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2 暗黒騎士と鍵穴編
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あれはこの前のお昼のことだった。
珍しく、クラウドと時間が合わず、同じ第三騎士団の魔術師であるユリンナ先輩やオルドーとも合わず。
かといって、他のおじさん騎士や新人騎士たちと誘い合う仲でもないので、私は独りで食堂にいた。
第五隊の専任となるまでは、けっこう独りで食べていたし、その前の学院時代は独りぼっちが通常だった。
今でも朝と夜は独りだし、いまさら、独りごはんを気にするわけでもないし。
第三騎士団の食堂の窓際の隅に席を取り、今日も日替わりのスープを頼んだのだった。
カウンターでスープとパンとサラダが乗ったトレイを受け取って、席に戻る。
遅めのお昼のせいか、食堂は閑散としていて、席に座る人もまばらだった。
いつもは、ごった返す食堂で空いた席を探してクラウドと座る。
私が席を見つけたくらいに、クラウドがランチのトレイを運んでくるので、いいタイミングで食べられるのだ。
今日の席は選び放題だったので、普段は座らない窓際にしてみたけれど。
席について、いざ、食べようとしてから気づいて、思わずひとり憮然とする。
どう頑張っても第三騎士団の食堂と言うべきか。
デートで行くようなオシャレなカフェやレストランとは違って、窓の外に見えるのは高い壁。それも真っ茶色ただの壁。
壁の要不要はともかく、この景色なら、外の景色を眺めて楽しむ的な席は要らないだろう、と思ってしまった。
うん。ないわ、これ。
まぁ、自慢の筋肉を見せびらかしながら半裸で走る筋肉騎士が、食事中に見えても嫌だけど。
窓からの景色は残念でも、ランチに外れはない。私はランチに集中する。
今日の日替わりスープは、骨付きの鶏もも肉が豪快に入ったピリ辛スープ。スープはサラサラしたものではなく、濃厚でドロッとしたとろみがついていた。辛みは少しだけ。様々な香辛料の香りが鼻をさし食欲をそそる。
パンはちょっともっちりタイプ。ここの料理長は、プレーンなパンもスープや料理に合わせて使い分けている。
ちなみに使い分けの基準は不明。気分で変えている説が有力だけど。気分で変えているだけなら、使い分けとは言わないだろうと、私は思っている。
まぁ、プレーンなパンもけっきょくはどれも美味しいから、スープにも料理にも合うんだけどね。
スプーンで骨付き肉をつつくと、骨から肉がごろっと取れるので、さらにつついてほぐして、濃厚なスープといっしょに口に運んだ。
うん、美味しい。
「美味しいって、最高」
思わず頬を押さえてつぶやく。
独り言を言いながらランチを食べる変なヤツだと思われないよう、細心の注意は払っているけど。うん、美味しいものには抗えない。
今度は、もっちりしたパンをちぎってスープにつけて一口。うん、これも合う。
私は夢中になって、スープ、パン、サラダと交互に口に運んだ。
そして、七割ほど食べ終わった頃。
「エルシア、劇は好きか?」
「え?! ゴホ」
「エルシア、大丈夫か?!」
突然、目の前から声がして、私は喉を詰まらせた。
「フェリクス副隊長、いつの間に?」
私はハンカチで口を押さえて、水を飲んでから、返事をする。
介抱しようとしてくれる、フェリクス副隊長の好意はキッパリとお断りして。
「いや、さっきからいたんだけど、気づいてもらえなくて」
美味しいランチ中だったからね!
第一隊のフェリクス副隊長はたまーにこういう行動をするので油断ならない。
前は、食事のお誘いだったので、丁重に断り続けたら、今日は劇は好きか?と、きた。
「それで、エルシア。劇は好きか?」
「見に行ったことはありますが、途中で眠くなって寝てました」
取り繕っても仕方ないので正直に言う。
魔塔孤児院出身の平民でも、魔導爵の爵位を持てば貴族の端くれになる。
なんちゃって貴族であっても貴族は貴族。芸術関係もそれなりに知識をつけて、嗜まないといけないらしい。
おかげで、後援家門や他に関わりのある家門から鬼のように詰め込み教育を受け、その過程で観劇にも行ってきた。結果はさきほど正直に話したとおり。
フェリクス副隊長はうんうんと訳知り顔で頷く。
「相当、つまらない劇だったんだな」
「『ガラス姫と黄金の王子』っていう劇だったと思います。人気だって聞きましたけど」
「それは三番人気のヤツだよ、エルシア」
「人気に順番があるんですか?」
おや?、と私は首を傾げた。
誰も人気の順番の話はしてなかったよね。初めて行く観劇がどうして三番人気のものだったんだろう?
その答えはフェリクス副隊長が教えてくれる。
「チケットの売り上げ枚数で、ランキングされてるんだ」
「へー。フェリクス副隊長って無駄にいろいろと詳しいですよね」
「無駄には余計だけどな」
「それで何の用ですか? スープが冷めるんですけど」
もぐもぐもぐもぐもぐ。
適当に会話を合わせながら、合間に、急いでスープとパンを口に運んだ。
これは、さっさと食べて立ち去らないと終わらないヤツだ。私の勘がそう告げている。
「いや、その。たまたま、一番人気のチケットが二枚、手に入ったんだよ。ちょうどエルシアの次の休養日の日のチケットでさ。
ほら、食事にもまだ誘えていないし。良かったら、観劇してその後、食事でもどうかな」
「劇は興味ないんで」
もぐもぐもぐもぐもぐ。
「えっ。エルシア、『運命の恋』のチケットなんだよ」
「あー、フェリクス副隊長が大好きなヤツですね」
もぐもぐもぐもぐもぐ。
うん、あともう少しだ。
「そうそうそう。俺も『運命の恋』のような素敵な恋愛をして、結婚して奥さんを大事にしたいなーって思ったりしててな」
「私、『運命の恋』、嫌いなんで」
フェリクス副隊長の顔を見ずに、スープの皿を見る。残った具とスープはあと二口ほど。
「えっ、嘘だろ?」
「あー、大嫌いの間違いでした」
ぱくん、ぱくんと食べてランチ終了。
「いや、待て待て待て待て。エルシア。小説の『運命の恋』より、劇は本当に感動するんだ。小説が嫌いでも劇は素敵だという女性は多いって話だし」
「大丈夫です。私、小説も劇も大嫌いなので」
よしっ、終わった。
「一度見れば、『運命の恋』に対する認識が百八十度変わるから!」
「それならフェリクス副隊長、ぜひ、『運命の相手』と見に行ってくださいね」
私は空になった食器を乗せたトレイを片手に、さっと立ち上がる。
「オホン、ルベラス嬢」
と、立ち上がった私の背後に聞き覚えのある声。
トレイを持ったまま振り返ると、そこにはフェリクス副隊長の兄、第一騎士団のヴォードフェルム隊長がいた。
なぜここに?
ここって、第三騎士団の食堂だけど?
返事もしない私の反応も気にすることなく、ヴォードフェルム隊長は話し始めた。
「たまたま、シュシャの芸術作品展の鑑賞チケットが手に入ったんだが」
「私、芸術には興味ないんで」
長くなりそうな話を即答で断ると、ヴォードフェルム隊長の横をすり抜け、私はカウンターに向かった。
空になった食器を片付けたら、午後の業務だ。
「エルシア?」
「あ、クラウド。先に戻るから」
途中、ランチのトレイを持ったクラウドにすれ違い、一言、声をかけてさっさと食堂を後にしたんだったっけ。
あの日のことを思い起こしながら、私は目の前で言い争う二人を見ていた。
「クラウド、邪魔するなよ。俺はエルシアに用があるんだ」
「エルシアは昼を食ってる最中だろうが。フェリクス、少しは気を遣えよ」
今日のスープは、ジャガイモのスープ。炒めた分厚いベーコンの塩気とキャベツの甘味がちょうどいいバランスで、そこにホクホクした大きめのジャガイモが、ゴロゴロと入っている。
うん、美味しい。スープは美味しいのに、男性二人の言い争いは終わる気配を見せず、落ち着かない。目の前の二人を気にしながら、もたもたと食べる。
いけないいけない。言い争いながら食べる二人より、無言で食べる私の方が遅い。
「それでエルシア。この前の劇の話なんだが」
「エルシア、さっさと食べてクストス隊長のところに戻るぞ」
「うん」
そうそう、フルヌビの件。
魔導具の精霊の線も検討するよう、調査資料とともに第二騎士団に意見書を送ることになったのだ。
午後は調査資料と意見書作り。私はランチをしっかり食べて、気合いを入れ直すのだった。
珍しく、クラウドと時間が合わず、同じ第三騎士団の魔術師であるユリンナ先輩やオルドーとも合わず。
かといって、他のおじさん騎士や新人騎士たちと誘い合う仲でもないので、私は独りで食堂にいた。
第五隊の専任となるまでは、けっこう独りで食べていたし、その前の学院時代は独りぼっちが通常だった。
今でも朝と夜は独りだし、いまさら、独りごはんを気にするわけでもないし。
第三騎士団の食堂の窓際の隅に席を取り、今日も日替わりのスープを頼んだのだった。
カウンターでスープとパンとサラダが乗ったトレイを受け取って、席に戻る。
遅めのお昼のせいか、食堂は閑散としていて、席に座る人もまばらだった。
いつもは、ごった返す食堂で空いた席を探してクラウドと座る。
私が席を見つけたくらいに、クラウドがランチのトレイを運んでくるので、いいタイミングで食べられるのだ。
今日の席は選び放題だったので、普段は座らない窓際にしてみたけれど。
席について、いざ、食べようとしてから気づいて、思わずひとり憮然とする。
どう頑張っても第三騎士団の食堂と言うべきか。
デートで行くようなオシャレなカフェやレストランとは違って、窓の外に見えるのは高い壁。それも真っ茶色ただの壁。
壁の要不要はともかく、この景色なら、外の景色を眺めて楽しむ的な席は要らないだろう、と思ってしまった。
うん。ないわ、これ。
まぁ、自慢の筋肉を見せびらかしながら半裸で走る筋肉騎士が、食事中に見えても嫌だけど。
窓からの景色は残念でも、ランチに外れはない。私はランチに集中する。
今日の日替わりスープは、骨付きの鶏もも肉が豪快に入ったピリ辛スープ。スープはサラサラしたものではなく、濃厚でドロッとしたとろみがついていた。辛みは少しだけ。様々な香辛料の香りが鼻をさし食欲をそそる。
パンはちょっともっちりタイプ。ここの料理長は、プレーンなパンもスープや料理に合わせて使い分けている。
ちなみに使い分けの基準は不明。気分で変えている説が有力だけど。気分で変えているだけなら、使い分けとは言わないだろうと、私は思っている。
まぁ、プレーンなパンもけっきょくはどれも美味しいから、スープにも料理にも合うんだけどね。
スプーンで骨付き肉をつつくと、骨から肉がごろっと取れるので、さらにつついてほぐして、濃厚なスープといっしょに口に運んだ。
うん、美味しい。
「美味しいって、最高」
思わず頬を押さえてつぶやく。
独り言を言いながらランチを食べる変なヤツだと思われないよう、細心の注意は払っているけど。うん、美味しいものには抗えない。
今度は、もっちりしたパンをちぎってスープにつけて一口。うん、これも合う。
私は夢中になって、スープ、パン、サラダと交互に口に運んだ。
そして、七割ほど食べ終わった頃。
「エルシア、劇は好きか?」
「え?! ゴホ」
「エルシア、大丈夫か?!」
突然、目の前から声がして、私は喉を詰まらせた。
「フェリクス副隊長、いつの間に?」
私はハンカチで口を押さえて、水を飲んでから、返事をする。
介抱しようとしてくれる、フェリクス副隊長の好意はキッパリとお断りして。
「いや、さっきからいたんだけど、気づいてもらえなくて」
美味しいランチ中だったからね!
第一隊のフェリクス副隊長はたまーにこういう行動をするので油断ならない。
前は、食事のお誘いだったので、丁重に断り続けたら、今日は劇は好きか?と、きた。
「それで、エルシア。劇は好きか?」
「見に行ったことはありますが、途中で眠くなって寝てました」
取り繕っても仕方ないので正直に言う。
魔塔孤児院出身の平民でも、魔導爵の爵位を持てば貴族の端くれになる。
なんちゃって貴族であっても貴族は貴族。芸術関係もそれなりに知識をつけて、嗜まないといけないらしい。
おかげで、後援家門や他に関わりのある家門から鬼のように詰め込み教育を受け、その過程で観劇にも行ってきた。結果はさきほど正直に話したとおり。
フェリクス副隊長はうんうんと訳知り顔で頷く。
「相当、つまらない劇だったんだな」
「『ガラス姫と黄金の王子』っていう劇だったと思います。人気だって聞きましたけど」
「それは三番人気のヤツだよ、エルシア」
「人気に順番があるんですか?」
おや?、と私は首を傾げた。
誰も人気の順番の話はしてなかったよね。初めて行く観劇がどうして三番人気のものだったんだろう?
その答えはフェリクス副隊長が教えてくれる。
「チケットの売り上げ枚数で、ランキングされてるんだ」
「へー。フェリクス副隊長って無駄にいろいろと詳しいですよね」
「無駄には余計だけどな」
「それで何の用ですか? スープが冷めるんですけど」
もぐもぐもぐもぐもぐ。
適当に会話を合わせながら、合間に、急いでスープとパンを口に運んだ。
これは、さっさと食べて立ち去らないと終わらないヤツだ。私の勘がそう告げている。
「いや、その。たまたま、一番人気のチケットが二枚、手に入ったんだよ。ちょうどエルシアの次の休養日の日のチケットでさ。
ほら、食事にもまだ誘えていないし。良かったら、観劇してその後、食事でもどうかな」
「劇は興味ないんで」
もぐもぐもぐもぐもぐ。
「えっ。エルシア、『運命の恋』のチケットなんだよ」
「あー、フェリクス副隊長が大好きなヤツですね」
もぐもぐもぐもぐもぐ。
うん、あともう少しだ。
「そうそうそう。俺も『運命の恋』のような素敵な恋愛をして、結婚して奥さんを大事にしたいなーって思ったりしててな」
「私、『運命の恋』、嫌いなんで」
フェリクス副隊長の顔を見ずに、スープの皿を見る。残った具とスープはあと二口ほど。
「えっ、嘘だろ?」
「あー、大嫌いの間違いでした」
ぱくん、ぱくんと食べてランチ終了。
「いや、待て待て待て待て。エルシア。小説の『運命の恋』より、劇は本当に感動するんだ。小説が嫌いでも劇は素敵だという女性は多いって話だし」
「大丈夫です。私、小説も劇も大嫌いなので」
よしっ、終わった。
「一度見れば、『運命の恋』に対する認識が百八十度変わるから!」
「それならフェリクス副隊長、ぜひ、『運命の相手』と見に行ってくださいね」
私は空になった食器を乗せたトレイを片手に、さっと立ち上がる。
「オホン、ルベラス嬢」
と、立ち上がった私の背後に聞き覚えのある声。
トレイを持ったまま振り返ると、そこにはフェリクス副隊長の兄、第一騎士団のヴォードフェルム隊長がいた。
なぜここに?
ここって、第三騎士団の食堂だけど?
返事もしない私の反応も気にすることなく、ヴォードフェルム隊長は話し始めた。
「たまたま、シュシャの芸術作品展の鑑賞チケットが手に入ったんだが」
「私、芸術には興味ないんで」
長くなりそうな話を即答で断ると、ヴォードフェルム隊長の横をすり抜け、私はカウンターに向かった。
空になった食器を片付けたら、午後の業務だ。
「エルシア?」
「あ、クラウド。先に戻るから」
途中、ランチのトレイを持ったクラウドにすれ違い、一言、声をかけてさっさと食堂を後にしたんだったっけ。
あの日のことを思い起こしながら、私は目の前で言い争う二人を見ていた。
「クラウド、邪魔するなよ。俺はエルシアに用があるんだ」
「エルシアは昼を食ってる最中だろうが。フェリクス、少しは気を遣えよ」
今日のスープは、ジャガイモのスープ。炒めた分厚いベーコンの塩気とキャベツの甘味がちょうどいいバランスで、そこにホクホクした大きめのジャガイモが、ゴロゴロと入っている。
うん、美味しい。スープは美味しいのに、男性二人の言い争いは終わる気配を見せず、落ち着かない。目の前の二人を気にしながら、もたもたと食べる。
いけないいけない。言い争いながら食べる二人より、無言で食べる私の方が遅い。
「それでエルシア。この前の劇の話なんだが」
「エルシア、さっさと食べてクストス隊長のところに戻るぞ」
「うん」
そうそう、フルヌビの件。
魔導具の精霊の線も検討するよう、調査資料とともに第二騎士団に意見書を送ることになったのだ。
午後は調査資料と意見書作り。私はランチをしっかり食べて、気合いを入れ直すのだった。
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