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3 王子殿下の魔剣編
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私とクラウドが話し込んでいる間、カス王子たちは、三聖の部屋の入り口辺りを念入りに調べていた。
三聖の部屋の警備も、隣の五強の部屋の警備も、静かにカス王子の動向を見守っている。
緊急事態だということで、すでに第三騎士団と王太子殿下に連絡済みのよう。第三騎士団の騎士たちに動揺はなかった。
私とクラウドがコソコソ会話していただけなのに、どうして連絡済みだとか分かるのかというと。
私と会話をしながら、クラウドが手を動かしていたから。
騎士団では会話が出来ないとき、少し離れたところとやり取りするときを想定して、手の動きや身体の動きで簡単な連絡を取れるよう、いくつかサインが決められている。
クラウドはただ私の前に立ちふさがっていただけでなく、五強の部屋の警備と手の動きでやり取りをして、状況を確認していたと。
さてさて、私たちがまだ三聖の部屋に陣取っているせいなのか、カス王子たちは入り口側の壁を念入りに調べている。
三聖の部屋は今、三十人もの研修生でいっぱいなので、部屋全体を調べるには一度、全員を外に出すようかも。
でないと、細かく調べるどころか、身動き取れなくなりそうだ。
調べている側は、カス王子以外に護衛騎士が四人、魔術師が一人、侍従が一人。
「魔剣探索だからって、ここに、魔術師を連れてきちゃったのか」
私はクラウドの背中越しに様子を見ながら、誰ともなくつぶやいた。
「魔剣探索だからだろ? 何か問題でもあるのか?」
クラウドが私をチラッと見た。
「だってここ。魔法は使えないし、魔力探知も出来ないんだよ?」
そう。三聖の展示室は通常の魔術師では魔法を発動させられない。
そのうえ、三聖の展示室は地盤の魔力の魔力溜まりになっている場所なので、あらゆる魔力が入り乱れている。
同様に、通常の魔術師では魔力探知は出来ないのだ。
「あ」
「魔術師いても何も出来ないでしょ?」
「そうだったな」
頭に手をやるクラウド。ふと、動きが止まる。
「なんで、エルシアはここで魔法が使えたり、魔力探知が出来るんだ? その、特殊だからか?」
「魔法が使えるのは、単純に魔力量が多くて魔力強度が強いから。魔力探知は得意分野になるから、場所に関係なく使える」
「あぁ、だから。ここの仕事は、エルシアが適任だと言われるのか」
最後のつぶやきは、私に向けてではなく独り言のようだった。
「ところで君たち。見学会はもう終わりだろう?」
一通り、入り口周辺を見て回ったカス王子が、クラウドに話しかけてきた。
「そろそろ、出ていったらどうだい?」
まぁ。そろそろ研修生は外に出して解散させた方がいいかも。
私がクラウドに話しかけようとする前に、クラウドがさらに私の前に出て、話しかけるタイミングを逃す。
「そのことなんですが。今日はどうして魔剣を探しに『三聖の展示室』に? 剣の形をしてはいますが、三聖は魔剣ではなく魔法の杖だと聞いています」
返事をする振りをして、首を傾げながら質問を返すクラウド。
私はちょこちょこと歩いてクラウドの隣に並んだ。
まぁ、スローナスは厳密に言えば杖じゃなくて剣。魔剣ではあるけど、今の主は魔術師であり騎士でもあるので、杖剣両用で使われている。
そんな事情を知らないクラウドが、誤解するのは仕方ないと思う。
クラウドの質問に対して、カス王子は無駄にくるっと一回転してピタッと止まると、右腕をバッと高く掲げた。
「お告げがあったんだよ」
「はい? お告げですか?」
上に掲げた右腕をバババッと下げたかと思ったら、今度は左腕を上に掲げ、すぐさま下ろして、今度は右手の平を顔に当てる。
この動き、意味なんてないよね。
無駄にキレがあるけど。
「そうさ、お告げだよ。『魔力が溜まるその地に風雲を呼ぶ魔剣あり』とね」
カス王子の無駄な動きに慣れていないようで、目をぱちぱちさせるクラウド。
ここは私が。
と思って、クラウドの代わりに返答をする。
「あー、なるほど」
「エルシア、今ので分かったのか?」
「なんとなく?」
私の返答にビックリするクラウドと、パチンと指を鳴らすカス王子。
指パッチンに意味なんてないよね。
無駄に綺麗にパチンと鳴ってるんだけど。
「おぉ、さすが。見た目は黒髪で地味だが、デルティウンの親友なだけはあるな」
無駄に余計なことを言われてるんだけど。
「地味と親友は余計です」
「で、どういうことだよ?」
お告げの内容がよく分かってないクラウドに、私は、分かりやすく説明した。
「一般常識ね。主を持たない魔剣や魔法の杖は、地盤や自然の魔力から自分の魔力を補充することがあるのよ。だから、魔力が濃いところを好んで現れる」
「そういうこと。この『三聖の展示室』も地盤の魔力溜まりに建てられてると聞いたからな」
カス王子も知っていたとは侮れない。
無駄にキレがある(意味のない)動きをするだけが取り柄じゃなさそうだ。
クラウドも、さすがにここまで説明されれば分かったようで、逆にカス王子に質問をし始めた。
「探しているお告げの魔剣が、三聖の展示室にあるんじゃないかってことですか?」
「あぁ、そうさ。ここには三聖五強以外の魔導具も納められていると聞いているからね。真偽不明の噂だけど」
そしてまたもや、カス王子は無駄にキレのある動きで、くるんと一回転して、ピタッと止まるはずが、
ビタッ
っと、大きな音を立てて転倒。
静まり返る室内。
さきほどから、私とクラウドとカス王子しか喋ってないけど。ここにはカス王子側の人間と第三騎士団側の騎士の他に、研修生たちが三十人もいる。
カス王子が転ぶところを三十人以上の人間が揃って目撃して、揃って吹き出して、そのうえ、一斉にヒソヒソと囁き出して。
「お告げも噂も、どちらも胡散臭いな」
「剣術大会前になると流行るんだよな、魔剣の話」
「嵐の魔剣だろ?」
「雷鳴の魔剣じゃなかったか?」
収拾はいつまで経ってもつきそうもなかった。はぁ。
「これは確かな筋から聞いた話だ! それとも、この僕の話を疑うつもりではないだろうな?!」
ヒソヒソ声でいっぱいの室内に、突然、カス王子の声が響く。
カス王子、どうやら、誰にも助けてもらえず、自力で立ち上がったらしい。
しきりにイテテと言っては腕や足をさすっていた。
カス王子の反応に驚いたのは、研修生たちだ。
「いえ、それは…………」
「そんなつもりじゃ…………」
研修生たちはあからさまに狼狽える。研修生たちの動揺をカス王子は見逃さなかった。
「疑うつもりがないなら、ここを探させてもらっても構わないよな?」
研修生たちの言葉の端を捕らえ、カス王子はサラッと探索許可をぶち込んでくる。
ここでも、待ったをかけたのはクラウドだった。
「ですから殿下。許可なく三聖の展示室を捜索するのはダメなんです」
「事後報告で構わないだろう? 僕は第二王子なんだよ?」
「それでもダメなんです」
しつこく食い下がる二人。どちらも譲らない。最後にカス王子がしれっと告げる。
「ダメだと言われても、すでに始めてしまっているしな」
「「え?!」」
私もクラウドも、辺りを見回した。
三聖の展示の横の壁に一人、別のところに二人、と、研修生たちの陰に隠れ、すでにあちこちいじられていたのだ。
「殿下、ここの壁が動きます!」
「何! 何か隠してあるかもしれないぞ! もしかしたら、秘密の通路の入り口か? 凄いぞ、大発見だ!」
配下からの呼び声に歓喜の表情をうかべるカス王子。
「殿下、こちらにも怪しいものが!」
「おぉ、案外、早く見つかりそうだな!」
別のところからも声があがった。
「殿下、確認を!」
「殿下!」
「こちらも!」
「ハハハハハハハハ!」
次々とあがる声を受けて、カス王子は大きく笑い出し、それと同時に湿った大地のような匂いが漂いだしたのだった。
三聖の部屋の警備も、隣の五強の部屋の警備も、静かにカス王子の動向を見守っている。
緊急事態だということで、すでに第三騎士団と王太子殿下に連絡済みのよう。第三騎士団の騎士たちに動揺はなかった。
私とクラウドがコソコソ会話していただけなのに、どうして連絡済みだとか分かるのかというと。
私と会話をしながら、クラウドが手を動かしていたから。
騎士団では会話が出来ないとき、少し離れたところとやり取りするときを想定して、手の動きや身体の動きで簡単な連絡を取れるよう、いくつかサインが決められている。
クラウドはただ私の前に立ちふさがっていただけでなく、五強の部屋の警備と手の動きでやり取りをして、状況を確認していたと。
さてさて、私たちがまだ三聖の部屋に陣取っているせいなのか、カス王子たちは入り口側の壁を念入りに調べている。
三聖の部屋は今、三十人もの研修生でいっぱいなので、部屋全体を調べるには一度、全員を外に出すようかも。
でないと、細かく調べるどころか、身動き取れなくなりそうだ。
調べている側は、カス王子以外に護衛騎士が四人、魔術師が一人、侍従が一人。
「魔剣探索だからって、ここに、魔術師を連れてきちゃったのか」
私はクラウドの背中越しに様子を見ながら、誰ともなくつぶやいた。
「魔剣探索だからだろ? 何か問題でもあるのか?」
クラウドが私をチラッと見た。
「だってここ。魔法は使えないし、魔力探知も出来ないんだよ?」
そう。三聖の展示室は通常の魔術師では魔法を発動させられない。
そのうえ、三聖の展示室は地盤の魔力の魔力溜まりになっている場所なので、あらゆる魔力が入り乱れている。
同様に、通常の魔術師では魔力探知は出来ないのだ。
「あ」
「魔術師いても何も出来ないでしょ?」
「そうだったな」
頭に手をやるクラウド。ふと、動きが止まる。
「なんで、エルシアはここで魔法が使えたり、魔力探知が出来るんだ? その、特殊だからか?」
「魔法が使えるのは、単純に魔力量が多くて魔力強度が強いから。魔力探知は得意分野になるから、場所に関係なく使える」
「あぁ、だから。ここの仕事は、エルシアが適任だと言われるのか」
最後のつぶやきは、私に向けてではなく独り言のようだった。
「ところで君たち。見学会はもう終わりだろう?」
一通り、入り口周辺を見て回ったカス王子が、クラウドに話しかけてきた。
「そろそろ、出ていったらどうだい?」
まぁ。そろそろ研修生は外に出して解散させた方がいいかも。
私がクラウドに話しかけようとする前に、クラウドがさらに私の前に出て、話しかけるタイミングを逃す。
「そのことなんですが。今日はどうして魔剣を探しに『三聖の展示室』に? 剣の形をしてはいますが、三聖は魔剣ではなく魔法の杖だと聞いています」
返事をする振りをして、首を傾げながら質問を返すクラウド。
私はちょこちょこと歩いてクラウドの隣に並んだ。
まぁ、スローナスは厳密に言えば杖じゃなくて剣。魔剣ではあるけど、今の主は魔術師であり騎士でもあるので、杖剣両用で使われている。
そんな事情を知らないクラウドが、誤解するのは仕方ないと思う。
クラウドの質問に対して、カス王子は無駄にくるっと一回転してピタッと止まると、右腕をバッと高く掲げた。
「お告げがあったんだよ」
「はい? お告げですか?」
上に掲げた右腕をバババッと下げたかと思ったら、今度は左腕を上に掲げ、すぐさま下ろして、今度は右手の平を顔に当てる。
この動き、意味なんてないよね。
無駄にキレがあるけど。
「そうさ、お告げだよ。『魔力が溜まるその地に風雲を呼ぶ魔剣あり』とね」
カス王子の無駄な動きに慣れていないようで、目をぱちぱちさせるクラウド。
ここは私が。
と思って、クラウドの代わりに返答をする。
「あー、なるほど」
「エルシア、今ので分かったのか?」
「なんとなく?」
私の返答にビックリするクラウドと、パチンと指を鳴らすカス王子。
指パッチンに意味なんてないよね。
無駄に綺麗にパチンと鳴ってるんだけど。
「おぉ、さすが。見た目は黒髪で地味だが、デルティウンの親友なだけはあるな」
無駄に余計なことを言われてるんだけど。
「地味と親友は余計です」
「で、どういうことだよ?」
お告げの内容がよく分かってないクラウドに、私は、分かりやすく説明した。
「一般常識ね。主を持たない魔剣や魔法の杖は、地盤や自然の魔力から自分の魔力を補充することがあるのよ。だから、魔力が濃いところを好んで現れる」
「そういうこと。この『三聖の展示室』も地盤の魔力溜まりに建てられてると聞いたからな」
カス王子も知っていたとは侮れない。
無駄にキレがある(意味のない)動きをするだけが取り柄じゃなさそうだ。
クラウドも、さすがにここまで説明されれば分かったようで、逆にカス王子に質問をし始めた。
「探しているお告げの魔剣が、三聖の展示室にあるんじゃないかってことですか?」
「あぁ、そうさ。ここには三聖五強以外の魔導具も納められていると聞いているからね。真偽不明の噂だけど」
そしてまたもや、カス王子は無駄にキレのある動きで、くるんと一回転して、ピタッと止まるはずが、
ビタッ
っと、大きな音を立てて転倒。
静まり返る室内。
さきほどから、私とクラウドとカス王子しか喋ってないけど。ここにはカス王子側の人間と第三騎士団側の騎士の他に、研修生たちが三十人もいる。
カス王子が転ぶところを三十人以上の人間が揃って目撃して、揃って吹き出して、そのうえ、一斉にヒソヒソと囁き出して。
「お告げも噂も、どちらも胡散臭いな」
「剣術大会前になると流行るんだよな、魔剣の話」
「嵐の魔剣だろ?」
「雷鳴の魔剣じゃなかったか?」
収拾はいつまで経ってもつきそうもなかった。はぁ。
「これは確かな筋から聞いた話だ! それとも、この僕の話を疑うつもりではないだろうな?!」
ヒソヒソ声でいっぱいの室内に、突然、カス王子の声が響く。
カス王子、どうやら、誰にも助けてもらえず、自力で立ち上がったらしい。
しきりにイテテと言っては腕や足をさすっていた。
カス王子の反応に驚いたのは、研修生たちだ。
「いえ、それは…………」
「そんなつもりじゃ…………」
研修生たちはあからさまに狼狽える。研修生たちの動揺をカス王子は見逃さなかった。
「疑うつもりがないなら、ここを探させてもらっても構わないよな?」
研修生たちの言葉の端を捕らえ、カス王子はサラッと探索許可をぶち込んでくる。
ここでも、待ったをかけたのはクラウドだった。
「ですから殿下。許可なく三聖の展示室を捜索するのはダメなんです」
「事後報告で構わないだろう? 僕は第二王子なんだよ?」
「それでもダメなんです」
しつこく食い下がる二人。どちらも譲らない。最後にカス王子がしれっと告げる。
「ダメだと言われても、すでに始めてしまっているしな」
「「え?!」」
私もクラウドも、辺りを見回した。
三聖の展示の横の壁に一人、別のところに二人、と、研修生たちの陰に隠れ、すでにあちこちいじられていたのだ。
「殿下、ここの壁が動きます!」
「何! 何か隠してあるかもしれないぞ! もしかしたら、秘密の通路の入り口か? 凄いぞ、大発見だ!」
配下からの呼び声に歓喜の表情をうかべるカス王子。
「殿下、こちらにも怪しいものが!」
「おぉ、案外、早く見つかりそうだな!」
別のところからも声があがった。
「殿下、確認を!」
「殿下!」
「こちらも!」
「ハハハハハハハハ!」
次々とあがる声を受けて、カス王子は大きく笑い出し、それと同時に湿った大地のような匂いが漂いだしたのだった。
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