160 / 238
3 王子殿下の魔剣編
4-3
しおりを挟む
「そーれーでー。フェルム一族を追い出せたのはいいんだけどぅ」
ユリンナ先輩が私の左側から不満の声をあげる。
「また、侵入者なんですか?」
「どうやら、そうらしいなぁ」
私は右隣にいるヴァンフェルム団長に質問すると、なんとも曖昧な言葉が返ってくるだけ。
まぁ、団長のこの言い方は今に始まったことではないから、イライラしても仕方がない。
「そーれーでー。なーーーんで、私たちが呼び出されてるのよぅ?」
またもや、私の左側から不満の声があがる。
「ユリンナ先輩。私じゃなくて、ヴァンフェルム団長に言ってください。直接」
「直接、言えないから、エルシアに言ってるんじゃないのよぅ」
気持ちは分かるけど、団長は私のすぐ右側にいる。どう間違っても、聞こえてないはずがないのだ。
そんな団長は私の右側で、ハハハと微妙な笑い声をあげていた。
カイエン卿が改まって私にパートナーの申し込みをしようとした、まさにその瞬間。
タイミングを見計らったようにして、パシアヌス様の執務室に入ってきたのは、ヴァンフェルム団長。
最重要事項の通達があるから、と言って魔術師以外を全員、追い出したのだ。
近衛であるカイエン卿も、同じ第三のフェリクス副隊長もクラウドも、ひとまとめにされ同時に追い出される。
おかげで、押し掛けてきたフェルムを全員追い払えたんだけど。
その代わりに、ヴァンフェルム団長が持ってきたのは、フェルムよりも面倒くさそうな案件だったのだ。
だからこそ、私が呼ばれたんだろうけどね。
呼ばれる身に覚えのある私はともかく、身に覚えのないユリンナ先輩は機嫌がすっかり斜めってしまっている。
そんなユリンナ先輩も引き連れて、私がやってきたのは、今はちょうど休止中になっているこの場所。
「ここですね」
「ここって、『三聖の展示室』だよなぁ?」
「エルシア、ここでいいの? なんか間違ってない?」
「間違ってないです」
そう。第三騎士団なら誰しも一度は案内係か警備を担当することになる、『三聖の展示室』。
「本当に? 侵入者の報告があったのは王族の地下墓地なんだけどなぁ?」
「エルシア、なんか勘違いしたりしてない?」
「してませんよ。ここでいいんです」
納得していない顔の二人を強引に言いくるめると、私は歩みを再開させた。
「今度は『王族の地下墓地』に侵入者があったんですよね?」
歩きながら、ヴァンフェルム団長に確認を取ると、団長は黙って頷いた。
王族の地下墓地は、この前、カスカスの二人が侵入した『王族の墓所』の真下に広がる隠された場所だ。
王族の墓所も自由に出入り出来ない場所なので、ある意味、隠された場所ではあるけど。地下墓地は存在自体が公表されていない。非常にややこしい場所。
まず一番のややこしさは、地下墓地への入り方だろう。
「こちらです」
私は三聖の展示室の外側の建物の、入り口の前に立った。
訳の分からない顔をしている二人をその場に残して、私は入り口の石の床までトコトコと歩く。
「《セラフィアス》」
一言つぶやくと、私の手には黒くて細長い棒のような杖が現れた。
私の身長よりやや長い。片手でぎゅっと握るのにちょうどいい太さ。
黒い部分の材質は不明だが、ひんやりしていて握り心地はとてもいい。
両端は黒みがかった魔銀のような硬い材質の物があしらわれていて、側面は黒みがかった魔銀のような物と魔金のような物を使い、上下に二列、不思議な模様が描かれていた。
そして、先端の方には、私の瞳の色と同じような色をした石がはめ込まれている。
私が手にした杖を見て「あれ?」という顔をする二人。
入り口でモタモタしてられないので、とりあえず、二人の表情は無視。
私は手にした杖の下端で、石の床をコツンと打つ。とたんに、バッと魔法陣が広がり、石の床が消えた。
「ここって、なんだ?」
近寄ってきた団長が消えた床の部分を覗く。ユリンナ先輩もいっしょだ。
「地下への階段だなんて、こんな怪しいところがここにあったのぅ?」
覗き込む二人の目には、地下に伸びる階段が映っている。
もちろん、地下に続くこの入り口は普通は開かない。開くことが出来るのは三聖の三人だけ。
三聖の展示室にどうして地下があるのかは、おいおい説明するとして、人目につかないうちにさっさと降りてしまおう。
「足元、気をつけてください。暗いので」
「んんん? いきなり降りるのかい?」
地下だろう? 地下墓地だろう? 地下に降りなくてどうするよ、団長。
「えぇっ?! 私も降りる前提?!」
そうでしょう、そうでしょう、当然でしょう。何のために呼び出されたと思ってるのよ、巻き込まれるためでしょうに。
「ただの『地下迷宮』ですよ」
と言って、一気に二人を放り込んだ。
悲鳴も上げず落ちてく二人。うん、よしよし。私は静かに入り口を塞ぐと、二人の後を追った。
ここは由緒正しい曰く付きの『地下迷宮』。下まで行き着くと完全に外光がない。
あるのはところどころ、ぼぁっと発光するヒカリゴケだけ。
降りたところは広い空間になっていて、落ちた二人は文句も言わずに、ただ、ぼーーっと辺りを眺めていた。よしよし。
私は自分の杖をいつもの姿に変える。
黄色い旗がついた棒のような、かわいらしい見てくれ。
長さ的には騎士の剣より少し短いくらいで、殴るのに振り回しやすい長さになっている。
私はいつもの姿の杖を一振り。
すると、あら、不思議。旗の部分だけが明るく輝きだした。これで灯りの心配はないだろう。
「エルシアの杖って、いったいどうなってるのぅ?」
光に気づいたユリンナ先輩が、目をパチパチさせて輝く旗を見つめる。
「私のセラフィアスは高機能なんです」
どうだとばかりに自慢する私。
自分の杖が誉められるのって、なんて、気持ちがいいんだろう。
セラフィアスは《いやいや、誉められてるんじゃなくて、ビビられてるんだと思うぞ、主》と、謙遜している。
私の杖は、なんて慎み深いんだろうか。
「いやいや。高機能とかいうレベルではないよなぁ? 化け物レベルだろう?」
そんな私の杖を化け物扱いする人のことは放っておいて、とにかく、目的は『地下墓地』だ。
「もしかして、王族の地下墓地とこの地下迷宮は繋がっている、とか?」
「半分、正解です」
「んんん? どういうことかなぁ?」
「たまに繋がる時があるんです」
「えぇっ?! 満月の夜とか?!」
「ぜんぜん違います」
私は輝く旗を片手に持って、二人をある場所に誘った。
とは言っても、ちょこちょこと歩いてすぐのところ。
「魔法陣、かなぁ?」
「転送魔法陣だわぁ。しかもかなり古い」
「もしかして、これを動かすのかなぁ?」
「そうです」
私は間髪入れずに、魔法陣を発動させた。
ガコン
「ううううう動いたの? 音は大きかったが動いてはないよねぇ?」
見た感じはさきほどとまったく変わらない視界に、ユリンナ先輩が動揺し始める。
「動きましたよ」
転送魔法は成功だった。
地下迷宮のあちこちに設置されてる転送魔法陣。
その一つから別の一つへと移動したんだけれど、見た感じがまったく変わらないようにしているのは故意。
三聖以外が、地下迷宮の構造を把握できないようにしているため。
「えぇっ? 何がどうやって?」
「さぁ、どんどん行きますよ」
首を捻りまくるユリンナ先輩を促し、先に進む。
なぜなら。
転送はこれで終わりではなく、ほんの始まりにすぎなかったから。
ユリンナ先輩が私の左側から不満の声をあげる。
「また、侵入者なんですか?」
「どうやら、そうらしいなぁ」
私は右隣にいるヴァンフェルム団長に質問すると、なんとも曖昧な言葉が返ってくるだけ。
まぁ、団長のこの言い方は今に始まったことではないから、イライラしても仕方がない。
「そーれーでー。なーーーんで、私たちが呼び出されてるのよぅ?」
またもや、私の左側から不満の声があがる。
「ユリンナ先輩。私じゃなくて、ヴァンフェルム団長に言ってください。直接」
「直接、言えないから、エルシアに言ってるんじゃないのよぅ」
気持ちは分かるけど、団長は私のすぐ右側にいる。どう間違っても、聞こえてないはずがないのだ。
そんな団長は私の右側で、ハハハと微妙な笑い声をあげていた。
カイエン卿が改まって私にパートナーの申し込みをしようとした、まさにその瞬間。
タイミングを見計らったようにして、パシアヌス様の執務室に入ってきたのは、ヴァンフェルム団長。
最重要事項の通達があるから、と言って魔術師以外を全員、追い出したのだ。
近衛であるカイエン卿も、同じ第三のフェリクス副隊長もクラウドも、ひとまとめにされ同時に追い出される。
おかげで、押し掛けてきたフェルムを全員追い払えたんだけど。
その代わりに、ヴァンフェルム団長が持ってきたのは、フェルムよりも面倒くさそうな案件だったのだ。
だからこそ、私が呼ばれたんだろうけどね。
呼ばれる身に覚えのある私はともかく、身に覚えのないユリンナ先輩は機嫌がすっかり斜めってしまっている。
そんなユリンナ先輩も引き連れて、私がやってきたのは、今はちょうど休止中になっているこの場所。
「ここですね」
「ここって、『三聖の展示室』だよなぁ?」
「エルシア、ここでいいの? なんか間違ってない?」
「間違ってないです」
そう。第三騎士団なら誰しも一度は案内係か警備を担当することになる、『三聖の展示室』。
「本当に? 侵入者の報告があったのは王族の地下墓地なんだけどなぁ?」
「エルシア、なんか勘違いしたりしてない?」
「してませんよ。ここでいいんです」
納得していない顔の二人を強引に言いくるめると、私は歩みを再開させた。
「今度は『王族の地下墓地』に侵入者があったんですよね?」
歩きながら、ヴァンフェルム団長に確認を取ると、団長は黙って頷いた。
王族の地下墓地は、この前、カスカスの二人が侵入した『王族の墓所』の真下に広がる隠された場所だ。
王族の墓所も自由に出入り出来ない場所なので、ある意味、隠された場所ではあるけど。地下墓地は存在自体が公表されていない。非常にややこしい場所。
まず一番のややこしさは、地下墓地への入り方だろう。
「こちらです」
私は三聖の展示室の外側の建物の、入り口の前に立った。
訳の分からない顔をしている二人をその場に残して、私は入り口の石の床までトコトコと歩く。
「《セラフィアス》」
一言つぶやくと、私の手には黒くて細長い棒のような杖が現れた。
私の身長よりやや長い。片手でぎゅっと握るのにちょうどいい太さ。
黒い部分の材質は不明だが、ひんやりしていて握り心地はとてもいい。
両端は黒みがかった魔銀のような硬い材質の物があしらわれていて、側面は黒みがかった魔銀のような物と魔金のような物を使い、上下に二列、不思議な模様が描かれていた。
そして、先端の方には、私の瞳の色と同じような色をした石がはめ込まれている。
私が手にした杖を見て「あれ?」という顔をする二人。
入り口でモタモタしてられないので、とりあえず、二人の表情は無視。
私は手にした杖の下端で、石の床をコツンと打つ。とたんに、バッと魔法陣が広がり、石の床が消えた。
「ここって、なんだ?」
近寄ってきた団長が消えた床の部分を覗く。ユリンナ先輩もいっしょだ。
「地下への階段だなんて、こんな怪しいところがここにあったのぅ?」
覗き込む二人の目には、地下に伸びる階段が映っている。
もちろん、地下に続くこの入り口は普通は開かない。開くことが出来るのは三聖の三人だけ。
三聖の展示室にどうして地下があるのかは、おいおい説明するとして、人目につかないうちにさっさと降りてしまおう。
「足元、気をつけてください。暗いので」
「んんん? いきなり降りるのかい?」
地下だろう? 地下墓地だろう? 地下に降りなくてどうするよ、団長。
「えぇっ?! 私も降りる前提?!」
そうでしょう、そうでしょう、当然でしょう。何のために呼び出されたと思ってるのよ、巻き込まれるためでしょうに。
「ただの『地下迷宮』ですよ」
と言って、一気に二人を放り込んだ。
悲鳴も上げず落ちてく二人。うん、よしよし。私は静かに入り口を塞ぐと、二人の後を追った。
ここは由緒正しい曰く付きの『地下迷宮』。下まで行き着くと完全に外光がない。
あるのはところどころ、ぼぁっと発光するヒカリゴケだけ。
降りたところは広い空間になっていて、落ちた二人は文句も言わずに、ただ、ぼーーっと辺りを眺めていた。よしよし。
私は自分の杖をいつもの姿に変える。
黄色い旗がついた棒のような、かわいらしい見てくれ。
長さ的には騎士の剣より少し短いくらいで、殴るのに振り回しやすい長さになっている。
私はいつもの姿の杖を一振り。
すると、あら、不思議。旗の部分だけが明るく輝きだした。これで灯りの心配はないだろう。
「エルシアの杖って、いったいどうなってるのぅ?」
光に気づいたユリンナ先輩が、目をパチパチさせて輝く旗を見つめる。
「私のセラフィアスは高機能なんです」
どうだとばかりに自慢する私。
自分の杖が誉められるのって、なんて、気持ちがいいんだろう。
セラフィアスは《いやいや、誉められてるんじゃなくて、ビビられてるんだと思うぞ、主》と、謙遜している。
私の杖は、なんて慎み深いんだろうか。
「いやいや。高機能とかいうレベルではないよなぁ? 化け物レベルだろう?」
そんな私の杖を化け物扱いする人のことは放っておいて、とにかく、目的は『地下墓地』だ。
「もしかして、王族の地下墓地とこの地下迷宮は繋がっている、とか?」
「半分、正解です」
「んんん? どういうことかなぁ?」
「たまに繋がる時があるんです」
「えぇっ?! 満月の夜とか?!」
「ぜんぜん違います」
私は輝く旗を片手に持って、二人をある場所に誘った。
とは言っても、ちょこちょこと歩いてすぐのところ。
「魔法陣、かなぁ?」
「転送魔法陣だわぁ。しかもかなり古い」
「もしかして、これを動かすのかなぁ?」
「そうです」
私は間髪入れずに、魔法陣を発動させた。
ガコン
「ううううう動いたの? 音は大きかったが動いてはないよねぇ?」
見た感じはさきほどとまったく変わらない視界に、ユリンナ先輩が動揺し始める。
「動きましたよ」
転送魔法は成功だった。
地下迷宮のあちこちに設置されてる転送魔法陣。
その一つから別の一つへと移動したんだけれど、見た感じがまったく変わらないようにしているのは故意。
三聖以外が、地下迷宮の構造を把握できないようにしているため。
「えぇっ? 何がどうやって?」
「さぁ、どんどん行きますよ」
首を捻りまくるユリンナ先輩を促し、先に進む。
なぜなら。
転送はこれで終わりではなく、ほんの始まりにすぎなかったから。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
王太子殿下の想い人が騎士団長だと知った私は、張り切って王太子殿下と婚約することにしました!
奏音 美都
恋愛
ソリティア男爵令嬢である私、イリアは舞踏会場を離れてバルコニーで涼んでいると、そこに王太子殿下の逢引き現場を目撃してしまいました。
そのお相手は……ロワール騎士団長様でした。
あぁ、なんてことでしょう……
こんな、こんなのって……尊すぎますわ!!
悪妃の愛娘
りーさん
恋愛
私の名前はリリー。五歳のかわいい盛りの王女である。私は、前世の記憶を持っていて、父子家庭で育ったからか、母親には特別な思いがあった。
その心残りからか、転生を果たした私は、母親の王妃にそれはもう可愛がられている。
そんなある日、そんな母が父である国王に怒鳴られていて、泣いているのを見たときに、私は誓った。私がお母さまを幸せにして見せると!
いろいろ調べてみると、母親が悪妃と呼ばれていたり、腹違いの弟妹がひどい扱いを受けていたりと、お城は問題だらけ!
こうなったら、私が全部解決してみせるといろいろやっていたら、なんでか父親に構われだした。
あんたなんてどうでもいいからほっといてくれ!
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
取り巻き令嬢Aは覚醒いたしましたので
モンドール
恋愛
揶揄うような微笑みで少女を見つめる貴公子。それに向き合うのは、可憐さの中に少々気の強さを秘めた美少女。
貴公子の周りに集う取り巻きの令嬢たち。
──まるでロマンス小説のワンシーンのようだわ。
……え、もしかして、わたくしはかませ犬にもなれない取り巻き!?
公爵令嬢アリシアは、初恋の人の取り巻きA卒業を決意した。
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる