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1 王女殿下の魔猫編
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「あのぉ、三聖の展示室の見学会は、こちらかしらぁ?」
殺る気満々の私と、そんな私を押さえつけるクラウド。そんな私たちに向かって、間の抜けたような、のんびりした甘い声がかけられた。
「よくこの状況を見て話しかけてきたな」
クラウドが私にだけ聞こえる声でつぶやく。
私はとりあえず、殺る気を引っ込めた。
私の殺る気が消失したのを察知したのか、クラウドが手の力を緩める。
ううっ。痛い。
握られたところが痛い。加減してよ、加減。痣になったらどうしてくれるのよ、こいつ。
ともあれ、私もクラウドも揃って甘い声の主に目をやる。
私たちの視線の先には、淡いブルーの歩きにくそうなドレスを纏った女性と、渋い緑を基調としたワンピース姿の女性、同じくグレーとホワイトのワンピース姿の女性、三人の姿があった。
もちろん、突然現れたのではなく、私たちが小憎たらしいヤツらに気を取られている最中に、ゆったりまったりと近づいてきたグループだ。
淡いブルーのドレスの女性が、どう見たってグループの中心人物だろう。甘い声はその女性から発せられた。
フワフワした明るい金髪に、ドレスと同じような淡いブルーの瞳。年齢は私と同じくらい。小顔で小柄、小動物系な印象の令嬢だ。
ちょっと目尻がたれていて、目元のほくろが可愛らしさと相反した色っぽさを醸し出している。
顔の上半分はにこりと笑っているようにも見えるけど、下半分の口元は扇で隠されていて、どんな表情かははっきりしない。
声かけの内容から、このグループが見学者の最後だということが分かった。
まぁ、遅刻ではないけど。
自分たち以外がぞろっと揃っているところへ、ずいぶん、堂々とやってきたものだと思う。
私の返事より前に、ワンピース姿の女性二人が動いた。
「お嬢さま。こちらにおかけください」
「ただいま、お茶の準備を始めますので」
ザッ バンッ サッササッ
ビックリするほど自然な流れで、背中に背負った荷物を目の前に取り出す二人。
「ストップ、ストーーップ!」
なんと、小さなテーブルと一人掛けのイス。ポットと茶器まである。
そういうのは、この『三聖の展示室』の目の前でやらないでほしい。お願いだから。
「上位貴族ってやつは、なんでも好き勝手できると思ってるからな」
呆れたクラウドの声が耳元で響く。
それ、ガツンと言ってあげなよ。私にだけ聞こえる声でつぶやくんじゃなくてさ!
ジロッとクラウドを睨むと、
「か弱そうな令嬢相手に、騎士が声をかけて怖がらせたりでもしたら、絶対に問題視されるから」
だから自分は直接関わらない。
言外にそう含ませながら、やっぱり、私にだけ聞こえる声でつぶやき続ける。
うぐぐっ。
だから、嫌なんだ、こいつ。
楽観的で軽い性格で、やたら馴れ馴れしくて調子の良さそうなノリで煽るくせに、締めるところは弁えていて、ダメ出しするところはしっかりダメ出しする。
手を出しちゃいけないところもしっかり押さえているので、今回みたいな場面では自分から前に出ない。
そう。ムチャクチャ、要領がいいんだわ、こいつ。そして、初対面の人間や当たり障りのない人間に対しては、人当たりもいい。
どこかの誰かにも見習わせたい気分。
おまけに、顔がよくて格好よくて騎士としての実力もあるって、どうなの?!
私、こういうのと同僚なんてまっぴらごめんなんだけど。
はぁ。
クラウドが注意しないなら、私が相手をするしかないのか。
私は顔を上げ、意を決して、三人に話しかけた。
「こちらの広場は飲食禁止になっております」
間髪入れず、注意書きの看板を指差す。ビシッと。
「あらぁ」
パチンと扇をたたんで、ドレスの令嬢が残念そうな声を上げた。
ナイス注意書き。しかも罰則明記。いい場所にあってくれてありがとう。
きっと、同じことをする人がいたんだろうな。高位貴族ヤバい。
「それに見学開始の時間です。付き添いの方は、あちらの建物内にある待機室でお待ちください」
ワンピース姿の女性はどう考えても侍女だ。付き人だ。ルール上、見学は本人のみ。付き添いは不可。お引き取りいただこう。
今度は待機室のある建物を指差した。
しかし、ドレスの令嬢は、
「あらぁ。三人とも見学者よ~」
なんともないことのように言い切った。
「はぁ?」
思わず、低い声が出た。
「だって、マリーアンてば、こんなに可愛らしいじゃない?」
「はぁあ? だから?」
わたくし、じゃなくて、マリーアンて言ったよ、自分のこと。
私以外の周りの男性陣は全員、ウンウン頷いてるし。
クラウドもいっしょになって頷いてるし。止めてほしい、ムカつくから。
うん。百歩譲って、可愛いのは認めてあげるけど。
「こんなに可愛らしいマリーアンが、ひとりで見学なんて無理だからぁ」
「なら、帰れば?」
「でもぉ、お父さまが、三聖の見学をやらないとダメだからって」
「でしょうね」
この『三聖の展示室』の見学が人気なのは、誰でも手続きすれば見学ができる他に、いくつか理由があって、一つはこれだった。
ドレスの令嬢もその理由のため、父親から見学を命じられたんだろう。
これはこれで同情するけど。
「それにぃ、三聖の展示室といったら、『運命の恋』の告白が実際に行われた場所! 『聖地』じゃないのぉ!」
そしてもう一つはこれ。
はぁ。
むかーし、昔、今から二十年以上前に起こった高位貴族の婚約破棄。それに続く身分違いの恋の告白。
ざっくり言うと、男性側の浮気と横恋慕の話だ。くだらない。
ところが、世の女性とやらは、前者を『真実の愛』、後者を『運命の恋』と称して熱狂し、小説や舞台にまで発展した。
未だにロングセラーだというので、どれだけおもしろい作品がないんだか、と思ってしまう。
中には『聖地』巡りを趣味にする愛好家もいて、この令嬢もその一人のようだった。
「お父さまも、マリーアンの趣味が分かってきたようですわぁ」
いろいろと誤解がありそうだけど。
「それでぇ、マリーアンのお友だちを誘ったら、お友だちも見学したいって」
「そのお友だち。あなたのこと、お嬢さまって呼んでたわよね」
「あらぁ。マリーアン、オジョーサマってあだ名なの~」
「嘘つけ」
「ひっど~い。本当なんだからぁ」
そのわざとらしい話し方やめろ。あざとい仕草もやめろ。
イラッとする私の後ろから、クラウドが、今度は周りに聞こえるように声をかけてきた。
「見学申請はきちんと出されてるな」
「ルールでは、付き添いの同伴はダメなんでしょ?」
返事を返しながら振り返ると、クラウドは見学者リストと申請用紙を手にしている。
そして、紙をめくりながら、見学者をチラチラと見ていた。
「明らかに付き添いって感じなら、ダメなんだが…………」
申請用紙に過誤がないか、本当に申請者本人が参加しているのか、確認をしているんだな、これ。
「書類上、不備がない」
ええっ。
私の表情を読んで、クラウドが慌てて付け加える。
「本当だ」
クラウドは肩をすくめた。
「ま、同じ年齢で見学経験がない侍女を選んでつけたんだとしても、雇用条件について、こっちはとやかく言えないからな」
「ということは…………」
「全員揃った、ってことだ。見学の誘導、始めるぞ。説明の方はよろしくな」
そう言って、クラウドは私の頭をポンポンと叩いた。
「あらぁ、まぁまぁまぁ」
令嬢が興奮して声を上げる。
まったく。クラウドは時折、余計な動作を挟むんだよねぇ。
うん。変な誤解をされる前にさっさと始めるか。
殺る気満々の私と、そんな私を押さえつけるクラウド。そんな私たちに向かって、間の抜けたような、のんびりした甘い声がかけられた。
「よくこの状況を見て話しかけてきたな」
クラウドが私にだけ聞こえる声でつぶやく。
私はとりあえず、殺る気を引っ込めた。
私の殺る気が消失したのを察知したのか、クラウドが手の力を緩める。
ううっ。痛い。
握られたところが痛い。加減してよ、加減。痣になったらどうしてくれるのよ、こいつ。
ともあれ、私もクラウドも揃って甘い声の主に目をやる。
私たちの視線の先には、淡いブルーの歩きにくそうなドレスを纏った女性と、渋い緑を基調としたワンピース姿の女性、同じくグレーとホワイトのワンピース姿の女性、三人の姿があった。
もちろん、突然現れたのではなく、私たちが小憎たらしいヤツらに気を取られている最中に、ゆったりまったりと近づいてきたグループだ。
淡いブルーのドレスの女性が、どう見たってグループの中心人物だろう。甘い声はその女性から発せられた。
フワフワした明るい金髪に、ドレスと同じような淡いブルーの瞳。年齢は私と同じくらい。小顔で小柄、小動物系な印象の令嬢だ。
ちょっと目尻がたれていて、目元のほくろが可愛らしさと相反した色っぽさを醸し出している。
顔の上半分はにこりと笑っているようにも見えるけど、下半分の口元は扇で隠されていて、どんな表情かははっきりしない。
声かけの内容から、このグループが見学者の最後だということが分かった。
まぁ、遅刻ではないけど。
自分たち以外がぞろっと揃っているところへ、ずいぶん、堂々とやってきたものだと思う。
私の返事より前に、ワンピース姿の女性二人が動いた。
「お嬢さま。こちらにおかけください」
「ただいま、お茶の準備を始めますので」
ザッ バンッ サッササッ
ビックリするほど自然な流れで、背中に背負った荷物を目の前に取り出す二人。
「ストップ、ストーーップ!」
なんと、小さなテーブルと一人掛けのイス。ポットと茶器まである。
そういうのは、この『三聖の展示室』の目の前でやらないでほしい。お願いだから。
「上位貴族ってやつは、なんでも好き勝手できると思ってるからな」
呆れたクラウドの声が耳元で響く。
それ、ガツンと言ってあげなよ。私にだけ聞こえる声でつぶやくんじゃなくてさ!
ジロッとクラウドを睨むと、
「か弱そうな令嬢相手に、騎士が声をかけて怖がらせたりでもしたら、絶対に問題視されるから」
だから自分は直接関わらない。
言外にそう含ませながら、やっぱり、私にだけ聞こえる声でつぶやき続ける。
うぐぐっ。
だから、嫌なんだ、こいつ。
楽観的で軽い性格で、やたら馴れ馴れしくて調子の良さそうなノリで煽るくせに、締めるところは弁えていて、ダメ出しするところはしっかりダメ出しする。
手を出しちゃいけないところもしっかり押さえているので、今回みたいな場面では自分から前に出ない。
そう。ムチャクチャ、要領がいいんだわ、こいつ。そして、初対面の人間や当たり障りのない人間に対しては、人当たりもいい。
どこかの誰かにも見習わせたい気分。
おまけに、顔がよくて格好よくて騎士としての実力もあるって、どうなの?!
私、こういうのと同僚なんてまっぴらごめんなんだけど。
はぁ。
クラウドが注意しないなら、私が相手をするしかないのか。
私は顔を上げ、意を決して、三人に話しかけた。
「こちらの広場は飲食禁止になっております」
間髪入れず、注意書きの看板を指差す。ビシッと。
「あらぁ」
パチンと扇をたたんで、ドレスの令嬢が残念そうな声を上げた。
ナイス注意書き。しかも罰則明記。いい場所にあってくれてありがとう。
きっと、同じことをする人がいたんだろうな。高位貴族ヤバい。
「それに見学開始の時間です。付き添いの方は、あちらの建物内にある待機室でお待ちください」
ワンピース姿の女性はどう考えても侍女だ。付き人だ。ルール上、見学は本人のみ。付き添いは不可。お引き取りいただこう。
今度は待機室のある建物を指差した。
しかし、ドレスの令嬢は、
「あらぁ。三人とも見学者よ~」
なんともないことのように言い切った。
「はぁ?」
思わず、低い声が出た。
「だって、マリーアンてば、こんなに可愛らしいじゃない?」
「はぁあ? だから?」
わたくし、じゃなくて、マリーアンて言ったよ、自分のこと。
私以外の周りの男性陣は全員、ウンウン頷いてるし。
クラウドもいっしょになって頷いてるし。止めてほしい、ムカつくから。
うん。百歩譲って、可愛いのは認めてあげるけど。
「こんなに可愛らしいマリーアンが、ひとりで見学なんて無理だからぁ」
「なら、帰れば?」
「でもぉ、お父さまが、三聖の見学をやらないとダメだからって」
「でしょうね」
この『三聖の展示室』の見学が人気なのは、誰でも手続きすれば見学ができる他に、いくつか理由があって、一つはこれだった。
ドレスの令嬢もその理由のため、父親から見学を命じられたんだろう。
これはこれで同情するけど。
「それにぃ、三聖の展示室といったら、『運命の恋』の告白が実際に行われた場所! 『聖地』じゃないのぉ!」
そしてもう一つはこれ。
はぁ。
むかーし、昔、今から二十年以上前に起こった高位貴族の婚約破棄。それに続く身分違いの恋の告白。
ざっくり言うと、男性側の浮気と横恋慕の話だ。くだらない。
ところが、世の女性とやらは、前者を『真実の愛』、後者を『運命の恋』と称して熱狂し、小説や舞台にまで発展した。
未だにロングセラーだというので、どれだけおもしろい作品がないんだか、と思ってしまう。
中には『聖地』巡りを趣味にする愛好家もいて、この令嬢もその一人のようだった。
「お父さまも、マリーアンの趣味が分かってきたようですわぁ」
いろいろと誤解がありそうだけど。
「それでぇ、マリーアンのお友だちを誘ったら、お友だちも見学したいって」
「そのお友だち。あなたのこと、お嬢さまって呼んでたわよね」
「あらぁ。マリーアン、オジョーサマってあだ名なの~」
「嘘つけ」
「ひっど~い。本当なんだからぁ」
そのわざとらしい話し方やめろ。あざとい仕草もやめろ。
イラッとする私の後ろから、クラウドが、今度は周りに聞こえるように声をかけてきた。
「見学申請はきちんと出されてるな」
「ルールでは、付き添いの同伴はダメなんでしょ?」
返事を返しながら振り返ると、クラウドは見学者リストと申請用紙を手にしている。
そして、紙をめくりながら、見学者をチラチラと見ていた。
「明らかに付き添いって感じなら、ダメなんだが…………」
申請用紙に過誤がないか、本当に申請者本人が参加しているのか、確認をしているんだな、これ。
「書類上、不備がない」
ええっ。
私の表情を読んで、クラウドが慌てて付け加える。
「本当だ」
クラウドは肩をすくめた。
「ま、同じ年齢で見学経験がない侍女を選んでつけたんだとしても、雇用条件について、こっちはとやかく言えないからな」
「ということは…………」
「全員揃った、ってことだ。見学の誘導、始めるぞ。説明の方はよろしくな」
そう言って、クラウドは私の頭をポンポンと叩いた。
「あらぁ、まぁまぁまぁ」
令嬢が興奮して声を上げる。
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