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6 討伐大会編
1-10 開発者の事情
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わたくしは今、スヴェートの王宮にいた。
王宮とは言っても王族が住まう宮ではなく、上級使用人の居住区域。
それなりに身分のある人間が使う場所なので、煌びやかさはなくても上質な作りとなっている。
とはいえ、わたくしも王族の一員。自分の国を捨てた王族であって、この国のではない。だとしても、この扱いはいったい何なのかしら。使用人だなんて。イライラする。
ここに移る前にいたレストスの遺跡は、わたくしが住まうにはあまりにも荒れ果てていた。
そんなところに住まなければならないことにもイライラしていたので、そこよりはいい待遇だけれども。イライラが治まらない。
最近、イライラと頭痛が頻発するようになった。昔のことが思い出せないことも、なんだか、急に増えたような気がする。
こういったことがさらに増えたのは、ここに来てからだったような気も。体調は悪くないはずなのに。それとも疲れているのかしら。あぁ、またイライラする。
そう。ここへ来て、わたくしの能力がさらにさらに開花して、わたくしはさらにさらに忙しく生活していた。
まるで今まで、何かに邪魔をされてでもいたかのよう。小さいメダルのアイディアが後から後から溢れ出し、寝る間もないくらい、研究に没頭している。
もしかしたら、わたくしの才能を妬んだ誰かが、わたくしの力を抑えつけていたのかも。
ええ、そうだわ。そうに違いないわ。
なぜなら、スヴェートに来てから、研究のはかどり具合がぜんぜん違うもの。
ここでメダルを作れば、あんなことは繰り返さないはずよ。もっと凄いものが作れるはず。
前回は破壊の赤種にメダルを壊されて、破壊を封印しそこなったけれども。
次こそはしっかり封じてあげるわ。見てなさい、破壊の赤種よ。
「それで、エルシュミット嬢の力を借りたい」
わたくしはハッとなった。
目の前には穏やかに微笑む素敵な男性が、ティーカップを手にして、わたくしをじっと見ている。
あら嫌だ、頭がぼーっとしていたわ。
寝不足かしら。あら? そういえば、わたくし、昨日はいつ寝たのかしら。
気が付いたら、目の前に尊い方がいるだなんて、心臓に悪い。
「大丈夫かな?」
この方は皇配殿下だ。
現スヴェート皇帝のリトアル陛下は、暴政を敷く前皇帝をクーデターで倒した救国の英雄。
その英雄をクーデター前から一番近くで支えてきたのが、この皇配殿下という話だ。
リトアル陛下は現在、体調が優れないそうで、代わって皇配殿下が政務を担当していると聞く。
「顔色が悪そうだが」
優しい声の響きが、感情の神シュオール様そっくりで、心が癒される。
皇配殿下の声を聞くと、イライラや頭痛がすーっと治まっていった。
「問題ございませんわ。研究に没頭するあまり、少し、寝不足のようでして」
皇配殿下に気遣わせるなど以ての外。わたくしは努めて明るく声を上げる。
「具体的に、わたくしの何をお貸しすればよろしいのでしょう?」
わたくしの言葉に皇配殿下が目を細めて頷くと、討伐大会の話をされた。
「つまり、アルタル皇女殿下に同行して、討伐大会に参加すればよろしいのですね?」
わたくしは訝しく思った。
もちろん、表情に訝しさは出さず、あくまでも笑顔を保ったまま。
アルタル皇女殿下が魔獣の討伐を行うなんて、聞いたことがない。騎士ではなかったような。詠唱魔術師だったかしら。どうにも記憶が定かではない。
それより、騎士でもないわたくしが同行するメリットはあるのかしら。ここで研究を進めて、さらに良いメダルを作った方が力になれるのでは?
そんな思いが頭の中を駆け巡る。
それに。また、レストス遺跡のようなところでの寝泊まりはごめん被りたい。
嫌な気持ちは表情に出さず、申し訳なさいっぱいの顔で皇配殿下に質問した。
「わたくしは魔導具師ですが、お役に立ちますでしょうか?」
立つはずないわよね?
そう願ったのに。
「アルタル皇女と騎士が主戦力となる。エルシュミット嬢は魔導具師として、彼らに大いなる力を与えてほしい」
皇配殿下はあっさりと私の願いをへし折る。そして熱っぽく語った。
「神と人とを繋ぐメダルを作れるのは、あなただけだ。期待している」
「まぁ、そうおっしゃるのであれば」
わたくしはあっさり折れた。
リトアル陛下の次に権力のあるお方だ。この方の不興を買っても良いことなど何もない。
わたくしの返答を聞いて、皇配殿下は思いがけない言葉を口にする。
「私の中のシュオール様も、エルシュミット嬢の働きを喜んでおられる」
「まぁ! 皇配殿下の中にシュオール様がいらっしゃるのですか?!」
「私は元々、シュオール様の神官だから、身体の中からシュオール様の尊き声が溢れてくるんだよ」
「まぁ! なんと素晴らしい」
予想もしなかったことを告げられた。
しかも最重要機密のようなものを。
わたくし、皇配殿下に信頼されているのだわ。
気を良くするわたくしの耳に次々と、皇配殿下の声が伝わってくる。
「いずれ、私の役割は皇子が引き継ぐから、今後もよろしく頼むよ」
「まぁ、まだご壮健であらせますのに。心配はございませんわ」
「あぁ、そうだな。身体を乗り換えるだけだから」
「はい?」
「では、討伐大会の件もよろしく頼むよ」
皇配殿下との話は長くは続かず、これと終わりとでも言うかのように、最後に強く念を押された。
「エルシュミット嬢が前に立って何かをする必要はない。アルタル皇女と騎士の手助けをしてくれればいいから」
手助けだけでいいと言われても。どうせ参加するのであれば、何か実績がほしくなる。
エルメンティアの第三塔でも、大事なのは実績だった。実力だった。
王族の地位などあってないようなもの。実績はあっても困ることはないから。
だから、アルタル皇女殿下と張り合うつもりはないけれども、引き立て役に甘んじるつもりもさらさらない。
ここで、わたくしの方が役に立つことを証明して、シュオール様に気に入っていただくの。
さぁ、いろいろと準備に取りかからないと。
ところで、皇配殿下のお名前って何だったかしら。頭に霞がかかったようだ。
けっきょく、皇配殿下のお名前はどうにもこうにも思い出せず。わたくしは大会の準備に集中することにした。
王宮とは言っても王族が住まう宮ではなく、上級使用人の居住区域。
それなりに身分のある人間が使う場所なので、煌びやかさはなくても上質な作りとなっている。
とはいえ、わたくしも王族の一員。自分の国を捨てた王族であって、この国のではない。だとしても、この扱いはいったい何なのかしら。使用人だなんて。イライラする。
ここに移る前にいたレストスの遺跡は、わたくしが住まうにはあまりにも荒れ果てていた。
そんなところに住まなければならないことにもイライラしていたので、そこよりはいい待遇だけれども。イライラが治まらない。
最近、イライラと頭痛が頻発するようになった。昔のことが思い出せないことも、なんだか、急に増えたような気がする。
こういったことがさらに増えたのは、ここに来てからだったような気も。体調は悪くないはずなのに。それとも疲れているのかしら。あぁ、またイライラする。
そう。ここへ来て、わたくしの能力がさらにさらに開花して、わたくしはさらにさらに忙しく生活していた。
まるで今まで、何かに邪魔をされてでもいたかのよう。小さいメダルのアイディアが後から後から溢れ出し、寝る間もないくらい、研究に没頭している。
もしかしたら、わたくしの才能を妬んだ誰かが、わたくしの力を抑えつけていたのかも。
ええ、そうだわ。そうに違いないわ。
なぜなら、スヴェートに来てから、研究のはかどり具合がぜんぜん違うもの。
ここでメダルを作れば、あんなことは繰り返さないはずよ。もっと凄いものが作れるはず。
前回は破壊の赤種にメダルを壊されて、破壊を封印しそこなったけれども。
次こそはしっかり封じてあげるわ。見てなさい、破壊の赤種よ。
「それで、エルシュミット嬢の力を借りたい」
わたくしはハッとなった。
目の前には穏やかに微笑む素敵な男性が、ティーカップを手にして、わたくしをじっと見ている。
あら嫌だ、頭がぼーっとしていたわ。
寝不足かしら。あら? そういえば、わたくし、昨日はいつ寝たのかしら。
気が付いたら、目の前に尊い方がいるだなんて、心臓に悪い。
「大丈夫かな?」
この方は皇配殿下だ。
現スヴェート皇帝のリトアル陛下は、暴政を敷く前皇帝をクーデターで倒した救国の英雄。
その英雄をクーデター前から一番近くで支えてきたのが、この皇配殿下という話だ。
リトアル陛下は現在、体調が優れないそうで、代わって皇配殿下が政務を担当していると聞く。
「顔色が悪そうだが」
優しい声の響きが、感情の神シュオール様そっくりで、心が癒される。
皇配殿下の声を聞くと、イライラや頭痛がすーっと治まっていった。
「問題ございませんわ。研究に没頭するあまり、少し、寝不足のようでして」
皇配殿下に気遣わせるなど以ての外。わたくしは努めて明るく声を上げる。
「具体的に、わたくしの何をお貸しすればよろしいのでしょう?」
わたくしの言葉に皇配殿下が目を細めて頷くと、討伐大会の話をされた。
「つまり、アルタル皇女殿下に同行して、討伐大会に参加すればよろしいのですね?」
わたくしは訝しく思った。
もちろん、表情に訝しさは出さず、あくまでも笑顔を保ったまま。
アルタル皇女殿下が魔獣の討伐を行うなんて、聞いたことがない。騎士ではなかったような。詠唱魔術師だったかしら。どうにも記憶が定かではない。
それより、騎士でもないわたくしが同行するメリットはあるのかしら。ここで研究を進めて、さらに良いメダルを作った方が力になれるのでは?
そんな思いが頭の中を駆け巡る。
それに。また、レストス遺跡のようなところでの寝泊まりはごめん被りたい。
嫌な気持ちは表情に出さず、申し訳なさいっぱいの顔で皇配殿下に質問した。
「わたくしは魔導具師ですが、お役に立ちますでしょうか?」
立つはずないわよね?
そう願ったのに。
「アルタル皇女と騎士が主戦力となる。エルシュミット嬢は魔導具師として、彼らに大いなる力を与えてほしい」
皇配殿下はあっさりと私の願いをへし折る。そして熱っぽく語った。
「神と人とを繋ぐメダルを作れるのは、あなただけだ。期待している」
「まぁ、そうおっしゃるのであれば」
わたくしはあっさり折れた。
リトアル陛下の次に権力のあるお方だ。この方の不興を買っても良いことなど何もない。
わたくしの返答を聞いて、皇配殿下は思いがけない言葉を口にする。
「私の中のシュオール様も、エルシュミット嬢の働きを喜んでおられる」
「まぁ! 皇配殿下の中にシュオール様がいらっしゃるのですか?!」
「私は元々、シュオール様の神官だから、身体の中からシュオール様の尊き声が溢れてくるんだよ」
「まぁ! なんと素晴らしい」
予想もしなかったことを告げられた。
しかも最重要機密のようなものを。
わたくし、皇配殿下に信頼されているのだわ。
気を良くするわたくしの耳に次々と、皇配殿下の声が伝わってくる。
「いずれ、私の役割は皇子が引き継ぐから、今後もよろしく頼むよ」
「まぁ、まだご壮健であらせますのに。心配はございませんわ」
「あぁ、そうだな。身体を乗り換えるだけだから」
「はい?」
「では、討伐大会の件もよろしく頼むよ」
皇配殿下との話は長くは続かず、これと終わりとでも言うかのように、最後に強く念を押された。
「エルシュミット嬢が前に立って何かをする必要はない。アルタル皇女と騎士の手助けをしてくれればいいから」
手助けだけでいいと言われても。どうせ参加するのであれば、何か実績がほしくなる。
エルメンティアの第三塔でも、大事なのは実績だった。実力だった。
王族の地位などあってないようなもの。実績はあっても困ることはないから。
だから、アルタル皇女殿下と張り合うつもりはないけれども、引き立て役に甘んじるつもりもさらさらない。
ここで、わたくしの方が役に立つことを証明して、シュオール様に気に入っていただくの。
さぁ、いろいろと準備に取りかからないと。
ところで、皇配殿下のお名前って何だったかしら。頭に霞がかかったようだ。
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