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7 帝国動乱編
6-2 一番目は楽しむ
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四番目の結婚(?)式が終わって、僕の周囲もようやく落ち着きを見せてきた。
ただ一人。僕の舎弟を除いて。
舎弟のやつは相変わらず忙しかった。月一の菓子会もできないほど。
いつも菓子会に乱入しては惚気話を聞かせる四番目の襲来がなくなったので、ホッとはしているものの、僕のストレス解消にはまったくなっていない。
忙しくて会う暇もないと言うので、僕の方から第一塔の塔長室へ行ってみたら、そこは殺伐とした雰囲気で。
「なんだよ、この暗い雰囲気は?」
「バーミリオン様、お疲れさまです」
「いや、疲れてるのはそっちだろ、フィールズ補佐官」
目の下の隈がヤバいだろ。過労と睡眠不足は美容の敵じゃないのか? 大丈夫か、この職場?
フィールズ補佐官の顔色は、僕にそう思わせるくらいのヤバいほどのもの。
「舎弟は? 四番目は? いったいどうなってるんだよ、ここ」
「それが実は…………」
フィールズ補佐官に席とお茶と茶菓子を進められて、聞いた話は頭の痛いものだった。
「つまり、ラウゼルトのやつが、ついに、クロエル補佐官を完全私物化したんだ」
「違うだろ」
「違わない。そうでなくても貴重な特級補佐官を独占するなんて!」
舎弟の絶望的な声が塔長室に響く。
つまり、四番目を完全捕獲完了した黒竜が、上位竜種としての権限を最大限に使って、四番目の塔長室所属を振り払った、と。
おかげで、塔長室は業務が回らないほどの忙しさだと。
まぁ、そういうわけらしい。
はぁ。
「そうは言ってもだなぁ」
僕は次に続く言葉をいったん止めた。
私物化というのはちょっと違うな、同化だよな。同化しているわけだから離れたくないんだよな。
そう言いたいけれど、そう言ったところで納得するはずもないか。
「四番目のやつ、元々、週一日しか働いてなかっただろ?」
「クロエル先輩は仕事が速いので、一日で一週間分をこなすんです!」
「クロエル補佐官、ぽわんとしてても、優秀なんだよね」
「その優秀なクロエル補佐官を、ラウゼルトに取られたんだ!」
他の言葉を選んだつもりが、見事に別なところに当たってしまった。
むぅ。
かわいそうだけれど、ここは正論で諦めてもらうしかない。
「元々、四番目には黒竜の鎖がついてるんだ。黒竜から離れて、規則とはいえ、塔長室に勤務していたのが異常だっただけだ」
「うぅっ。それはそうだけど、師匠」
「四番目を完全捕獲した黒竜は、四番目の権能の一部を使えるんだぞ。そんなのが奥さん恋しさに暴れてみろ」
僕はいったん言葉を切って、舎弟を真っ正面から見る。
「舎弟、責任とれるのか?」
舎弟はがっくりと肩を落とした。
「そういうわけで、もうしばらく菓子会はないんだよ」
「いや、僕も忙しいんだけど」
舎弟が忙しくて菓子会ができない経緯を丁寧に説明してやったというのに、二番目の反応はものすごく悪かった。
「なんだよ、その反応。菓子と茶菓子もつけてやったのに」
「菓子も茶菓子もどっちもお菓子だよね、テラ」
まったく、いちいち反応がかわいくない。
二番目は見た目からして大人だからな、かわいくないのは仕方がないが、一番目に対する敬意というものがない。
このへん、少しは舎弟を見習ってほしい。
「いいか。黒竜の手作りのやつが菓子、舎弟が買ってきたのが茶菓子だ」
僕は指差して、違いを分からせてやったが、二番目は不味いものでも食べたような顔。
「違いが分からないんだけど。だいたい、あの黒竜が菓子なんて手作りするの?!」
「するんだよ。四番目に食わせるために」
「嘘だろ、しかも美味いし。あの外見で菓子づくりが上手だなんてないよな」
おい、不味そうな表情で美味いと言っても、伝わらんぞ。
疑うのも無理はないほど、黒竜の菓子は美味いけどな。
「そもそも四番目に食べさせるためなら、なぜ、ここにあるわけ? テラの舎弟が差し入れするのは分からなくもないけど」
「赤種同士の会議に四番目を参加させないから、詫びのつもりらしいぞ」
ともかく、そんな前置きから始まって、僕たちは赤種同士の話し合いを進めていった。
途中、神官見習いのレッドに、資料やお茶のお代わりやら追加の茶菓子など運ばせながら。
あらかた話が済んだところで、話題は四番目のことになった。
レッドも興味津々な様子で話を聞いている。
「感情の神は、神としての力をガシガシ削られた上に、しっかり封印されたしな」
「上位魔種は身を引いて、詠唱魔法に詳しいお友だちポジション獲得か」
「専属護衛は、夫以外では一番そばで見守れる護衛ポジション継続中だな」
「スカーレットもバカなことをしたよ。いつでも相談に乗る同種ポジションを確保しておけば、良かったのにね」
二番目がこぼした。
スカーレットとは緋色の瞳を持った三番目の別称だ。いや、元三番目か。
今の三番目はなんの特徴もない『ただの赤』になったから。
ちらっとレッドを見る。
とくに何の感慨もなさそうだ。
それより気になることを二番目が口にした。なんとなく、ムカムカする。
「いつでも相談に乗る同種ポジションには僕がいるんだけどな」
「そうだね、テラがいたね。って、君まさか、四番目のことを好きなの?」
「…………………………悪いか?」
一瞬、言葉に詰まったが、正直に言い切った。
粘着質たちのような『好き』とは違う。同種として家族としての『好き』。
気恥ずかしいが、見た目は子どもだし、そのくらいはいいよな。
そう思った僕の感性を、二番目のやつが遠慮なくぶったぎった。
「いやだって! 四番目は粘着質たちのお姫さまだよ! 君も粘着質だったわけ?」
なんでそうなる?!
「はぁぁぁぁ?! 僕をあいつらといっしょにするな! 僕は純粋に妹分としての四番目が好きだって言ってるだけだ!」
「大げさに否定するところが怪しいな」
「否定するだろ! あの執着心と独占欲の塊のようなやつらと同じ扱いされるなんて、ゾッとして鳥肌が立つ!」
「まぁ、そういうことにしておいてあげるよ」
手をパタパタと扇ぐように動かし、ケラケラと笑う二番目。
「だから、違うって!」
「アハハハ。テラをからかうのはおもしろいなー」
今度は大笑いする。
「おい!」
ムカつくけど、二番目がここまで楽しそうにする姿を見るのも、久しぶりだ。
元三番目のスカーレットのことについては、僕同様、二番目も後悔しかないと思う。
あの日、黒竜に倒されたスカーレットは、僕たちの権能を使っても、スカーレットから変わることはなかった。
スカーレットをレッドとして、やり直させることができたのは、ひとえにデュク様のおかげ。
スカーレットとしての記憶も、ディアドレッドの名前も失って、ただの赤、レッドになってしまったけれど。
「それで、感情の神は片付いたけど、他はどうなの?」
「問題ない。レッド、あれを持ってこい」
興味深げに僕たちの話を聞いていたレッドに声をかける。
レッドはいそいそと資料の束をテーブルに広げ、僕たちは再び、赤種同士の話し合いに戻った。
「なるほどね。混沌の樹林や魔物の方も大丈夫なんだね」
最後の話が終わり、安心したように二番目が声を漏らす。
僕は二番目の言葉に大きく頷いて同意した。
「大丈夫だ。それに、あのバカ夫婦がいるうちは平穏が続くからな」
四番目と黒竜。あの二人がいる限りは世界は平穏無事のままだろう。
しかし、不安の種が尽きたわけではない。
僕は安心する二番目と、お菓子に手を出すレッドを横目で見ながら、二人に聞こえないようつぶやいた。
「混乱の神と五番目が、このまま動き出さなければ、の話だけどな」
「テラ、何か言ったか?」
「いや。何も」
僕は笑って、目の前の菓子に手を伸ばすのだった。
この平穏がいつまでも続くことを心の中で祈りながら。
(完)
ただ一人。僕の舎弟を除いて。
舎弟のやつは相変わらず忙しかった。月一の菓子会もできないほど。
いつも菓子会に乱入しては惚気話を聞かせる四番目の襲来がなくなったので、ホッとはしているものの、僕のストレス解消にはまったくなっていない。
忙しくて会う暇もないと言うので、僕の方から第一塔の塔長室へ行ってみたら、そこは殺伐とした雰囲気で。
「なんだよ、この暗い雰囲気は?」
「バーミリオン様、お疲れさまです」
「いや、疲れてるのはそっちだろ、フィールズ補佐官」
目の下の隈がヤバいだろ。過労と睡眠不足は美容の敵じゃないのか? 大丈夫か、この職場?
フィールズ補佐官の顔色は、僕にそう思わせるくらいのヤバいほどのもの。
「舎弟は? 四番目は? いったいどうなってるんだよ、ここ」
「それが実は…………」
フィールズ補佐官に席とお茶と茶菓子を進められて、聞いた話は頭の痛いものだった。
「つまり、ラウゼルトのやつが、ついに、クロエル補佐官を完全私物化したんだ」
「違うだろ」
「違わない。そうでなくても貴重な特級補佐官を独占するなんて!」
舎弟の絶望的な声が塔長室に響く。
つまり、四番目を完全捕獲完了した黒竜が、上位竜種としての権限を最大限に使って、四番目の塔長室所属を振り払った、と。
おかげで、塔長室は業務が回らないほどの忙しさだと。
まぁ、そういうわけらしい。
はぁ。
「そうは言ってもだなぁ」
僕は次に続く言葉をいったん止めた。
私物化というのはちょっと違うな、同化だよな。同化しているわけだから離れたくないんだよな。
そう言いたいけれど、そう言ったところで納得するはずもないか。
「四番目のやつ、元々、週一日しか働いてなかっただろ?」
「クロエル先輩は仕事が速いので、一日で一週間分をこなすんです!」
「クロエル補佐官、ぽわんとしてても、優秀なんだよね」
「その優秀なクロエル補佐官を、ラウゼルトに取られたんだ!」
他の言葉を選んだつもりが、見事に別なところに当たってしまった。
むぅ。
かわいそうだけれど、ここは正論で諦めてもらうしかない。
「元々、四番目には黒竜の鎖がついてるんだ。黒竜から離れて、規則とはいえ、塔長室に勤務していたのが異常だっただけだ」
「うぅっ。それはそうだけど、師匠」
「四番目を完全捕獲した黒竜は、四番目の権能の一部を使えるんだぞ。そんなのが奥さん恋しさに暴れてみろ」
僕はいったん言葉を切って、舎弟を真っ正面から見る。
「舎弟、責任とれるのか?」
舎弟はがっくりと肩を落とした。
「そういうわけで、もうしばらく菓子会はないんだよ」
「いや、僕も忙しいんだけど」
舎弟が忙しくて菓子会ができない経緯を丁寧に説明してやったというのに、二番目の反応はものすごく悪かった。
「なんだよ、その反応。菓子と茶菓子もつけてやったのに」
「菓子も茶菓子もどっちもお菓子だよね、テラ」
まったく、いちいち反応がかわいくない。
二番目は見た目からして大人だからな、かわいくないのは仕方がないが、一番目に対する敬意というものがない。
このへん、少しは舎弟を見習ってほしい。
「いいか。黒竜の手作りのやつが菓子、舎弟が買ってきたのが茶菓子だ」
僕は指差して、違いを分からせてやったが、二番目は不味いものでも食べたような顔。
「違いが分からないんだけど。だいたい、あの黒竜が菓子なんて手作りするの?!」
「するんだよ。四番目に食わせるために」
「嘘だろ、しかも美味いし。あの外見で菓子づくりが上手だなんてないよな」
おい、不味そうな表情で美味いと言っても、伝わらんぞ。
疑うのも無理はないほど、黒竜の菓子は美味いけどな。
「そもそも四番目に食べさせるためなら、なぜ、ここにあるわけ? テラの舎弟が差し入れするのは分からなくもないけど」
「赤種同士の会議に四番目を参加させないから、詫びのつもりらしいぞ」
ともかく、そんな前置きから始まって、僕たちは赤種同士の話し合いを進めていった。
途中、神官見習いのレッドに、資料やお茶のお代わりやら追加の茶菓子など運ばせながら。
あらかた話が済んだところで、話題は四番目のことになった。
レッドも興味津々な様子で話を聞いている。
「感情の神は、神としての力をガシガシ削られた上に、しっかり封印されたしな」
「上位魔種は身を引いて、詠唱魔法に詳しいお友だちポジション獲得か」
「専属護衛は、夫以外では一番そばで見守れる護衛ポジション継続中だな」
「スカーレットもバカなことをしたよ。いつでも相談に乗る同種ポジションを確保しておけば、良かったのにね」
二番目がこぼした。
スカーレットとは緋色の瞳を持った三番目の別称だ。いや、元三番目か。
今の三番目はなんの特徴もない『ただの赤』になったから。
ちらっとレッドを見る。
とくに何の感慨もなさそうだ。
それより気になることを二番目が口にした。なんとなく、ムカムカする。
「いつでも相談に乗る同種ポジションには僕がいるんだけどな」
「そうだね、テラがいたね。って、君まさか、四番目のことを好きなの?」
「…………………………悪いか?」
一瞬、言葉に詰まったが、正直に言い切った。
粘着質たちのような『好き』とは違う。同種として家族としての『好き』。
気恥ずかしいが、見た目は子どもだし、そのくらいはいいよな。
そう思った僕の感性を、二番目のやつが遠慮なくぶったぎった。
「いやだって! 四番目は粘着質たちのお姫さまだよ! 君も粘着質だったわけ?」
なんでそうなる?!
「はぁぁぁぁ?! 僕をあいつらといっしょにするな! 僕は純粋に妹分としての四番目が好きだって言ってるだけだ!」
「大げさに否定するところが怪しいな」
「否定するだろ! あの執着心と独占欲の塊のようなやつらと同じ扱いされるなんて、ゾッとして鳥肌が立つ!」
「まぁ、そういうことにしておいてあげるよ」
手をパタパタと扇ぐように動かし、ケラケラと笑う二番目。
「だから、違うって!」
「アハハハ。テラをからかうのはおもしろいなー」
今度は大笑いする。
「おい!」
ムカつくけど、二番目がここまで楽しそうにする姿を見るのも、久しぶりだ。
元三番目のスカーレットのことについては、僕同様、二番目も後悔しかないと思う。
あの日、黒竜に倒されたスカーレットは、僕たちの権能を使っても、スカーレットから変わることはなかった。
スカーレットをレッドとして、やり直させることができたのは、ひとえにデュク様のおかげ。
スカーレットとしての記憶も、ディアドレッドの名前も失って、ただの赤、レッドになってしまったけれど。
「それで、感情の神は片付いたけど、他はどうなの?」
「問題ない。レッド、あれを持ってこい」
興味深げに僕たちの話を聞いていたレッドに声をかける。
レッドはいそいそと資料の束をテーブルに広げ、僕たちは再び、赤種同士の話し合いに戻った。
「なるほどね。混沌の樹林や魔物の方も大丈夫なんだね」
最後の話が終わり、安心したように二番目が声を漏らす。
僕は二番目の言葉に大きく頷いて同意した。
「大丈夫だ。それに、あのバカ夫婦がいるうちは平穏が続くからな」
四番目と黒竜。あの二人がいる限りは世界は平穏無事のままだろう。
しかし、不安の種が尽きたわけではない。
僕は安心する二番目と、お菓子に手を出すレッドを横目で見ながら、二人に聞こえないようつぶやいた。
「混乱の神と五番目が、このまま動き出さなければ、の話だけどな」
「テラ、何か言ったか?」
「いや。何も」
僕は笑って、目の前の菓子に手を伸ばすのだった。
この平穏がいつまでも続くことを心の中で祈りながら。
(完)
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