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第一章 三ヶ月前
05 緊急幕僚会議
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なぜ帝都に古代の大帝国の首都ローマのような七つの丘があるのか。
帝国建国の祖たちは大災厄から逃れる途上、たまたま七つの丘のある地を見つけたのだろうか。
それとも、もしかしてあまりにローマを標榜するあまり、大量の人力を投入しわざわざ周辺から土を運んできて一大土木工事を敢行したのだろうか。
それはこの帝国が開闢して以来尽きるともなく繰り返されてきた論争だった。帝都の姿があまりにも古代ローマの首都に似すぎていたからだ。
だが、これに対して帝国政府が正式な見解を出したことは、一度もない。
「それはバカロレアの学者の仕事であり、臣民の自由なファンタジーに属する事柄だ。私はもちろん、元老院議員でさえも、誰にもそれを邪魔する権利はない」
何台か前の皇帝はこのように冗談めかしてケムにまいた。
そんな伝説が今もどこかしらから引っ張り出されてきて人々の口の端にのぼるほど、帝都はかつての「カプトゥ・ムンディー」世界都市ローマに、似ていた。
都の中央、ど真ん中に白亜のエンタシスも堂々たる元老院会議場がある。その南の正面には石畳の広大な元老院前広場があり、広場の向かって左には内閣府の石造りのオフィスビル。反対の右手には内閣府傘下の各省庁が入った建物がひしめく。
そのさらに東には石だらけの都心の中とは全く趣の異なる広大な緑の芝生が広がり、その芝生のそこここにこじんまりした石造りの建物が散らばっている。「バカロレア」という名は、元々旧文明のフランスで行われていた大学の入学試験の名前だったが、ここ帝国では何故か最高学府の名称になっていた。帝国で大学と言えば唯一ここだけ。過去数百年にわたってここを巣立っていった者たちの多くが、この帝国のあらゆる分野で指導的な役割を担っていた。
元老院前広場の南には歴代の皇帝が私費を投じて建てたフォルム街があるのもローマそっくりである。そしてフォルム街を挟んで南にはビジネス街ともいうべき多数の企業が構えるオフィスの建物。その南に帝都百180万市民の台所であり、帝都随一の高級ホテル「クーロン飯店」を含む多種多様なレストラン、盛り場、商店などのひしめく歓楽街がある。その名も「スブッラ」といい、これまた帝国が仰ぐデイブス(神君)カエサルの出生地と同じ古代ローマに実在した下町の名を借りていた。
そして、それらの中心街を取り囲むように、丘がある。
北から時計回りにクィリナリス、ヴィミナリス、エスクィリーノ、チュリオ、アヴェンティーノ、そして、パラティーノ。最後の丘はカピトリーノと呼ばれ、帝国人の多くが崇める神々を祀った神殿が建ち並ぶ。これまた、ローマと同じである。
そして、帝都の住民の大多数は、それらの丘と中心街以外の場所の隙間を埋めるように、肩を寄せ合って家を建て、住んでいた。
近衛軍団の陸軍歩兵中尉フェルディナントが酔いつぶれた旧友を背負って彼の屋敷に送って行った、その翌日。
元老院会議場の北隣にある「カイザーパラスト」、皇宮に緊急幕僚会議が招集された。
捜索艦隊が持ち帰った証拠資料はただちに統合参謀本部に送られていた。
陸海軍人だけでなくバカロレアの学者までが密かに呼ばれ精密な分析が行われたわけだが、その分析結果をカエサル、帝国皇帝にしてインペラトール、帝国軍最高司令官に報告し、今後の対処策を講じるためである。
統合参謀本部長とそのスタッフだけではない。海軍総司令部の幹部たちと、有事には連合艦隊司令長官となる第一艦隊司令長官とそのスタッフが「ベゾンダラーシュネイトゥーグ」特別急行列車でやってきていた。
加えて、帝国の「宰相」、あるいは「国務長官」とも呼ぶべき内閣府総裁とその数人のスタッフ、及び皇帝直属の特務部隊司令官もすでに皇宮の応接室に集まっていた。
こうした政府と軍の首脳たちの「御前会議」は頻繁に催される性格のものではない。
しかし、互いに知らぬ顔でもなし。久々に顔を合わせたのだから彼我の近況などの雑談がひとつふたつ出てもよさそうなもの。
だが、その日の皇宮に集まったカーキ色とネイビーブルーの軍服の面々はいずれも押し黙ったままで、誰一人口を開く者はいなかった。
数日前の8日、そしてそれに続く海軍の「現場検証」の結果があまりに衝撃的過ぎたのか。
もしくは、常ならば元老院議員の着る白いトーガに身を包んでいるはずの内閣府総裁までがカーキ色の軍服に陸軍中佐を示す銀の月桂樹の階級章を着けて臨席しているのに由来するのか、定かではなかった。きっと、そのいずれもの理由、だろう。
「お集りの皆様、皇帝陛下です! 」
ドアが開き、白いテュニカに白いショールを着けた皇宮の侍従が触れを告げるや、すぐに白いトーガに身を包んだ長身の皇帝が現れつかつかと応接の奥に進んだ。
一同、一斉に起立し軍用サンダルや海軍の短靴の踵を合わせ直立不動!
応接の正面の暖炉の前に置かれた一人用のソファーの前に皇帝が立つや、みな一斉にバウ。略式の敬礼を捧げた。
皇帝が頷く。みな、席に着いた。
「皆、ご苦労! それでは遠い。皆、もっと寄ってくれ」
黒髪。浅黒い精悍な顔。そして贅肉ひとつない、強い意志を感じさせる長身の皇帝が口を開いた。
テーブルなどはない。
一度は着席した面々は、椅子を寄せてさらに皇帝に近づき、輪を狭めた。
形式などではない。皇帝の一言が、そこに集った全員に、帝国を揺るがしかねない差し迫った危機を意識させた。
「もはや一刻の猶予もない。さっそくだが、この度のあらましを今一度説明してもらいたい! 」
皇帝の真向い。輪の一角にイーゼルが置かれ、ターラントの海軍総司令部から来たスタッフの一人がそこに地図をかけた。地図の傍に立ったスタッフが説明を始めた。
「陛下。そして、お集りの皆様。
先の8日、この地図のここノール岬沖800海里の海域において発生した事件と、その後の海軍の対応について説明いたします! 」
史実 「二ニ六事件」メモ その3
高橋是清蔵相
高橋蔵相(元首相/左) と斎藤内大臣 (右)
元総理の高橋是清大蔵大臣は陸軍省所管予算の削減を図っていたために恨みを買っており、襲撃の対象となる。
積極財政により不況からの脱出を図った高橋だが、その結果インフレの兆候が出始め、緊縮政策に取りかかった。高橋は軍部予算を海軍陸軍問わず一律に削減する案を実行しようとしたが、これは平素から陸軍に対する予算規模の小ささ(対海軍比十分の一)に不平不満を募らせていた陸軍軍人の恨みに火を付ける形となっていた。
叛乱当日は中橋基明中尉および中島莞爾少尉が襲撃部隊を指揮し、赤坂表町3丁目の高橋私邸を襲撃した。警備の玉置英夫巡査が奮戦したが重傷を負い、高橋は拳銃で撃たれた上、軍刀でとどめを刺され即死した。
27日午前9時に商工大臣町田忠治が兼任大蔵大臣親任式を挙行した。高橋は事件後に位一等追陞されるとともに大勲位菊花大綬章が贈られた。
斎藤実内大臣
斎藤実内大臣は、退役海軍大将であり第30代内閣総理大臣である。長く海軍大臣を勤めていたところ、1914年のシーメンス汚職事件により引責辞任し、朝鮮総督期に子爵の称号を受けたあと退役し、犬養毅首相が1932年に武装した海軍将校らによって殺害された五・一五事件のあとは、元老の西園寺公望の推薦を受け斉藤内閣を率いる内閣総理大臣兼外務大臣に任命され、関東軍による満州事変などの混迷した政局において軍部に融和的な政策をとり、満州国を認めなかった国際連盟を脱退するなどしたうえ、帝人事件による政府批判の高まりから内閣総辞職をしていたが、天皇の側近たる内大臣の地位にあったことから襲撃を受けたものである。
坂井直中尉、高橋太郎少尉、麦屋清済少尉、安田優少尉が率いる襲撃部隊が、四谷区仲町三丁目(現:新宿区若葉一丁目)の斎藤内大臣の私邸を襲撃した。襲撃部隊は警備の警察官の抵抗を難なく制圧して、斎藤の殺害に成功した。遺体からは四十数発もの弾丸が摘出されたが、それが全てではなく、体内には容易に摘出できない弾丸がなおも数多く残留していた。
目の前で夫が蜂の巣にされるのを見た妻・春子は、「撃つなら私を撃ちなさい」と銃を乱射する青年将校たちの前に立ちはだかり、筒先を掴んで制止しようとしたため腕に貫通銃創を負った。しかしそれでも春子はひるまず、なおも斎藤をかばおうと彼に覆いかぶさっている。春子の傷はすぐに手当がなされたものの化膿等によりその後一週間以上高熱が続いた。春子はその後昭和46年(1971年)に98歳で死去するまで長寿を保ったが、最晩年に至るまで当時の出来事を鮮明に覚えていた。事件当夜に斎藤夫妻が着ていた衣服と斎藤の遺体から摘出された弾丸数発は、奥州市水沢の斎藤実記念館に展示されている。
斎藤には事件後位一等が追陞されるとともに大勲位菊花大綬章が贈られ、昭和天皇より特に誄(るい、お悔やみの言葉)を賜った。外国勲章はシーメンス汚職事件での海軍大臣引責辞任よりあとは受けていない。
高橋蔵相(元首相/左) と斎藤内大臣 (右)
Rekishi Shashin April 1936 “February 26 Incident” special issue (『歴史寫眞』昭和十一年四月「帝都不祥事件特集」號) - http://syasinsyuu.cool.ne.jp/seiji/28.jpg, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2353767による
帝国建国の祖たちは大災厄から逃れる途上、たまたま七つの丘のある地を見つけたのだろうか。
それとも、もしかしてあまりにローマを標榜するあまり、大量の人力を投入しわざわざ周辺から土を運んできて一大土木工事を敢行したのだろうか。
それはこの帝国が開闢して以来尽きるともなく繰り返されてきた論争だった。帝都の姿があまりにも古代ローマの首都に似すぎていたからだ。
だが、これに対して帝国政府が正式な見解を出したことは、一度もない。
「それはバカロレアの学者の仕事であり、臣民の自由なファンタジーに属する事柄だ。私はもちろん、元老院議員でさえも、誰にもそれを邪魔する権利はない」
何台か前の皇帝はこのように冗談めかしてケムにまいた。
そんな伝説が今もどこかしらから引っ張り出されてきて人々の口の端にのぼるほど、帝都はかつての「カプトゥ・ムンディー」世界都市ローマに、似ていた。
都の中央、ど真ん中に白亜のエンタシスも堂々たる元老院会議場がある。その南の正面には石畳の広大な元老院前広場があり、広場の向かって左には内閣府の石造りのオフィスビル。反対の右手には内閣府傘下の各省庁が入った建物がひしめく。
そのさらに東には石だらけの都心の中とは全く趣の異なる広大な緑の芝生が広がり、その芝生のそこここにこじんまりした石造りの建物が散らばっている。「バカロレア」という名は、元々旧文明のフランスで行われていた大学の入学試験の名前だったが、ここ帝国では何故か最高学府の名称になっていた。帝国で大学と言えば唯一ここだけ。過去数百年にわたってここを巣立っていった者たちの多くが、この帝国のあらゆる分野で指導的な役割を担っていた。
元老院前広場の南には歴代の皇帝が私費を投じて建てたフォルム街があるのもローマそっくりである。そしてフォルム街を挟んで南にはビジネス街ともいうべき多数の企業が構えるオフィスの建物。その南に帝都百180万市民の台所であり、帝都随一の高級ホテル「クーロン飯店」を含む多種多様なレストラン、盛り場、商店などのひしめく歓楽街がある。その名も「スブッラ」といい、これまた帝国が仰ぐデイブス(神君)カエサルの出生地と同じ古代ローマに実在した下町の名を借りていた。
そして、それらの中心街を取り囲むように、丘がある。
北から時計回りにクィリナリス、ヴィミナリス、エスクィリーノ、チュリオ、アヴェンティーノ、そして、パラティーノ。最後の丘はカピトリーノと呼ばれ、帝国人の多くが崇める神々を祀った神殿が建ち並ぶ。これまた、ローマと同じである。
そして、帝都の住民の大多数は、それらの丘と中心街以外の場所の隙間を埋めるように、肩を寄せ合って家を建て、住んでいた。
近衛軍団の陸軍歩兵中尉フェルディナントが酔いつぶれた旧友を背負って彼の屋敷に送って行った、その翌日。
元老院会議場の北隣にある「カイザーパラスト」、皇宮に緊急幕僚会議が招集された。
捜索艦隊が持ち帰った証拠資料はただちに統合参謀本部に送られていた。
陸海軍人だけでなくバカロレアの学者までが密かに呼ばれ精密な分析が行われたわけだが、その分析結果をカエサル、帝国皇帝にしてインペラトール、帝国軍最高司令官に報告し、今後の対処策を講じるためである。
統合参謀本部長とそのスタッフだけではない。海軍総司令部の幹部たちと、有事には連合艦隊司令長官となる第一艦隊司令長官とそのスタッフが「ベゾンダラーシュネイトゥーグ」特別急行列車でやってきていた。
加えて、帝国の「宰相」、あるいは「国務長官」とも呼ぶべき内閣府総裁とその数人のスタッフ、及び皇帝直属の特務部隊司令官もすでに皇宮の応接室に集まっていた。
こうした政府と軍の首脳たちの「御前会議」は頻繁に催される性格のものではない。
しかし、互いに知らぬ顔でもなし。久々に顔を合わせたのだから彼我の近況などの雑談がひとつふたつ出てもよさそうなもの。
だが、その日の皇宮に集まったカーキ色とネイビーブルーの軍服の面々はいずれも押し黙ったままで、誰一人口を開く者はいなかった。
数日前の8日、そしてそれに続く海軍の「現場検証」の結果があまりに衝撃的過ぎたのか。
もしくは、常ならば元老院議員の着る白いトーガに身を包んでいるはずの内閣府総裁までがカーキ色の軍服に陸軍中佐を示す銀の月桂樹の階級章を着けて臨席しているのに由来するのか、定かではなかった。きっと、そのいずれもの理由、だろう。
「お集りの皆様、皇帝陛下です! 」
ドアが開き、白いテュニカに白いショールを着けた皇宮の侍従が触れを告げるや、すぐに白いトーガに身を包んだ長身の皇帝が現れつかつかと応接の奥に進んだ。
一同、一斉に起立し軍用サンダルや海軍の短靴の踵を合わせ直立不動!
応接の正面の暖炉の前に置かれた一人用のソファーの前に皇帝が立つや、みな一斉にバウ。略式の敬礼を捧げた。
皇帝が頷く。みな、席に着いた。
「皆、ご苦労! それでは遠い。皆、もっと寄ってくれ」
黒髪。浅黒い精悍な顔。そして贅肉ひとつない、強い意志を感じさせる長身の皇帝が口を開いた。
テーブルなどはない。
一度は着席した面々は、椅子を寄せてさらに皇帝に近づき、輪を狭めた。
形式などではない。皇帝の一言が、そこに集った全員に、帝国を揺るがしかねない差し迫った危機を意識させた。
「もはや一刻の猶予もない。さっそくだが、この度のあらましを今一度説明してもらいたい! 」
皇帝の真向い。輪の一角にイーゼルが置かれ、ターラントの海軍総司令部から来たスタッフの一人がそこに地図をかけた。地図の傍に立ったスタッフが説明を始めた。
「陛下。そして、お集りの皆様。
先の8日、この地図のここノール岬沖800海里の海域において発生した事件と、その後の海軍の対応について説明いたします! 」
史実 「二ニ六事件」メモ その3
高橋是清蔵相
高橋蔵相(元首相/左) と斎藤内大臣 (右)
元総理の高橋是清大蔵大臣は陸軍省所管予算の削減を図っていたために恨みを買っており、襲撃の対象となる。
積極財政により不況からの脱出を図った高橋だが、その結果インフレの兆候が出始め、緊縮政策に取りかかった。高橋は軍部予算を海軍陸軍問わず一律に削減する案を実行しようとしたが、これは平素から陸軍に対する予算規模の小ささ(対海軍比十分の一)に不平不満を募らせていた陸軍軍人の恨みに火を付ける形となっていた。
叛乱当日は中橋基明中尉および中島莞爾少尉が襲撃部隊を指揮し、赤坂表町3丁目の高橋私邸を襲撃した。警備の玉置英夫巡査が奮戦したが重傷を負い、高橋は拳銃で撃たれた上、軍刀でとどめを刺され即死した。
27日午前9時に商工大臣町田忠治が兼任大蔵大臣親任式を挙行した。高橋は事件後に位一等追陞されるとともに大勲位菊花大綬章が贈られた。
斎藤実内大臣
斎藤実内大臣は、退役海軍大将であり第30代内閣総理大臣である。長く海軍大臣を勤めていたところ、1914年のシーメンス汚職事件により引責辞任し、朝鮮総督期に子爵の称号を受けたあと退役し、犬養毅首相が1932年に武装した海軍将校らによって殺害された五・一五事件のあとは、元老の西園寺公望の推薦を受け斉藤内閣を率いる内閣総理大臣兼外務大臣に任命され、関東軍による満州事変などの混迷した政局において軍部に融和的な政策をとり、満州国を認めなかった国際連盟を脱退するなどしたうえ、帝人事件による政府批判の高まりから内閣総辞職をしていたが、天皇の側近たる内大臣の地位にあったことから襲撃を受けたものである。
坂井直中尉、高橋太郎少尉、麦屋清済少尉、安田優少尉が率いる襲撃部隊が、四谷区仲町三丁目(現:新宿区若葉一丁目)の斎藤内大臣の私邸を襲撃した。襲撃部隊は警備の警察官の抵抗を難なく制圧して、斎藤の殺害に成功した。遺体からは四十数発もの弾丸が摘出されたが、それが全てではなく、体内には容易に摘出できない弾丸がなおも数多く残留していた。
目の前で夫が蜂の巣にされるのを見た妻・春子は、「撃つなら私を撃ちなさい」と銃を乱射する青年将校たちの前に立ちはだかり、筒先を掴んで制止しようとしたため腕に貫通銃創を負った。しかしそれでも春子はひるまず、なおも斎藤をかばおうと彼に覆いかぶさっている。春子の傷はすぐに手当がなされたものの化膿等によりその後一週間以上高熱が続いた。春子はその後昭和46年(1971年)に98歳で死去するまで長寿を保ったが、最晩年に至るまで当時の出来事を鮮明に覚えていた。事件当夜に斎藤夫妻が着ていた衣服と斎藤の遺体から摘出された弾丸数発は、奥州市水沢の斎藤実記念館に展示されている。
斎藤には事件後位一等が追陞されるとともに大勲位菊花大綬章が贈られ、昭和天皇より特に誄(るい、お悔やみの言葉)を賜った。外国勲章はシーメンス汚職事件での海軍大臣引責辞任よりあとは受けていない。
高橋蔵相(元首相/左) と斎藤内大臣 (右)
Rekishi Shashin April 1936 “February 26 Incident” special issue (『歴史寫眞』昭和十一年四月「帝都不祥事件特集」號) - http://syasinsyuu.cool.ne.jp/seiji/28.jpg, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2353767による
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