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7 帝国動乱編
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時空の狭間の神殿から戻ってくると、時刻はそろそろ夕方になろうとしているところだった。
師団長室には、夏の午後の強い日差しが照りつけられている。
にもかかわらず、師団長室が快適な涼しさを保っているのは部屋の主、ラウのおかげ。
そのラウは、私を膝に座らせ、上半身をラウの身体にもたれかけさせ、片手で抱きしめた状態で、書類の決裁を行っていたらしい。
私がパチッと目を開けると、私の顔の目の前にラウの顔があった。もの凄く不機嫌そうな顔。
うん、これは怒ってるかも。
「ラウ、ただいま」
恐る恐る小さな声でつぶやくと、
「フィア!」
ラウは手に持った書類を放り出して、もう片方の手も合わせて、私を抱きしめてくれた。
力一杯。
ギュシッ
「!!!」
私の身体が軋む音が聞こえる。
「師団長、クロスフィア様が潰れます!」
私の専属護衛、ジンクレストの声が遠くに聞こえ、目の前が再び暗転した。
次に目を覚ましたときには、まだ、師団長室には西日が射していた。日の傾き具合からすると、気絶してから一時間ほどだろう。目の前にはラウの涙顔がある。
「フィア、良かった。突然、気を失うから心配したんだ」
ぼーっとラウを眺める私を、ラウはまたもやガシッと抱きしめた。
「師団長、クロスフィア様が潰れます!」
「同じことを二度もやるかよ!」
今、やろうとしたよね。危ない危ない。
史上初の、竜種の夫に抱きしめ殺された赤種になるところだった。
最近はだいぶ身体も慣れてきたと思っていたけど、ラウが手加減していただけだったか。
うん、冷や汗が出る。
ともあれ、抱きしめ殺されそうになった以外は、身体も無事なようだし、問題はなさそう。
「ふー」
私は息を吐いて、肩をぐりぐりと回した。
ラウをイスにしたままだけど、まずは身体がちゃんと動くかどうかだ。
私がラウの脚の上でもぞもぞ身体を動かし、問題ないことを確認していると、ラウの副官カーネリウスさんの声が聞こえてきた。
「そういえば、クロエル補佐官が寝ている間、師団長が舐めていましたよ」
「は? 何を?」
ラウを見上げると、ラウはさっと顔を背ける。頬も耳も赤い。
これは!
首をくるっとさせて、カーネリウスさんを見る。目で催促するが伝わらない。
「私は止めようとしたんですが」
別の方向から別の声が聞こえてきた。ジンクレストだ。
「クロスフィア様の耳とか首とか、ペロペロと舐めていました」
「甘くて美味しいそうですよ」
ゴホ
カーネリウスさんが余計な一言を付け加える。
「それ、なんで止めてくれないのよ!」
「クロスフィア様の身体を人質にされていたもので」
ゴホゴホ
おかしいでしょ、それ。
「夫が妻の身体を舐めて、何が悪い!」
「そこ、開き直らないで!」
師団長室に私の怒号が響き渡る、そんな夕暮れ時だった。
けっきょく。
「フィアが動かなくて寂しかったから」
と、涙ぐむ犯罪者一歩手前の夫を厳重注意して、今日の業務は終了。
専属護衛のジンクレストと、同じく専属護衛のメモリアを伴って、ラウといっしょに官舎へと帰る。
帰り道で、私はラウに時空の狭間での出来事を報告した。
「それでね。神様たちに会ったの!」
デュク様もかわいいけど、他の神様たちもすごくかわいかったなぁ。
私は神様たちのかわいさと触り心地の良さを思い出して、うっとりとする。
私とは逆に不機嫌な声を出すラウ。
「俺のフィアを占有するとは許すまじ」
「ラウは私の身体を占有してたよね?」
「フィアは俺のなんだから、当然だろ」
なんだか、最近のラウは本当に不安定で、本当におかしい。
銀竜さんの言うとおり、新婚終了間近なのが原因なんだろうか。
普通種は結婚間近に結婚や結婚後の生活の不安から憂鬱になる、と聞いたことがある。
ラウのも似たようなものなんだろうか。
それとも。
カーシェイさんの葬儀のときに、私が不安を煽るようなことを伝えてしまったからだろうか。
私はラウの顔を見上げた。
破壊と終焉の赤種は役割を終えると消えてしまう。
誰に聞いたわけでもない。そうなるものだと自然と分かった。
なぜか悲しくはなかった。そうなることが自然だと感じたがら。
私が消えたらラウも連れていく。
だから、私が消えても心配しないようにと伝えたのに。
逆に不安にさせてしまったのかも。
ラウの横顔を見ても、ラウが不安定な原因はよく分からない。
まぁ、師団の総意でラウのフォローを頼まれているし。
頼まれていなくたって、私はラウの奥さんなんだから、全力でラウを支えるつもりだし。
だとしても、なんでもかんでも受け入れることはしないでおこう。
調子に乗られて困るのは他でもない。私だ。
「それでも。神様たちのおかげで、今、ラウは温かいんだから。文句、言わないの」
私はラウの手をギュッと握りしめ、神様たちからもらった温かさをラウに移したのだった。
その日の夕食後。いつものまったりとした時間。
私はラウのお菓子をもぐもぐと口にしながら、明日の仕事の話を持ち出した。
「まずは明日の会議だね」
「フィアとイチャイチャするときに、仕事の話なんてしたくない」
手をギュッと作戦でラウの機嫌は治ったかのようにみえたのに。不機嫌と不安定はそのままだった。
はぁ。
これ、いつまで続くんだろ。
「仕事中もイチャイチャしてるよね?」
「フィア。上位竜種の夫は奥さんとイチャイチャできないと死ぬんだぞ」
しばしの沈黙。
「金竜さんも銀竜さんも、仕事中にイチャイチャしなくても生きてるよね」
「あいつらはもう、新婚じゃないからな」
ああ言えばこう言う。まるで拗ねた子どものようだ。
「ふーん。それじゃ新婚期間が終わったら、イチャイチャも終わりなんだね」
「いや、人生にイチャイチャは必須。絶対的に必要だ」
「そんな大きな顔して断言しなくても」
ここで私がきっぱりとつっぱねても、私が勝つ自信はある。
そうなった場合、絶対に『さらに面倒くさいラウ』になる。
フィアが冷たいとか、フィアに捨てられるとか。そう言って私にしがみついてくるはずだ。
うん、ここは適当に流そう。
私の中で、『今の面倒な状況』が『さらに面倒な状況』に勝った。とりあえず、現状維持。
「だから、六十になっても七十になってもイチャイチャと子作りは続けような、フィア」
「うん、もう分かったから」
作戦通り、ラウの提案を適当に流す。
ん?
「て、子作り、要らないよね? 竜種も赤種も神様の加護が強すぎて、頑張っても子どもはできないんだったよね?」
いやいや、これは流されちゃいけないやつ!
「いいか、フィア。子作りの目的は、子どもを作ることじゃないんだ」
真面目な顔でラウは言う。これは間違いなく本気で言ってる。でも意味が分からない。
「竜種にとってはある種の崇高な儀式」
うん。何、言ってるんだろ、この夫。
「ということだ、フィア」
うん。絶対、分からないから!
けっきょく、ラウは機嫌が治ったのかニコリと笑顔を見せるだけ。
崇高な儀式についての解説はとくになかった。
まぁ、いつものことだけど。
師団長室には、夏の午後の強い日差しが照りつけられている。
にもかかわらず、師団長室が快適な涼しさを保っているのは部屋の主、ラウのおかげ。
そのラウは、私を膝に座らせ、上半身をラウの身体にもたれかけさせ、片手で抱きしめた状態で、書類の決裁を行っていたらしい。
私がパチッと目を開けると、私の顔の目の前にラウの顔があった。もの凄く不機嫌そうな顔。
うん、これは怒ってるかも。
「ラウ、ただいま」
恐る恐る小さな声でつぶやくと、
「フィア!」
ラウは手に持った書類を放り出して、もう片方の手も合わせて、私を抱きしめてくれた。
力一杯。
ギュシッ
「!!!」
私の身体が軋む音が聞こえる。
「師団長、クロスフィア様が潰れます!」
私の専属護衛、ジンクレストの声が遠くに聞こえ、目の前が再び暗転した。
次に目を覚ましたときには、まだ、師団長室には西日が射していた。日の傾き具合からすると、気絶してから一時間ほどだろう。目の前にはラウの涙顔がある。
「フィア、良かった。突然、気を失うから心配したんだ」
ぼーっとラウを眺める私を、ラウはまたもやガシッと抱きしめた。
「師団長、クロスフィア様が潰れます!」
「同じことを二度もやるかよ!」
今、やろうとしたよね。危ない危ない。
史上初の、竜種の夫に抱きしめ殺された赤種になるところだった。
最近はだいぶ身体も慣れてきたと思っていたけど、ラウが手加減していただけだったか。
うん、冷や汗が出る。
ともあれ、抱きしめ殺されそうになった以外は、身体も無事なようだし、問題はなさそう。
「ふー」
私は息を吐いて、肩をぐりぐりと回した。
ラウをイスにしたままだけど、まずは身体がちゃんと動くかどうかだ。
私がラウの脚の上でもぞもぞ身体を動かし、問題ないことを確認していると、ラウの副官カーネリウスさんの声が聞こえてきた。
「そういえば、クロエル補佐官が寝ている間、師団長が舐めていましたよ」
「は? 何を?」
ラウを見上げると、ラウはさっと顔を背ける。頬も耳も赤い。
これは!
首をくるっとさせて、カーネリウスさんを見る。目で催促するが伝わらない。
「私は止めようとしたんですが」
別の方向から別の声が聞こえてきた。ジンクレストだ。
「クロスフィア様の耳とか首とか、ペロペロと舐めていました」
「甘くて美味しいそうですよ」
ゴホ
カーネリウスさんが余計な一言を付け加える。
「それ、なんで止めてくれないのよ!」
「クロスフィア様の身体を人質にされていたもので」
ゴホゴホ
おかしいでしょ、それ。
「夫が妻の身体を舐めて、何が悪い!」
「そこ、開き直らないで!」
師団長室に私の怒号が響き渡る、そんな夕暮れ時だった。
けっきょく。
「フィアが動かなくて寂しかったから」
と、涙ぐむ犯罪者一歩手前の夫を厳重注意して、今日の業務は終了。
専属護衛のジンクレストと、同じく専属護衛のメモリアを伴って、ラウといっしょに官舎へと帰る。
帰り道で、私はラウに時空の狭間での出来事を報告した。
「それでね。神様たちに会ったの!」
デュク様もかわいいけど、他の神様たちもすごくかわいかったなぁ。
私は神様たちのかわいさと触り心地の良さを思い出して、うっとりとする。
私とは逆に不機嫌な声を出すラウ。
「俺のフィアを占有するとは許すまじ」
「ラウは私の身体を占有してたよね?」
「フィアは俺のなんだから、当然だろ」
なんだか、最近のラウは本当に不安定で、本当におかしい。
銀竜さんの言うとおり、新婚終了間近なのが原因なんだろうか。
普通種は結婚間近に結婚や結婚後の生活の不安から憂鬱になる、と聞いたことがある。
ラウのも似たようなものなんだろうか。
それとも。
カーシェイさんの葬儀のときに、私が不安を煽るようなことを伝えてしまったからだろうか。
私はラウの顔を見上げた。
破壊と終焉の赤種は役割を終えると消えてしまう。
誰に聞いたわけでもない。そうなるものだと自然と分かった。
なぜか悲しくはなかった。そうなることが自然だと感じたがら。
私が消えたらラウも連れていく。
だから、私が消えても心配しないようにと伝えたのに。
逆に不安にさせてしまったのかも。
ラウの横顔を見ても、ラウが不安定な原因はよく分からない。
まぁ、師団の総意でラウのフォローを頼まれているし。
頼まれていなくたって、私はラウの奥さんなんだから、全力でラウを支えるつもりだし。
だとしても、なんでもかんでも受け入れることはしないでおこう。
調子に乗られて困るのは他でもない。私だ。
「それでも。神様たちのおかげで、今、ラウは温かいんだから。文句、言わないの」
私はラウの手をギュッと握りしめ、神様たちからもらった温かさをラウに移したのだった。
その日の夕食後。いつものまったりとした時間。
私はラウのお菓子をもぐもぐと口にしながら、明日の仕事の話を持ち出した。
「まずは明日の会議だね」
「フィアとイチャイチャするときに、仕事の話なんてしたくない」
手をギュッと作戦でラウの機嫌は治ったかのようにみえたのに。不機嫌と不安定はそのままだった。
はぁ。
これ、いつまで続くんだろ。
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ん?
「て、子作り、要らないよね? 竜種も赤種も神様の加護が強すぎて、頑張っても子どもはできないんだったよね?」
いやいや、これは流されちゃいけないやつ!
「いいか、フィア。子作りの目的は、子どもを作ることじゃないんだ」
真面目な顔でラウは言う。これは間違いなく本気で言ってる。でも意味が分からない。
「竜種にとってはある種の崇高な儀式」
うん。何、言ってるんだろ、この夫。
「ということだ、フィア」
うん。絶対、分からないから!
けっきょく、ラウは機嫌が治ったのかニコリと笑顔を見せるだけ。
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