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迎えセッ○ス、送りセッ○ス

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 当初は自分の家じゃなければ別にいいかなと。
 そう軽く思っていたおじいさんでしたが、その東照宮へとお参りに行く街道が家のすぐ側を通ることが判明しました。
 つまりは遠回しにおじいさんの家の聖地化を狙っているのがバレバレです。
 東照宮に行く振りをして街道から拝ませて。
 目的地に着いたら着いたで宿泊をさせたり、お土産を買わせたりとできる限り庶民にお金を落とさせてやろうというウハウハ魂胆が見え見えです。
 やらしいです、やらしいです。
 とてつもなく、やらしいです。
 もし街道なんかを許したら、おばあさんが人目に不用意にさらされて不埒な輩が自慰のオカズにするだけでは物足りずに二次創作に手を染めるかもしれません。
 そんな未来をわずかに想像した時点ですらもう殺意が沸きます。
 誰が許せるでしょうか。
 許すまじと。
 またしても起こるかどうか分からない可能性にブチ切れたおじいさんは、仮称おじいさんのおうちを北極星を背にして守るための東照宮化案を握り潰してやると思ったのです。

「ネットとやらを使った有志による街道開発反対の署名は一日だけでも801万人集まったらしいんだ。
 それで殿が民の声を汲んで直々に視察にお出ましになるようなのだが、街道候補地を変えるとまではまだいってないらしい」
「そんなにたくさん集まったら、すぐにでも変えてくれてもいいのに」
「そうだよね…だから、その視察の日は原案を白紙にするためにも立ち会ってこようと思うよ」
「わかりました…うまくいくといいのですが」

 不安そうなおばあさんの肩を優しく引き寄せて、大丈夫だからとおじいさんが頬に口づけました。

「お疲れになったでしょう、お風呂を入れてあります。先にさっぱりなさって下さい」

 おじいさんの汗をかいた身体に手を置くとおばあさんが入浴を勧めました。
 その手をおじいさんがギュッと握りしめて耳元で甘く囁きます。

「一緒に入りたい」
「えっ…」
「一緒に入ろう」
「だ、だめですよ…」

 頬を赤く染めておばあさんが拒みました。

「どうして?」
「どうしてって…」

 そんなことは言うまでもありません。
 いまだ天井知らずな絶倫のおじいさんと一緒にお風呂に入ったらどうなることでしょう。
 お盆休みはまったりと先祖供養をしたいというのに、もれなく迎えセックス送りセックスで盆を越えることになってしまいます。

「もしかして…嫌われちゃった?」

 天性の人たらしの、その悩ましげな視線にズクンッとおばあさんの前も後ろも疼きます。
 ですが、今すぐに欲しいと思った気持ちをグッと堪えて上目遣いで見つめ返しました。

「だって…せっかく…冷しイノシシしゃぶを作って待っていたのに…」

 浴室エッチに一度でも突入してしまったら風呂場だけでなく場所を変えての一晩中オールナイトになることは間違いないのです。
 ご飯を食べる時間など到底与えてもらえません。

「おばあさん、かわいい」

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