36 / 40
ヤってるとこ、撮ろうぜ
しおりを挟む
「あ、すみませ~ん、一応写真はお断りしてるんです」
店番の慣れた感じの返事に、ほら見ろと。
もう恥ずかしいだろと思ったの束の間。
「でも葉書として売ってるので、ぜひこちらを」
「なんだ、売ってんじゃん」
「はい、あと…殿さまとおじいさんがお使いになった客間を使用頂いた方限定販売グッズも当日はご用意してあります」
えげつないです、えげつないです。
商売根性がとてつもなくえげつないです。
「へぇ、そりゃ楽しみだよな」
どのくらい寝かしたら、転売でいい値段になるだろうかと。
こちらも負けずとえげつないワルコがニヤリと笑います。
「では三ヶ月後にお待ちしております」
深々とお辞儀する店番を背に陰間茶屋を後にしました。
「あ~、さっすがに腹減ったよなぁ」
外に出ると大きくのびをしたワルコが、なぁ、ルオと肩を組んできます。
「今日はさ、もう、どっかに泊まろうぜ」
「えっ」
「いいだろ? かわいがってやるよ」
赤く長い舌を見せびらかすようにしてペロリと。
ワルコがワルオから視線をそらさずに上唇を舐めました。
それこそトゥンクどころではありません。
ズッックンッです。
そのあまりにも性的な仕草にワルオの肉体が反射的に疼きました。
はだけたシャツの襟から見える鎖骨といい、筋トレで肉厚になった胸元といい、そのねちっこい視線といい、オス臭が半端ありません。
さすが、感じてる振りをしていたビジネス系ネコからバリバリ気持ちいいタチに目覚めた男は違います。
(ダメ…このままじゃ…またメスになっちゃう…)
ワルオが慌てて顔を下げました。
「動画も撮ろうぜ」
「えっ…」
「ワ・ルーイじいさんとばあさんがヤってるとこ」
「ッ!!」
耳元で囁かれて反論の言葉が出遅れてしまいます。
「メイク一式も持ってきてるしさ、神おじいさんの聖地でベータのじいさんとばあさんもしっぽり体験で~す…ってな」
「だ、だめだって…そ、そんなの…」
「いいじゃねぇかよ、減るもんじゃねぇし」
「へ、減るよ」
「なにが?」
「そりゃ、だって…ほのぼので売ってるわけだし…そ、それに…」
抱かれるのがおじいさんの方なわけですからワルオとしては複雑です。
ウケるかどうか、よりも自分の気持ちが複雑なのです。
「アダルト路線は人気が低迷したらの…最終手段なわけ、だからさ…」
「早々に切り替えた方が爆上がりだと思うけどな…じゃ、ま、プライベート動画ってことで」
「えっ…」
「ガンガンに突いているとこ、撮ってやるよ」
「だ、だめだって」
「ほら、行くぞ」
「だから…だ、だめだって」
頬を赤く染めてワルオが拒みました。
ハメ盗りなんかされちゃったら困ると小さく返します。
ですが、ワルコは譲る気はありません。
「チッ、満室か…みんな、どこもおんなじこと考えてるんだなぁ」
「ほんとだ」
歩いてまわれば、即席系列店全てに満室御礼という立て札が立っています。
おそるべし、おじいさんの威力です。
それとちゃっかり便乗する人の根性もです。
おじいさんの聖地でラブってきましたとSNSでアピールしたい人たちで溢れているのでしょう。
店番の慣れた感じの返事に、ほら見ろと。
もう恥ずかしいだろと思ったの束の間。
「でも葉書として売ってるので、ぜひこちらを」
「なんだ、売ってんじゃん」
「はい、あと…殿さまとおじいさんがお使いになった客間を使用頂いた方限定販売グッズも当日はご用意してあります」
えげつないです、えげつないです。
商売根性がとてつもなくえげつないです。
「へぇ、そりゃ楽しみだよな」
どのくらい寝かしたら、転売でいい値段になるだろうかと。
こちらも負けずとえげつないワルコがニヤリと笑います。
「では三ヶ月後にお待ちしております」
深々とお辞儀する店番を背に陰間茶屋を後にしました。
「あ~、さっすがに腹減ったよなぁ」
外に出ると大きくのびをしたワルコが、なぁ、ルオと肩を組んできます。
「今日はさ、もう、どっかに泊まろうぜ」
「えっ」
「いいだろ? かわいがってやるよ」
赤く長い舌を見せびらかすようにしてペロリと。
ワルコがワルオから視線をそらさずに上唇を舐めました。
それこそトゥンクどころではありません。
ズッックンッです。
そのあまりにも性的な仕草にワルオの肉体が反射的に疼きました。
はだけたシャツの襟から見える鎖骨といい、筋トレで肉厚になった胸元といい、そのねちっこい視線といい、オス臭が半端ありません。
さすが、感じてる振りをしていたビジネス系ネコからバリバリ気持ちいいタチに目覚めた男は違います。
(ダメ…このままじゃ…またメスになっちゃう…)
ワルオが慌てて顔を下げました。
「動画も撮ろうぜ」
「えっ…」
「ワ・ルーイじいさんとばあさんがヤってるとこ」
「ッ!!」
耳元で囁かれて反論の言葉が出遅れてしまいます。
「メイク一式も持ってきてるしさ、神おじいさんの聖地でベータのじいさんとばあさんもしっぽり体験で~す…ってな」
「だ、だめだって…そ、そんなの…」
「いいじゃねぇかよ、減るもんじゃねぇし」
「へ、減るよ」
「なにが?」
「そりゃ、だって…ほのぼので売ってるわけだし…そ、それに…」
抱かれるのがおじいさんの方なわけですからワルオとしては複雑です。
ウケるかどうか、よりも自分の気持ちが複雑なのです。
「アダルト路線は人気が低迷したらの…最終手段なわけ、だからさ…」
「早々に切り替えた方が爆上がりだと思うけどな…じゃ、ま、プライベート動画ってことで」
「えっ…」
「ガンガンに突いているとこ、撮ってやるよ」
「だ、だめだって」
「ほら、行くぞ」
「だから…だ、だめだって」
頬を赤く染めてワルオが拒みました。
ハメ盗りなんかされちゃったら困ると小さく返します。
ですが、ワルコは譲る気はありません。
「チッ、満室か…みんな、どこもおんなじこと考えてるんだなぁ」
「ほんとだ」
歩いてまわれば、即席系列店全てに満室御礼という立て札が立っています。
おそるべし、おじいさんの威力です。
それとちゃっかり便乗する人の根性もです。
おじいさんの聖地でラブってきましたとSNSでアピールしたい人たちで溢れているのでしょう。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
噛痕に思う
阿沙🌷
BL
αのイオに執着されているβのキバは最近、思うことがある。じゃれ合っているとイオが噛み付いてくるのだ。痛む傷跡にどことなく関係もギクシャクしてくる。そんななか、彼の悪癖の理由を知って――。
✿オメガバースもの掌編二本作。
(『ride』は2021年3月28日に追加します)
次男は愛される
那野ユーリ
BL
ゴージャス美形の長男×自称平凡な次男
佐奈が小学三年の時に父親の再婚で出来た二人の兄弟。美しすぎる兄弟に挟まれながらも、佐奈は家族に愛され育つ。そんな佐奈が禁断の恋に悩む。
素敵すぎる表紙は〝fum☆様〟から頂きました♡
無断転載は厳禁です。
【タイトル横の※印は性描写が入ります。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。】
12月末にこちらの作品は非公開といたします。ご了承くださいませ。
近況ボードをご覧下さい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる