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5 出張旅行編
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私とラウは、けっきょく他のお店でご飯を食べた。
比較的大きなレストランはどこも予約客でいっぱいで、順番待ちをするとなると時間がかかる。
どうしようかと思っていたときに、通りすがりの親切な人たちが、とっておきだというお店を紹介してくれて。
道沿いを二人でぶらぶらしながら、そのとっておきのお店に向かった。
食べ歩きでもいいのに、夜は道が暗くて危ないからと、ラウに却下されたんだよね。
ついたお店は小さな小皿料理のお店だった。一品一品の量も値段も控えめ、ひとりで二、三品をペロリと食べられそうな量。
お店はやっぱり混雑していて、一人で三品頼んで夕飯にしている人もいれば、三人で五品頼んでお酒を飲んでいる人たちもいる。
レストスはどちらかというと、こういった小皿料理の店か、持ち帰りの軽食の店が主流のようだ。
結果として、そのお店は美味しくて大当たり。ラウって、こういった嗅覚も発達している。
ガイドブックには載ってないお店だったけど、店主で調理担当のおじさんも、店主の奥さんで接客担当のおばさんも、とても良い人だった。
おかげで、辛牛亭でささくれだった私の心も、全回復できたし。
「我慢しないで、辛牛亭から出てきて、良かった」
「こういう店もたまにはいいもんだろ?」
「うん」
そして夜遅い時間になって、私たち四人は、私とラウの部屋で合流した。
ユクレーナさんとジンクレストは、ちょっと疲れた感が漂っている。あの後、大変だったんだろうな。
人数分のお茶を煎れた後、待つこともなく私はさっさと切り出した。
「それでどうなったの?」
「クロスフィア様、そのワクワクするような顔はどうにかなりませんか?」
「えー、だって気になるし」
「大丈夫だ、フィア。フィアはどんな顔をしても最高にかわいいぞ」
ジンクレストは疲れた表情でラウを睨みつけ、ラウは相変わらずの調子でべったりとくっついてくる。
ユクレーナさんも疲れた表情で私たちを見た。指でこめかみをぐりぐりしている。
「どうなった、とはいったい何のことでしょうか、クロスフィアさん」
「昔馴染みと恋人の対決」
即答する私。
ユクレーナさんの指のぐりぐりが、ぴたっと止まる。
「どうもこうもありませんよ」
ユクレーナさんの声が低い。
「なんで? 昔馴染みと結婚しろって話だったでしょ? バッサリやったの?」
「クロスフィア様が部屋から出て行かれた後、件の副料理長殿が後を追いかけまして」
「うん、私たちの後を追ってきて。なんかいろいろ言い訳してた」
ユクレーナさんが黙り込んだので、ジンクレストが後を引き継いで説明をする。
「しばらくして、副料理長がこちらに戻ってきまして。後はただひたすら謝罪しておりました」
「店の体面を考えたら、そう来るよな」
ラウが私をギュッと抱きしめたまま、ジンクレストの言葉に頷く。
珍しく、ジンクレストとの会話が穏やかだ。
「わたくしの親は一切、謝罪などしませんでしたわ。自分たちがどれほど酷いことを言っているのか、理解してないのでしょうね」
「えぇ、私もそう思います」
「へー」
「まぁ、そんなところだろうな」
ユクレーナさんの声は低いまま。
まだ怒りを溜め込んでいるようだ。
「それどころか、クロスフィアさんたちが帰っていって、ホッとした顔をしていましたわ。なんて人たちでしょうね」
ユクレーナさんは言い捨てると同時に、ガチャンと音を立てて、カップを置いた。
うん、これは相当、怒っている。
「それでそれで?」
「それだけですわ」
「えー」
それから何もなかったなんて信じられない。だってだって。
「食事をして帰ってきただけですよ、クロスフィア様」
「えー、暴れなかったの?」
「暴れません」
「ほんとかよ」
あっさり否定するジンクレスト。
疑いの眼差しのラウ。
結婚を迫る昔馴染みと、それを阻止しようとする恋人役との対決でしょ?
だって、対決といえば。
「いつも、ラウと決闘してるよね?」
「…………誠実な精霊騎士という設定なので」
なんか微妙に間が空いた。
ユクレーナさんとラウが微妙な目でジンクレストを見てる。
「え? いつもは?」
「クロスフィア様のおそばでしっかりとお守りする護衛騎士です」
今度はすぐに返事が出た。
ユクレーナさんとラウが白けたような目でジンクレストを見てる。
護衛騎士だって決闘してはダメだろう、という突っ込みは誰からも出ない。
「まぁ、それでどうなったんだ? あの親は引き下がらんだろ?」
「フィールズ補佐官と副料理長との婚姻を進めたがっていましたが、副料理長が謝罪の繰り返しでしたからね」
「あの場では話は進まず、終わりになりました」
ペコペコ謝罪している人が結婚の相手だなんて話、しにくいよね。
でも、ベルン家門の精霊騎士が恋人だという設定でも、そっちを断って昔馴染みと結婚させようだなんて。
何か理由でもあるんだろうか。
どちらにしても、おもしろい展開ではない。昔馴染みと恋人役との戦いを楽しみにしていたのに。
「なんだ、つまらん」
ラウが私と同じ感想を堂々と口にした。
ユクレーナさんの人生を他人事のように傍観しておもしろがっているようにも聞こえる。だから、私は妄想するだけで、口にはしなかった。
だいたい、ユクレーナさんの人生が勝手に決められてしまうのは、嫌だ。
ユクレーナさんが納得して受け入れているなら、別にそれでも良い。でも、今の段階ではそうじゃない。
ユクレーナさんはユクレーナさんにしかできない仕事を、精一杯こなして頑張っている。
頑張らなくていい。頑張る必要はない。
ざっくりといえば、そういう類のことをあの母親は言った。
時には沈んだ心を慰めてくれたり、張り詰めた気持ちを楽にしてくれるこの言葉は、別の時にはとても鋭い刃になるんだ。
頑張るだけ無駄。頑張りなんて必要ない。期待していないから。
ネージュは頑張って努力したものをすべて、否定されていた。とても悲しかった。
それと同じ思いをユクレーナさんにさせるわけにはいかない。
「ここは私がぶち壊しに入るしかないね」
なにせ、私は破壊の赤種。壊すのは大得意だ。縁談だってなんだって、破壊できないものはない。
私は気合いを込めて、手をぐっと握りしめた。
比較的大きなレストランはどこも予約客でいっぱいで、順番待ちをするとなると時間がかかる。
どうしようかと思っていたときに、通りすがりの親切な人たちが、とっておきだというお店を紹介してくれて。
道沿いを二人でぶらぶらしながら、そのとっておきのお店に向かった。
食べ歩きでもいいのに、夜は道が暗くて危ないからと、ラウに却下されたんだよね。
ついたお店は小さな小皿料理のお店だった。一品一品の量も値段も控えめ、ひとりで二、三品をペロリと食べられそうな量。
お店はやっぱり混雑していて、一人で三品頼んで夕飯にしている人もいれば、三人で五品頼んでお酒を飲んでいる人たちもいる。
レストスはどちらかというと、こういった小皿料理の店か、持ち帰りの軽食の店が主流のようだ。
結果として、そのお店は美味しくて大当たり。ラウって、こういった嗅覚も発達している。
ガイドブックには載ってないお店だったけど、店主で調理担当のおじさんも、店主の奥さんで接客担当のおばさんも、とても良い人だった。
おかげで、辛牛亭でささくれだった私の心も、全回復できたし。
「我慢しないで、辛牛亭から出てきて、良かった」
「こういう店もたまにはいいもんだろ?」
「うん」
そして夜遅い時間になって、私たち四人は、私とラウの部屋で合流した。
ユクレーナさんとジンクレストは、ちょっと疲れた感が漂っている。あの後、大変だったんだろうな。
人数分のお茶を煎れた後、待つこともなく私はさっさと切り出した。
「それでどうなったの?」
「クロスフィア様、そのワクワクするような顔はどうにかなりませんか?」
「えー、だって気になるし」
「大丈夫だ、フィア。フィアはどんな顔をしても最高にかわいいぞ」
ジンクレストは疲れた表情でラウを睨みつけ、ラウは相変わらずの調子でべったりとくっついてくる。
ユクレーナさんも疲れた表情で私たちを見た。指でこめかみをぐりぐりしている。
「どうなった、とはいったい何のことでしょうか、クロスフィアさん」
「昔馴染みと恋人の対決」
即答する私。
ユクレーナさんの指のぐりぐりが、ぴたっと止まる。
「どうもこうもありませんよ」
ユクレーナさんの声が低い。
「なんで? 昔馴染みと結婚しろって話だったでしょ? バッサリやったの?」
「クロスフィア様が部屋から出て行かれた後、件の副料理長殿が後を追いかけまして」
「うん、私たちの後を追ってきて。なんかいろいろ言い訳してた」
ユクレーナさんが黙り込んだので、ジンクレストが後を引き継いで説明をする。
「しばらくして、副料理長がこちらに戻ってきまして。後はただひたすら謝罪しておりました」
「店の体面を考えたら、そう来るよな」
ラウが私をギュッと抱きしめたまま、ジンクレストの言葉に頷く。
珍しく、ジンクレストとの会話が穏やかだ。
「わたくしの親は一切、謝罪などしませんでしたわ。自分たちがどれほど酷いことを言っているのか、理解してないのでしょうね」
「えぇ、私もそう思います」
「へー」
「まぁ、そんなところだろうな」
ユクレーナさんの声は低いまま。
まだ怒りを溜め込んでいるようだ。
「それどころか、クロスフィアさんたちが帰っていって、ホッとした顔をしていましたわ。なんて人たちでしょうね」
ユクレーナさんは言い捨てると同時に、ガチャンと音を立てて、カップを置いた。
うん、これは相当、怒っている。
「それでそれで?」
「それだけですわ」
「えー」
それから何もなかったなんて信じられない。だってだって。
「食事をして帰ってきただけですよ、クロスフィア様」
「えー、暴れなかったの?」
「暴れません」
「ほんとかよ」
あっさり否定するジンクレスト。
疑いの眼差しのラウ。
結婚を迫る昔馴染みと、それを阻止しようとする恋人役との対決でしょ?
だって、対決といえば。
「いつも、ラウと決闘してるよね?」
「…………誠実な精霊騎士という設定なので」
なんか微妙に間が空いた。
ユクレーナさんとラウが微妙な目でジンクレストを見てる。
「え? いつもは?」
「クロスフィア様のおそばでしっかりとお守りする護衛騎士です」
今度はすぐに返事が出た。
ユクレーナさんとラウが白けたような目でジンクレストを見てる。
護衛騎士だって決闘してはダメだろう、という突っ込みは誰からも出ない。
「まぁ、それでどうなったんだ? あの親は引き下がらんだろ?」
「フィールズ補佐官と副料理長との婚姻を進めたがっていましたが、副料理長が謝罪の繰り返しでしたからね」
「あの場では話は進まず、終わりになりました」
ペコペコ謝罪している人が結婚の相手だなんて話、しにくいよね。
でも、ベルン家門の精霊騎士が恋人だという設定でも、そっちを断って昔馴染みと結婚させようだなんて。
何か理由でもあるんだろうか。
どちらにしても、おもしろい展開ではない。昔馴染みと恋人役との戦いを楽しみにしていたのに。
「なんだ、つまらん」
ラウが私と同じ感想を堂々と口にした。
ユクレーナさんの人生を他人事のように傍観しておもしろがっているようにも聞こえる。だから、私は妄想するだけで、口にはしなかった。
だいたい、ユクレーナさんの人生が勝手に決められてしまうのは、嫌だ。
ユクレーナさんが納得して受け入れているなら、別にそれでも良い。でも、今の段階ではそうじゃない。
ユクレーナさんはユクレーナさんにしかできない仕事を、精一杯こなして頑張っている。
頑張らなくていい。頑張る必要はない。
ざっくりといえば、そういう類のことをあの母親は言った。
時には沈んだ心を慰めてくれたり、張り詰めた気持ちを楽にしてくれるこの言葉は、別の時にはとても鋭い刃になるんだ。
頑張るだけ無駄。頑張りなんて必要ない。期待していないから。
ネージュは頑張って努力したものをすべて、否定されていた。とても悲しかった。
それと同じ思いをユクレーナさんにさせるわけにはいかない。
「ここは私がぶち壊しに入るしかないね」
なにせ、私は破壊の赤種。壊すのは大得意だ。縁談だってなんだって、破壊できないものはない。
私は気合いを込めて、手をぐっと握りしめた。
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