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1 王女殿下の魔猫編
1-10 第五隊は集まる
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エルシアが盛大にやらかした翌日。
俺たち、第五隊の騎士は全員、会議室に集められていた。
「いったい、何なんだろうな」
「団長に副団長、魔術師長まで揃ってる」
「クラウド。お前、何か聞いてないか?」
「いえ、何も」
今日、エルシアはいない。
やらかしたせいで謹慎というわけではなく、元から予定されていた休養日。
エルシア不在を狙ったかのようで、嫌な予感がする。
しばらくして、第三騎士団のヴァンフェルム騎士団長、ユースカペル副団長、魔術師長のパシアヌス卿、この三人がずらずらと会議室に入ってきた。
ガタガタッと音がして、第五隊全員が揃って立ち上がる。
「第五隊、全員集まりました」
クストス隊長の顔に、ありありと文字が浮かんでいるように見える。いや、隊長だけでない。俺たち全員の顔に文字が浮かんでいた。
今日は何の集まりでしょうか、と。
「今日はルベラス君についてだよ」
と、団長。
どうやら、俺たちの顔の文字を読みとってくれたらしい。
「第五隊だけ、説明がまだだったから」
「昨日の件もありますしね」
副団長と魔術師長が話を続ける。
説明? 何の説明だ?
昨日の件と言えばエルシアのことだよな?
俺たちの顔に今度は疑問が浮かび上がった。
と思ったそばから、先輩騎士たちはさっと顔を伏せてヒソヒソ話し始める。
「昨日の件?!」
「まさか、エルシアを辞めさせるって話じゃないよな」
「昨日も派手にやっちまったからなぁ」
「でも、エルシアのおかげでこっちは助かってるのに」
「それとも、他の隊とはうまくいってないとか?」
耐えかねた隊長が口を開いた。
「団長。エルシアは性格こそあれですが、優秀です! な、クラウド?」
隊長、そこで俺に話を振らないでくれ。
無難にフォローできる自信がないから。
それでも、頭を軽く左右に振りながら俺は答えた。
「はい。昨日の魔猫も見事に制圧してましたし。性格はちょっとあれですけど」
「だから、エルシアを首にしないでください! 性格については、ちょっとあれなので、俺たちみんなでフォローしますんで!」
俺は綺麗な漆黒の髪を持つエルシアを、頭の中で思い起こす。
エルシアの最大の難点はあの性格。
短気でケンカっ早い。
我慢はしているみたいだけど、よくブチっとなっているようで。
余計な揉め事を引き寄せたり、大惨事を起こしてしまったり。新人の半月で始末書三回目はかなり多い方だった。
もう少しおとなしくしていればいいのに、と思う。
少しは損得を考えて動けばいいのにとも、思う。
短気でケンカっ早いけど、お人好しで、意外と涙もろくて。
無関心を装っていても、何かと周りを気にかけている。
あいつはそんなヤツだ。
無表情を装っていても、怒ったり、ムカついたり、感情がポロポロとこぼれ落ちていた。
つまり、嫌なヤツではないのだ。むしろ、その逆。
付き合いはまだ短いが、俺には分かる。第五隊のみんなも分かっているから、エルシアを庇おうとしているのだろう。
一斉に声をあげる第五隊の先輩たちに対して、団長がのんびりとした声を返した。
「何か勘違いしているようだなぁ」と。
「今日はエルシア・ルベラスに関する注意事項の説明だ。彼女を辞職させたくないなら、心するように」
「「?」」
団長に続いて副団長が話し始める。
が、内容が頭に入ってこない。
注意事項? 辞職?
これは何がどういう話なんだ?
「薄々気がついているヤツもいるとは思うけど、ルベラス君は訳ありなんだ。
若くしていろいろ苦労して、騎士団付きの魔術師になったんだよ」
まぁ、訳ありなのはなんとなく分かってたな。
エルシアは、ときおり、寂しそうな顔をする。
もちろん、本人は無表情を装い切れていると思っているので、気がついていないだろうが。
過去に何かあったか、現在進行形で何か起きているのではないか。そのくらいは、俺たちだって気がついていた。
そんな俺たちの心を奮い立たせるように、団長は話を続けた。
「ルベラス君が騎士団付き魔術師として、立派に独り立ちできるよう、ここはみんなで協力しようじゃないか」
「「おう!」」
クストス隊長を始め、みんなの声が一つになる。
団長の演説じみた語りに乗せられたところで、副団長がさっさと切り出した。
「では、続ける。注意事項は四つだ」
そう言って、副団長は魔術師長に目配せすると、魔術師長が続きを始める。
人差し指をピッとたてる魔術師長。
「その一。ルベラス君を怒らせないこと」
おい。最初から無理難題かよ。
「あいつ、ケンカっ早いので無理です」
「すぐ、ムカッとするんだよな」
「でも、だいぶ我慢するようになりましたよね」
会議室がざわついた。だな。俺も同意する。
「うんうん、ルベラス君はみんなから良く理解されてるなぁ」
おい。無理難題だって分かってて言ってるってことじゃないかよ。勘弁してくれ。
俺が心の中で悲鳴をあげる中、魔術師長の話は次に移った。
「その二。ルベラス君に実の親の話はしないこと」
「は?」
「とくに、実の父親の話は、絶、対、に、しないこと」
「したらどうなるんだ?」
「どうなるんだろうなぁ」
すっとぼける団長。
そうだ。確かあのとき、エルシアは親という言葉に過剰に反応していた。
俺は昨日の呼び出しの最中に起きたことをふと思い出す。そしてつい、言葉が口をついた。
「エルシアは、その実の父親と何かあったんですか?」
「まぁ、けっこう有名な話ですね」
「さて、次に行くぞ、次」
さらっと話を打ち切られる。
何かあったんだ。しかも深くは触れていけないようなことが。
「家族関係は難しいからな」
俺はボソッとつぶやく。
俺の家族は仲は悪くないが、家族関係に息苦しさを覚えることがあった。
今になって、それが、騎士の名門家系の人間としての重圧だったことに気がついたけど。
エルシアはどんな問題を抱えているんだろうか。
そうこうしている間にも、話は次に移っていた。
「その三。ルベラス君が三聖の展示室で魔法を使ったことは口外しないこと」
おいおい。黙って済む問題じゃないだろ、あれは。
「なんでですか? 凄いことですよね?」
「ぶっ壊して、元通りに直すことまでやってたよな」
はぁ。
「できちゃマズいことだから、秘密にするんですよね?」
「その通りだな」
ため息をついて俺が発言すると、団長が応じてくれた。
「そうです。基本的に『三聖の展示室』で魔法は使えないので」
「使えないのに使ったって、どういうことだ?」
「そういえば、第四隊の先輩方が言ってたな。エルシアが展示室で魔法を使ったときに『見なかったことにしろ』って」
「そういうことだな」
間違いなく、エルシアは普通の魔術師ではない。
ずば抜けた力を持つ平民の若い女の魔術師。真っ先に権力者の餌食になりそうだ。
嫌な予感はこれだったのか?
俺は団長たちに、恐る恐る疑問を投げかけた。
「あの、この話がバレたら、エルシア、どうなるんですか?」
「んー、面倒なことになるなぁ」と団長。
「第三騎士団を辞職する羽目にもなりかねない」と副団長。
「言っておきますが、ルベラス君には落ち度もやましいところも一切ないんです。どちらかというと、被害者なんですよね」
と魔術師長がとどめを刺す。
なんだよ、それ。
会議室が静まり返った。
「だから、ルベラス君の平穏な生活のために、知らない振りに協力しろってことだなぁ」
団長の声がやけに大きく聞こえる。
「なので、その四。ルベラス君のことは詮索しないこと」
「ええ?! これだけ訳あり感、煽っておいて?」
「肝心なところは教えないって、余計に気になるだろ!」
「そんなのありかよ?!」
ま、まぁ、みんなの気持ちは分かるし、俺だって同じ気持ちだ。
それでも、他人の個人的な事情を根ほり葉ほり聞くのは失礼だよな。
気になって仕方がないが、エルシアが自分から打ち明けてくれるのを待つしかないか。
「注意事項は以上」
「ちゃんと守れよ~」
「解散」
念押しする団長ののんびり声と、騒ぐ先輩たちの怒号に囲まれながら、俺は会議室を後にしたのだった。
俺たち、第五隊の騎士は全員、会議室に集められていた。
「いったい、何なんだろうな」
「団長に副団長、魔術師長まで揃ってる」
「クラウド。お前、何か聞いてないか?」
「いえ、何も」
今日、エルシアはいない。
やらかしたせいで謹慎というわけではなく、元から予定されていた休養日。
エルシア不在を狙ったかのようで、嫌な予感がする。
しばらくして、第三騎士団のヴァンフェルム騎士団長、ユースカペル副団長、魔術師長のパシアヌス卿、この三人がずらずらと会議室に入ってきた。
ガタガタッと音がして、第五隊全員が揃って立ち上がる。
「第五隊、全員集まりました」
クストス隊長の顔に、ありありと文字が浮かんでいるように見える。いや、隊長だけでない。俺たち全員の顔に文字が浮かんでいた。
今日は何の集まりでしょうか、と。
「今日はルベラス君についてだよ」
と、団長。
どうやら、俺たちの顔の文字を読みとってくれたらしい。
「第五隊だけ、説明がまだだったから」
「昨日の件もありますしね」
副団長と魔術師長が話を続ける。
説明? 何の説明だ?
昨日の件と言えばエルシアのことだよな?
俺たちの顔に今度は疑問が浮かび上がった。
と思ったそばから、先輩騎士たちはさっと顔を伏せてヒソヒソ話し始める。
「昨日の件?!」
「まさか、エルシアを辞めさせるって話じゃないよな」
「昨日も派手にやっちまったからなぁ」
「でも、エルシアのおかげでこっちは助かってるのに」
「それとも、他の隊とはうまくいってないとか?」
耐えかねた隊長が口を開いた。
「団長。エルシアは性格こそあれですが、優秀です! な、クラウド?」
隊長、そこで俺に話を振らないでくれ。
無難にフォローできる自信がないから。
それでも、頭を軽く左右に振りながら俺は答えた。
「はい。昨日の魔猫も見事に制圧してましたし。性格はちょっとあれですけど」
「だから、エルシアを首にしないでください! 性格については、ちょっとあれなので、俺たちみんなでフォローしますんで!」
俺は綺麗な漆黒の髪を持つエルシアを、頭の中で思い起こす。
エルシアの最大の難点はあの性格。
短気でケンカっ早い。
我慢はしているみたいだけど、よくブチっとなっているようで。
余計な揉め事を引き寄せたり、大惨事を起こしてしまったり。新人の半月で始末書三回目はかなり多い方だった。
もう少しおとなしくしていればいいのに、と思う。
少しは損得を考えて動けばいいのにとも、思う。
短気でケンカっ早いけど、お人好しで、意外と涙もろくて。
無関心を装っていても、何かと周りを気にかけている。
あいつはそんなヤツだ。
無表情を装っていても、怒ったり、ムカついたり、感情がポロポロとこぼれ落ちていた。
つまり、嫌なヤツではないのだ。むしろ、その逆。
付き合いはまだ短いが、俺には分かる。第五隊のみんなも分かっているから、エルシアを庇おうとしているのだろう。
一斉に声をあげる第五隊の先輩たちに対して、団長がのんびりとした声を返した。
「何か勘違いしているようだなぁ」と。
「今日はエルシア・ルベラスに関する注意事項の説明だ。彼女を辞職させたくないなら、心するように」
「「?」」
団長に続いて副団長が話し始める。
が、内容が頭に入ってこない。
注意事項? 辞職?
これは何がどういう話なんだ?
「薄々気がついているヤツもいるとは思うけど、ルベラス君は訳ありなんだ。
若くしていろいろ苦労して、騎士団付きの魔術師になったんだよ」
まぁ、訳ありなのはなんとなく分かってたな。
エルシアは、ときおり、寂しそうな顔をする。
もちろん、本人は無表情を装い切れていると思っているので、気がついていないだろうが。
過去に何かあったか、現在進行形で何か起きているのではないか。そのくらいは、俺たちだって気がついていた。
そんな俺たちの心を奮い立たせるように、団長は話を続けた。
「ルベラス君が騎士団付き魔術師として、立派に独り立ちできるよう、ここはみんなで協力しようじゃないか」
「「おう!」」
クストス隊長を始め、みんなの声が一つになる。
団長の演説じみた語りに乗せられたところで、副団長がさっさと切り出した。
「では、続ける。注意事項は四つだ」
そう言って、副団長は魔術師長に目配せすると、魔術師長が続きを始める。
人差し指をピッとたてる魔術師長。
「その一。ルベラス君を怒らせないこと」
おい。最初から無理難題かよ。
「あいつ、ケンカっ早いので無理です」
「すぐ、ムカッとするんだよな」
「でも、だいぶ我慢するようになりましたよね」
会議室がざわついた。だな。俺も同意する。
「うんうん、ルベラス君はみんなから良く理解されてるなぁ」
おい。無理難題だって分かってて言ってるってことじゃないかよ。勘弁してくれ。
俺が心の中で悲鳴をあげる中、魔術師長の話は次に移った。
「その二。ルベラス君に実の親の話はしないこと」
「は?」
「とくに、実の父親の話は、絶、対、に、しないこと」
「したらどうなるんだ?」
「どうなるんだろうなぁ」
すっとぼける団長。
そうだ。確かあのとき、エルシアは親という言葉に過剰に反応していた。
俺は昨日の呼び出しの最中に起きたことをふと思い出す。そしてつい、言葉が口をついた。
「エルシアは、その実の父親と何かあったんですか?」
「まぁ、けっこう有名な話ですね」
「さて、次に行くぞ、次」
さらっと話を打ち切られる。
何かあったんだ。しかも深くは触れていけないようなことが。
「家族関係は難しいからな」
俺はボソッとつぶやく。
俺の家族は仲は悪くないが、家族関係に息苦しさを覚えることがあった。
今になって、それが、騎士の名門家系の人間としての重圧だったことに気がついたけど。
エルシアはどんな問題を抱えているんだろうか。
そうこうしている間にも、話は次に移っていた。
「その三。ルベラス君が三聖の展示室で魔法を使ったことは口外しないこと」
おいおい。黙って済む問題じゃないだろ、あれは。
「なんでですか? 凄いことですよね?」
「ぶっ壊して、元通りに直すことまでやってたよな」
はぁ。
「できちゃマズいことだから、秘密にするんですよね?」
「その通りだな」
ため息をついて俺が発言すると、団長が応じてくれた。
「そうです。基本的に『三聖の展示室』で魔法は使えないので」
「使えないのに使ったって、どういうことだ?」
「そういえば、第四隊の先輩方が言ってたな。エルシアが展示室で魔法を使ったときに『見なかったことにしろ』って」
「そういうことだな」
間違いなく、エルシアは普通の魔術師ではない。
ずば抜けた力を持つ平民の若い女の魔術師。真っ先に権力者の餌食になりそうだ。
嫌な予感はこれだったのか?
俺は団長たちに、恐る恐る疑問を投げかけた。
「あの、この話がバレたら、エルシア、どうなるんですか?」
「んー、面倒なことになるなぁ」と団長。
「第三騎士団を辞職する羽目にもなりかねない」と副団長。
「言っておきますが、ルベラス君には落ち度もやましいところも一切ないんです。どちらかというと、被害者なんですよね」
と魔術師長がとどめを刺す。
なんだよ、それ。
会議室が静まり返った。
「だから、ルベラス君の平穏な生活のために、知らない振りに協力しろってことだなぁ」
団長の声がやけに大きく聞こえる。
「なので、その四。ルベラス君のことは詮索しないこと」
「ええ?! これだけ訳あり感、煽っておいて?」
「肝心なところは教えないって、余計に気になるだろ!」
「そんなのありかよ?!」
ま、まぁ、みんなの気持ちは分かるし、俺だって同じ気持ちだ。
それでも、他人の個人的な事情を根ほり葉ほり聞くのは失礼だよな。
気になって仕方がないが、エルシアが自分から打ち明けてくれるのを待つしかないか。
「注意事項は以上」
「ちゃんと守れよ~」
「解散」
念押しする団長ののんびり声と、騒ぐ先輩たちの怒号に囲まれながら、俺は会議室を後にしたのだった。
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