛り上がりに欠けると思ったんだよな。だって綾乃、お前毎回俺とヤる時アイマスクで目を隠したり、耳栓したりとよくわからんプレイばっかしてたよなぁ?最初はそう言う変態プレイが好きなのかって思ったけど、それは違ったんだな」
伊藤は僕を見て含み笑いをするて、さらに言葉を続けた。
「まぁもう終わったことだしいいけどさ。ただ忘れんなよ綾乃?これから先お前がコイツと別れてどの男と付き合おうが、初めての相手は俺だったていう過去は一生消えねぇからな!!!そんな奴をまだ彼女にするとかお前も終わってるぜ山崎!!」
不意に山崎は横たわる彼女の足を踏みつけると、綾乃の悲鳴が僕の耳を突き抜ける。咄嗟に僕は彼女を守ろうと、両手を広げて奴の全ての攻撃を身に受けた。
「処女とか、非処女とか、関係ない!僕は桜坂綾乃という1人の女性を心から愛しているんだから!!!」
目を瞑り、迫り来る拳から彼女を守るそれだけに集中する。一撃、一撃、鉛のように重い攻撃が永遠の雨のように耐えず続くと。
パチ、パチと。
僕の耳に、乾いた音が届いた。
パチ、パチ、パチ、パチ。
誰かが拍手をしている?
その不自然な音が聞こえていたのは僕だけではなかった、拳を振り上げた伊藤は体を硬直させ首だけを動かして後ろを見ていた。
身体を震わせながら僕も伊藤の背後を覗き込むと、そこにはウサギさんが慈愛の笑みを浮かべて僕を見つめていた。
山崎真也VS伊藤弘樹による決闘が行われていた。
「離せ———いい加減にしろよテメェ!!!」
山崎が下半身にしがみついていると、伊藤は剥がすようにして山崎の軽い体を吹き飛ばす。
「なんなんだよテメェは‥‥ここに入ってくるなりいきなり話があるとか言い出してよぉ。桜坂ならもう返してやったろ?これ以上俺になんの用があるってんだ!」
「返してやった‥‥だと?」
顔中に血傷をつけながら息を切らして立ち上がると、山崎は険しい表情で伊藤を睨みつけた。
「‥‥‥約束しろ—————ッ!」
「は?なにを?」
「女の子をあたかも自分の道具みたいに言うのも、綾乃のような犠牲を生むのも。今日で‥‥最後にすることを約束しろ!」
山崎の声はレストラン一帯に響くと、一瞬の静寂がこの場を支配する。
「は?なんだそれ。はいはーい!お前らぁ!コイツ何言ってるか分かる人いるー?」
伊藤は後ろに目をやると、奥のテーブルにてこの現状を眺めていた3人の男達が一斉に笑い合う。
「おい弘樹!もういいからさっさとそのダサ男追い出せよ!腹もいっぱいになったし、早く愛ちゃんとヤりたいんだけど?」
「それな!こんなアイドル顔負けの可愛い子とヤレる機会なんてそうそうねぇし、さっきからムラムラしっぱなしなんだよ!」
「てか犠牲者って。お前完全に悪役やん」
1人の男が笑い始めると、同調するように周りの奴らも言いたい放題言い始めた。
「ほんとそれな!?おい山崎!綾乃の野郎は最初こそ嫌がってたけど俺と付き合ってるうちに段々ノリよくなって来てたんだぜ?」
「それはお前が脅してたからだろ!?弱い僕を利用して、お前は彼女に近づいたんだ!」
「あれ?なんだあいつから聞いたのかよ。アソコも緩ければ口も緩いってか?」
上手いこと言ってやった。そんな顔をするとテーブルにいる奴ら揃ってまたケタケタと腹を抱えて笑い出す。
「ていうかお前も男なら一回で聞き分けろよな?さっきは大人しくテーブル囲んで話聞いてやったけどよ、まさかここまでしつこいとは思わなかったからこうなったんだ———ぜ!!!」
語尾を強くしながら山崎の脇腹狙って蹴りを繰り出すと再び山崎は入り口向かってその身体を転がした。
「——————っ!!」
その痛みに悶絶しさらにその場で身体を右へ左へ転がした。
「それにしてもよかったな弘樹。いつのまにか客居なくなってたからいいけど、通報されたらこれ傷害罪で豚小屋行きだぜ?」
「客って言えばなんで店員出て来ねぇんだろうな?普通止めるだろ」
「この街荒れてるし、きっと茶飯事なんじゃねぇの?まぁ流石に俺も痛ぶるの飽きてきたからさっさと失神させるけどよ」
仲間達の疑問に軽く答えると、伊藤は大股でズカズカと山崎の元へと近寄る。
「まったく困った彼氏だよな?こんなに弱けりゃ女一人も守れねぇってのに。まぁ安心していいぞ?俺は捨てた女は二度抱かねぇ主義だからよ」
「主義じゃなくて。次の女ナンパするか寝取るかしてるうちに忘れてんだろ?」
「うるせぇよ吉崎!ちょっと黙ってろ!」
伊藤は笑いながら男友達に一喝すると、今度は僕の耳元に寄せて囁いた。
「まぁもし?あの女が俺とのセックスが忘れられないってならまた抱いてやるかもな。お前の知らない所で、な?」
その言葉を聞いた瞬間。全ての痛みがなかったかのように弾き飛び、山崎は体を起こすと拳を伊藤の頬目掛けて貫く。
咄嗟の出来事に回避が遅れた伊藤は山崎の攻撃をモロに喰らい、純白でシミひとつない自慢の顔に血傷を付けた。
「て、テメェ—————ッ!殺す!!絶対殺してやる!!!」
激昂した伊藤は山崎に跨ると、両手を硬めて拳を振り下ろした。
全ての殴打を顔面一心に受けた山崎は先ほどの比にならない出血を床に撒き散らす。
「あ————やべ。おい弘樹?そろそろやめとけって!マジで死ぬって!」
男の声は奴には届かず。伊藤は目を血走らせて山崎を殴り続ける。
「ブ————べッ————バッッ!」
声にならない苦痛が山崎を襲う。
「早く謝れ山崎!!じゃねぇとお前ガチで殺されるぞ!」
余裕を持って腰をかけていた友人のうち一人が伊藤の脇の下から手を通して羽交《はが》い締めすると、山崎に謝罪を強いる。
「落ち着けって弘樹!!ほら早くしろ山崎!潔く土下座しろクソが!!」
「‥‥‥‥僕は、僕は何も悪いことはしてない。謝るのはお前の方だ、この————女を弄ぶしか脳のない家畜が!!!」
「はぁ!?お前何言って————ダメだって弘樹!!そうだ‥‥‥愛ちゃん!アンタ、弘樹の彼氏なんだからなんとか言ってやってよ!!」
必死に伊藤の動きを止めようとしている中、ウサギの方に振り向くも、彼女は毅然とした態度で食後の紅茶を嗜んでいた。
「あ、愛ちゃん?」
同じくテーブルに座る別の友人が尋ねる。
「豚が騒いでますね。お望みとあらば私がいつでも家に帰してやるというのに」
「は?何言って——————」
この修羅場の中ではとてもじゃないが場違いな発言をした彼女に対して、男たちは首をすくめた。
突然、鳴り止んでいた鈍い音が再びレストラン内に響き渡る。上半身を抑えられた伊藤はサッカー部で鍛え抜かれた足で横たわる山崎の体を踏み始めたのだ。
「———このッ!死ね!死ね!死ね!」
山崎の体の皮膚が赤みから徐々に青みへと変わっていくと、伊藤は笑いながらトドメの一撃を放とうと踵《かかと》を思い切り振り上げて頭蓋骨目掛けて落とそうとする。
「マジで洒落になんねぇよ弘樹!いい加減にしろって—————」
その瞬間。レストラン入口の扉が勢いよく開かれ、涼しい夜風が吹き込むと共に彼女は現れた。
「真也君———————ッ!」
彼女は、綾乃は横たわった僕の上に覆いかぶさると、代わって伊藤の踵下ろしを背中に受けた。
「あ、綾乃!?どうして—————」
「ごめんね真也君。ずっと、ずっと君を1人ぼっちにさせて‥‥」
叫びたい苦痛の雄叫びも、転がり回りたくなるほどの衝撃も、彼女は全てを押し殺して僕に言葉を紡いでくれた。
突然の出来事に伊藤も暴走した怒りの感情が収まり、羽交わる締めしていた友人から離れると、口角を吊り上げてその光景を嘲笑う。
「おーおー、お暑いねお二人さん。いいじゃん山崎。お前はそうやって彼女にこれからも守ってもらうんだろ?それでまた綾乃はどこの馬の骨とも知らない男に——————」
「黙れ‥‥‥伊藤‥‥弘樹」
ドアノブに手をかけて僕は立ち上がると、伊藤に罵声を浴びせた。
「今なんつった?俺に黙れって言ったのか?」
「もうやめろ弘樹!今日の目的はコイツを痛ぶることじゃねぇだろ!お前が今日いい女連れてくるから乱交しようぜって言うから俺たちは来たんだ!ここでサツ絡みのこと起こされるとかまじ勘弁だかんな!!」
額に青筋を浮かべた伊藤をなんとか鎮めようと男の1人はそう叫んだ。
「どういうことだ‥‥?それじゃあお前‥‥今日ここでウサギさんと会ってなかったら、綾乃を‥‥コイツらに?」
「ウサギ?殴られすぎて頭狂ったかよ———あぁそうさ、今日コンビニで愛ちゃんと出会ってなかったら綾乃はここにいる4人で犯すつもりだった」
頭にチリっとした痛みが走ると、僕はその場で歯を震わせていた。
「ぶっちゃけさ、乱交するっても盛り上がりに欠けると思ったんだよな。だって綾乃、お前毎回俺とヤる時アイマスクで目を隠したり、耳栓したりとよくわからんプレイばっかしてたよなぁ?最初はそう言う変態プレイが好きなのかって思ったけど、それは違ったんだな」
伊藤は僕を見て含み笑いをするて、さらに言葉を続けた。
「まぁもう終わったことだしいいけどさ。ただ忘れんなよ綾乃?これから先お前がコイツと別れてどの男と付き合おうが、初めての相手は俺だったていう過去は一生消えねぇからな!!!そんな奴をまだ彼女にするとかお前も終わってるぜ山崎!!」
不意に山崎は横たわる彼女の足を踏みつけると、綾乃の悲鳴が僕の耳を突き抜ける。咄嗟に僕は彼女を守ろうと、両手を広げて奴の全ての攻撃を身に受けた。
「処女とか、非処女とか、関係ない!僕は桜坂綾乃という1人の女性を心から愛しているんだから!!!」
目を瞑り、迫り来る拳から彼女を守るそれだけに集中する。一撃、一撃、鉛のように重い攻撃が永遠の雨のように耐えず続くと。
パチ、パチと。
僕の耳に、乾いた音が届いた。
パチ、パチ、パチ、パチ。
誰かが拍手をしている?
その不自然な音が聞こえていたのは僕だけではなかった、拳を振り上げた伊藤は体を硬直させ首だけを動かして後ろを見ていた。
身体を震わせながら僕も伊藤の背後を覗き込むと、そこにはウサギさんが慈愛の笑みを浮かべて僕を見つめていた。
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