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悪いおばあさん(男)がヤンデレ化

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 右肩にあごをのせて、流し目で問いかけてくる姿はプンプンとしたオス臭が漂っていて。
 クラクラと目眩がしてしまうほどです。
 ワイルドです、ワイルドです。
 とてつもなくワイルドです。
 ワルコが別人級にワイルドになっていました。
 そして、その変貌にはちゃんと訳があったのです。
 あの後――
 徹底的に開発されちゃって、とことんメスになっちゃって、いっぱい弄ってぇになっちゃったワルオは。
 当初はなんとかしてバレないようにオニーズ整形外科で遭ったことをひた隠しにしていました。
 いつだってワルコの前ではかっこいいバリタチでいたかったのです。
 ですが、風呂場で後ろを弄っているところ見られてあっさりとバレてしまいました。

『マジ、ルオの泣き顔、やっべ…お前、こっちの方があってんじゃねぇの?』

 そこからはもうパンパン、パンパンッと。
 スイッチが入ったワルコによって容赦なく泣かされてしまいました。
 玩具しか知らなかった処女がずっと抱いていた相手に奪われてしまったのです。
 そうなるともはや戻れない、戻れない、戻れるはずがありません。
 ワルコと別れたくないという気持ちだったのが、それよりもなによりも肉体がどうしたって離れられないになってしまったのです。

「お前さ、オレから逃げようとか思ってない?」
「そ、そんなこと…あ、あるわけが…な、ない…」
「ふ~ん」

 しかも自分がネコだった頃は全く執着していなかったというのに。
 ワルオの後ろの具合の良さにすっかりはまってしまったワルコはかなりのヤンデレになっていました。

「ルオ、オレはお前を離さない」
「ル、ルコ…」
「お前だってオレなしじゃ、もういられないだろ?」
「ッ!!」

 耳の中をべろりと大きく舐めあげられてワルオは快感で震え上がってしまいました。

「いいな、お前は一生オレの財布だからな」

 クズです、クズです。
 言い方が由緒正しきクズです。
 でも、そんなクズでゲスなままの自分でいいのなワルコに惚れているのです。
 ど淫乱なネコに堕とされても側にいたい。
 ワルオもまた別人級に一途になっていました。

「んじゃ、その陰間茶屋とやらに行ってみるか」
「う、うん…」
「ル~オ~、なんだよ、閲覧数どんどんあげて、もっともっと稼がねぇといけねぇんだからよ」

 ワルオの耳にフーフーと息を吹きかけながらニヤリとワルコが笑いました。

「んっ…わかって…る…って…」
「頼むぜ」
「ね…も、行こ…」

 こうして二人で混雑を想定して早々に出発することにしました。
 ワルオとワルコは道中何度も駕籠を乗り継いで陰間茶屋へとやっとたどり着きました。

(えっらく遠かったんですけど…)

 ですが迷うことはありませんでした。
 街道はきちんと整備されて。
 ここもまた既に東照宮ができているかのように食事処だってお土産屋だってあります。
 田舎道とは思えないほどに開けてしまっています。
 そう、聖地化です、聖地化です。
 おじいさんゆかりの地としてあっという間に聖地化してしまったのです。

(すっげぇ…)
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