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愛に囚われた天使~シャルスティーヤ~

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 周辺の状況にくまなく視線を向けて、細かくも現状を確認しながらも。心の中で行き着く考えは、やっと取り戻せた愛しい存在のことばかりだ。

 (本来ならば・・・)

 人間の恋人同士であるのならば、真っ先に駆けつけて不安に揺れる相手を抱きしめているだろう。

 我が身を楯にして守ろうとしてくれたことを。自分への一途な愛情を見せてくれたことを。愛おしく想って、狂おしく口づけているだろう。だが、それが今はできない。

 最高位という権威にいながらも、いや、いるからこそ同時に、ある種の不自由をも背負わなくてはならない身なのだ。

 過ぎた時間を振り返りながら、今回アブラハムという魔物が生まれたことに、手に入れられたことに感謝せずにはいられない。

 アブラハムがいたからこそ・・・繋がることができ、取り戻せ、そしてあの時、邪龍と化した魔王にのまれずに助かったのだ。

 だが、魔族ならではの発想とも言えるその存在を、創ったのは魔王ゼフォーなのだから複雑な気持ちになる。

 けれども、もしかしたら導きだったのかもしれない。全てはここに至るまでの。とはいえ、

 (全ての道は真理へと通じる・・・過去は今に至るための必要な道程なのだ)

 と常に諭している立場の自分がどうしても納得できないのだから。愛とはなんと理性ではどうにもならないモノなのだろうか。

 こうして考えている間も。脳裏にこびりついてしまって取れない光景があるのだ、それは――

 『ラシュレスタぁ~ 見せてやれぇ~ 聞かせてやるのだぁ~ ほれほれ、ん~? 気持ちいいのだろぉ? どうだぁ?』

 『あはぁっ…はぁぁっっ!! あはぁっ…あはぁっ…はぁあっ!!』

 正気を失った獣の赤い瞳で。だらしなく半開きとなった唇からは涎を垂らして。後ろから派手に揺さぶられる度に、淫猥に悶える姿は闇の胞子に乗っ取られた別の存在だ。

 伸びきった歯牙に爪に、髪も肌もどこもかしこも黒ずんで。魔族と化した肉体の。だが、その浅ましい魔物は紛れもなく自分の愛しい存在が変容させられた姿なのだ。

 『おぅふ、おうふ・・・・いいぞ、いいぞぉ~ そんなにきゅうきゅうと締め付けてのぅ・・・フフフ、ん~? コレかぁ? 我のコレがそんなに好きかぁ? ん? ん? そうよのぅ、好きよのぅ?』  

 天の眼を通して。延々と見せつけられる痴態に。苦痛の時間だけがただただ流れる。だが、どうしてやることもできない。

 『見ておるのだろぅ? 弟よ、どうだぁ? この淫乱な堕天使がのぅ、我をきっちきっちにくわえて・・・こ~んなにも腰を振っておるぞぉ・・・気に入ったかぁ? フフフ・・・』

 ひたすら辱めて嬲るためだけに。腫れ上がった両乳首をさらに引っ張り、反り返った性器を激しく扱き、奥の奥まで容赦なく貫いて――その都度、ヒッ、ヒィッと引き攣った声を上げさせて。

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