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4 騎士と破壊のお姫さま編
2-4 騎士は苛立つ
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ネージュ様にお会いできない。
この日、俺と父は、叔父とともにグランミストの館を訪れていた。
リナーシア・グランミスト嬢の紹介で、グランミスト総師団長に個人的な用件で会うために。
「ねぇ、お父さまったら!」
「だから、相手が悪いと言ってるだろう」
応接室に通された俺たちを待っていたのは、気難しい顔をした総師団長と、リナーシア嬢だ。
俺たちが入室したときには、話が始まっており、険悪な雰囲気になっていた。
「グランミスト総師団長」
「ベルンドゥアン」
「休みのところ、時間を取ってもらって申し訳ない」
最初にルバルト叔父さんが、立ち上がった総師団長と握手をする。
あの男もかなり大きかったが、二人ともかなり大きい。
「ジベルトも久しいな」
「あぁ、久しぶりだな、ステファル」
続いて総師団長が父と握手をした。
父は俺と変わらないくらいの身長なので、総師団長と並ぶと小さく見えるが、堂々と挨拶を交わしていた。
「そっちが、自慢の息子か」
「あぁ。ジンクレストだ。グランフレイムで精霊騎士として研鑽を積んでいた」
「お初にお目にかかります。ジンクレストです。今日はよろしくお願いします」
俺はその場で頭を下げ、目の前に出された大きな手を握った。
「そこを何とかお願いしたい」
「ベルンドゥアン、相手が悪いことくらい、お前だって分かるだろう」
総師団長との話し合いは難航した。
しかし、グランフレイム卿が歯牙にもかけなかったのに対して、こちらは苦しそうな顔をしている。
「なぁ、ステファル。街で、あの方をお見かけしたんだ。若い頃のミラージュ様にそっくりだったよ」
「…………ジベルト。相手が悪いんだ」
父の言葉に総師団長はビクッとする。
そして、苦しそうに声を絞り出した。
「ステファル、お前だって本当は分かっているんだろう?」
「ダメなものはダメだ」
苦しげな顔のまま、相手が悪い、ダメの一点張り。
あの男に脅されてるわけではないだろうに、何か事情でもあるのか?
「あの、なぜダメなんでしょうか? やましいことがないなら、公式にお会いすることに、何も問題はないでしょう」
それまで話し合いは父と叔父に任せていたが、俺は思わず聞いてしまった。
「やましいことなど、あるわけがないだろう」
「それなら、どうしてネージュ様にお会いできないんですか? あの男、ドラグニール師団長が原因ですか?」
「ネージュ・グランフレイム嬢ではない」
俺の問に苦々しい顔で答える総師団長。
「クロスフィア・クロエル・ドラグニール特級補佐官。赤種の四番目であり、黒竜の伴侶だ」
総師団長が説明してくれるが、ネージュ様ではない、他の誰かの話を聞いているように感じる。
勤勉で努力することを惜しまなかったネージュ様が、最上級の加護を持つ赤種だなんて。ありえない。
「師団では『クロエル補佐官』と呼ばれている。呼び方は間違えないでもらいたい」
「では、クロエル補佐官にお会いできないのはどうしてなんですか?」
「竜種は伴侶を他の男と会わせない。黒竜が嫌がったら、会うことはできないんだ」
竜種が自分の伴侶に対して、執念ともいえる行動を取るのは有名な話だ。だから、総師団長の話も十分理解できる。
理解できないのは、どうしてネージュ様が竜種の伴侶になっているのか?、というところ。
「だから私的にではなく、仕事としてクロエル補佐官に面会申請をしているんだが」
「それをすべて却下されているんです」
「それはそうだ。クロエル補佐官は第六師団長配属だからな。他と面会する仕事なんてない」
「第六師団配属の間違いだろ?」
「第六師団長配属だ」
「なんだよ、それ」
もう、何がなんだか分からない。
それでも俺の希望はただひとつ。
「こちらはただ、クロエル補佐官にネージュ様としての記憶を取り戻していただきたいだけ。
そのためにお会いして、話をしたいんです」
「クロエル補佐官は赤種だぞ。記憶力は普通の人間を遥かに凌ぐ」
「それなら、どうしてネージュ様としての記憶をなくされているんですか?」
「ネージュ・グランフレイム嬢ではない。クロエル補佐官だ」
「あの方はネージュ様です」
どうして誰も、あの方がネージュ様だと認めないんだろう。あんなにネージュ様に瓜二つなのに。
「ねぇ、お父さま。これではキリがないと思わない?」
助け船を出してくれたのは、総師団長のお嬢さんであるリナーシア嬢だった。
頑なな態度の父親の様子など、まるで気にせず、平然と話す。
「ステファル、リナーシア嬢の言うとおりだよ。結果がどうであれ、先に進むには、一度でいいから、話し合いが必要なんだ」
「仕事としてクロエル補佐官に面会申請してもダメ。ベルンドゥアン単独で申し込んでも相手にされない」
リナーシア嬢の発言に被せて、父と叔父も畳みかけた。
「後はベルンドゥアンとグランミスト連名での話し合いなんだよ、総師団長」
「だから、何度も言ってるだろう。相手が悪いんだ」
「ねぇ、お父さま。相手が悪いってどういう意味なの? それが理由になるの?」
またもや同じ理由を盾にして拒否される、と思いきや、リナーシア嬢が口を挟んだ。
「リナーシア嬢、クロエル補佐官は赤種、夫のドラグニールは上位竜種、どちらも優先すべき存在だからな」
叔父がリナーシア嬢に説明をする。
「でも、こっちだってそれは分かってる」
リナーシア嬢は叔父の言葉を聞いて首を傾げているので、おそらく、上位竜種や赤種の立場をよく分かっていない様子。
対して、総師団長は叔父の言葉を聞いて、何の表情も変えなかった。
その様子を見て、今度は父が口を挟む。
「どうやらそれだけじゃないようだな、ステファル」
父の言葉に総師団長はまたしてもビクッとする。黙り込んだまま動かなくなった。
十分ほど経っただろうか。
ようやく、難しい顔をしながらノロノロと口を開く。
「クロエル補佐官は、国と大神殿に見守られている」
「つまり、連名で申し込んでドラグニールに拒否されたら、国王と大神殿相手に訴えてみればいいということだな」
ハァ。
話がどんどんと大きくなってきた。
国や大神殿も関与した大掛かりなものだ。どうりで、国も大神殿もネージュ様の死亡届を即日で認めるはずだ。
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。ネージュ様を助け出さないと。
「ジベルト、無理だ」
「ステファル、お前だってネージュ様にお会いしたいだろ。ネージュ様はお前の姪じゃないか」
「いまさらだよ、ジベルト」
総師団長は胸をかきむしって、血を吐くように言葉を絞り出した。
「俺は、グランミストは、六年前にネージュ嬢を見捨てたんだ」
六年前。
ネージュ様が技能なしだと判定されたころのことか。
俺はこのとき、ネージュ様の護衛ではなかったので、詳しい経緯は知らない。
そうか。
技能なしのネージュ様をグランミストは見捨てたんだ。きっと、グランミストとは関係がないと言って。
応接室に沈黙が流れる。
俺も叔父もリナーシア嬢も誰も何も答えなかった。父だけが静かに口を開いた。
「それならなおさらだ。一度すっきりさせた方がいい。話し合いの件、こちらで書状を送っておくよ」
こうしてベルンドゥアンとグランミストとの話し合いは終わった。
この日、俺と父は、叔父とともにグランミストの館を訪れていた。
リナーシア・グランミスト嬢の紹介で、グランミスト総師団長に個人的な用件で会うために。
「ねぇ、お父さまったら!」
「だから、相手が悪いと言ってるだろう」
応接室に通された俺たちを待っていたのは、気難しい顔をした総師団長と、リナーシア嬢だ。
俺たちが入室したときには、話が始まっており、険悪な雰囲気になっていた。
「グランミスト総師団長」
「ベルンドゥアン」
「休みのところ、時間を取ってもらって申し訳ない」
最初にルバルト叔父さんが、立ち上がった総師団長と握手をする。
あの男もかなり大きかったが、二人ともかなり大きい。
「ジベルトも久しいな」
「あぁ、久しぶりだな、ステファル」
続いて総師団長が父と握手をした。
父は俺と変わらないくらいの身長なので、総師団長と並ぶと小さく見えるが、堂々と挨拶を交わしていた。
「そっちが、自慢の息子か」
「あぁ。ジンクレストだ。グランフレイムで精霊騎士として研鑽を積んでいた」
「お初にお目にかかります。ジンクレストです。今日はよろしくお願いします」
俺はその場で頭を下げ、目の前に出された大きな手を握った。
「そこを何とかお願いしたい」
「ベルンドゥアン、相手が悪いことくらい、お前だって分かるだろう」
総師団長との話し合いは難航した。
しかし、グランフレイム卿が歯牙にもかけなかったのに対して、こちらは苦しそうな顔をしている。
「なぁ、ステファル。街で、あの方をお見かけしたんだ。若い頃のミラージュ様にそっくりだったよ」
「…………ジベルト。相手が悪いんだ」
父の言葉に総師団長はビクッとする。
そして、苦しそうに声を絞り出した。
「ステファル、お前だって本当は分かっているんだろう?」
「ダメなものはダメだ」
苦しげな顔のまま、相手が悪い、ダメの一点張り。
あの男に脅されてるわけではないだろうに、何か事情でもあるのか?
「あの、なぜダメなんでしょうか? やましいことがないなら、公式にお会いすることに、何も問題はないでしょう」
それまで話し合いは父と叔父に任せていたが、俺は思わず聞いてしまった。
「やましいことなど、あるわけがないだろう」
「それなら、どうしてネージュ様にお会いできないんですか? あの男、ドラグニール師団長が原因ですか?」
「ネージュ・グランフレイム嬢ではない」
俺の問に苦々しい顔で答える総師団長。
「クロスフィア・クロエル・ドラグニール特級補佐官。赤種の四番目であり、黒竜の伴侶だ」
総師団長が説明してくれるが、ネージュ様ではない、他の誰かの話を聞いているように感じる。
勤勉で努力することを惜しまなかったネージュ様が、最上級の加護を持つ赤種だなんて。ありえない。
「師団では『クロエル補佐官』と呼ばれている。呼び方は間違えないでもらいたい」
「では、クロエル補佐官にお会いできないのはどうしてなんですか?」
「竜種は伴侶を他の男と会わせない。黒竜が嫌がったら、会うことはできないんだ」
竜種が自分の伴侶に対して、執念ともいえる行動を取るのは有名な話だ。だから、総師団長の話も十分理解できる。
理解できないのは、どうしてネージュ様が竜種の伴侶になっているのか?、というところ。
「だから私的にではなく、仕事としてクロエル補佐官に面会申請をしているんだが」
「それをすべて却下されているんです」
「それはそうだ。クロエル補佐官は第六師団長配属だからな。他と面会する仕事なんてない」
「第六師団配属の間違いだろ?」
「第六師団長配属だ」
「なんだよ、それ」
もう、何がなんだか分からない。
それでも俺の希望はただひとつ。
「こちらはただ、クロエル補佐官にネージュ様としての記憶を取り戻していただきたいだけ。
そのためにお会いして、話をしたいんです」
「クロエル補佐官は赤種だぞ。記憶力は普通の人間を遥かに凌ぐ」
「それなら、どうしてネージュ様としての記憶をなくされているんですか?」
「ネージュ・グランフレイム嬢ではない。クロエル補佐官だ」
「あの方はネージュ様です」
どうして誰も、あの方がネージュ様だと認めないんだろう。あんなにネージュ様に瓜二つなのに。
「ねぇ、お父さま。これではキリがないと思わない?」
助け船を出してくれたのは、総師団長のお嬢さんであるリナーシア嬢だった。
頑なな態度の父親の様子など、まるで気にせず、平然と話す。
「ステファル、リナーシア嬢の言うとおりだよ。結果がどうであれ、先に進むには、一度でいいから、話し合いが必要なんだ」
「仕事としてクロエル補佐官に面会申請してもダメ。ベルンドゥアン単独で申し込んでも相手にされない」
リナーシア嬢の発言に被せて、父と叔父も畳みかけた。
「後はベルンドゥアンとグランミスト連名での話し合いなんだよ、総師団長」
「だから、何度も言ってるだろう。相手が悪いんだ」
「ねぇ、お父さま。相手が悪いってどういう意味なの? それが理由になるの?」
またもや同じ理由を盾にして拒否される、と思いきや、リナーシア嬢が口を挟んだ。
「リナーシア嬢、クロエル補佐官は赤種、夫のドラグニールは上位竜種、どちらも優先すべき存在だからな」
叔父がリナーシア嬢に説明をする。
「でも、こっちだってそれは分かってる」
リナーシア嬢は叔父の言葉を聞いて首を傾げているので、おそらく、上位竜種や赤種の立場をよく分かっていない様子。
対して、総師団長は叔父の言葉を聞いて、何の表情も変えなかった。
その様子を見て、今度は父が口を挟む。
「どうやらそれだけじゃないようだな、ステファル」
父の言葉に総師団長はまたしてもビクッとする。黙り込んだまま動かなくなった。
十分ほど経っただろうか。
ようやく、難しい顔をしながらノロノロと口を開く。
「クロエル補佐官は、国と大神殿に見守られている」
「つまり、連名で申し込んでドラグニールに拒否されたら、国王と大神殿相手に訴えてみればいいということだな」
ハァ。
話がどんどんと大きくなってきた。
国や大神殿も関与した大掛かりなものだ。どうりで、国も大神殿もネージュ様の死亡届を即日で認めるはずだ。
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。ネージュ様を助け出さないと。
「ジベルト、無理だ」
「ステファル、お前だってネージュ様にお会いしたいだろ。ネージュ様はお前の姪じゃないか」
「いまさらだよ、ジベルト」
総師団長は胸をかきむしって、血を吐くように言葉を絞り出した。
「俺は、グランミストは、六年前にネージュ嬢を見捨てたんだ」
六年前。
ネージュ様が技能なしだと判定されたころのことか。
俺はこのとき、ネージュ様の護衛ではなかったので、詳しい経緯は知らない。
そうか。
技能なしのネージュ様をグランミストは見捨てたんだ。きっと、グランミストとは関係がないと言って。
応接室に沈黙が流れる。
俺も叔父もリナーシア嬢も誰も何も答えなかった。父だけが静かに口を開いた。
「それならなおさらだ。一度すっきりさせた方がいい。話し合いの件、こちらで書状を送っておくよ」
こうしてベルンドゥアンとグランミストとの話し合いは終わった。
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