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2 新人研修編
1-6
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この部屋にいる人間を鑑定する。
最初の試験のお題はこれだけ。
まぁ、それだけなら簡単簡単、私は《鑑定眼》の能力を解放し、部屋の中を見渡す。
「さてと」
鑑定眼は赤種特有の鑑定技能。その名の通り、視るだけで鑑定できる便利な能力だ。
魔法陣も力のある言葉も不要。
通常の鑑定技能の鑑定も、視るだけの場合もあるが、詳細さがぜんぜん違う。
詳しく鑑定するには、魔法陣と力のある言葉で鑑定魔法を発動させる。
私も使えるけれど、鑑定眼の方が使い勝手がいい。
さて、この部屋にいるのは七人だ。
とりあえず、名前と役職、技能、等級をざっと把握する。
「うーん」
ソファーに座っている三人が、第一塔長の王子さまレクシルドと第一塔の補佐官二人。
三人とも鑑定技能持ち、補佐官二人は特級、王子さまはなんと超級。
鑑定技能の超級は大神殿の神官長と同レベルだ。王子さま、地味に凄い。
特級補佐官のうち一人は以前に会ったことのある、フィールズ補佐官。
もう一人の補佐官は私と同じく精霊魔法技能がない。でも、この人、ちょっと特殊だ。
王子さまの背後に立っている二人は、総師団長と総師団長の副官。
どちらも上級武官らしく、剣技や体技はもちろん、分析力、立案能力などに長けている。
副官の方は竜種だ。カーシェイ副官より若いのに、総師団長直属なんて凄いね。
王子さまを除く、ここまでの人たちは、二人ずつ同じ服を着ていた。
補佐官は補佐官の服、騎士は騎士の服。
服の意匠や飾り、色などで、所属や職種、階級が分かるそうだけど、そんな特色がまったくない。何の飾りも特徴もない服だった。
部屋の入り口付近について立っているのは、師団本部の諜報班の人。隠密技能が特級。
諜報班の人はピッタリとした動きやすい服装で、こちらも何の特徴もなし。
諜報がどこの所属だとか分かってはダメだろうしね。
私のソファー付近に立っているのは、なんと、メモリアだった。現在、第六師団特務部隊の騎士。隠密技能が超級。
え? 超級?
メモリア、本部諜報班の人より凄くない?
「赤種の《鑑定眼》か」
王子さまがボソッとつぶやいて、周りの人間がその言葉に反応した。
この場にいる人は、全員、私が赤種であると知っている。
ただし、赤種の能力の詳しいところは知らない。その把握も含めての今回の試験。
まぁ、そんなところだろう。
テラでさえ、私の細かいところは知らなかったくらいだ。
テラの次に私に詳しいのはラウ。
それ以外が、私の能力を把握しているとは思えない。
さて、回答をどうするか、だよね。
この試験に限らず、どこまで自分の能力を公表するか。
私に並ぶ能力の人は赤種くらいだし、仮に合格点でなくてもラウが『なんとかする』わけだし。
試験で落とされる心配をする必要はなくなった。
技能が凄いことを示しつつ、すべてを出し切らない。この線でいってみようか。
ラウが言っていた。
戦うにしても守るにしても、情報収集と能力把握は重要だと。
何をするにしても、相手を分かっていれば対処しやすいんだと。
だからこそ、相手のことを徹底的に調べ上げる。
ラウの言葉を思い出す。
「調べるにしても限界はある。知らない何かがある。情報に間違いもある。それを理解しておかないといけない」
うん、夫が格好いい事を言っていた。
「相手の情報は握りつつ、こっちの情報は相手に握らせないのが一番だけどな。
相手に握らせる情報をこっちでコントロールできれば上々」
ん? ちょっと待って。
私の情報はラウに全部知られていて、ラウの情報は私にナイショにされてるってこと? じゃないよね?
いやいや、今は試験に集中しよう。ラウの追求は後でできるから。
「へー、メランド卿が紛れ込んでいるのには、さすがに気がつかなかったな」
ごめん、メモリア。お題がお題だったから。
けっきょく、この部屋にいる七人(私とラウを除く)の名前、役職、技能、等級のみを鑑定結果として報告した。
「メランド卿は俺のフィアの護衛だからな」
それ、理由になるんだろうか。
ラウが自信満々に答えてるけど。
「ああ、竜種の伴侶だからね」
理由になった。
「あらかじめ言及しておかなかった、こちらの不注意だ」
そういうものなんだ。
「悪いけど、これ以降は席を外してもらうよ」
そう言って、メモリアに退室を促す王子さま。
メモリアは一礼して部屋から出ていった。
その様子を総師団長や副官が額に汗を浮かべながら見ている。
「俺もか?」
ラウが低い声で王子さまに尋ねた。
誰も答えない。
立っている人だけでなく、座っている人たちも額に汗を浮かべている。
この部屋、そんなに暖かいかな?
冬の季節なので、部屋は暖められてはいるが、汗をかくほどではない。
なにより、なんか、ラウから冷気が出ている、ような気がする。
「次は筆記試験と実技試験だから、ピッタリくっついてるのは無理だな。少し離れとけ」
「少し、だな」
ほんの少しだけ動くラウ。
ピッタリくっついていたのが、普通に並んで座る程度になった。離れてはいない。
そして冷気は感じられなくなった。気のせいだったようだ。
「訂正する。しっかり離れろ」
次の筆記試験は、別の部屋に移動して行われた。
法律や知識問題ばかりだったので、これは楽勝だ。
グランフレイムで勉強していたことが役に立って良かった。
お前には期待してないから、勉強なんてそんなにしなくていい。そんなことを言われてたもんな。
ラウもダメとか頑張らなくていいとか、言うこともあるけど。
私のことや私といっしょにいられないことを心配しての発言だ。基本、私を否定することはしない。
今も心配そうに見守ってくれている。
近くから。
くっついてはいないけど、隣にいる。
王子さまの説得でも、遠く離すのは無理だった。
「最後の実技試験は戦闘能力を見る。試験というより戦闘能力の把握かな」
というわけで、戦闘訓練用の闘技場に移動した。
「補佐官は非戦闘職種だ。とはいえ、魔物の鑑定とか出張鑑定に出るときがある。
あらかじめ、どのくらいできるかは把握しておきたい」
フィールズ補佐官も、うっかり討伐しちゃった魔物の出張鑑定に来てたよね。
「ここは、対戦の模擬試合や非公開の闘技大会も開かれる。魔法防御付きなので、物理攻撃にも魔法攻撃にも耐える優れものだ」
さすが、師団の設備は凄い。
「まずは、動かない的でやってみようか。詠唱魔法と剣技はできるんだったよね」
こうして最後の試験が始まった。
最初の試験のお題はこれだけ。
まぁ、それだけなら簡単簡単、私は《鑑定眼》の能力を解放し、部屋の中を見渡す。
「さてと」
鑑定眼は赤種特有の鑑定技能。その名の通り、視るだけで鑑定できる便利な能力だ。
魔法陣も力のある言葉も不要。
通常の鑑定技能の鑑定も、視るだけの場合もあるが、詳細さがぜんぜん違う。
詳しく鑑定するには、魔法陣と力のある言葉で鑑定魔法を発動させる。
私も使えるけれど、鑑定眼の方が使い勝手がいい。
さて、この部屋にいるのは七人だ。
とりあえず、名前と役職、技能、等級をざっと把握する。
「うーん」
ソファーに座っている三人が、第一塔長の王子さまレクシルドと第一塔の補佐官二人。
三人とも鑑定技能持ち、補佐官二人は特級、王子さまはなんと超級。
鑑定技能の超級は大神殿の神官長と同レベルだ。王子さま、地味に凄い。
特級補佐官のうち一人は以前に会ったことのある、フィールズ補佐官。
もう一人の補佐官は私と同じく精霊魔法技能がない。でも、この人、ちょっと特殊だ。
王子さまの背後に立っている二人は、総師団長と総師団長の副官。
どちらも上級武官らしく、剣技や体技はもちろん、分析力、立案能力などに長けている。
副官の方は竜種だ。カーシェイ副官より若いのに、総師団長直属なんて凄いね。
王子さまを除く、ここまでの人たちは、二人ずつ同じ服を着ていた。
補佐官は補佐官の服、騎士は騎士の服。
服の意匠や飾り、色などで、所属や職種、階級が分かるそうだけど、そんな特色がまったくない。何の飾りも特徴もない服だった。
部屋の入り口付近について立っているのは、師団本部の諜報班の人。隠密技能が特級。
諜報班の人はピッタリとした動きやすい服装で、こちらも何の特徴もなし。
諜報がどこの所属だとか分かってはダメだろうしね。
私のソファー付近に立っているのは、なんと、メモリアだった。現在、第六師団特務部隊の騎士。隠密技能が超級。
え? 超級?
メモリア、本部諜報班の人より凄くない?
「赤種の《鑑定眼》か」
王子さまがボソッとつぶやいて、周りの人間がその言葉に反応した。
この場にいる人は、全員、私が赤種であると知っている。
ただし、赤種の能力の詳しいところは知らない。その把握も含めての今回の試験。
まぁ、そんなところだろう。
テラでさえ、私の細かいところは知らなかったくらいだ。
テラの次に私に詳しいのはラウ。
それ以外が、私の能力を把握しているとは思えない。
さて、回答をどうするか、だよね。
この試験に限らず、どこまで自分の能力を公表するか。
私に並ぶ能力の人は赤種くらいだし、仮に合格点でなくてもラウが『なんとかする』わけだし。
試験で落とされる心配をする必要はなくなった。
技能が凄いことを示しつつ、すべてを出し切らない。この線でいってみようか。
ラウが言っていた。
戦うにしても守るにしても、情報収集と能力把握は重要だと。
何をするにしても、相手を分かっていれば対処しやすいんだと。
だからこそ、相手のことを徹底的に調べ上げる。
ラウの言葉を思い出す。
「調べるにしても限界はある。知らない何かがある。情報に間違いもある。それを理解しておかないといけない」
うん、夫が格好いい事を言っていた。
「相手の情報は握りつつ、こっちの情報は相手に握らせないのが一番だけどな。
相手に握らせる情報をこっちでコントロールできれば上々」
ん? ちょっと待って。
私の情報はラウに全部知られていて、ラウの情報は私にナイショにされてるってこと? じゃないよね?
いやいや、今は試験に集中しよう。ラウの追求は後でできるから。
「へー、メランド卿が紛れ込んでいるのには、さすがに気がつかなかったな」
ごめん、メモリア。お題がお題だったから。
けっきょく、この部屋にいる七人(私とラウを除く)の名前、役職、技能、等級のみを鑑定結果として報告した。
「メランド卿は俺のフィアの護衛だからな」
それ、理由になるんだろうか。
ラウが自信満々に答えてるけど。
「ああ、竜種の伴侶だからね」
理由になった。
「あらかじめ言及しておかなかった、こちらの不注意だ」
そういうものなんだ。
「悪いけど、これ以降は席を外してもらうよ」
そう言って、メモリアに退室を促す王子さま。
メモリアは一礼して部屋から出ていった。
その様子を総師団長や副官が額に汗を浮かべながら見ている。
「俺もか?」
ラウが低い声で王子さまに尋ねた。
誰も答えない。
立っている人だけでなく、座っている人たちも額に汗を浮かべている。
この部屋、そんなに暖かいかな?
冬の季節なので、部屋は暖められてはいるが、汗をかくほどではない。
なにより、なんか、ラウから冷気が出ている、ような気がする。
「次は筆記試験と実技試験だから、ピッタリくっついてるのは無理だな。少し離れとけ」
「少し、だな」
ほんの少しだけ動くラウ。
ピッタリくっついていたのが、普通に並んで座る程度になった。離れてはいない。
そして冷気は感じられなくなった。気のせいだったようだ。
「訂正する。しっかり離れろ」
次の筆記試験は、別の部屋に移動して行われた。
法律や知識問題ばかりだったので、これは楽勝だ。
グランフレイムで勉強していたことが役に立って良かった。
お前には期待してないから、勉強なんてそんなにしなくていい。そんなことを言われてたもんな。
ラウもダメとか頑張らなくていいとか、言うこともあるけど。
私のことや私といっしょにいられないことを心配しての発言だ。基本、私を否定することはしない。
今も心配そうに見守ってくれている。
近くから。
くっついてはいないけど、隣にいる。
王子さまの説得でも、遠く離すのは無理だった。
「最後の実技試験は戦闘能力を見る。試験というより戦闘能力の把握かな」
というわけで、戦闘訓練用の闘技場に移動した。
「補佐官は非戦闘職種だ。とはいえ、魔物の鑑定とか出張鑑定に出るときがある。
あらかじめ、どのくらいできるかは把握しておきたい」
フィールズ補佐官も、うっかり討伐しちゃった魔物の出張鑑定に来てたよね。
「ここは、対戦の模擬試合や非公開の闘技大会も開かれる。魔法防御付きなので、物理攻撃にも魔法攻撃にも耐える優れものだ」
さすが、師団の設備は凄い。
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