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「スターリングラード」攻防戦
34 暗闇の中のバケモノとシャワー女子会
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しかし、彼らの悲劇はそれで終わらなかった。
それまで年がら年中近隣同士で部族間の抗争に明け暮れてばかりいた北の民族たちは、戦死した仲間の骸を遺棄したまま撤退するのを嫌う。もし遺体を連れ帰らねば、敵に冒涜されてしまうからだ。
捕虜や殺した敵兵の首を村の入り口に誇示し剥がした皮を垣の上に広げて曝し、他部族への示威にする習わしがあった。自分たちがそうだから、敵も同じだと。
それに、仲間の亡骸を放置するのは、自分たちの沽券にもかかわる。せめて戦友たちの葬儀ぐらいはしてやらねば、と。そうした習俗があった。
しかし、遺体が埋め草となった水辺にも陥穽にも間断なく爆裂弾が落ちて来て回収どころではなかった。それは不可能だった。当然ながら、敗走したユージンの手下たちにも、ユージンたちの成り行きを見守っていた他の兵たちの間にも、不満が募った。
こんなことをしていいのか、と。
夜になり、ほぼ満月が上った。
ユージンが逃げ込んだイーゴリの陣営には、思いもよらない味方の敗残兵を受け入れて動揺が広がっていた。俺たちの騎馬大部隊が散々な目に遭わされるなんて、と。
そこへ。
シュルルルルルル・・・、
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
昨日東の陣営を襲った爆発する火矢が、西の彼らにも襲って来た!
なぜだ!
港島に籠る帝国兵たちからは十分に離れているはずなのに!
爆裂弾と違って爆発力が小さく、殺傷能力があまりないのはすぐに見て取れたが、馬は違う。
驚いた数百頭の馬たちは何度も前脚を上げて嘶き、他の馬を傷つけるのも厭わずに馬場を駆けだしたり、繋がれたまま暴れ始めた。このままでは馬が全てダメになる。
松明を片手にした兵たちが馬を宥めに右往左往、駆けまわっていた時。
「ぐあっ! 」
「ぎゃあああっ! 」
無数の幔幕を張った林の中の暗闇から複数の悲鳴が上がった。
「なんだ?! 」
「どうしたのだ! 」
「わからない! ヴィターリーとフィョードルが殺られた! 」
「なんだと?! 」
松明を掲げた数人が馬場の近くの幔幕に戻った。言葉通り兵が2名、それぞれ背中と額に刃物を刺されて斃れているのが松明の炎に照らされた。
「敵だ! 」
「探せ! まだ近くにいるぞ! 」
「我はここだ! 」
女の声が木の上から響いた。
松明を高々と差し上げた。
木の枝の上に、金色の髪を逆立て、口が耳まで裂けた、バケモノがいた。
「我は、雷の神にして軍神なり! 我の警告を無視し、帝国に仇なす者は、皆殺しだ! 」
そのバケモノは真下に向かって爆裂する火矢を撃ちこんで来た。
シュバババババッ! ドドドンッ!
本来は天に向かって打ち上げる信号弾を至近距離で撃ち下された者たちはその眩しすぎる光と爆音に度肝を抜かれた。
そして。
「ぐえっ! 」
「うわあっ! 」
「げはっ! 」
暗闇の中で、一人、また一人。次々と首を折られ、喉を掻き切られ、背中から心臓に深々と刃物を刺しぬかれて斃れていった。
「うわああああああっ! 」
たまたま帝国の銃を持っていた者が林の中の幔幕の群れめがけて目くらめっぽう乱射したが、相手を視認せずに撃ったため、少なからず、
「う、撃つなっ! 」
「俺だっ! 」
同士討ちになって被害が出た。
そのうちに、
「わああっ! 」
隣の部隊の幔幕が火を出し、
ドガアアンッ!
せっかく帝国から奪ったグラナトヴェルファーの弾薬を集積していたところにも火が回り、少なくない弾薬が誘爆し、辺りに炎が飛び散った。
騒ぎを聞きつけ西の部隊の隊長であるイーゴリがやってきた時には、すでに幔幕の半分が焼け、グラナトヴェルファーの油脂が飛び散ったせいで林の大半が燃え上がっていた。ちょうど雨が少ない乾季を迎え空気が乾燥していたせいで火の回りが早かったのも災いした。おまけに各幔幕ごとに保管してあった当座の小麦や肉など、せっかく同じ民族のヴォルゴグラの民から取り上げてあった貴重な食料までが焼失した。
大惨事になっていた。
西の部隊総出で火を消し、ようやく鎮火したころにはもう、「雷の神にして軍神」と名乗ったバケモノは、影も形もどこにも見えなくなっていた。
「本土」の暗闇の向こう、遠くに上がる真っ赤な炎を眺めていたアランは、念のためカンテラは点けずに西の小島で警戒していた。すると、
ヒュイッ!
暗闇の向こうから指笛が聞こえた。
それで、用意していたイカダを渡そうとしたら、
ジャブンッ!
月明かりに目の前の水路の水に波紋が立ったのを見たと思いきや、アタマの上を何かがシュッ、と掠めた。
「アラン、ただいま! 」
目の前に、髪の毛を逆立ててド派手な迷彩を施したヤヨイが立っていた。
「手ごろな長めの枯れ枝を見つけたから。渡るのに使えるかもと思ったの! 」
ヤヨイの形相は月の光の下で見るとさすがにグロかった。
「・・・まったく、キミってやつは」
初めて一緒に任務に就いて共に死線を潜り、またある時は乗り合わせた偵察機が不時着して九死に一生を得たり。
「ホント、一緒に居ると、何度も死にそうになるけど、死ねそうもないんだよな、これが」
えへ、と笑ったヤヨイが舌を出したが、その異様なメイクで舌を出されて余計にグロさが増した。
「ギャハハハハハッ! 」
「ヤヨイ様、サイコー! アッハッハッ! 」
グラナトヴェルファーの推進剤を混ぜた泥と迷彩塗料で髪を逆立たせ、まるで「口裂け女」のようにド派手なメイクを施して帰って来たヤヨイを見て、リーズルもビアンカもハラを抱えて笑った。すでに二人は素裸になって、同じく裸のハンナと一緒に即席のシャワーを浴びている最中だった。
「そんな、笑わなくてもいいでしょ! 戦果はあがったんだから! 」
ヤヨイもまた軍服を脱ぎ、下着も脱いで手近の桶にアタマを突っ込み、ひとまずは髪のドロを落とした。
「これで西にも確実にダメージは与えたわ。偶然だけど弾薬の集積場所に被害を与えたのはラッキーだったね! 」
「お疲れ様! でも、その顔に驚いたヤツらの顔、見たかったわあ! 」
そう言いながら、濡れた髪をタオルで拭きつつ、リーズルは外に空いた小窓から顔だけ出して、言った。
「ねえ、ヤヨイ帰って来たからもっとお湯ちょうだい! ドンドン出して! 」
「了解です! 」
窓の外にはディートリヒとカミルがいて、ガンガンに火を起こし、舘から失敬した大鍋にたっぷりのお湯を沸かしていた。
鍋から館の一室にお湯を送るには弾薬袋を丸めて代用した。元々火薬が湿気るのを防ぐために防水加工してあった。帝国陸軍の弾薬袋は死体袋にもなるがホースの代用にもなるわけだ。お湯を汲み上げる「ポンプ」は、これも館の中にあった木桶を使ってアベルがこしらえた。木桶の中に木切れの端で作った「フィン」を仕込み、同じような桶で蓋をすると即席の「ポンプ」ができた。そこに吸い込みと吐き出しの「ホース」を繋いで「ポンプ」のハンドルをグルグル回せば・・・。
で、「ホース」の先を館の部屋の壁に掛け、そこに小さな穴をいくつか開ければ即席のシャワーになる、というわけなのである。
ヤヨイが加わり、「ジャガイモ島」の「女子シャワー室」からもわ~んと湯気が漂い出た。
「あの二人の様子はどう? 」
ヤヨイは、隣で玉のように水を弾く17歳の若い肌に湯を受けているハンナに尋ねた。
「だいぶ落ち着いた? そんなカンジです。今ふたりとも寝てます」
「ありがとう。ハンナのおかげね! 」
ヤヨイ! 戻ったか!
外からシェンカーの声が聞こえた。
「今、カラダ洗ってるんで! 」
とりあえず、そう応えておいた。
「まあ、無事でよかった! 大戦果だな! これでしばらくは時間が稼げる! 」
「そう思います! 」
「ちょっと! まだお湯が足りないわよ! 」
ビアンカが怒鳴った。
カラダを洗って、ようやく人心地着いた。
ヤヨイはやぐらに登った。
「まだ、テキは落ち着かないみたいだ」
アランから双眼鏡を受け取り、北を睨んだ。
彼の言うとおり、村の向こう、大きな水たまりの向こうの敵陣が右往左往しているのが月明かりでよく見えた。
そろそろ東の空が明け染めてくる。
と。
「あれ、何かしら」
双眼鏡の中に、2騎。
水たまりの間の乾いた通路の落とし穴の縁に、敵の騎兵の姿が見えた。
「敵影らしきもの発見! 総員、戦闘配置! 」
間髪入れず、叫んでいた。
それまで年がら年中近隣同士で部族間の抗争に明け暮れてばかりいた北の民族たちは、戦死した仲間の骸を遺棄したまま撤退するのを嫌う。もし遺体を連れ帰らねば、敵に冒涜されてしまうからだ。
捕虜や殺した敵兵の首を村の入り口に誇示し剥がした皮を垣の上に広げて曝し、他部族への示威にする習わしがあった。自分たちがそうだから、敵も同じだと。
それに、仲間の亡骸を放置するのは、自分たちの沽券にもかかわる。せめて戦友たちの葬儀ぐらいはしてやらねば、と。そうした習俗があった。
しかし、遺体が埋め草となった水辺にも陥穽にも間断なく爆裂弾が落ちて来て回収どころではなかった。それは不可能だった。当然ながら、敗走したユージンの手下たちにも、ユージンたちの成り行きを見守っていた他の兵たちの間にも、不満が募った。
こんなことをしていいのか、と。
夜になり、ほぼ満月が上った。
ユージンが逃げ込んだイーゴリの陣営には、思いもよらない味方の敗残兵を受け入れて動揺が広がっていた。俺たちの騎馬大部隊が散々な目に遭わされるなんて、と。
そこへ。
シュルルルルルル・・・、
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
昨日東の陣営を襲った爆発する火矢が、西の彼らにも襲って来た!
なぜだ!
港島に籠る帝国兵たちからは十分に離れているはずなのに!
爆裂弾と違って爆発力が小さく、殺傷能力があまりないのはすぐに見て取れたが、馬は違う。
驚いた数百頭の馬たちは何度も前脚を上げて嘶き、他の馬を傷つけるのも厭わずに馬場を駆けだしたり、繋がれたまま暴れ始めた。このままでは馬が全てダメになる。
松明を片手にした兵たちが馬を宥めに右往左往、駆けまわっていた時。
「ぐあっ! 」
「ぎゃあああっ! 」
無数の幔幕を張った林の中の暗闇から複数の悲鳴が上がった。
「なんだ?! 」
「どうしたのだ! 」
「わからない! ヴィターリーとフィョードルが殺られた! 」
「なんだと?! 」
松明を掲げた数人が馬場の近くの幔幕に戻った。言葉通り兵が2名、それぞれ背中と額に刃物を刺されて斃れているのが松明の炎に照らされた。
「敵だ! 」
「探せ! まだ近くにいるぞ! 」
「我はここだ! 」
女の声が木の上から響いた。
松明を高々と差し上げた。
木の枝の上に、金色の髪を逆立て、口が耳まで裂けた、バケモノがいた。
「我は、雷の神にして軍神なり! 我の警告を無視し、帝国に仇なす者は、皆殺しだ! 」
そのバケモノは真下に向かって爆裂する火矢を撃ちこんで来た。
シュバババババッ! ドドドンッ!
本来は天に向かって打ち上げる信号弾を至近距離で撃ち下された者たちはその眩しすぎる光と爆音に度肝を抜かれた。
そして。
「ぐえっ! 」
「うわあっ! 」
「げはっ! 」
暗闇の中で、一人、また一人。次々と首を折られ、喉を掻き切られ、背中から心臓に深々と刃物を刺しぬかれて斃れていった。
「うわああああああっ! 」
たまたま帝国の銃を持っていた者が林の中の幔幕の群れめがけて目くらめっぽう乱射したが、相手を視認せずに撃ったため、少なからず、
「う、撃つなっ! 」
「俺だっ! 」
同士討ちになって被害が出た。
そのうちに、
「わああっ! 」
隣の部隊の幔幕が火を出し、
ドガアアンッ!
せっかく帝国から奪ったグラナトヴェルファーの弾薬を集積していたところにも火が回り、少なくない弾薬が誘爆し、辺りに炎が飛び散った。
騒ぎを聞きつけ西の部隊の隊長であるイーゴリがやってきた時には、すでに幔幕の半分が焼け、グラナトヴェルファーの油脂が飛び散ったせいで林の大半が燃え上がっていた。ちょうど雨が少ない乾季を迎え空気が乾燥していたせいで火の回りが早かったのも災いした。おまけに各幔幕ごとに保管してあった当座の小麦や肉など、せっかく同じ民族のヴォルゴグラの民から取り上げてあった貴重な食料までが焼失した。
大惨事になっていた。
西の部隊総出で火を消し、ようやく鎮火したころにはもう、「雷の神にして軍神」と名乗ったバケモノは、影も形もどこにも見えなくなっていた。
「本土」の暗闇の向こう、遠くに上がる真っ赤な炎を眺めていたアランは、念のためカンテラは点けずに西の小島で警戒していた。すると、
ヒュイッ!
暗闇の向こうから指笛が聞こえた。
それで、用意していたイカダを渡そうとしたら、
ジャブンッ!
月明かりに目の前の水路の水に波紋が立ったのを見たと思いきや、アタマの上を何かがシュッ、と掠めた。
「アラン、ただいま! 」
目の前に、髪の毛を逆立ててド派手な迷彩を施したヤヨイが立っていた。
「手ごろな長めの枯れ枝を見つけたから。渡るのに使えるかもと思ったの! 」
ヤヨイの形相は月の光の下で見るとさすがにグロかった。
「・・・まったく、キミってやつは」
初めて一緒に任務に就いて共に死線を潜り、またある時は乗り合わせた偵察機が不時着して九死に一生を得たり。
「ホント、一緒に居ると、何度も死にそうになるけど、死ねそうもないんだよな、これが」
えへ、と笑ったヤヨイが舌を出したが、その異様なメイクで舌を出されて余計にグロさが増した。
「ギャハハハハハッ! 」
「ヤヨイ様、サイコー! アッハッハッ! 」
グラナトヴェルファーの推進剤を混ぜた泥と迷彩塗料で髪を逆立たせ、まるで「口裂け女」のようにド派手なメイクを施して帰って来たヤヨイを見て、リーズルもビアンカもハラを抱えて笑った。すでに二人は素裸になって、同じく裸のハンナと一緒に即席のシャワーを浴びている最中だった。
「そんな、笑わなくてもいいでしょ! 戦果はあがったんだから! 」
ヤヨイもまた軍服を脱ぎ、下着も脱いで手近の桶にアタマを突っ込み、ひとまずは髪のドロを落とした。
「これで西にも確実にダメージは与えたわ。偶然だけど弾薬の集積場所に被害を与えたのはラッキーだったね! 」
「お疲れ様! でも、その顔に驚いたヤツらの顔、見たかったわあ! 」
そう言いながら、濡れた髪をタオルで拭きつつ、リーズルは外に空いた小窓から顔だけ出して、言った。
「ねえ、ヤヨイ帰って来たからもっとお湯ちょうだい! ドンドン出して! 」
「了解です! 」
窓の外にはディートリヒとカミルがいて、ガンガンに火を起こし、舘から失敬した大鍋にたっぷりのお湯を沸かしていた。
鍋から館の一室にお湯を送るには弾薬袋を丸めて代用した。元々火薬が湿気るのを防ぐために防水加工してあった。帝国陸軍の弾薬袋は死体袋にもなるがホースの代用にもなるわけだ。お湯を汲み上げる「ポンプ」は、これも館の中にあった木桶を使ってアベルがこしらえた。木桶の中に木切れの端で作った「フィン」を仕込み、同じような桶で蓋をすると即席の「ポンプ」ができた。そこに吸い込みと吐き出しの「ホース」を繋いで「ポンプ」のハンドルをグルグル回せば・・・。
で、「ホース」の先を館の部屋の壁に掛け、そこに小さな穴をいくつか開ければ即席のシャワーになる、というわけなのである。
ヤヨイが加わり、「ジャガイモ島」の「女子シャワー室」からもわ~んと湯気が漂い出た。
「あの二人の様子はどう? 」
ヤヨイは、隣で玉のように水を弾く17歳の若い肌に湯を受けているハンナに尋ねた。
「だいぶ落ち着いた? そんなカンジです。今ふたりとも寝てます」
「ありがとう。ハンナのおかげね! 」
ヤヨイ! 戻ったか!
外からシェンカーの声が聞こえた。
「今、カラダ洗ってるんで! 」
とりあえず、そう応えておいた。
「まあ、無事でよかった! 大戦果だな! これでしばらくは時間が稼げる! 」
「そう思います! 」
「ちょっと! まだお湯が足りないわよ! 」
ビアンカが怒鳴った。
カラダを洗って、ようやく人心地着いた。
ヤヨイはやぐらに登った。
「まだ、テキは落ち着かないみたいだ」
アランから双眼鏡を受け取り、北を睨んだ。
彼の言うとおり、村の向こう、大きな水たまりの向こうの敵陣が右往左往しているのが月明かりでよく見えた。
そろそろ東の空が明け染めてくる。
と。
「あれ、何かしら」
双眼鏡の中に、2騎。
水たまりの間の乾いた通路の落とし穴の縁に、敵の騎兵の姿が見えた。
「敵影らしきもの発見! 総員、戦闘配置! 」
間髪入れず、叫んでいた。
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