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2 新人研修編
6-1 師団長という仕事
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師団長は暇ではない。むしろ、業務をたくさん抱えて忙しい。
今日も訓練に書類整理にと朝から追われて、ようやく一段落。
隣の執務室にやってくると、執務室は異様な雰囲気に包まれていた。
フィアの異動を来月に控え、第六師団にはある種の緊張が走っていたのだ。
「師団長、今日はあの日か?」
副師団長から声がかかる。いつもより、表情が固い。
こいつでも緊張することがあるんだな。
そんなことを頭の片隅で考えながら、俺は言葉を返した。
「あぁ、昼過ぎにこっちに来ることになってる。準備はいいか?」
「もちろん、万全だ」
「緊張するな」
「だな」
副師団長付きの副官たちも同様に表情が固まっている。
こいつらでも緊張することがあるんだな。
コンコン
執務室の扉を叩く音に続き、返事も待たずにメランド卿が扉を開け、顔を覗かせた。
「来た」
誰ともなくつぶやく。
そのつぶやきに遅れて、一般階級の補佐官服をまとった銀髪の女性が入室してきた。
そう。今日はフィアが第六師団執務室を訪問する、記念すべき日。
「今日はよろしくお願いします」
俺たちに向かって、フィアがペコリと頭を下げた。
今日のフィアは一段とかわいく見えるような気がする。
いや、気のせいじゃない。かわいい。かわいすぎる。ダメだ。これはダメだ。
「フィアがかわいすぎてダメだ、危ない、家に帰ろう」
「え? またそれ?」
フィアのとまどう声もかわいい。かわいすぎて危険だ。
フィアを抱き上げようとした俺の背に、今度は慌てたような声がかかった。
「師団長、しっかりしろ!」
「師団長、格好いいとこ!」
「師団長、ビシッと!」
あ。
うっかり、フィアを連れて帰るところだった。正気に戻れ、俺。
フィアにビシッと格好いいところを見せないと。
「あー、フィア。幹部を紹介する」
どうにか持ち直した俺は、第六師団を取り仕切る師団長として、フィアに幹部たちをひとりずつ紹介していった。
とは言っても、今日の執務室は副師団長のチームだけ。副師団長のミラマーとその副官二人。
カーシェイとエルヴェスのチームは席を外していたが、フィアとは面識があるので、またの機会でいいだろう。
考え事をしていた俺にフィアがかわいい声をかけてきた。
「ラウ、こっちの部屋は何?」
執務室は副師団長、俺の直属の副官たちが使っている場所。
ちょっとした打ち合わせのスペースはあるが、個室などない。
「部屋? そんなところに部屋なんてあったか?」
記憶にないぞ、そんな部屋。
でも、確かに扉がある。
いつの間にか部屋が増えているなんて。
「あ、あー。えーっと、そっちはその」
言葉を濁す副師団長。
扉の中からは微かに音が聞こえる。
俺は思い切って扉を開けた。
ガチャッ
「あ、黒竜さん?! じゃなくて、ドラグニール師団長!」
「やべっ、もう、そんな時間か!」
扉を開けた先は、部屋ともいえない小さな空間だった。
小さい棚と机とイスがあるだけ。
そこにいたのは見慣れた男たち。
「銀竜のところの副官か? それに、ドラグゼルン!」
二人とも普通竜種だ。
なぜ、こんな狭いところに?
「二人ともこんなところで、何をしてるんだ? まさか、さぼりか?」
俺の問いかけに対して、姿勢を正して返答する銀竜の副官。
「第一級重要資料の閲覧です、ドラグニール師団長」
「そうそう。持ち出し禁止だから、閲覧室で見てただけだって」
突撃部隊長のドラグゼルンが補足する。
「何これ?」
俺たちが会話に気を取られている隙に、フィアが閲覧室の棚に目を止めていた。
そこに並んでいる映像記録の魔導具を、そっと手にする。
「「あ!!」」
思わず声をあげる二人。
フィアは二人に構わず、映像記録のタイトルを読み上げた。
「えーっと? 伴侶捕獲編、初デート総集編、氷雪祭編………………」
ん? なんか聞き覚えが…………
「って俺とフィアの記録か!」
「第一級重要資料」
映像記録の魔導具を手にしたまま固まるフィア。固まった姿もかわいい。
「そりゃそうだろ。上位竜種の生態を記録した稀少映像だからな」
「稀少映像」
映像記録の魔導具を手にしたまま呆然とするフィア。どんな姿もかわいくて溜まらない。
って、フィアを見て喜んでいる場合じゃない!
「お前ら、映像記録の閲覧だなんて、何やってるんだ!」
「そうだよ、いつの間にこんな記録」
「俺のフィアのかわいい記録は、俺が最初に見るべきだろ!」
「え! 重要なの、そっち?」
フィアがくるりと顔を俺に向ける。
当然だろ。何せ、俺は、
「氷雪祭編、俺はまだ見てないぞ!」
「え! そういう問題?」
視線を手元の魔導具に戻そうとしたフィアが、俺の言葉に反応して、再度、くるりと顔を俺に向ける。
「俺のかわいいフィアを最初に堪能するのは、この俺だ!」
「ねぇ、ラウ、これ、盗撮だよね? 盗撮は問題じゃないの?」
ん? フィアは何を言ってるんだ?
「盗撮じゃないぞ、フィア」
「え? 盗撮じゃないの?」
首を捻るフィアに、俺は落ち着いた声で説明する。
「そうだ。これは許可済みの業務だ」
記録班には、毎回毎回、特別手当まで出ているからな。
「えー?! 私、許可してないよ!」
「ん? フィアの許可? 伴侶の本契約も済んでるのに?」
今度は俺が首を捻る。
「え、伴侶の本契約?」
首を捻りあっている俺たちの会話に、普通竜種の二人が加わってきた。
「あー、お相手様、半落ちしているときに本契約したからな」
「伴侶捕獲編ですね。あれはお見事でしたね」
頷きあっている普通竜種の二人。
「お相手様、伴侶の本契約が済むと捕獲完了なんですよ」
「捕獲完了すると、悪い言い方をすれば、竜種の夫の所有物になるんです」
「つまり、奥さんの許可はいろいろ不要なんです」
そんなの常識(竜種限定)だろ?
「えー! そんな話、聞いてないけど!」
確かに、言ってないな。
すべての説明をし終わった頃には、終業の時間だった。
そして、黒竜録の氷雪祭編は閲覧禁止となった。俺の閲覧が終わるまで。
けっきょく、第六師団としては執務室を紹介しただけだったが、これで幹部全員との顔合わせはできた。
細かい部分は異動してからでもいいし、フィアの能力ならどうとでもなるだろう。
俺は師団長としての考え事を頭の中で巡らせながら、夫としてフィアを見る。
「伴侶の首輪、執着の鎖、所有物。もう、完全にヤバい匂いしかしない」
ブツブツと何かつぶやきながら、死んだ魔獣のような顔をしているフィア。
第六師団の執務室が気に入らなかったんだろうか?
俺としてはそっちの方が都合がいい。
フィアの職場は隣の師団長室なのだから。他の部署は気に入らないくらいでちょうどいい。
「フィア、そろそろ帰ろうか」
俺はフィアの手を取ろうと、声をかけた。
フィアが俺の方に振り返り、手を差し伸べてくる。
その手を握ろうとしたその瞬間。
バーーーーーン
「黒竜録の新作、できたんですよね! 氷雪祭編。俺、もう、楽しみで、楽しみで、楽しみで!」
執務室の扉が派手に開き、見知った普通竜種が入ってくる。
「…………カーネリウス」
「…………あのバカ」
フィアも突然のことで驚いたようで。
せっかく差し伸べてくれた手を引っ込めてしまった。
こいつもか。こいつも俺より先に見るつもりだったのか。
「あれ? 黒竜さん?」
「カーネリウス! 暇そうだな!」
フィアをメランダ卿に任せ、訓練場にカーネリウスを引き摺っていく俺。
師団長は終業後も忙しい。
今日も訓練に書類整理にと朝から追われて、ようやく一段落。
隣の執務室にやってくると、執務室は異様な雰囲気に包まれていた。
フィアの異動を来月に控え、第六師団にはある種の緊張が走っていたのだ。
「師団長、今日はあの日か?」
副師団長から声がかかる。いつもより、表情が固い。
こいつでも緊張することがあるんだな。
そんなことを頭の片隅で考えながら、俺は言葉を返した。
「あぁ、昼過ぎにこっちに来ることになってる。準備はいいか?」
「もちろん、万全だ」
「緊張するな」
「だな」
副師団長付きの副官たちも同様に表情が固まっている。
こいつらでも緊張することがあるんだな。
コンコン
執務室の扉を叩く音に続き、返事も待たずにメランド卿が扉を開け、顔を覗かせた。
「来た」
誰ともなくつぶやく。
そのつぶやきに遅れて、一般階級の補佐官服をまとった銀髪の女性が入室してきた。
そう。今日はフィアが第六師団執務室を訪問する、記念すべき日。
「今日はよろしくお願いします」
俺たちに向かって、フィアがペコリと頭を下げた。
今日のフィアは一段とかわいく見えるような気がする。
いや、気のせいじゃない。かわいい。かわいすぎる。ダメだ。これはダメだ。
「フィアがかわいすぎてダメだ、危ない、家に帰ろう」
「え? またそれ?」
フィアのとまどう声もかわいい。かわいすぎて危険だ。
フィアを抱き上げようとした俺の背に、今度は慌てたような声がかかった。
「師団長、しっかりしろ!」
「師団長、格好いいとこ!」
「師団長、ビシッと!」
あ。
うっかり、フィアを連れて帰るところだった。正気に戻れ、俺。
フィアにビシッと格好いいところを見せないと。
「あー、フィア。幹部を紹介する」
どうにか持ち直した俺は、第六師団を取り仕切る師団長として、フィアに幹部たちをひとりずつ紹介していった。
とは言っても、今日の執務室は副師団長のチームだけ。副師団長のミラマーとその副官二人。
カーシェイとエルヴェスのチームは席を外していたが、フィアとは面識があるので、またの機会でいいだろう。
考え事をしていた俺にフィアがかわいい声をかけてきた。
「ラウ、こっちの部屋は何?」
執務室は副師団長、俺の直属の副官たちが使っている場所。
ちょっとした打ち合わせのスペースはあるが、個室などない。
「部屋? そんなところに部屋なんてあったか?」
記憶にないぞ、そんな部屋。
でも、確かに扉がある。
いつの間にか部屋が増えているなんて。
「あ、あー。えーっと、そっちはその」
言葉を濁す副師団長。
扉の中からは微かに音が聞こえる。
俺は思い切って扉を開けた。
ガチャッ
「あ、黒竜さん?! じゃなくて、ドラグニール師団長!」
「やべっ、もう、そんな時間か!」
扉を開けた先は、部屋ともいえない小さな空間だった。
小さい棚と机とイスがあるだけ。
そこにいたのは見慣れた男たち。
「銀竜のところの副官か? それに、ドラグゼルン!」
二人とも普通竜種だ。
なぜ、こんな狭いところに?
「二人ともこんなところで、何をしてるんだ? まさか、さぼりか?」
俺の問いかけに対して、姿勢を正して返答する銀竜の副官。
「第一級重要資料の閲覧です、ドラグニール師団長」
「そうそう。持ち出し禁止だから、閲覧室で見てただけだって」
突撃部隊長のドラグゼルンが補足する。
「何これ?」
俺たちが会話に気を取られている隙に、フィアが閲覧室の棚に目を止めていた。
そこに並んでいる映像記録の魔導具を、そっと手にする。
「「あ!!」」
思わず声をあげる二人。
フィアは二人に構わず、映像記録のタイトルを読み上げた。
「えーっと? 伴侶捕獲編、初デート総集編、氷雪祭編………………」
ん? なんか聞き覚えが…………
「って俺とフィアの記録か!」
「第一級重要資料」
映像記録の魔導具を手にしたまま固まるフィア。固まった姿もかわいい。
「そりゃそうだろ。上位竜種の生態を記録した稀少映像だからな」
「稀少映像」
映像記録の魔導具を手にしたまま呆然とするフィア。どんな姿もかわいくて溜まらない。
って、フィアを見て喜んでいる場合じゃない!
「お前ら、映像記録の閲覧だなんて、何やってるんだ!」
「そうだよ、いつの間にこんな記録」
「俺のフィアのかわいい記録は、俺が最初に見るべきだろ!」
「え! 重要なの、そっち?」
フィアがくるりと顔を俺に向ける。
当然だろ。何せ、俺は、
「氷雪祭編、俺はまだ見てないぞ!」
「え! そういう問題?」
視線を手元の魔導具に戻そうとしたフィアが、俺の言葉に反応して、再度、くるりと顔を俺に向ける。
「俺のかわいいフィアを最初に堪能するのは、この俺だ!」
「ねぇ、ラウ、これ、盗撮だよね? 盗撮は問題じゃないの?」
ん? フィアは何を言ってるんだ?
「盗撮じゃないぞ、フィア」
「え? 盗撮じゃないの?」
首を捻るフィアに、俺は落ち着いた声で説明する。
「そうだ。これは許可済みの業務だ」
記録班には、毎回毎回、特別手当まで出ているからな。
「えー?! 私、許可してないよ!」
「ん? フィアの許可? 伴侶の本契約も済んでるのに?」
今度は俺が首を捻る。
「え、伴侶の本契約?」
首を捻りあっている俺たちの会話に、普通竜種の二人が加わってきた。
「あー、お相手様、半落ちしているときに本契約したからな」
「伴侶捕獲編ですね。あれはお見事でしたね」
頷きあっている普通竜種の二人。
「お相手様、伴侶の本契約が済むと捕獲完了なんですよ」
「捕獲完了すると、悪い言い方をすれば、竜種の夫の所有物になるんです」
「つまり、奥さんの許可はいろいろ不要なんです」
そんなの常識(竜種限定)だろ?
「えー! そんな話、聞いてないけど!」
確かに、言ってないな。
すべての説明をし終わった頃には、終業の時間だった。
そして、黒竜録の氷雪祭編は閲覧禁止となった。俺の閲覧が終わるまで。
けっきょく、第六師団としては執務室を紹介しただけだったが、これで幹部全員との顔合わせはできた。
細かい部分は異動してからでもいいし、フィアの能力ならどうとでもなるだろう。
俺は師団長としての考え事を頭の中で巡らせながら、夫としてフィアを見る。
「伴侶の首輪、執着の鎖、所有物。もう、完全にヤバい匂いしかしない」
ブツブツと何かつぶやきながら、死んだ魔獣のような顔をしているフィア。
第六師団の執務室が気に入らなかったんだろうか?
俺としてはそっちの方が都合がいい。
フィアの職場は隣の師団長室なのだから。他の部署は気に入らないくらいでちょうどいい。
「フィア、そろそろ帰ろうか」
俺はフィアの手を取ろうと、声をかけた。
フィアが俺の方に振り返り、手を差し伸べてくる。
その手を握ろうとしたその瞬間。
バーーーーーン
「黒竜録の新作、できたんですよね! 氷雪祭編。俺、もう、楽しみで、楽しみで、楽しみで!」
執務室の扉が派手に開き、見知った普通竜種が入ってくる。
「…………カーネリウス」
「…………あのバカ」
フィアも突然のことで驚いたようで。
せっかく差し伸べてくれた手を引っ込めてしまった。
こいつもか。こいつも俺より先に見るつもりだったのか。
「あれ? 黒竜さん?」
「カーネリウス! 暇そうだな!」
フィアをメランダ卿に任せ、訓練場にカーネリウスを引き摺っていく俺。
師団長は終業後も忙しい。
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