中島と暮らした10日間

だんご

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8 中島2日目。今日遅くなる

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 『(カッカッカッカッカッカッ)』

 『『(カッカッカッカッカッカッ)』』

 『(カッ……カッカッカッカッ)』

 『『(カッカッ………バサバサッ)』』

 『(……バサバサッ)』


 ……朝っぱらからカラスの大運動会ですか。
 てゆーか、反復横跳び的な音だったんだけど?
 君たち、朝っぱらから何をやっとるのかね?
 しかも、なぜピンポイント、自分の真上で駆けるのか……
 まさか、天井透けて見えたりするんかな?
 謎過ぎる。

 「……目覚まし時計、仕事する前じゃん」

 目覚ましを止め、リビングに向かう。

 実家に帰るからって買ったパジャマも、だいぶ馴染んできたなぁ~……
 さすがにパン一とか、面倒だから裸でいいとかはマズイからなぁ。
 いつ家族の誰かが合鍵で帰るかわからんからねぇ。
 『兄ちゃん、最低っ!!』とか言われたら流石に傷付くよねぇ。
 父親以外みんな言う可能性があるしなぁ。
 弟に言われるのが1番辛いな。
 だって1番兄ちゃんっ子だから、妹に言われるよりも傷付くかも。
 妹と違って、不純物の混じらない目で見られてごらんなさい?
 ベッコリと凹むよ?
 ……とか思いつつ、中島確認。
 うん。
 いる。
 ちゃんとケース内にいる。

 「中島、おはよ。ちゃんとケースにいる、お前はエライ」

 『…………』

 あっ、反応は期待してないからけっこうです。
 そんな事まで期待してませんから。
 ケースで穏やかに、おくつろぎください。

 「そうだ、中島。今日、遅くなるからな?朝5枚位入れておくけど、夜ちょっと葉っぱは無いと思ってくれ?」

 『…………』

 青虫相手にしゃべる自分。
 いとシュール。
 あっ、動かなくていいからね?
 中島に気を使われたら、なんか悲しくなるから。

 庭で取った葉っぱを補充。
 ちょいちょいっと選んでからシャクつく中島。
 自分はコーヒーを飲んで、ゆっくりとくつろぐ。
 いつもよりなぜか早い時間だからねぇ~
 ゆとりあるよねぇ~
 多分お隣さんが元気だと、目覚めが早いんだよねぇ~
 なんでだろうねぇ~

 さてさて、そろそろ行くかな?
 一応、出発前に中島ケースは食卓の真ん中にしておく。
 間違って落ちてお陀仏とか、落ちて脱走とかないように。

 中島自身も暴れて落ちないよう注意したい所だが。
 青虫にガチで話かける姿を想像して、ちょっと腰が引けた。
 端からみたら、本格的に怪しい人。
 間違いなし。
 他に誰もいないんだけどね?
 気持ちよ、気持ち。
 こっちの気持ち。

 「とりあえず、行ってくるわぁ」

 外に出ると少しヒンヤリして来た感じがする。
 まぁ葉っぱ取りの時も感じたけど。
 朝・晩は特にだ。
 通りの木の葉も、少し黄色が混ざり出した。
 そろそろ、本格的に秋が深まるんだろうか……
 庭の葉っぱ、まだ持つといいんだけど……な。
 

 

 
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