風の王女は幻獣と復讐の夢を見る
故国を帝国に滅ぼされた、生き残りの王女・ピユラ。
唯一の供・蒼珠とともに復讐の念を抱き、旅する彼女は、偶然立ち寄った街で、幻獣使いの少女・ユリアと彼女を守る少年・透夜に出会う。
帝国にその力を狙われるユリアを助け、ともに旅をすることを約したピユラと蒼珠。その矢先、ピユラたちは、帝国による襲撃を受ける。
帝国においてもっとも力のある魔法の使い手――氷の魔法使い・莠。
白い軍衣、長い金糸の髪、淡い緑の瞳――まみえたその青年に、ピユラは確かに覚えがあった。
『ああ、お久しぶりだ。風羅の王女様。覚えていていただけたようで、光栄です。今日までご無事で、なによりですよ』
父王の命を奪い、故国を滅ぼした張本人。報復の刃を胸に挑みかかるも、圧倒的な力の差の前に翻弄されるばかりで及びも出来ない。叩きのめされたピユラは、彼の前からの撤退を余儀なくされる。
届かぬ力、足掻いても埋まらぬ絶望的な距離――無力を嘆き足掻くなか、ピユラはやがて、ユリアが操る幻獣も、過去に帝国に大切な相手を奪われ、復讐のために存在しているものだと知り……。
その復讐の行く末が、幸福なものであるように――。
唯一の供・蒼珠とともに復讐の念を抱き、旅する彼女は、偶然立ち寄った街で、幻獣使いの少女・ユリアと彼女を守る少年・透夜に出会う。
帝国にその力を狙われるユリアを助け、ともに旅をすることを約したピユラと蒼珠。その矢先、ピユラたちは、帝国による襲撃を受ける。
帝国においてもっとも力のある魔法の使い手――氷の魔法使い・莠。
白い軍衣、長い金糸の髪、淡い緑の瞳――まみえたその青年に、ピユラは確かに覚えがあった。
『ああ、お久しぶりだ。風羅の王女様。覚えていていただけたようで、光栄です。今日までご無事で、なによりですよ』
父王の命を奪い、故国を滅ぼした張本人。報復の刃を胸に挑みかかるも、圧倒的な力の差の前に翻弄されるばかりで及びも出来ない。叩きのめされたピユラは、彼の前からの撤退を余儀なくされる。
届かぬ力、足掻いても埋まらぬ絶望的な距離――無力を嘆き足掻くなか、ピユラはやがて、ユリアが操る幻獣も、過去に帝国に大切な相手を奪われ、復讐のために存在しているものだと知り……。
その復讐の行く末が、幸福なものであるように――。
序章
王女と幻獣使い
紅い魔獣
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