ステンカ・ラージン 【軍神マルスの娘と呼ばれた女 5】 ―コサックを殲滅せよ!―

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ステンカ・ラージン Стенька Ра́зин

02 ヤヨイ、新たな任務へ

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「・・・旧文明の末期。なぜ高度な技術を持った文明がことごとく滅び去り、80億近くもいた人類がごくわずかな我らの先祖を除いて跡形もなく消え去ってしまったのか。
 現在までに判明している事実では、おそらくはその発端となったのは極移動、すなわちポールシフトによって地軸が移動し、それまでの気候が大きく変動してまず食糧生産が困難になり、地震や大津波などによって沿岸部に集中していた人口密集地帯がほとんど壊滅し、次いで、極が移動したことによる南極北極地方の氷が融けて海面が上昇し、押しなべて水没してしまったことが主な原因である、というのがこれまでの学説だったのです」
「ぐうお・・・。んごごごっ、ごー・・・」
 カーキ色の軍服ばかりの講義室の中は一瞬にして凍り付いた。
 エヘンッ!
 30代半ばほどの講師は、そのイビキの主を一瞥した。それでも、気を取り直して講義を続けた。
「ですが、つい最近になってバカロレアの工学部で開発されたガイガーカウンターという、放射線を計測する特殊な機械による測定により、それまでの学説が修正を余儀なくされていることもまた、事実なのです!」
「んごごごごごー・・・。すぴー・・・・。んごごごごー。すぴー・・・」
 ついに堪忍袋を切らしたのは、一生懸命に講義していた講師ではなく、そのイビキの主の傍で受講していた、候補生だった。
「あの、少尉殿! すいませんが、起きてください! イビキがウルサくて授業が受けられません! 起きてください! ヴァインライヒ少尉殿っ! 」
 講義室のカーキ色の候補生たちは一斉にその勇気ある同級生に注目した。
 数十名の集う部屋がしん、と静まり返った。
「・・・ふあ? 」
 イビキの主は、やっと目覚めた。
 そして、講師だけでなく教室中の注目を浴び、さらにすぐそばで自分を見下ろしている冷たい視線に気づいた。
「あ・・・」
 肩まで伸びかけたブルネットの下の、むしろ可愛らしいほどの白い肌がスーッと青くなってゆくのが傍目にもわかった。
 やっちまった・・・。
 そんな表情を浮かべた女性士官は、今度は逆に気の毒なほどに顔を真っ赤にして、俯いた。



 ここは、帝都南にある第三新兵訓練所に隣接する陸軍士官学校である。
 その生徒の大部分は主にリセ(中学高校)を卒業した者の内入学試験をパスした者たちだったが、まれに軍の上層部から推薦を受けた下士官が入学を許される場合もあった。
 ヤヨイの場合は、さらにトクベツだった。
 例によって、いつもクドクドと小うるさい上司であるウリル少将から、
「『アヴェンティーノの南』に行って来い! 」
 と命令されたからである。
 士官学校は帝都中心部を取り囲む7つの丘のうち最も南にあるアヴェンティーノの丘の、さらに南にあった。そのため、陸軍内でそんなニックネームを与えられていたのだった。
「え、何でですか? 」
 ヤヨイの属する皇帝直属の「陸軍特務部隊」は、これも通称でボスの名前を取って「ウリル機関」と呼ばれていた。その組織に「航空偵察隊」が置かれていて、日々帝国の各方面に偵察機を飛ばしていたのだが、パイロットが不足していた。
 それで、エージェントとしてコードネームも持つ「殺し屋」のヤヨイも、ヒマな時はこまめに操縦桿を握っていたのだ。ヤヨイのパイロットとしての技量はトップレヴェルに達していて、飛行士の養成まで引き受けているほどなのである。
 で、その日もヒマだったから、いそいそとダブダブの飛行服に着替え、馬に跨って飛行場に行こうとしたら、そう命令されたのである。
「お前は特例に次ぐ特例で士官に任官したが、それを快く思わぬ事務方がいるのだ! まったくもって、下らぬことだが・・・」
 反問したヤヨイに、最近とみに額が後退し始めたウリル少将は、ハゲかけた頭を撫でながらメンド臭そうに言った。
「士官たる者、すべからく正規の士官教育を受けずばイカン、と。ナンセンスの一語に尽きるが、さりとてわたしの立場上無視もできぬのだ」
 そういうこともあるだろう。
 上司のウリル少将は現皇帝陛下の甥なのだ。将官であり最高司令官でもある皇帝の係累とくれば、規則を守らせ模範を垂れるのは当たり前かもしれない。その気持ちは、なんとなくわかる。
「しかも、ちょうど今大きなミッションもない。要するに、ヒマだ。
 しかも、お前の場合飛行機の操縦はもう娯楽の域に達しているではないか」
「そんな! いくら閣下でも今のお言葉はパイロットに対して失礼じゃありませんか? エンジントラブルでもあれば命に拘わることもあるのに! 」
「ならば、安全な士官学校で勉強していた方がいいだろう。それであちこちから文句が来なくなるならば、なおいいではないか! 行って来い! これは、命令だ! 」


                         photo by sailko
 やれやれ・・・。
 次の授業まではまだ間がある。
 校内の売店で木のカップのレモネードとブロットビュルスト(ソーセージを挟んだパン。ドイツの定番の軽食)を買い、のどかな中庭のベンチで頬張った。
 こんな、タイクツな授業・・・。寝ちゃうの当たり前じゃないの。しかも、バカロレアで昼寝に使っていた「人類史」の出張講義なんて。なんで士官に「人類史」が必要なのかしら。
 と。
「少尉! 」
 彼の昼食なのだろう。パンの紙包みと木のカップを持った黒髪の東洋人の顔が近づいてきた。
「ここ、よろしいですか? 」
 先刻の授業の講師。スズキ先生は、短く刈った黒い髪の下の顔をにこやかにしてヤヨイの隣に座った。
「あの、先生。さっきは、すいませんでした」
 背景はともかく、授業を妨害したのは確かなのだから一応は詫びておかねばならない。
「いいえ。理学部ご出身の少尉には、タイクツ過ぎる授業ですよね、アレは。わかりますよ。実際、軍部からの出張講義のオファーがあったときも『へ?』って思いましたもん。なんで陸軍士官になる方々に人類史を講義するんだろう、とね」
 10歳くらい年上みたいだが、階級は軍曹だからヤヨイは彼の上官になる。士官学校という軍の組織上、彼は礼節を重んじているのだ。
 気まずかったので話題を変えた。
「ガイガーカウンターなんて、いつの間に完成していたんですか? ちっとも知りませんでした。在学中に話に聞いていただけだったので・・・」
「もしかして、講義聞いていたんですか? よく聞けましたね、あのイビキで」
 丁寧だけれど、学究肌というのは遠慮がないものだな。
「え、ええ。なんとなく、夢に出てきたので」
「・・・夢にね」
「・・・すいませんでした。つい・・・」
「まあ、少尉は大学でも有名でしたからね。もう退官されたぼくの師匠のナガオカ先生もよく笑いながら仰っていましたよ。
『私の貴重な授業にたびたび昼寝のために来る不届きな学生がおる!』ってね。
 よもやその学生が『アイゼネス・クロイツ』の英雄になるなんて先生も思ってもみなかったでしょうね!」
 スズキ先生はヤヨイの左胸の黒い月桂樹の葉の略章を指さした。帝国軍人に贈られる最高の栄誉、『鉄十字章』の略章である。まだ21歳のヤヨイは、その勲章の最年少受章記録の持ち主でもあった。
 赤面しつつ、懐かしさを覚えた。
「でも、史学科の先生が、どうしてガイガーカウンターなんかを?」
「そう! それなんですがね」
 スズキ先生が急に身を乗り出してきて、ちょっとヒイた。いかにも興味のある分野にはすぐに熱中する、大学のセンセによくいるタイプの典型のような人だった。
「以前から海底サルベージには参加してたんです。海洋考古学科の。で、先日も新しい占領地のハイナンの近くの海底に真空チェンバーを下ろすってんでわたしも参加したんですよ。
 そのとき、理学部の核物理の助手が来ましてね、その、ガイガーカウンター持って」
「へえ」
「で、一緒に潜ったんですが、彼が、その核物理の研究者が『なんだこれは?!』ってね。
 つまり、異様に高い放射線量を検出したんです。
 旧文明の末期には多くの核分裂で電気を起こす発電所とか、大量の核兵器の存在があったそうですね」
「ええ。そう聞いてます」
「あの、少尉。わたしは文系なんでよくわからないんですが、もしも、ですよ。
 核兵器が爆発した場合、今も放射線なんて、でるんですか? だってもう1000年も経ってますよね」
「んー、わたしも専門は電波なんで詳しくはないんですが、例えばウランの同位体のウラン235が分裂した場合、いくつかの放射性物質が生成されます。えーと、」
 ずいぶん前に習った核物理の基礎課程で知った知識を、ヤヨイはアトリウムの空を見上げながら諳(そら)んじた。
「セシウムの同位体のセシウム134とか、ストロンチウム90とか。あと元素じゃないけど水素の同位体のトリチウムとか。でも、いずれも半減期が2年とか29年とかですから、もうすっかり放射性ではなくなってますね。あ、でも・・・」
「でも、なんです? 」
「ウラン235が分裂すると、プルトニウムの同位体のプルトニウム240と239が生成されます。これはウラン235と同じく核分裂を引き起こすものですが・・・」
「それのその、半減期は? 」
「たしか、240が、6500年くらい?」
「6千年、ですか・・・。で、239は?」
「プルトニウム239の半減期は、2411、万年です」
「それだ!」
 スズキ先生は指をパチンと鳴らした。
「え、でも、その核物理の助手さんだか講師さん、言いませんでした? べつに、国家機密でも何でもないですが。核物理の基礎の基礎だから、理学部ならみんなベンキョーするはずですが」
「・・・訊いたんですがね、なぜか教えてくれなかったんですよ」


 海洋考古学とか地質学という学問が急速に伸びて、ほぼ1000年前に起きたポールシフト、極移動でそれまでの北極が、帝国人の心の故郷であるヨーロッパのドイツに移動した。そのために、急激な気候変動や地殻変動が起き、海面上昇が起きて、特に沿岸部にあった旧文明の主要都市は全て海没し、残った人々も食糧難に陥って、人類は絶滅しかけた。
 小学校でもリセでも大学でも、ヤヨイたちはそのように学んできた。
 でも、さっきのスズキ先生の話では、どうもその定説がぐらつき始めている、かもしれない、ということだった。
「以前から気になっていたんですが、失礼ながら少尉もヤーパン人の血が入ってますよね。わたしも、退官されたナガオカ先生もです。今も、南の国のキールやターラント付近の土地にはわたしや少尉と同じヤーパン人の特徴と苗字を持った人が割合に多いんです。沈んでしまったヤーパン列島からは、比較的多くの人が大陸に避難できた証拠じゃないかと、そういう仮説を考えているんですよ。
 わたしはね、もしかしてポールシフトによる気象や地殻変動はそれほど急激な地球規模の人口減の原因にはならなかったんじゃないかと考えてるんです。
 人類の多くが絶滅の危機に陥った最も大きな原因は、別にあるんじゃないかと・・・」


 先生の話を反芻しながら馬を歩かせていたら、知らないうちに家に着いていた。
 まだ陽があるのに最近さらにウエスト周りの増した門番のハンスは相変わらず居眠りをしていた。
「ただいま、ハンス!」
「これは、お嬢様! 今開けます」
 すると、屋敷の方からピアノの音色が聞こえてきた。
「あら、タオはもう帰っているのね! 」
「はい、先ほど! いつものようにお帰りになってからはもう、ずっと・・・」
「そう。ムリして身体をこわさなければいいんだけど・・・」
「ええ、まったくです」
 厩番に栗毛の手綱を預け、屋敷に入った。
 エントランス脇のリビングからは、より一層美しい流れるような音の連なりが聞こえてきた。
 リビングの真ん中にはテーブルのような黒い大きなピアノがあり、タオは一心不乱に鍵盤に向かっていて、すぐ横には飲み物片手の奥様がその音色に聴き入っているのが見て取れた。
 リビングの入り口で、しばしピアノに聴き入った。
 音楽の素養がなかったヤヨイにも、思いがけなく養子にしたタオの技量が高まるにつれて次第にメロディーと曲名という知識が増えつつあった。
 これはたしか、ドビュッシー・・・。ヤヨイの好きな「月の光」という曲だ。
 曲が終わった。ヤヨイはパチパチと拍手をした。
「あら、ヤヨイちゃん! 帰っていたのね。タオの演奏に聞き惚れていたものだから全然気が付かなかったわ! 」
 ヤヨイの下宿先の奥様、ライヒェンバッハ伯爵夫人はいつものラフなテュニカ風ドレスの裾を蹴りながらヤヨイを抱いてキスをくださった。
「おかえりなさい」
「ただいま戻りました、奥様」
「学校はどう? 楽しい? 」
 奥様の旦那様ライヒェンバッハ伯爵はヤヨイの上司ウリル少将の親友だった。遠方駐屯の歩兵旅団長としてご不在がちで、お子様たちもみんな独立して士官や会社や工場や農園経営でみなさん家から出られている。そのためか、下宿人であるヤヨイやヤヨイの養子のタオが娘や孫のように見えるらしく、いつもこんな風に出迎えてくださるのだ。
 昨年暮れに結婚したヤヨイだったのだが、本来なら新居を構えるところ、ダンナの出張とかヤヨイの任務が重なってウダウダしているうちに夫のウワキが発覚してヤヨイの思いも覚めてしまった。なによりも夫だった男はタオと気が合わなかった。で、結婚してわずか半年という短さであっけなく離婚してしまったのである。
 それで、未だにこのライヒェンバッハ家に居候しているというわけなのである。
「ええ、まあ、テキトーに」
 ヤヨイも、いつも通りに軽めに流した。それで気を悪くなさる方ではないので気がラクだった。
「ヤヨイちゃん! タオ、ますます上手になったでしょう? 」
「お帰り、おねえちゃん!」
 鍵盤のふたをパタンと閉じたタオは、黒髪に手をやってクシャクシャ掻くとヤヨイに抱き着いた。9月でもう5年生になったのだけれど、まだまだ甘えん坊の男の子だった。
「ただいま、タオ! ずいぶん上手になったわ。おねえちゃん、聞き惚れちゃった」
 昨年のチナ戦役で空挺部隊を率いて出征したヤヨイは、旧チナ領の街で戦争孤児に出合い、彼を養子にした。タオは、ヤヨイの上司であるウリル少将にピアノの手ほどきを受けるやみるみる上達し、なんと帝国皇帝の前で演奏を披露するまでになった。
「お夕飯はまだでしょう? ちょうどいいわ。久しぶりにみんなでいただきましょう」
 ところが。
 奥様が執事を呼ぶベルを鳴らした途端に屋敷の執事フランツが、
「お嬢様、ただいまエントランスにウリル閣下のお使いの方がいらっしゃいまして・・・」
 と、ヤヨイを呼ばわった。
 なんだか、イヤ~な予感がした。
「また、別のお仕事かしらね」
 奥様はいつものように軽やかに言った。
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