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淫欲に堕ちた妖精王子
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答える代わりに、首の後ろの結び目を解いた。ハラリとはだけた胸。首筋をスーッと撫でて、中に手を入れる。
「うふふ・・・」
欲情した瞳に期待が一気に満ちる。だが、手を引き上げて告げた。
「リリートゥ・・・今日、あなたとのことをゼフォーさまに聞かれました」
「えっ!! ゼ、ゼフォーさまに!? な、なにをですか?」
途端に表情を変えた相手の乱れた髪をそっと撫でる。
「あなたにとても興味を持たれていた・・・近々、求められるでしょう」
「えっ!?」
「無理もない。こんなにも美しいのだから・・・」
リリートゥの全身からわかりやすいまで嬉々とした気が舞い上がった。
「や、やです・・・そ、そんな・・・お美しいのは、ラシュレスタさまじゃないですか・・・ほんと・・・もぅ・・・」
「少し恨みがましくて・・・自分の方が先に目をつけていたのにと・・・自分もあなたとしてみたいと・・・」
伝えながら、ドレスを腰まで捲り上げた。
露わになる、白の網目状の太腿まで長いタイツ。そして、隠す気など元よりさらさらない小さな布地。勃ち上がった雄の性がはみ出している。
ピラピラとした腰紐と透けたタイツをガータベルトが留める、煽ることだけを目的とした下着姿。そのむき出しの双丘に手を添えた。
「だから・・・これが最後になるかと思うと・・・」
「なっ、なにをおっしゃるのです、い、いやです、そんな!! わたくしはラシュレスタさまじゃないと・・・」
すがりつくようにして首を振る演技に付き合って、意味深に見つめ返す。
「でも・・・さすがに魔界の長からの求めは断れない・・・そして、きっと、あなたは王の愛撫に溺れて、私のことなど・・・」
「そ、そんなことは・・・ラシュレスタさまは、わたくしにとって特別な方・・・です・・・けれども、確かに・・・以前から、王からはお声はかけて頂いていたのです・・・でも、あの・・・」
リリートゥが恥じらうような仕草を見せた。
「その・・・名誉なことだとは思うのですが・・・噂では、その・・・あまりにも激しくて・・・その・・・壊れてしまって、消滅した者もいると聞いたことがあって・・・だから、わたくし、怖くて・・・」
半身を乗りあげてきた相手の肩を、それ以上の接近を防ぐためにしっかりと受け止める。
「ね、どうしたら・・・いいのでしょう・・・わたくし、怖い・・・ラシュレスタさまをお慕い申し上げているのです・・・と言ってお断りしたい・・・でも、ご不興を買っても・・・だからといって応じるのも・・・」
「リリートゥ・・・」
ラシュレスタがあえてそこで口を閉ざした。好きでもなんでもないくせに、利用するなと心の中では思いながらも。露とも感じさせない表情で。間を持たせるために。
「・・・・・・相手が誰に好意を持っていようと関係ない方なのです。さすがに本気になった魔王の求めを断ることは難しいでしょうね。特に、あなたには特別にご執心なご様子でしたから・・・私もさすがにどうしようもありません」
もの言いたげに開きかけた唇を優しく指先で制した。
「だからといって、簡単に応じる必要もありません。そんなに安っぽく思われても・・・ね? 実際、あなたはこんなにも美しいのだから・・・」
「そ、そんな・・・」
「うふふ・・・」
欲情した瞳に期待が一気に満ちる。だが、手を引き上げて告げた。
「リリートゥ・・・今日、あなたとのことをゼフォーさまに聞かれました」
「えっ!! ゼ、ゼフォーさまに!? な、なにをですか?」
途端に表情を変えた相手の乱れた髪をそっと撫でる。
「あなたにとても興味を持たれていた・・・近々、求められるでしょう」
「えっ!?」
「無理もない。こんなにも美しいのだから・・・」
リリートゥの全身からわかりやすいまで嬉々とした気が舞い上がった。
「や、やです・・・そ、そんな・・・お美しいのは、ラシュレスタさまじゃないですか・・・ほんと・・・もぅ・・・」
「少し恨みがましくて・・・自分の方が先に目をつけていたのにと・・・自分もあなたとしてみたいと・・・」
伝えながら、ドレスを腰まで捲り上げた。
露わになる、白の網目状の太腿まで長いタイツ。そして、隠す気など元よりさらさらない小さな布地。勃ち上がった雄の性がはみ出している。
ピラピラとした腰紐と透けたタイツをガータベルトが留める、煽ることだけを目的とした下着姿。そのむき出しの双丘に手を添えた。
「だから・・・これが最後になるかと思うと・・・」
「なっ、なにをおっしゃるのです、い、いやです、そんな!! わたくしはラシュレスタさまじゃないと・・・」
すがりつくようにして首を振る演技に付き合って、意味深に見つめ返す。
「でも・・・さすがに魔界の長からの求めは断れない・・・そして、きっと、あなたは王の愛撫に溺れて、私のことなど・・・」
「そ、そんなことは・・・ラシュレスタさまは、わたくしにとって特別な方・・・です・・・けれども、確かに・・・以前から、王からはお声はかけて頂いていたのです・・・でも、あの・・・」
リリートゥが恥じらうような仕草を見せた。
「その・・・名誉なことだとは思うのですが・・・噂では、その・・・あまりにも激しくて・・・その・・・壊れてしまって、消滅した者もいると聞いたことがあって・・・だから、わたくし、怖くて・・・」
半身を乗りあげてきた相手の肩を、それ以上の接近を防ぐためにしっかりと受け止める。
「ね、どうしたら・・・いいのでしょう・・・わたくし、怖い・・・ラシュレスタさまをお慕い申し上げているのです・・・と言ってお断りしたい・・・でも、ご不興を買っても・・・だからといって応じるのも・・・」
「リリートゥ・・・」
ラシュレスタがあえてそこで口を閉ざした。好きでもなんでもないくせに、利用するなと心の中では思いながらも。露とも感じさせない表情で。間を持たせるために。
「・・・・・・相手が誰に好意を持っていようと関係ない方なのです。さすがに本気になった魔王の求めを断ることは難しいでしょうね。特に、あなたには特別にご執心なご様子でしたから・・・私もさすがにどうしようもありません」
もの言いたげに開きかけた唇を優しく指先で制した。
「だからといって、簡単に応じる必要もありません。そんなに安っぽく思われても・・・ね? 実際、あなたはこんなにも美しいのだから・・・」
「そ、そんな・・・」
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