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5 出張旅行編
1-0 思惑だらけの旅行計画
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ハァ。
うん、いったい何個目のため息かな、これ。
呆れたというか、とても呆れたというか、すごく呆れたというか。
そんなため息が後から後から出てくる事態に、私は遭遇していた。
「だから、なんでお前がついてくるんだ? これは俺とフィアの新婚旅行だぞ?!」
目の前で夫が怒鳴っている。
私は完全に夫の背後に隠されているので、夫と護衛の声しか聞こえない。
それでも、私の夫が憤怒の顔で、私の専属護衛に怒鳴り散らしているであろうことは、簡単に想像がつく。
私はクロスフィア・クロエル・ドラグニール。この世界の監視者である赤種の四番目、破壊の赤種だ。
銀髪で紅瞳という目立つ容姿なのは仕方がない。銀髪は母方の遺伝、紅瞳は赤種の証。
暇すぎるのが苦手なので、現在、第六師団長付きの特級補佐官として働いている。
そして、私の夫というのが上位竜種の黒竜で、第六師団長のラウゼルト・ドラグニール。
黒髪の短髪と、スラッとしてガッチリしている体格がとても格好いい。
最初はヤバい人かもと感じた夫は、かなりヤバい人だった。今ではそのヤバさにだいぶ慣れてきて、ヤバいとも思わなくなってきて。
逆に、ヤバさに慣れすぎている私の感覚がヤバいと言われるようになってきた。
で、そのヤバい夫が、私の専属護衛で第三師団の護衛騎士相手に怒鳴っていた。
「新婚旅行だと思っているのはドラグニール師団長だけでしょう。現に、クロスフィア様は平然とされていますが」
うん、専属護衛が言い返してるよ。
私が赤種として覚醒する前は、ジン・ドゥアンという名で護衛をしていたこの人物。今は本名のジンクレスト・ベルンドゥアンで、ちゃっかり私の護衛となっていた。
口うるさくて、でも、もうちょっと控えめだったはずのジンクレストは、今では平気でラウにも食ってかかる、そんな護衛に進化してしまっている。
「呆れてるんだろ! フィアとの大事な大事なイチャイチャ旅行に水を差すつもりかよ!」
吠える夫。
「任務を兼ねた、クロスフィア様の息抜き旅行ですよね? イチャイチャなんていう低俗な物にしないでいただけますか?」
迎え撃つ護衛。
「夫婦なんだからイチャイチャは標準仕様だろ。いくら俺が羨ましいからって、夫婦水入らずの旅行についてくるなよ!」
ラウの意見は尤もなんだけど、私が国にとって重要人物である限り、専属護衛はついて回る。
夫と護衛の果てしない言い争いを、夫の背中に張り付いて聞きながら、私は今回の発端を思い出していた。
それは五日ほど前のこと。
私はまたもや、ラウ付きで国王と会っていた。
呼ばれたのは私だけなはずだったのに、もれなくラウが付いてきたのだ。
別に何かされることはないのに。私の夫は心配性でほとほと困る。
私には専属護衛が二人もいるし、隠れて護衛班だってついているし、滅多なことでは私だってやられはしないし。
ひとりで国王に会ってくると言ったら、泣きつかれ、抱え上げられ、そのままの状態で国王の前までやってきたと。
「クロスフィアさん、おかげでグランミストもベルンドゥアンも一段落できたようだよ」
「それは良かったですね」
そんな私の状況を、微笑ましいものでも見るようにニコニコしている国王も国王だと思う。
「ますます、仕事に励むようになってくれたし。君には感謝しかないよ」
「で、約束のものは?」
感謝は別にいらないから、約束の旅行をいただきたい、早急に。そして早いことここから立ち去りたい。
ラウは私を抱え上げたまま、下ろす気配はなく。
そんな私たちを、なぜか、キラキラした目で見ている国王の侍従たち。見せ物じゃないんだけどな。
「好きに計画を立ててもらって構わないよ。かかった費用は師団を通して請求してほしい」
「ありがとうございます!」
行く場所や日程など、もっと自由がないかと思っていたのに。驚くほど、簡単だ。
「ただし」
と思ったら、何やら雲行きが怪しい。
「は? 何か条件あるんですか? 条件あるなんて聞いてませんよ?」
「条件というほどではないよ」
まぁまぁ、という感じで、食ってかかりそうになる私を押し止める国王。
「君は赤種だからね。個人的な旅行とはいえ、必ず護衛が同行する。そういう存在なんだ。受け入れて欲しい」
なんだ、そんなことか。
「護衛なら、常にぞろぞろくっついているんで気にしませんけど」
「それなら良かった。あと」
「まだ何かあるんですか?」
「君たち二人が個人旅行をするとなると大騒ぎになるだろう? だから、仕事が絡んだお忍びという形をとって欲しい」
大騒ぎ。確かに。
観劇に行ったときも、凄かった。
出入りが一般客と別経路だったから、まだ良かったものの。同じ経路だったら大混乱となっていたかもしれない。
国王はそれを心配してるのか。
ラウと同じく国王も心配性だ。
「なるほど。分かりました」
「黒竜殿の立場では、副師団長がいるとはいえ、四泊くらいが限度だろうけど」
まぁ、時期が時期だからね。
ちょっと長めの旅行に行きたいなら、新年の休暇を利用すればいいだけだし。あまり長く休むと、私の業務も大変なことになってしまうし。
「初旅行なので、四泊でも嬉しいです」
「では、黒竜殿の説得は頼んだよ」
「説得?」
うん、何の?
「いやいや、こっちの話だ。旅行に必要な物も請求してくれて構わないから」
「はい、ありがとうございます」
ちょっと気になる発言はあったものの、無事に国王の話は終わりとなった。
そして私は正当な報酬として、四泊までのラウとの旅行をもぎ取ったのだった。
うん、いったい何個目のため息かな、これ。
呆れたというか、とても呆れたというか、すごく呆れたというか。
そんなため息が後から後から出てくる事態に、私は遭遇していた。
「だから、なんでお前がついてくるんだ? これは俺とフィアの新婚旅行だぞ?!」
目の前で夫が怒鳴っている。
私は完全に夫の背後に隠されているので、夫と護衛の声しか聞こえない。
それでも、私の夫が憤怒の顔で、私の専属護衛に怒鳴り散らしているであろうことは、簡単に想像がつく。
私はクロスフィア・クロエル・ドラグニール。この世界の監視者である赤種の四番目、破壊の赤種だ。
銀髪で紅瞳という目立つ容姿なのは仕方がない。銀髪は母方の遺伝、紅瞳は赤種の証。
暇すぎるのが苦手なので、現在、第六師団長付きの特級補佐官として働いている。
そして、私の夫というのが上位竜種の黒竜で、第六師団長のラウゼルト・ドラグニール。
黒髪の短髪と、スラッとしてガッチリしている体格がとても格好いい。
最初はヤバい人かもと感じた夫は、かなりヤバい人だった。今ではそのヤバさにだいぶ慣れてきて、ヤバいとも思わなくなってきて。
逆に、ヤバさに慣れすぎている私の感覚がヤバいと言われるようになってきた。
で、そのヤバい夫が、私の専属護衛で第三師団の護衛騎士相手に怒鳴っていた。
「新婚旅行だと思っているのはドラグニール師団長だけでしょう。現に、クロスフィア様は平然とされていますが」
うん、専属護衛が言い返してるよ。
私が赤種として覚醒する前は、ジン・ドゥアンという名で護衛をしていたこの人物。今は本名のジンクレスト・ベルンドゥアンで、ちゃっかり私の護衛となっていた。
口うるさくて、でも、もうちょっと控えめだったはずのジンクレストは、今では平気でラウにも食ってかかる、そんな護衛に進化してしまっている。
「呆れてるんだろ! フィアとの大事な大事なイチャイチャ旅行に水を差すつもりかよ!」
吠える夫。
「任務を兼ねた、クロスフィア様の息抜き旅行ですよね? イチャイチャなんていう低俗な物にしないでいただけますか?」
迎え撃つ護衛。
「夫婦なんだからイチャイチャは標準仕様だろ。いくら俺が羨ましいからって、夫婦水入らずの旅行についてくるなよ!」
ラウの意見は尤もなんだけど、私が国にとって重要人物である限り、専属護衛はついて回る。
夫と護衛の果てしない言い争いを、夫の背中に張り付いて聞きながら、私は今回の発端を思い出していた。
それは五日ほど前のこと。
私はまたもや、ラウ付きで国王と会っていた。
呼ばれたのは私だけなはずだったのに、もれなくラウが付いてきたのだ。
別に何かされることはないのに。私の夫は心配性でほとほと困る。
私には専属護衛が二人もいるし、隠れて護衛班だってついているし、滅多なことでは私だってやられはしないし。
ひとりで国王に会ってくると言ったら、泣きつかれ、抱え上げられ、そのままの状態で国王の前までやってきたと。
「クロスフィアさん、おかげでグランミストもベルンドゥアンも一段落できたようだよ」
「それは良かったですね」
そんな私の状況を、微笑ましいものでも見るようにニコニコしている国王も国王だと思う。
「ますます、仕事に励むようになってくれたし。君には感謝しかないよ」
「で、約束のものは?」
感謝は別にいらないから、約束の旅行をいただきたい、早急に。そして早いことここから立ち去りたい。
ラウは私を抱え上げたまま、下ろす気配はなく。
そんな私たちを、なぜか、キラキラした目で見ている国王の侍従たち。見せ物じゃないんだけどな。
「好きに計画を立ててもらって構わないよ。かかった費用は師団を通して請求してほしい」
「ありがとうございます!」
行く場所や日程など、もっと自由がないかと思っていたのに。驚くほど、簡単だ。
「ただし」
と思ったら、何やら雲行きが怪しい。
「は? 何か条件あるんですか? 条件あるなんて聞いてませんよ?」
「条件というほどではないよ」
まぁまぁ、という感じで、食ってかかりそうになる私を押し止める国王。
「君は赤種だからね。個人的な旅行とはいえ、必ず護衛が同行する。そういう存在なんだ。受け入れて欲しい」
なんだ、そんなことか。
「護衛なら、常にぞろぞろくっついているんで気にしませんけど」
「それなら良かった。あと」
「まだ何かあるんですか?」
「君たち二人が個人旅行をするとなると大騒ぎになるだろう? だから、仕事が絡んだお忍びという形をとって欲しい」
大騒ぎ。確かに。
観劇に行ったときも、凄かった。
出入りが一般客と別経路だったから、まだ良かったものの。同じ経路だったら大混乱となっていたかもしれない。
国王はそれを心配してるのか。
ラウと同じく国王も心配性だ。
「なるほど。分かりました」
「黒竜殿の立場では、副師団長がいるとはいえ、四泊くらいが限度だろうけど」
まぁ、時期が時期だからね。
ちょっと長めの旅行に行きたいなら、新年の休暇を利用すればいいだけだし。あまり長く休むと、私の業務も大変なことになってしまうし。
「初旅行なので、四泊でも嬉しいです」
「では、黒竜殿の説得は頼んだよ」
「説得?」
うん、何の?
「いやいや、こっちの話だ。旅行に必要な物も請求してくれて構わないから」
「はい、ありがとうございます」
ちょっと気になる発言はあったものの、無事に国王の話は終わりとなった。
そして私は正当な報酬として、四泊までのラウとの旅行をもぎ取ったのだった。
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