212 / 384
4 騎士と破壊のお姫さま編
5-5
しおりを挟む
それからは、私にとって静かな日となった。
あれほどまでに、うるさくしつこく絡んできていたベルンドゥアンが何も言ってこなくなったのだ。
元々、ジンクレストはグランフレイムの騎士。今も変わりなく、グランフレイム卿やマリージュの護衛騎士を交代で行っていると言っていた。
専属護衛にならなかった理由はただひとつ。ネージュが戻ってくれば、また、ネージュの専属に戻るつもりでいたから。
何度も、私はクロスフィアだと言ったのにね。
ま、そんなわけで、ジンクレストは個人的な用がない限りは師団には来ない。
今までの個人的な用事も、今回の話し合いですべてなくなった。なので、もう会うことはない。
ようやく、肩の荷が降りたというか、ホッとしたというか。
「それ、貸して」
「あ、お返しします。これはネージュ様の物なので」
あの時。ジンクレストはネージュのペンダントを大事に持っていた。
これがひっかかったせいもあって、ネージュは車体から出られなかったんだよね。
ジンクレストが差し出したペンダントの紅い石は、大きくヒビが入っていた。
目を凝らすと、時が視える。
「これはミラージュの物だよ」
私は石の表面を撫でた。
うん、これなら直りそうだ。
「え?」
「幼いネージュがキレイな紅い石を欲しがって、ミラージュがネージュにあげたから。だから、元はミラージュの物」
ネージュの記憶には残ってない、紅い石の記憶。撫でる手に魔力を込めると、魔力がヒビに吸い込まれる。
撫でていた手を退けると、そこには傷ひとつないキレイな紅い石が現れた。
「え!」
「はい。直った」
紅いペンダントをジンクレストに手渡すと、彼は嬉しそうな、悲しそうな、戸惑っているような、いろいろな表情を浮かべた。
「え? でも、これは」
「ネージュにとって、いつもそばにいた護衛騎士は母親代わりだったから」
ま、男性が母親ってのもおかしいけどね。
「要らないなら、グランフレイム卿か総師団長にあげたら?」
それがジンクレストとの最後の会話となった。
あれから、ベルンドゥアンは元より、グランミストも何も言ってこなくなった。
グランフレイムは最初から音沙汰なし。
今から思えば、グランフレイム卿は、分かっていてネージュの死を肯定したんだろう。
総師団長と第二師団長には、会議や打ち合わせでたまに顔を合わせるけど。
個人的なことは何も話題に出ず、仕事の話だけして終わりになる。
面倒臭く思っていた国王のお願い。
蓋を開けてみたら、想像以上に面倒臭いことになって。とくに三番目関係の問題が山盛りとなって。
それでも、ベルンドゥアンとグランミストの件は片が付いたから、良かったのかな。
あとは国王から、旅行のプレゼントを貰うだけ。
私の初めての旅行が、ラウとの初めての旅行になる。まだ新婚期間だから、新婚旅行っていうのかな?
国王には、新婚旅行にぴったりなところをお願いしておこう。うん、毎日、楽しみが増える。
またラウは旅行用にと張り切って、服やら下着やら発注していそうだけど。
まぁ、とくに害もないだろうし、ラウの好きな物を着てあげるとするか。
「て! なんでまた僕が、呼び出されてまで、君の惚気話を聞かなきゃならないんだよ!」
突然、テラが怒り出した。
テラは、ラウの作ったお菓子を手にして叫ぶ。
同時にソファーから立ち上がったものだから、テーブルにぶつかって、カップがガチャンと揺れた。
隣で静かにテラ用のお茶をいれてる塔長が、突然のことに、慌ててカップを押さえる。
「え? 今のどの辺が惚気?」
「どう考えたって最後じゃないか?」
私の自然な問に、憮然と答える塔長。
「そうだよ! 新婚旅行? けっ! 勝手に行けよ!」
「フィアとラブラブでイチャイチャな新婚旅行。楽しみ過ぎる」
新婚旅行という言葉に恍惚としなから、私をギュッと抱きしめている暑苦しい夫は、そのままにしておくとして。
「ま、勝手に行くけど。お菓子を食べたがってここに来たのは、テラだよね」
「そう、菓子! 菓子だ! なんで、あの菓子が再現できているんだ?!」
「文句あるなら食べないでいいよ、テラ」
あの菓子とは、大神殿での話し合いで、塔長が持ってきたお菓子のこと。
美味しかったので、なくなる前にひとつ、ラウにも食べさせたんだ。
もしかしたら、似たようなものを作れるんじゃないかと思って。
そうしたら、まったく同じ、いや、それ以上のものができあがってしまったと。そういう訳だ。
「そっちだって用事があって呼び出したんだから、菓子くらい食わせろよ。じゃなくて、菓子!」
「仕方ないでしょ、ラウなんだし」
「黒竜の技能、いったい、どうなってんだよ?」
まったくだよね。怖いから詳しく視てないけど。
ルミアーナさんの推し活技能がラウにもあるんじゃないか。
この推測はすぐさま消えることになる。
ラウにとって私は『推し』ではなく『奥さん』。だから、推し活技能はありえない。
後は推し活技能に類似した他の技能か、もしくは個々の技能にラウの適性があるかのどっちか。
「私を喜ばせたいというラウの気持ちが、技能に形を変えてるんだよ」
良いこと言った!
と思ってるそばから。
「凄いな、黒竜。執着が他の技能を引き寄せてるぞ」
ゲホ
それってどういう鑑定?
「言ってることは、師匠もクロエル補佐官も同じだよな」
ゲホゲホ。違う、絶対に違う。
咳き込んで声が出ない。言葉が返せない。
私の様子に慌てたラウが、私の背中をさすってくれる。
なのに咳が止まらない。声が出ない。
「これが現実だ。そろそろ現実を見た方がいいぞ、四番目」
反論しない私に向かって、テラがさらに怖いことを言い出した。
「伴侶が絡むと、黒竜の執着に会得できない技能はないということだ」
言い切って満足したのか、ポリポリとお菓子を食べ出る音が聞こえてくるし。
隣では「涙目のフィアがかわいい」なんて声も聞こえてくるし。
とりあえず、私は咳が治まるのを待つしかなかった。
あれほどまでに、うるさくしつこく絡んできていたベルンドゥアンが何も言ってこなくなったのだ。
元々、ジンクレストはグランフレイムの騎士。今も変わりなく、グランフレイム卿やマリージュの護衛騎士を交代で行っていると言っていた。
専属護衛にならなかった理由はただひとつ。ネージュが戻ってくれば、また、ネージュの専属に戻るつもりでいたから。
何度も、私はクロスフィアだと言ったのにね。
ま、そんなわけで、ジンクレストは個人的な用がない限りは師団には来ない。
今までの個人的な用事も、今回の話し合いですべてなくなった。なので、もう会うことはない。
ようやく、肩の荷が降りたというか、ホッとしたというか。
「それ、貸して」
「あ、お返しします。これはネージュ様の物なので」
あの時。ジンクレストはネージュのペンダントを大事に持っていた。
これがひっかかったせいもあって、ネージュは車体から出られなかったんだよね。
ジンクレストが差し出したペンダントの紅い石は、大きくヒビが入っていた。
目を凝らすと、時が視える。
「これはミラージュの物だよ」
私は石の表面を撫でた。
うん、これなら直りそうだ。
「え?」
「幼いネージュがキレイな紅い石を欲しがって、ミラージュがネージュにあげたから。だから、元はミラージュの物」
ネージュの記憶には残ってない、紅い石の記憶。撫でる手に魔力を込めると、魔力がヒビに吸い込まれる。
撫でていた手を退けると、そこには傷ひとつないキレイな紅い石が現れた。
「え!」
「はい。直った」
紅いペンダントをジンクレストに手渡すと、彼は嬉しそうな、悲しそうな、戸惑っているような、いろいろな表情を浮かべた。
「え? でも、これは」
「ネージュにとって、いつもそばにいた護衛騎士は母親代わりだったから」
ま、男性が母親ってのもおかしいけどね。
「要らないなら、グランフレイム卿か総師団長にあげたら?」
それがジンクレストとの最後の会話となった。
あれから、ベルンドゥアンは元より、グランミストも何も言ってこなくなった。
グランフレイムは最初から音沙汰なし。
今から思えば、グランフレイム卿は、分かっていてネージュの死を肯定したんだろう。
総師団長と第二師団長には、会議や打ち合わせでたまに顔を合わせるけど。
個人的なことは何も話題に出ず、仕事の話だけして終わりになる。
面倒臭く思っていた国王のお願い。
蓋を開けてみたら、想像以上に面倒臭いことになって。とくに三番目関係の問題が山盛りとなって。
それでも、ベルンドゥアンとグランミストの件は片が付いたから、良かったのかな。
あとは国王から、旅行のプレゼントを貰うだけ。
私の初めての旅行が、ラウとの初めての旅行になる。まだ新婚期間だから、新婚旅行っていうのかな?
国王には、新婚旅行にぴったりなところをお願いしておこう。うん、毎日、楽しみが増える。
またラウは旅行用にと張り切って、服やら下着やら発注していそうだけど。
まぁ、とくに害もないだろうし、ラウの好きな物を着てあげるとするか。
「て! なんでまた僕が、呼び出されてまで、君の惚気話を聞かなきゃならないんだよ!」
突然、テラが怒り出した。
テラは、ラウの作ったお菓子を手にして叫ぶ。
同時にソファーから立ち上がったものだから、テーブルにぶつかって、カップがガチャンと揺れた。
隣で静かにテラ用のお茶をいれてる塔長が、突然のことに、慌ててカップを押さえる。
「え? 今のどの辺が惚気?」
「どう考えたって最後じゃないか?」
私の自然な問に、憮然と答える塔長。
「そうだよ! 新婚旅行? けっ! 勝手に行けよ!」
「フィアとラブラブでイチャイチャな新婚旅行。楽しみ過ぎる」
新婚旅行という言葉に恍惚としなから、私をギュッと抱きしめている暑苦しい夫は、そのままにしておくとして。
「ま、勝手に行くけど。お菓子を食べたがってここに来たのは、テラだよね」
「そう、菓子! 菓子だ! なんで、あの菓子が再現できているんだ?!」
「文句あるなら食べないでいいよ、テラ」
あの菓子とは、大神殿での話し合いで、塔長が持ってきたお菓子のこと。
美味しかったので、なくなる前にひとつ、ラウにも食べさせたんだ。
もしかしたら、似たようなものを作れるんじゃないかと思って。
そうしたら、まったく同じ、いや、それ以上のものができあがってしまったと。そういう訳だ。
「そっちだって用事があって呼び出したんだから、菓子くらい食わせろよ。じゃなくて、菓子!」
「仕方ないでしょ、ラウなんだし」
「黒竜の技能、いったい、どうなってんだよ?」
まったくだよね。怖いから詳しく視てないけど。
ルミアーナさんの推し活技能がラウにもあるんじゃないか。
この推測はすぐさま消えることになる。
ラウにとって私は『推し』ではなく『奥さん』。だから、推し活技能はありえない。
後は推し活技能に類似した他の技能か、もしくは個々の技能にラウの適性があるかのどっちか。
「私を喜ばせたいというラウの気持ちが、技能に形を変えてるんだよ」
良いこと言った!
と思ってるそばから。
「凄いな、黒竜。執着が他の技能を引き寄せてるぞ」
ゲホ
それってどういう鑑定?
「言ってることは、師匠もクロエル補佐官も同じだよな」
ゲホゲホ。違う、絶対に違う。
咳き込んで声が出ない。言葉が返せない。
私の様子に慌てたラウが、私の背中をさすってくれる。
なのに咳が止まらない。声が出ない。
「これが現実だ。そろそろ現実を見た方がいいぞ、四番目」
反論しない私に向かって、テラがさらに怖いことを言い出した。
「伴侶が絡むと、黒竜の執着に会得できない技能はないということだ」
言い切って満足したのか、ポリポリとお菓子を食べ出る音が聞こえてくるし。
隣では「涙目のフィアがかわいい」なんて声も聞こえてくるし。
とりあえず、私は咳が治まるのを待つしかなかった。
12
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。

踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

悪役令嬢は処刑されないように家出しました。
克全
恋愛
「アルファポリス」と「小説家になろう」にも投稿しています。
サンディランズ公爵家令嬢ルシアは毎夜悪夢にうなされた。婚約者のダニエル王太子に裏切られて処刑される夢。実の兄ディビッドが聖女マルティナを愛するあまり、歓心を買うために自分を処刑する夢。兄の友人である次期左将軍マルティンや次期右将軍ディエゴまでが、聖女マルティナを巡って私を陥れて処刑する。どれほど努力し、どれほど正直に生き、どれほど関係を断とうとしても処刑されるのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる