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2 新人研修編
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「そういうわけで、辞令が出た」
開口一番、上司の人が省略して話し始めた。
今日は昇格試験の手伝いの話があるとかで、全員、塔長の机の前に集まっている。
辞令と言われても、皆、何の話だか分からず、困った顔をした。
唯一、フィールズ補佐官だけが落ち着いている。
いや、違うな。あれは無の表情で上司の人を睨みつけているだけだ。
きっと、上司の人がやる『いつものやつ』か。
上司の人は皆の視線を意にも介さず、手に持った書類の束をパタパタしながら、話を続けた。
「クロエル補佐官は今月末付で研修終了。来月一日より第六師団長配属だ」
はー
皆、一斉に息を吐く。
面倒な話じゃなくて良かった、そんな気持ちがため息に込められていそうだ。
でも、ちょっと待って。
今、第六師団『長』配属って言わなかった?
「あのー、第六師団配属の間違いでは?」
師団長専属の副官だって、あくまでも所属は師団。師団長個人に配属はされてない、よね?
そんな私の質問に、上司の人は笑顔で答える。
「ドラグニール師団長配属だ」
「え?」
「クロエル補佐官は、ラウゼルト専用だからな」
「は? 専用?」
専用? 専用って何?
「ラウゼルトのそばに置いとけば、危ないことはしないだろうからね」
「え? ラウは私の見張りじゃないですけど」
だいたい、生まれてこの方、危ないことなんてしたことがない。
いちおう、これでもお嬢様育ちというやつだ。
あ、魔物倒すのは危ないことに入るのかな?
「君が危ないことをすると、周りが危ない目に遭うんだよ」
「は? 危ないことなんて、私、今までしたことありませんよ」
クルッ
皆の顔が一斉に私の方を向く。
「「………………………。」」
え?
「ラウゼルトは、君がそばに入れば、機嫌よく超速で仕事する。
君は、ラウゼルトがそばに入れば、大人しく仕事をする」
「はぁ? 何ですか、それ」
「そして、エルメンティアの平穏が守られるって訳だ」
「はぁぁぁ?」
訳、分からないんだけど!
「ともかく、そういうことで異動だ」
なんだか、訳の分からない理由で異動になった。
もともと、第六師団配属は希望していたし、仮配属の研修期間が早めに終わったと思えばいいか。
「今月いっぱいはこっちの仕事を手伝ってもらうけど、向こうに異動する準備もしてもらっていいから」
「はーい」
「ま、今月は昇格試験があるから、書類審査と実技試験の手伝いだ」
役付きになるための昇格試験か。
官職の採用試験と同様、書類審査、筆記試験、実技試験とあるそうだ。面接は二回。
私は推薦状があったから、書類審査と面接は免除になったけど。
昇格試験の場合、推薦状があっても免除にならないらしい。コネより実力優先のようだ。
「今回の目玉は、第四師団の副師団長、総師団長付き副官、第一塔長付き副官だな」
第一塔室付き副官って、上司の人の補佐をする人ってことだよね?
「第一塔長付き副官? 今までいませんよね、そんな人」
「グリモ補佐官が、つなぎで手伝ってくれている」
「え! グリモ補佐官って副官さんだったんですか」
「副官代理だよ。本業があるからね。いつまでも、ここを手伝ってもいられないのさ」
と、穏やかに話すグリモ補佐官。
グリモ補佐官は、出張やら会議やら他部署との連絡だとかで、あまり塔長室で姿を見かけない。
なんだ、上司の人の仕事の補佐で、あちこち駆けずり回っていたわけか。
「今回で決まらないと本気でマズい。引き留めるのも限界だ」
「ま、そういうことだ。頑張って決めてくれよ、塔長」
「簡単に決まるなら、苦労しないよ」
「なら、私が、」
「だから、君はラウゼルト専用だから」
専用って。せめて専属って言って。
「さぁ、これから本部の事務所に行って、人事班の書類審査を手伝うからな」
つまり、第一塔長付き副官に相応しい人を選びに行くってことか。
留守番のマル姉さんを残して、私たちは本部へ向かった。
予想に反して、事務所は整然としていた。粛々と作業が進んでいる。
到着した私たちは、イスに座らされ、書類を手渡されて内容を確認。言われるがままに。すべて流れ作業だ。
手渡された書類のひとつに、嫌な名前を見つけた。
『セルージュ・グランフレイム』
私を見捨てて崖下に落とした、元兄の名前だ。ああ、第四師団とか言ってたな。
指先が冷たい。息苦しい。暑くもないのに汗が出てくる。寒い。
「クロエル補佐官、クロエル補佐官!」
肩を軽く叩かれた。
はっとしたとたん、フィールズ補佐官の焦ったような声が耳に入る。
少しの間、ぼーっとしていたようだ。
まだまだ書類はあるのに。集中しないと。
「クロエル補佐官、大丈夫ですか?」
また、フィールズ補佐官から声がかかった。
返事をしていないことに気づき、慌てて返事を返す。
「あ、はい。なんですか?」
「顔色が悪いですよ」
「え? 大丈夫ですよ。それに、どんどんやらないと終わりませんし」
フィールズ補佐官は何も言わず、私の手から書類を抜き取った。
「あ」
「嫌な書類は見なくてもいいんです」
そしてそれを、ナルフェブル補佐官に手渡す。
手渡されたナルフェブル補佐官も、やはり何も言わず、確認作業を続ける。
元兄の書類はあっという間に処理済み分として、どこかに持ち去られた。
はー
いずれは、元兄と顔を合わせる。
そのとき、私は大丈夫なんだろうか。
考えても答えは出てこない。困った。
「落ち着きましたか」
「はい。とりあえずは」
「困ったことがあったら、師団長に相談したらどうですか?」
「はい。そうします」
フィールズ補佐官の気遣いをありがたく思いながら、私は確認作業を再開した。
開口一番、上司の人が省略して話し始めた。
今日は昇格試験の手伝いの話があるとかで、全員、塔長の机の前に集まっている。
辞令と言われても、皆、何の話だか分からず、困った顔をした。
唯一、フィールズ補佐官だけが落ち着いている。
いや、違うな。あれは無の表情で上司の人を睨みつけているだけだ。
きっと、上司の人がやる『いつものやつ』か。
上司の人は皆の視線を意にも介さず、手に持った書類の束をパタパタしながら、話を続けた。
「クロエル補佐官は今月末付で研修終了。来月一日より第六師団長配属だ」
はー
皆、一斉に息を吐く。
面倒な話じゃなくて良かった、そんな気持ちがため息に込められていそうだ。
でも、ちょっと待って。
今、第六師団『長』配属って言わなかった?
「あのー、第六師団配属の間違いでは?」
師団長専属の副官だって、あくまでも所属は師団。師団長個人に配属はされてない、よね?
そんな私の質問に、上司の人は笑顔で答える。
「ドラグニール師団長配属だ」
「え?」
「クロエル補佐官は、ラウゼルト専用だからな」
「は? 専用?」
専用? 専用って何?
「ラウゼルトのそばに置いとけば、危ないことはしないだろうからね」
「え? ラウは私の見張りじゃないですけど」
だいたい、生まれてこの方、危ないことなんてしたことがない。
いちおう、これでもお嬢様育ちというやつだ。
あ、魔物倒すのは危ないことに入るのかな?
「君が危ないことをすると、周りが危ない目に遭うんだよ」
「は? 危ないことなんて、私、今までしたことありませんよ」
クルッ
皆の顔が一斉に私の方を向く。
「「………………………。」」
え?
「ラウゼルトは、君がそばに入れば、機嫌よく超速で仕事する。
君は、ラウゼルトがそばに入れば、大人しく仕事をする」
「はぁ? 何ですか、それ」
「そして、エルメンティアの平穏が守られるって訳だ」
「はぁぁぁ?」
訳、分からないんだけど!
「ともかく、そういうことで異動だ」
なんだか、訳の分からない理由で異動になった。
もともと、第六師団配属は希望していたし、仮配属の研修期間が早めに終わったと思えばいいか。
「今月いっぱいはこっちの仕事を手伝ってもらうけど、向こうに異動する準備もしてもらっていいから」
「はーい」
「ま、今月は昇格試験があるから、書類審査と実技試験の手伝いだ」
役付きになるための昇格試験か。
官職の採用試験と同様、書類審査、筆記試験、実技試験とあるそうだ。面接は二回。
私は推薦状があったから、書類審査と面接は免除になったけど。
昇格試験の場合、推薦状があっても免除にならないらしい。コネより実力優先のようだ。
「今回の目玉は、第四師団の副師団長、総師団長付き副官、第一塔長付き副官だな」
第一塔室付き副官って、上司の人の補佐をする人ってことだよね?
「第一塔長付き副官? 今までいませんよね、そんな人」
「グリモ補佐官が、つなぎで手伝ってくれている」
「え! グリモ補佐官って副官さんだったんですか」
「副官代理だよ。本業があるからね。いつまでも、ここを手伝ってもいられないのさ」
と、穏やかに話すグリモ補佐官。
グリモ補佐官は、出張やら会議やら他部署との連絡だとかで、あまり塔長室で姿を見かけない。
なんだ、上司の人の仕事の補佐で、あちこち駆けずり回っていたわけか。
「今回で決まらないと本気でマズい。引き留めるのも限界だ」
「ま、そういうことだ。頑張って決めてくれよ、塔長」
「簡単に決まるなら、苦労しないよ」
「なら、私が、」
「だから、君はラウゼルト専用だから」
専用って。せめて専属って言って。
「さぁ、これから本部の事務所に行って、人事班の書類審査を手伝うからな」
つまり、第一塔長付き副官に相応しい人を選びに行くってことか。
留守番のマル姉さんを残して、私たちは本部へ向かった。
予想に反して、事務所は整然としていた。粛々と作業が進んでいる。
到着した私たちは、イスに座らされ、書類を手渡されて内容を確認。言われるがままに。すべて流れ作業だ。
手渡された書類のひとつに、嫌な名前を見つけた。
『セルージュ・グランフレイム』
私を見捨てて崖下に落とした、元兄の名前だ。ああ、第四師団とか言ってたな。
指先が冷たい。息苦しい。暑くもないのに汗が出てくる。寒い。
「クロエル補佐官、クロエル補佐官!」
肩を軽く叩かれた。
はっとしたとたん、フィールズ補佐官の焦ったような声が耳に入る。
少しの間、ぼーっとしていたようだ。
まだまだ書類はあるのに。集中しないと。
「クロエル補佐官、大丈夫ですか?」
また、フィールズ補佐官から声がかかった。
返事をしていないことに気づき、慌てて返事を返す。
「あ、はい。なんですか?」
「顔色が悪いですよ」
「え? 大丈夫ですよ。それに、どんどんやらないと終わりませんし」
フィールズ補佐官は何も言わず、私の手から書類を抜き取った。
「あ」
「嫌な書類は見なくてもいいんです」
そしてそれを、ナルフェブル補佐官に手渡す。
手渡されたナルフェブル補佐官も、やはり何も言わず、確認作業を続ける。
元兄の書類はあっという間に処理済み分として、どこかに持ち去られた。
はー
いずれは、元兄と顔を合わせる。
そのとき、私は大丈夫なんだろうか。
考えても答えは出てこない。困った。
「落ち着きましたか」
「はい。とりあえずは」
「困ったことがあったら、師団長に相談したらどうですか?」
「はい。そうします」
フィールズ補佐官の気遣いをありがたく思いながら、私は確認作業を再開した。
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