164 / 317
3 王子殿下の魔剣編
4-7
しおりを挟む
私はあの犬を対象にして《感知》をかける。
王族の墓所でも《感知》が出来たので、ここでも出来るはずだった。
なのに、反応がない。
私の腕が落ちたのかと思って、目の前のカスカスを対象にすると、ちゃーーーんと反応した。
念のため、ユリンナ先輩に確認をする。ユリンナ先輩も、プラエテリタの森であの犬には会っている。
「今、犬の声がしましたよね?」
と聞いてみると、はぁぁぁ?という顔をするユリンナ先輩。
そして怒涛の口撃が始まった。
「エルシア、犬の声なんてしないわよぅ! そうやって話し合いを私と団長に押し付けるつもりでしょぅ!」
「え? 本当にあの犬の声がしたんですって」
「あの犬ぅ? あの逃げちゃった犬のことぅ? あの犬がどーーーーして地下にまで入ってこれるのよぅ! そんなの絶対におかしーでしょぅ!」
「でも、本当に聞こえたんですってば」
私はユリンナ先輩に食い下がる。
「王族の墓所にも侵入してたし、魔力も感知が出来る犬なんですよ? きっと普通の犬ではないんですよ!」
魔力がある『ただの犬』の話なんて、聞いたことがない。これが『ただの犬』ではなく、魔法生物ならば話が違ってくる。
王女殿下が魔猫を召喚したように、もしかしてもしかしたら、誰かが魔犬を召喚したのかもしれないし。
「まぁ、あの犬が魔犬だとか他の魔法生物だと言うのなら、プラエテリタの森とか墓所とか、地盤の魔力溜まりに引き寄せられても、おかしくはないわねぇ」
ユリンナ先輩は口撃の勢いを弱めて、うーんと考え出した。
あの犬=魔犬説はかなり濃厚なのではないかと感じている。
問題なのは、誰が何の目的で魔犬を召喚したのか。誰かの召喚でないなら、どこからどうやってやってきたのか。
顔をつきあわせてうーんと唸る私たちの耳に、突然、叫び声が聞こえてくる。
「ウォォォォォォ」
「ヤァァァァァァ」
ガツーーーーーーン
「やるなぁ」
「そっちこそ」
ガツーーーーーーン
「ハァァァァァァ」
「トォォォォォォ」
とうとうあのカスカス、戦いを始めてしまった。
でも。
「そりゃぁぁぁぁ」
「よっしゃぁぁぁ」
ガツーーン
「なかなかだなぁ」
「そっちもなぁ」
戦いが始まったにしては、最初から勢いがない。
剣を持つ手もすでに震えていて、剣先はガクガク。振り上げたり振り下ろしたりする軌道はヘロヘロ。
ほんの数分、切り結んだだけで、こんなに体力って削がれるものだっけ?
普段は第三騎士団の騎士しか目にする機会がないし、たまに合流する後援家門の騎士は体力バカが多くて参考にならないし。
「もしや、呪いの魔剣?」
私は最悪の事態を想定する。
世の中には、呪いの魔導具というものが存在するけど、大抵は誰かを陥れようとして作られたもの。
中には、魔導具そのものが、何かに対する恨み辛み憎しみなどの悪感情をこじらせて、呪いの魔導具に変化することもあるんだとか。
どちらのタイプも学院の講義で話を聞いただけなので、実物には出会ったことはない。
後者のタイプも、やはり魔導具の精霊の一種になるんだろう。悲しい誕生の仕方だと思う。
カスカスの持つ魔剣は、セラフィアスの見立てからも剣精はいないようなので、前者か。
「もしかして、王族の命を狙った陰謀で呪いの魔剣があったとか?」
悪い想像がどんどん進む。
突然、ぽんと肩を叩かれた。
「そんなものが王族の地下墓地に眠っていたら、それこそ一大事だろう?」
カスカスをつぶさに観察していたヴァンフェルム団長の疲れた声。
「あの二人をよく見るんだ」
団長が指差す先は、やっぱりヘロヘロな二人しかいない。
「あれは普通に、基礎訓練不足だ」
「え? 嘘?」
魔剣を欲しがっていたのに?
剣を持っただけで、あんなにヘロヘロってある?
「残念だけどなぁ」
と心底、残念そうに言う団長。
「剣の腕もないし厳しい修行も嫌だから、強力な武器で見つけて、どうにかしようと思っちゃったパターンね!」
「残念だけどなぁ」
繰り返すヴァンフェルム団長の表情がすべてを物語っていた。
「まだまだぁ」
「行くぞぉぉぉ」
ガツン
「「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ」」
「もうこのまま、体力が尽きるまで放置しておいたらいいんじゃないですか?」
「いやまぁ、そうもいかないだろう」
「どっちももう少しで、おもしろいことになるわよぅ!」
「おもしろいことになっても困るんだけどなぁ」
困った顔になるヴァンフェルム団長。
しかし、ユリンナ先輩の予想を裏切るように、カスカスはヘロヘロしながらも戦いを続けている。
あぁ。そうか。けっきょく、あの魔剣はちゃんと魔剣だったのか。私は二人の動きと魔力の様子を見て確信する。
けっきょく、魔剣を持った二人をどうにも出来ないまま、ずるずると戦いは続いていった。
「その動き、魔剣の、おかげだ、ろう?」
「そっちこそ、その威力、魔剣の力、だろう?」
そしてとうとう、魔剣を杖代わりにしてフラフラ立っている状況になった。
もはや、魔剣を持って戦う動きはない。
喋りも切れ切れだし、喋り以外では、ぜいぜい、はぁはぁ、浅く早い呼吸音しか聞こえない。
「あの二人、あんなこと言ってるけど?」
ヴァンフェルム団長が魔術師の私たちを見た。
そのヴァンフェルム団長の視線を受け止めて、ユリンナ先輩が肘で私をつつく。
うん、私が解説しろってことね。
「魔法の剣、魔導具の剣、という意味では魔剣ですね」
「威力や効果は?」
「一般的な魔剣と変わりないです」
「いや、私は魔剣士ではないから、一般的な魔剣と言われても分からないんだが」
ヴァンフェルム団長は赤茶髪に赤眼を持つ。
魔剣士や魔導騎士としての適正があってもおかしくないのに、普通に騎士として剣を振るう方が身体にあっているらしい。
そんな団長に私は丁寧に説明をした。
「魔法の杖も魔法の剣も、魔法を使うための杖、魔法を使うための剣なんですよ」
「待った。ルベラス君、魔剣は魔法を使うための剣なのかい? 剣ではなくて?」
「私の杖が打撃武器であるのと同じです」
私は私の杖をずずいと、団長の目の前に差し出した。
セラフィアスは今も、灯りの役割を忠実にこなしている。拍手をしてくれるユリンナ先輩。
「それは、そうなのかなぁ?」
団長の語尾はなぜか疑問系だ。
私は先を続ける。
「魔剣は、剣としての機能を持つ魔導具です。
魔剣士が使う魔法は、剣の威力を増したり、動きを速めたりする補助魔法、剣に雷撃やら炎撃などの能力を付加する付与魔法が主流。
その魔法を魔剣を使って発動させているだけなんで。魔剣が魔法を使うわけではありません」
「中には、魔剣を使うと、動きが良くなる、力が強くなると思ってる人たちがいるけどねぇ」
ユリンナ先輩が「顔は良いのに、頭の中身がねぇ」と残念そうにつぶやいた。
「発動しやすくはなるでしょうけど。魔法の種類や威力は本人の性能次第ですよ」
「ルベラス君の言い方だと、魔剣で魔術師のような攻撃魔法も使えるような気がするんだが」
団長が良いところに気がついてくれた。
「主が魔術師なら使えますよ。あと魔導騎士も。例えば、三聖のスローナスは厳密にいうと『剣型』じゃないですか」
「いや、それ、初耳なんだけどなぁ」
「まさかそれも極秘事項?!」
完全に動きも喋りも止まったカスカスに注意を向けながらも、話を進める。
「で、結論から言うと。あの二人が持っているのは魔剣で、威力が増していたり、スピードが上がっているのは、あの二人の魔法の能力ってところですね」
「なるほど」
「回復魔法も少しばかり使えるみたいよねぇ。おかげで、いつまで経ってもおもしろいことにならないわぁ!」
明後日の方向に怒り出すユリンナ先輩を押しとどめて、ヴァンフェルム団長は話をまとめた。
「てことは、あの二人は魔剣の主になったということか」
うん、そこが一番の問題なんだよなぁ。
王族の墓所でも《感知》が出来たので、ここでも出来るはずだった。
なのに、反応がない。
私の腕が落ちたのかと思って、目の前のカスカスを対象にすると、ちゃーーーんと反応した。
念のため、ユリンナ先輩に確認をする。ユリンナ先輩も、プラエテリタの森であの犬には会っている。
「今、犬の声がしましたよね?」
と聞いてみると、はぁぁぁ?という顔をするユリンナ先輩。
そして怒涛の口撃が始まった。
「エルシア、犬の声なんてしないわよぅ! そうやって話し合いを私と団長に押し付けるつもりでしょぅ!」
「え? 本当にあの犬の声がしたんですって」
「あの犬ぅ? あの逃げちゃった犬のことぅ? あの犬がどーーーーして地下にまで入ってこれるのよぅ! そんなの絶対におかしーでしょぅ!」
「でも、本当に聞こえたんですってば」
私はユリンナ先輩に食い下がる。
「王族の墓所にも侵入してたし、魔力も感知が出来る犬なんですよ? きっと普通の犬ではないんですよ!」
魔力がある『ただの犬』の話なんて、聞いたことがない。これが『ただの犬』ではなく、魔法生物ならば話が違ってくる。
王女殿下が魔猫を召喚したように、もしかしてもしかしたら、誰かが魔犬を召喚したのかもしれないし。
「まぁ、あの犬が魔犬だとか他の魔法生物だと言うのなら、プラエテリタの森とか墓所とか、地盤の魔力溜まりに引き寄せられても、おかしくはないわねぇ」
ユリンナ先輩は口撃の勢いを弱めて、うーんと考え出した。
あの犬=魔犬説はかなり濃厚なのではないかと感じている。
問題なのは、誰が何の目的で魔犬を召喚したのか。誰かの召喚でないなら、どこからどうやってやってきたのか。
顔をつきあわせてうーんと唸る私たちの耳に、突然、叫び声が聞こえてくる。
「ウォォォォォォ」
「ヤァァァァァァ」
ガツーーーーーーン
「やるなぁ」
「そっちこそ」
ガツーーーーーーン
「ハァァァァァァ」
「トォォォォォォ」
とうとうあのカスカス、戦いを始めてしまった。
でも。
「そりゃぁぁぁぁ」
「よっしゃぁぁぁ」
ガツーーン
「なかなかだなぁ」
「そっちもなぁ」
戦いが始まったにしては、最初から勢いがない。
剣を持つ手もすでに震えていて、剣先はガクガク。振り上げたり振り下ろしたりする軌道はヘロヘロ。
ほんの数分、切り結んだだけで、こんなに体力って削がれるものだっけ?
普段は第三騎士団の騎士しか目にする機会がないし、たまに合流する後援家門の騎士は体力バカが多くて参考にならないし。
「もしや、呪いの魔剣?」
私は最悪の事態を想定する。
世の中には、呪いの魔導具というものが存在するけど、大抵は誰かを陥れようとして作られたもの。
中には、魔導具そのものが、何かに対する恨み辛み憎しみなどの悪感情をこじらせて、呪いの魔導具に変化することもあるんだとか。
どちらのタイプも学院の講義で話を聞いただけなので、実物には出会ったことはない。
後者のタイプも、やはり魔導具の精霊の一種になるんだろう。悲しい誕生の仕方だと思う。
カスカスの持つ魔剣は、セラフィアスの見立てからも剣精はいないようなので、前者か。
「もしかして、王族の命を狙った陰謀で呪いの魔剣があったとか?」
悪い想像がどんどん進む。
突然、ぽんと肩を叩かれた。
「そんなものが王族の地下墓地に眠っていたら、それこそ一大事だろう?」
カスカスをつぶさに観察していたヴァンフェルム団長の疲れた声。
「あの二人をよく見るんだ」
団長が指差す先は、やっぱりヘロヘロな二人しかいない。
「あれは普通に、基礎訓練不足だ」
「え? 嘘?」
魔剣を欲しがっていたのに?
剣を持っただけで、あんなにヘロヘロってある?
「残念だけどなぁ」
と心底、残念そうに言う団長。
「剣の腕もないし厳しい修行も嫌だから、強力な武器で見つけて、どうにかしようと思っちゃったパターンね!」
「残念だけどなぁ」
繰り返すヴァンフェルム団長の表情がすべてを物語っていた。
「まだまだぁ」
「行くぞぉぉぉ」
ガツン
「「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ」」
「もうこのまま、体力が尽きるまで放置しておいたらいいんじゃないですか?」
「いやまぁ、そうもいかないだろう」
「どっちももう少しで、おもしろいことになるわよぅ!」
「おもしろいことになっても困るんだけどなぁ」
困った顔になるヴァンフェルム団長。
しかし、ユリンナ先輩の予想を裏切るように、カスカスはヘロヘロしながらも戦いを続けている。
あぁ。そうか。けっきょく、あの魔剣はちゃんと魔剣だったのか。私は二人の動きと魔力の様子を見て確信する。
けっきょく、魔剣を持った二人をどうにも出来ないまま、ずるずると戦いは続いていった。
「その動き、魔剣の、おかげだ、ろう?」
「そっちこそ、その威力、魔剣の力、だろう?」
そしてとうとう、魔剣を杖代わりにしてフラフラ立っている状況になった。
もはや、魔剣を持って戦う動きはない。
喋りも切れ切れだし、喋り以外では、ぜいぜい、はぁはぁ、浅く早い呼吸音しか聞こえない。
「あの二人、あんなこと言ってるけど?」
ヴァンフェルム団長が魔術師の私たちを見た。
そのヴァンフェルム団長の視線を受け止めて、ユリンナ先輩が肘で私をつつく。
うん、私が解説しろってことね。
「魔法の剣、魔導具の剣、という意味では魔剣ですね」
「威力や効果は?」
「一般的な魔剣と変わりないです」
「いや、私は魔剣士ではないから、一般的な魔剣と言われても分からないんだが」
ヴァンフェルム団長は赤茶髪に赤眼を持つ。
魔剣士や魔導騎士としての適正があってもおかしくないのに、普通に騎士として剣を振るう方が身体にあっているらしい。
そんな団長に私は丁寧に説明をした。
「魔法の杖も魔法の剣も、魔法を使うための杖、魔法を使うための剣なんですよ」
「待った。ルベラス君、魔剣は魔法を使うための剣なのかい? 剣ではなくて?」
「私の杖が打撃武器であるのと同じです」
私は私の杖をずずいと、団長の目の前に差し出した。
セラフィアスは今も、灯りの役割を忠実にこなしている。拍手をしてくれるユリンナ先輩。
「それは、そうなのかなぁ?」
団長の語尾はなぜか疑問系だ。
私は先を続ける。
「魔剣は、剣としての機能を持つ魔導具です。
魔剣士が使う魔法は、剣の威力を増したり、動きを速めたりする補助魔法、剣に雷撃やら炎撃などの能力を付加する付与魔法が主流。
その魔法を魔剣を使って発動させているだけなんで。魔剣が魔法を使うわけではありません」
「中には、魔剣を使うと、動きが良くなる、力が強くなると思ってる人たちがいるけどねぇ」
ユリンナ先輩が「顔は良いのに、頭の中身がねぇ」と残念そうにつぶやいた。
「発動しやすくはなるでしょうけど。魔法の種類や威力は本人の性能次第ですよ」
「ルベラス君の言い方だと、魔剣で魔術師のような攻撃魔法も使えるような気がするんだが」
団長が良いところに気がついてくれた。
「主が魔術師なら使えますよ。あと魔導騎士も。例えば、三聖のスローナスは厳密にいうと『剣型』じゃないですか」
「いや、それ、初耳なんだけどなぁ」
「まさかそれも極秘事項?!」
完全に動きも喋りも止まったカスカスに注意を向けながらも、話を進める。
「で、結論から言うと。あの二人が持っているのは魔剣で、威力が増していたり、スピードが上がっているのは、あの二人の魔法の能力ってところですね」
「なるほど」
「回復魔法も少しばかり使えるみたいよねぇ。おかげで、いつまで経ってもおもしろいことにならないわぁ!」
明後日の方向に怒り出すユリンナ先輩を押しとどめて、ヴァンフェルム団長は話をまとめた。
「てことは、あの二人は魔剣の主になったということか」
うん、そこが一番の問題なんだよなぁ。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説

誰でもイイけど、お前は無いわw
猫枕
恋愛
ラウラ25歳。真面目に勉強や仕事に取り組んでいたら、いつの間にか嫁き遅れになっていた。
同い年の幼馴染みランディーとは昔から犬猿の仲なのだが、ランディーの母に拝み倒されて見合いをすることに。
見合いの場でランディーは予想通りの失礼な発言を連発した挙げ句、
「結婚相手に夢なんて持ってないけど、いくら誰でも良いったってオマエは無いわww」
と言われてしまう。

超絶美形騎士は塩対応の婚約者を一途に病的に純粋に愛す
月冴桃桜
恋愛
「あんなに美しくて美形な騎士様を婚約者にできるなんて、一体どんな狡い手を使ったのでしょうね?」
醜い嫉妬の顔をした令嬢たちが、とある伯爵令嬢を問い詰めていた。
普通ならばそんなことを言われれば、何らかの反応を示すだろうが、彼女はそうではなかった。
「はて?」と、何を言われているのかわからないという顔をしている。
勿論、貴族特有の仮面で感情を隠している訳でもなくて、本当に意味がわかっていない様子。
だからこそ、嫌みの言葉も何も通じないことに令嬢たちは、どうにかして傷付けてやろうと次の言葉を探す。
「あの方にお似合いになるのは、この国で最も高貴な存在である華麗な王女様しかいませんわ」
「そうですわ! あの方と似合っているのは、気高く美しい王女様しかいませんわ!」
ここ最近、社交界で囁かれている噂だ。
そう、婚約者様が王女様の護衛騎士になってから広がった噂と噂。
それでも、我関せずな顔な私を、
それでも、嫉妬心醜い令嬢たちから救い出してくれるは……
勿論、私の美しき婚約者様。
現実を見て欲しいと言いたいのは、私の方だ。
この男がどうやったら、私の元を離れてくれるのかなんて、こっちが聞きたいくらい。
溺愛面倒、婚約破棄希望に拒絶反応。
はあ。やれやれと。
今日も婚約者と言う存在に疲れてしまうのだった。

【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。

【完結】母になります。
たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。
この子、わたしの子供なの?
旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら?
ふふっ、でも、可愛いわよね?
わたしとお友達にならない?
事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。
ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ!
だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。
お前など家族ではない!と叩き出されましたが、家族になってくれという奇特な騎士に拾われました
蒼衣翼
恋愛
アイメリアは今年十五歳になる少女だ。
家族に虐げられて召使いのように働かされて育ったアイメリアは、ある日突然、父親であった存在に「お前など家族ではない!」と追い出されてしまう。
アイメリアは養子であり、家族とは血の繋がりはなかったのだ。
閉じ込められたまま外を知らずに育ったアイメリアは窮地に陥るが、救ってくれた騎士の身の回りの世話をする仕事を得る。
養父母と義姉が自らの企みによって窮地に陥り、落ちぶれていく一方で、アイメリアはその秘められた才能を開花させ、救い主の騎士と心を通わせ、自らの居場所を作っていくのだった。
※小説家になろうさま・カクヨムさまにも掲載しています。
【完結】きみの騎士
*
恋愛
村で出逢った貴族の男の子ルフィスを守るために男装して騎士になった平民の女の子が、おひめさまにきゃあきゃあ言われたり、男装がばれて王太子に抱きしめられたり、当て馬で舞踏会に出たりしながら、ずっとすきだったルフィスとしあわせになるお話です。

俺の婚約者が可愛すぎる件について ~第三王子は今日も、愚かな自分を殴りたい~
salt
恋愛
ぐらりと視界が揺れて、トラヴィス・リオブライド・ランフォールドは頭を抱えた。
刹那、脳髄が弾けるような感覚が全身を襲い、何かを思い出したようなそんな錯覚に陥ったトラヴィスの目の前にいたのは婚約したばかりの婚約者、フェリコット=ルルーシェ・フォルケイン公爵令嬢だった。
「トラ……ヴィス、でんか…っ…」
と、名前を呼んでくれた直後、狂ったように泣きだしたフェリコットはどうやら時戻りの記憶があるようで……?
ライバルは婚約者を傷つけまくった時戻り前の俺(八つ裂きにしたい)という話。
或いは性根がダメな奴は何度繰り返してもダメという真理。
元サヤに見せかけた何か。
*ヒロインターンは鬱展開ですので注意。
*pixiv・なろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる