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2 暗黒騎士と鍵穴編
2-1
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「セラフィアスです」
「主の同僚どもよ、僕が直々に証言してやるんだ。感謝しろ!」
一瞬の沈黙の後。
「ゲホゲホゲホゲホゲホ」
むせて咳き込むヴァンフェルム団長。
「さささささ三聖! 本物の三聖!」
突然興奮して騒ぎ出したパシアヌス様。
「え、子どもだよな?」
「なんで、三聖が子ども?」
紹介してもなお、子ども子どもと連呼するクストス隊長にクラウド。
二人とも、セラフィアスの鎮圧リスト入り、しちゃうって。
子どものようにしか見えなくても、セラフィアスは三聖。
三聖とは、このグラディア王国を守護する伝説の魔導具で、セラフィアスはそのうちの一つだ。
他にスローナス、ケルビウスがいて、セラフィアスと合わせて三聖と呼ばれている。そして彼らの『主』はそれぞれ、スロン、ケル、セラと呼ばれていた。
三聖の展示室には本物の代わりに、製作者が想像で作った剣が展示されているけれど、少なくともセラフィアスは杖の形をしている。
ふだんは『主』である私の中で眠っていて、必要なときは『黄色い旗が付いた棒』のような杖の姿で、私を手伝う。
私の心強い相棒であり、心から信頼できる数少ない存在だった。
セラフィアスのように、力の強い魔導具は、自我を持ち、時として他のものに姿を変えることが出来た。今の子どもの姿をしたセラフィアスのように。
魔導具の自我は、杖であれば杖精、剣であれば剣精と呼ばれている。
王女殿下が持つ杖『五強のリグヌム』も、クズ男の王宮魔術師団筆頭が持つ杖『氷雪のアキュシーザ』も、セラフィアスと同じような存在。
こういった杖や剣がこの世界にいくつあるのかはハッキリ分かっていないという。
分かっているのは、中でも力の強い三聖と五強がこの国の平穏を保っているということ。
そのため、三聖五強はこの国では大切な存在であり、子どもの姿だからといって、軽んじてはならない。
けして、クストス隊長やクラウドのような発言はしてはいけないのだ。
そんな失礼な二人をパシアヌス様が、大きく手をバタバタと振って止める。
「クストス隊長、クラウド。杖精に大人も子どももないんです! 三聖のセラフィアス様に失礼ですよ!」
「おう。お前。なかなか分かるヤツだな」
「それはもう。三聖のセラフィアス様と言えば、鎮圧の三聖! 三聖で唯一の攻撃特化型、と見せかけて超絶的な鎮圧型。
その難度の高さから、過去にセラフィアス様を使いこなせたのは一人だけという、他の三聖とは一線を画す杖です!」
「ほー、分かってるじゃないか、お前」
バタバタと手を動かしながら話を続けるパシアヌス様を見て、セラフィアスの機嫌も良くなってきたようだ。
それにしても…………。
「パシアヌス様、詳しすぎる」
魔術師長だから詳しいのは当たり前なのかもしれないけど、それにしたって、セラフィアスを見る目は尊敬とか崇拝とかの目だ。
セラフィアスは役割からして、畏怖されることが多い。
こんなに喜んでくれる人がいるのなら、もっと早く会わせてあげても良かったかも。
セラフィアスの機嫌がいいのも、パシアヌス様が単に詳しいだけじゃないからだろう。
…………それにしても。
「セラフィアスも、偉そうにしなくてもいいから」
「主。こういうヤツらは最初にガツンとやらないと、調子に乗ってつけあがるんだ。
この前も、スロンの身内がギャンギャン騒いでただろ?」
「あぁ、王女殿下ね」
「あいつ、リグヌムの主だからって調子に乗りやがって」
あの時の王女殿下は、私と私の杖の正体を知らなかったので、仕方がないと思う。
仕方がないとはいえ、格下の五強の主が格上の三聖の主に対して、「手伝ってやる」と言ってしまったのだ。
私の杖のセラフィアスは、正確に言えば鎮圧型。攻撃能力の高さから、攻撃特化型と誤解されやすい。
売られたケンカは確実に買い取り、倍返しして叩き潰すのが鎮圧型の特徴だ。
それゆえ、あの時のリグヌムのおびえ方は尋常ではなかった。そりゃ、格上の杖に鎮圧されてしまったら、ひとたまりもない。
「まぁ、調子に乗ってるのはどちらかというと、王宮魔術師団の方だから」
「あぁ。そうだったな。小物揃いのくせに、あそこは最悪だな」
私とセラフィアスの意見がピタリと一致するほど、王宮魔術師団、とくに主力の実働部隊は威張り腐っている。そもそも、トップはクズだし。
「それで、話を戻すぞ。僕の主は最高なんだ!」
横にそれていても話が進まないと思ったのか、セラフィアスが話を先に進め始めた。
「もっと前に戻ってくれないかなぁ」
「あぁ、そうだった。主の勘の話だろ?」
セラフィアスはふんぞり返った状態で、ちらっとヴァンフェルム団長を見る。
この反応、分かってやっているに違いない。
「残念ながら、僕でも主が判断する根拠は分からない」
「「おい!」」
やっぱり。
久しぶりに人型に顕現して、しかもいつもと違う相手との会話なこともあって、セラフィアスはこの状況を楽しんでいる。
そして、私の益になるか否かを確かめているんだろう。
私はセラフィアスにこの場を任せることにした。
私が口出ししなくても、
「こらこら、君たち。セラフィアス様に対して態度が悪い!
すみません、セラフィアス様。どうぞ、続けてください」
パシアヌス様がうまく間に入ってくれているようなので。
「うむ。根拠は分からないが、主の魔法関係の勘はよく当たるんだ」
「本当かよ」
「こら。言葉遣い!」
「一般人には嗅ぎ取れない何か、一般人には見えない何かを、僕の主は察知できる。
そして、魔術師にも嗅ぎ取れない何か、魔術師にも見えない何かを、僕の主は察知するんだ」
「本当に本当なんだな?」
「だから、言葉遣い!」
うん、まぁ、ちょっとうるさいけど。
クストス隊長やクラウドの言葉遣いを、セラフィアスはとくに気にすることもなく、「さぁな」と応じる。
言葉遣いが多少悪くても構わない、とでも言うように、パシアヌス様を手の仕草で止めると、パシアヌス様も言葉を挟むのを止めた。
「いや、ここまでもっともらしいことを言っておいて、さぁなって何だよ!」
「僕の主観だから」
「あてになるのかよ、そんな主観」
「だから、さぁなって言ってるだろ? この三聖のセラフィアスの『主観』で判断しているだけなんだから」
クラウドを煽るように、セラフィアスは声を出してケラケラと笑った。
その金眼は、クラウドを値踏みでもするようにじーっと見つめたまま。
「おい、エルシア。こいつ、だいぶ適当だぞ。こいつに支持されたからって、エルシアの意見が正しいことにはならないんじゃないか?」
セラフィアスの言い方に呆れたのか、クラウドがセラフィアスの頭越しに私に話しかけてきた。
慌てて注意をするパシアヌス様。
「クラウド。三聖のセラフィアス様の判断は、信用に値しないと、そう言いたいんですか?」
「いや、そう仰々しく言われると」
「パシアヌス様。俺たちは三聖の発言を軽んじているわけではなく、エルシアの勘があてになるのかを心配しているだけです」
「まぁまぁまぁまぁまぁ」
ゲホゲホと咳き込んでからは、積極的に発言していなかったヴァンフェルム団長が、ここにきて口を開いた。
「「団長」」
ヴァンフェルム団長の仲裁で、三人がピタッと動きを止める。
「ルベラス君の『なんとなく』は却下されるのに、セラフィアス殿の『三聖の勘』は信用される」
「あ」
誰かが声を漏らした。
「世の中では当たり前のことだなぁ。実績、地位、権力、様々なものがあるかないかで、言葉の重みが変わってきて、受け取られ方も千差万別」
ヴァンフェルム団長の言葉は当たっている。
この世の中は、主役と脇役の扱いだって違う。お話の中に登場しない、端役にすらなれなかった人物の扱いなんて言うまでもない。
だから、私はセラフィアスを呼んだんだ。建国詩という伝説の主人公を。
おそらく、ヴァンフェルム団長は私の意図に気づいて、静かに会話を見守っていたんだ。
「確かにそうですね」
クストス隊長もクラウドも、そしてパシアヌス様も頷いた。
「だからここは、ルベラス君とかセラフィアス殿とかの名前を横に置いてから、議論をしてみればいいんじゃないかなぁ」
ヴァンフェルム団長、良いこと言う。
セラフィアスまでも満足げに頷く中、クストス隊長が団長に質問を投げかけた。
「それはそうですが、最初にエルシアの勘を根拠としてはどうなのか、と指摘したのは団長ですよね?」
「…………そうだったかなぁ?」
うん、そうだった。すっかり忘れてた。
最初からヴァンフェルム団長が今の良いことを言ってくれていれば、セラフィアスを呼び出さなくても、良かったのに。
「そうだったかなぁ?じゃないですよ」
「それはそれ、これはこれ」
うん、ごまかした。
パンパン
パシアヌス様が手を叩く。
「とにかく、ルベラス君の『犯人は杖精』案を精査してみましょうか」
こうして、話はようやく一歩先に進んだ。
「主の同僚どもよ、僕が直々に証言してやるんだ。感謝しろ!」
一瞬の沈黙の後。
「ゲホゲホゲホゲホゲホ」
むせて咳き込むヴァンフェルム団長。
「さささささ三聖! 本物の三聖!」
突然興奮して騒ぎ出したパシアヌス様。
「え、子どもだよな?」
「なんで、三聖が子ども?」
紹介してもなお、子ども子どもと連呼するクストス隊長にクラウド。
二人とも、セラフィアスの鎮圧リスト入り、しちゃうって。
子どものようにしか見えなくても、セラフィアスは三聖。
三聖とは、このグラディア王国を守護する伝説の魔導具で、セラフィアスはそのうちの一つだ。
他にスローナス、ケルビウスがいて、セラフィアスと合わせて三聖と呼ばれている。そして彼らの『主』はそれぞれ、スロン、ケル、セラと呼ばれていた。
三聖の展示室には本物の代わりに、製作者が想像で作った剣が展示されているけれど、少なくともセラフィアスは杖の形をしている。
ふだんは『主』である私の中で眠っていて、必要なときは『黄色い旗が付いた棒』のような杖の姿で、私を手伝う。
私の心強い相棒であり、心から信頼できる数少ない存在だった。
セラフィアスのように、力の強い魔導具は、自我を持ち、時として他のものに姿を変えることが出来た。今の子どもの姿をしたセラフィアスのように。
魔導具の自我は、杖であれば杖精、剣であれば剣精と呼ばれている。
王女殿下が持つ杖『五強のリグヌム』も、クズ男の王宮魔術師団筆頭が持つ杖『氷雪のアキュシーザ』も、セラフィアスと同じような存在。
こういった杖や剣がこの世界にいくつあるのかはハッキリ分かっていないという。
分かっているのは、中でも力の強い三聖と五強がこの国の平穏を保っているということ。
そのため、三聖五強はこの国では大切な存在であり、子どもの姿だからといって、軽んじてはならない。
けして、クストス隊長やクラウドのような発言はしてはいけないのだ。
そんな失礼な二人をパシアヌス様が、大きく手をバタバタと振って止める。
「クストス隊長、クラウド。杖精に大人も子どももないんです! 三聖のセラフィアス様に失礼ですよ!」
「おう。お前。なかなか分かるヤツだな」
「それはもう。三聖のセラフィアス様と言えば、鎮圧の三聖! 三聖で唯一の攻撃特化型、と見せかけて超絶的な鎮圧型。
その難度の高さから、過去にセラフィアス様を使いこなせたのは一人だけという、他の三聖とは一線を画す杖です!」
「ほー、分かってるじゃないか、お前」
バタバタと手を動かしながら話を続けるパシアヌス様を見て、セラフィアスの機嫌も良くなってきたようだ。
それにしても…………。
「パシアヌス様、詳しすぎる」
魔術師長だから詳しいのは当たり前なのかもしれないけど、それにしたって、セラフィアスを見る目は尊敬とか崇拝とかの目だ。
セラフィアスは役割からして、畏怖されることが多い。
こんなに喜んでくれる人がいるのなら、もっと早く会わせてあげても良かったかも。
セラフィアスの機嫌がいいのも、パシアヌス様が単に詳しいだけじゃないからだろう。
…………それにしても。
「セラフィアスも、偉そうにしなくてもいいから」
「主。こういうヤツらは最初にガツンとやらないと、調子に乗ってつけあがるんだ。
この前も、スロンの身内がギャンギャン騒いでただろ?」
「あぁ、王女殿下ね」
「あいつ、リグヌムの主だからって調子に乗りやがって」
あの時の王女殿下は、私と私の杖の正体を知らなかったので、仕方がないと思う。
仕方がないとはいえ、格下の五強の主が格上の三聖の主に対して、「手伝ってやる」と言ってしまったのだ。
私の杖のセラフィアスは、正確に言えば鎮圧型。攻撃能力の高さから、攻撃特化型と誤解されやすい。
売られたケンカは確実に買い取り、倍返しして叩き潰すのが鎮圧型の特徴だ。
それゆえ、あの時のリグヌムのおびえ方は尋常ではなかった。そりゃ、格上の杖に鎮圧されてしまったら、ひとたまりもない。
「まぁ、調子に乗ってるのはどちらかというと、王宮魔術師団の方だから」
「あぁ。そうだったな。小物揃いのくせに、あそこは最悪だな」
私とセラフィアスの意見がピタリと一致するほど、王宮魔術師団、とくに主力の実働部隊は威張り腐っている。そもそも、トップはクズだし。
「それで、話を戻すぞ。僕の主は最高なんだ!」
横にそれていても話が進まないと思ったのか、セラフィアスが話を先に進め始めた。
「もっと前に戻ってくれないかなぁ」
「あぁ、そうだった。主の勘の話だろ?」
セラフィアスはふんぞり返った状態で、ちらっとヴァンフェルム団長を見る。
この反応、分かってやっているに違いない。
「残念ながら、僕でも主が判断する根拠は分からない」
「「おい!」」
やっぱり。
久しぶりに人型に顕現して、しかもいつもと違う相手との会話なこともあって、セラフィアスはこの状況を楽しんでいる。
そして、私の益になるか否かを確かめているんだろう。
私はセラフィアスにこの場を任せることにした。
私が口出ししなくても、
「こらこら、君たち。セラフィアス様に対して態度が悪い!
すみません、セラフィアス様。どうぞ、続けてください」
パシアヌス様がうまく間に入ってくれているようなので。
「うむ。根拠は分からないが、主の魔法関係の勘はよく当たるんだ」
「本当かよ」
「こら。言葉遣い!」
「一般人には嗅ぎ取れない何か、一般人には見えない何かを、僕の主は察知できる。
そして、魔術師にも嗅ぎ取れない何か、魔術師にも見えない何かを、僕の主は察知するんだ」
「本当に本当なんだな?」
「だから、言葉遣い!」
うん、まぁ、ちょっとうるさいけど。
クストス隊長やクラウドの言葉遣いを、セラフィアスはとくに気にすることもなく、「さぁな」と応じる。
言葉遣いが多少悪くても構わない、とでも言うように、パシアヌス様を手の仕草で止めると、パシアヌス様も言葉を挟むのを止めた。
「いや、ここまでもっともらしいことを言っておいて、さぁなって何だよ!」
「僕の主観だから」
「あてになるのかよ、そんな主観」
「だから、さぁなって言ってるだろ? この三聖のセラフィアスの『主観』で判断しているだけなんだから」
クラウドを煽るように、セラフィアスは声を出してケラケラと笑った。
その金眼は、クラウドを値踏みでもするようにじーっと見つめたまま。
「おい、エルシア。こいつ、だいぶ適当だぞ。こいつに支持されたからって、エルシアの意見が正しいことにはならないんじゃないか?」
セラフィアスの言い方に呆れたのか、クラウドがセラフィアスの頭越しに私に話しかけてきた。
慌てて注意をするパシアヌス様。
「クラウド。三聖のセラフィアス様の判断は、信用に値しないと、そう言いたいんですか?」
「いや、そう仰々しく言われると」
「パシアヌス様。俺たちは三聖の発言を軽んじているわけではなく、エルシアの勘があてになるのかを心配しているだけです」
「まぁまぁまぁまぁまぁ」
ゲホゲホと咳き込んでからは、積極的に発言していなかったヴァンフェルム団長が、ここにきて口を開いた。
「「団長」」
ヴァンフェルム団長の仲裁で、三人がピタッと動きを止める。
「ルベラス君の『なんとなく』は却下されるのに、セラフィアス殿の『三聖の勘』は信用される」
「あ」
誰かが声を漏らした。
「世の中では当たり前のことだなぁ。実績、地位、権力、様々なものがあるかないかで、言葉の重みが変わってきて、受け取られ方も千差万別」
ヴァンフェルム団長の言葉は当たっている。
この世の中は、主役と脇役の扱いだって違う。お話の中に登場しない、端役にすらなれなかった人物の扱いなんて言うまでもない。
だから、私はセラフィアスを呼んだんだ。建国詩という伝説の主人公を。
おそらく、ヴァンフェルム団長は私の意図に気づいて、静かに会話を見守っていたんだ。
「確かにそうですね」
クストス隊長もクラウドも、そしてパシアヌス様も頷いた。
「だからここは、ルベラス君とかセラフィアス殿とかの名前を横に置いてから、議論をしてみればいいんじゃないかなぁ」
ヴァンフェルム団長、良いこと言う。
セラフィアスまでも満足げに頷く中、クストス隊長が団長に質問を投げかけた。
「それはそうですが、最初にエルシアの勘を根拠としてはどうなのか、と指摘したのは団長ですよね?」
「…………そうだったかなぁ?」
うん、そうだった。すっかり忘れてた。
最初からヴァンフェルム団長が今の良いことを言ってくれていれば、セラフィアスを呼び出さなくても、良かったのに。
「そうだったかなぁ?じゃないですよ」
「それはそれ、これはこれ」
うん、ごまかした。
パンパン
パシアヌス様が手を叩く。
「とにかく、ルベラス君の『犯人は杖精』案を精査してみましょうか」
こうして、話はようやく一歩先に進んだ。
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