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第6章 嫉妬したオルフェウスに…
7 いやではないはずだ
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(どうしよう…)
もっとこのまま好きにして欲しいと望む気持ちが湧くと同時に、すぐにでもやめて欲しいという抗いが強く作用する。
雄性を持った身としての本能的な拒絶なのか、一種の矜持なのか。
それとも別の理由でもあるのか。
「っ!!」
服の裾から強引に滑りこんできた手によって胸を撫で上げられてゾクッゾクッときた。
(なん…だ…これ…)
自身の反応に驚かされたのも束の間、何かを確かめるようにクリクリッと胸の尖りを指先で摘ままれて、ンーーッと唇を塞がれたまま舌を引き攣らせた。
(ど、どうして…)
一体どういうことなのか。
初めてされる性的行為のはずなのに明らかに感じている。
この感覚を知っているのだ。
こうやって男に荒々しく愛撫されることを。
痛みではなく、不快でもなく。
快感として知っているのだ、この肉体は。
(うそ…だ…)
ンッ、ンッ、ンッと鼻にかかったような声を引き続き出させられながら、心の奥底で愕然とする。
まるで足下の地面が突如として崩れ去るような感覚だ。
失われた過去において、仮に性交経験があったとしても抱く側だったと疑わずに思っていた自分がいる。
それが根底から覆されたのだ。
(うそだ…うそ…)
否定する気持ちとは裏腹に胸の先をいやらしく弄られる度にビクッ、ビクッと全身が波打つ。
与えられる刺激を確実に性的快楽として捉え、興奮し、身悶えているなんて。
これが絶対的な優位性を持つ、アルファの威力なのだろうか。
そのアルファの圧倒的な雄性にベータの身だから、これほどまでにあっけなく抱かれる側へと堕とされるのだろうか。
「はぁっ…はぁっ…や、やだっ」
わずかに解放された唇から咄嗟に拒絶を漏らせば、本当にいやか?と耳元で熱っぽく尋ねられた。
いやだ…と弱々しく、それでいて必死に首を振って応じると、認めないとばかりにまた唇を強引に奪われた。
「んん~~っ」
性戯に長けた男によって口腔内もピンッと尖り始めた乳首も再び嬲られる。
(あぁ…)
もはや否定できない。
気持ちがよくてたまらない。
舌を一方的に舐められながら、乳輪を爪先で掻かれながら素直に認める。
感じるのだ。
「いやではないはずだ…違うか?」
心の内を覗かれたかのように尋ねられて瞳を潤ます。
抵抗はもはや形を成さないと察したのか、それともこれから与える行為の一種の布告なのか。
濡れた音を立てながら唇が離され、ハァハァと空気をせわしなく求める姿が熱を帯びた青灰色の瞳に見下ろされた。
それは疑いようもなくオスの目だ。
どこか嬉々とした悦びを滲ませる、獲物を仕留めにかかるような興奮したオスの瞳だ。
そのアルファの劣情を帯びたまなざしに誘因されるかのように、ふるるっと身が勝手に震えた。
「他の者なんかに目移りしないように…もっと君に刻み付けておかないとな」
もっとこのまま好きにして欲しいと望む気持ちが湧くと同時に、すぐにでもやめて欲しいという抗いが強く作用する。
雄性を持った身としての本能的な拒絶なのか、一種の矜持なのか。
それとも別の理由でもあるのか。
「っ!!」
服の裾から強引に滑りこんできた手によって胸を撫で上げられてゾクッゾクッときた。
(なん…だ…これ…)
自身の反応に驚かされたのも束の間、何かを確かめるようにクリクリッと胸の尖りを指先で摘ままれて、ンーーッと唇を塞がれたまま舌を引き攣らせた。
(ど、どうして…)
一体どういうことなのか。
初めてされる性的行為のはずなのに明らかに感じている。
この感覚を知っているのだ。
こうやって男に荒々しく愛撫されることを。
痛みではなく、不快でもなく。
快感として知っているのだ、この肉体は。
(うそ…だ…)
ンッ、ンッ、ンッと鼻にかかったような声を引き続き出させられながら、心の奥底で愕然とする。
まるで足下の地面が突如として崩れ去るような感覚だ。
失われた過去において、仮に性交経験があったとしても抱く側だったと疑わずに思っていた自分がいる。
それが根底から覆されたのだ。
(うそだ…うそ…)
否定する気持ちとは裏腹に胸の先をいやらしく弄られる度にビクッ、ビクッと全身が波打つ。
与えられる刺激を確実に性的快楽として捉え、興奮し、身悶えているなんて。
これが絶対的な優位性を持つ、アルファの威力なのだろうか。
そのアルファの圧倒的な雄性にベータの身だから、これほどまでにあっけなく抱かれる側へと堕とされるのだろうか。
「はぁっ…はぁっ…や、やだっ」
わずかに解放された唇から咄嗟に拒絶を漏らせば、本当にいやか?と耳元で熱っぽく尋ねられた。
いやだ…と弱々しく、それでいて必死に首を振って応じると、認めないとばかりにまた唇を強引に奪われた。
「んん~~っ」
性戯に長けた男によって口腔内もピンッと尖り始めた乳首も再び嬲られる。
(あぁ…)
もはや否定できない。
気持ちがよくてたまらない。
舌を一方的に舐められながら、乳輪を爪先で掻かれながら素直に認める。
感じるのだ。
「いやではないはずだ…違うか?」
心の内を覗かれたかのように尋ねられて瞳を潤ます。
抵抗はもはや形を成さないと察したのか、それともこれから与える行為の一種の布告なのか。
濡れた音を立てながら唇が離され、ハァハァと空気をせわしなく求める姿が熱を帯びた青灰色の瞳に見下ろされた。
それは疑いようもなくオスの目だ。
どこか嬉々とした悦びを滲ませる、獲物を仕留めにかかるような興奮したオスの瞳だ。
そのアルファの劣情を帯びたまなざしに誘因されるかのように、ふるるっと身が勝手に震えた。
「他の者なんかに目移りしないように…もっと君に刻み付けておかないとな」
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