きみの隣にいるだけで幸せだったと気づいたのは

haregon

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#2 完璧でなくていいですか

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何となく、どっちが先に自己紹介をやろうかと探る雰囲気になった。
ここは、僕が先にするとしたもんだろう。

「じゃあ私から 「じゃあ僕から...」

かぶったあああああああーーーーーー
悠也は、内心で悲鳴をあげた。

「ご、ごめん」
慌てて謝ったが、それもとてもおどおどした感じになってしまって、逆に引かれないかと心配になる。しかし、有季さんはまた目を細めてにへっと笑った。
ああ、よかった。その笑顔に救われる。

「えーと、僕からいくね」
ここは自分が場をまわそうと必死に頑張る。

「お願いします」
有季さんは、両手を差し出して「どうぞ」のポーズをしてきた。
すごくかわいい。僕は、はたしてその期待に応えられるだけの自己紹介ができるだろうか。もう一度不安が頭をよぎりながらも、なんとか頭を働かせて英語をひねり出す。

マイネーム イズ ユウヤミカサ
マイバースデー イズ セブン サーティーン
アイ ジョイン バドミントンクラブ 
アイ ウォントゥー ビー ア グッド バドミントン プレーヤー
ナイストゥーミーチュー

中学校1年レベルの単語と文法を駆使して、なんとか乗り切った。
だいぶカタコトでたどたどしかったが。

「じゃあ私いくね」
そう言って、有季さんの自己紹介が始まった。

 マイネーム イズ ユウキ タチバナ
アイ ライク リスニング トゥー ミュージック
マイ フェイバリット アーティスト イズ ヨネズケンシ
ナイストゥーミーチュー

彼女の自己紹介もたどたどしく僕と似たようなもので、僕は少し安心した。
それは、僕の自己紹介でおそらく失望されていないだろうという安心もあった。しかし、それよりも完璧でない彼女を見て安心した部分が大きかった気がする。

悠也は、昔から自分を完璧に見せようとする性格だった。間違えたり、出来なかったりしたら、嫌われるのではないかと思っていた。
だから、自分ができるもの以外はやりたくなかったし、自分ができなければ面白くなかった。できる自分を見せようと必死だった。

でも、出来ないなりに一生懸命頑張って話している有季さんの姿を見ていると、こっちも完璧でなくていいんだなと思えた。

この子とだったら、楽しいだろうな

不意に頭に浮かんできた考えに、悠也は自分で動揺した。

中学校の時は、女子と喋るのがダサいと思っていたし、友達にからかわれたくなかったから女子とは喋らなかった。
そういうお年頃だから気になる子はいたけど、告白なんて考えもしなかった。

________
続く...
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