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初めまして、魔界の皆様。
.1 こんにちは新たな生活、さよなら平和な生活。
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「さて…と、磯波君。今日は早めに上がっていいよ?華金だし。」
「あ、ありがとうございます。」
「しっかり休むんだよ~?」
「すみませんお先に失礼致します~。」
俺は磯波 長門。
ただの一般人でごく普通の人間。
趣味は大体ゲームかアニメか漫画か体育会系のスポーツかイラストか雑学系や神話や農業の知識を脳みそにぶち込むことくらいです。
あとは休日はよく黒ギャルになったり、コスプレをイベントでやったりSNSに上げたりすることくらいかな?
特に目立つようなことはなく、ただ普通の生活+陰キャ生活をしています。のんびりと帰宅してドアを開けた。
「ただいま~…って言っても誰もいないかぁ…ってうっわ!宗教勧誘の紙まで入れられてる…。お断りシール貼っているのに分からないのかなぁ…。ドアポストにデカデカと貼ってんのに!いつもは破いてゴミ箱に投げてっけど今日は燃やしたろ。あとは…水道光熱費の封筒に、不動産屋さんのチラシに飲食系のチラシにデパートのチラs今日特売日じゃねーかあああああ!!のんびりしている暇じゃねえええええええ!!!!」
ダッシュでデパートに向かい、特売日ミッション達成させました。
完結に言うと、大変でした。
特売日を狙ったお母様方が目的のものに襲いかかるかの如く波のように押し寄せてもみくちゃにされていました。髪ボッサボサです。
買い物から帰宅し、買ったものを冷蔵庫にぽんぽこ入れていたら一瞬声のような何かが聞こえてきた。
「───────。」
「ふぁっ!?……き、気の所為…??」
「あ、そう言えばこの封筒ってなんだろう…?俺宛でも宛先不明なのよね…。」
ピスーッと封筒を開け、中身を見てみた。
「─────.─────────.────────────.───────.」
「…あ???」
この世の文字ですらないめちゃくちゃ分からない文章みたいな何かが書かれていた。エジプトやマヤ文明の文字でもない、本当に超意味不明な何かが書かれていたのだ。
そして内容を見た数秒後に文字がカサカサと蠢いた。
「うおっ!?あ、新手の無駄な技術を使った手紙かよ!?…ん?」
『魔界の運営が困難な為、今大変世紀末と化しています。現界生活を送りながら魔界と魔界に住まう種族達と私達を助けていただけますか?"はい"か"いいえ"でお答えしていただけると幸いです。』
「はぁ…?魔界って…異世界転生ものじゃあるまいし、こんなのどうせ新手の技術の無駄遣いのイタズラだろう?こんなイタズラする奴って周りに…いない…。近所に友達いねぇんだった…ん???」
『現界での時間であと一分でこの手紙が消失します。答えがない場合はいいえとなります。』
「何これ強要!?あーもー分かった分かった!!"はい"!!」
投げやりにはいと答えてしまった。
そしてテーブルにぺしんと投げたその直後、テーブルにとんでもない変化が起きた。ザザザと音のノイズと共にテーブルの上だけがゲームで一番起こしちゃいけないバグのノイズが出てきたのだ。
「いやあああああああ!!!ちょっと待ってよおおおおお!!俺のテーブルがなんかゲームで一番起こしちゃいけないゲーム画面のバグノイズみたいな何かが目の前に出てきたんだけどおおおおおお!!!もしかして俺達の住む世界そのものがゲームだった…のか?ってちがあああああああああう!!!これどーやったら直るの!?つーかこれ現実なん!?」
自分で自分の顔面を殴ったが、めちゃくちゃ痛かったので現実でした。めちゃくちゃパニックになって触るにも触れないし、どうしたらいいか分からなかった。いや普通にそうなるよね。
そして少し冷静になることができ、気がついたことが一つあった。
「そう言えばこのノイズ…広がってないな?なんだろう?ゲートなのかnちょっと待て、なんか手が出てきたのですがなんですかこれ?!」
コスプレイベントやコ○ケで使う衣装と同時に使う武器(殺傷能力あり)を装備して身構えた。めちゃくちゃヤバそうな手が生えてきたので、攻撃してきたらほんの一瞬だけでも抵抗してやろうという気でいました。
ヒタッ…
「うぬぬぬ…!ま、まだだ…まだ攻撃してきてないッ…!やられたらやり返すのが俺の定義…!!」
ズッ…
「…うん?」
スカッスカッ
「あれ…?もしかして手を置く所がないのか…?あ、テーブルだからか…。なんか可愛いんだけど。」
手を置く場所がなくてとてもびっくりしている手だったので恐る恐る手を伸ばした。驚き方がとても可愛い手でした。
パシッ
「ひ、引きますよっ!よいs「ぷはあああああッ!!」ひゃああああああああッ!!?!?」
ドテッ
「いっててて…。」
「いやぁ~手を置く場所がなくてびっくりしたよ~!手を貸してくれてありがと!」
「あー…はい…ってあなたは誰なんです?あと靴はお脱ぎになって頂けると…。」
「わっ、ごめんね!?すぐに脱いでしまっておくね!」
(…これマジだな。マジの異界の人だ…。)
引っこ抜く体勢でいたが、タイミングがズレて向こうから出てきた。
ちなみに俺はびっくりして思いっきり尻もちをついて頭の中が真っ白になっていた。何故って?そりゃあバグり散らかしたテーブルから人が出てきたんだよ?普通にびっくりするじゃん?
あと、姿は猫っぽいような小悪魔っぽいような俺くらいの年齢の女性でした。
「自己紹介遅れちゃった!私は魔界に住む魔女の使い、ディーナ=アストリアっていうの!種族は猫魔族、聞いたことあるかな?」
「んー…いや、伝説でしか聞いたことないですね。俺は磯波 長門と言います。こう言った異界や魔界の人達って魔族とかダークエルフ族とか結構メジャーな種族が多いイメージがあるから…猫魔族は目の前で初めて聞きました。」
「ありがと!あとそりゃそうだよねぇ…。だけど魔界では本当に種族がいっぱいあって、魔族の系統だけじゃなくてヒト族の系統も居たり、妖精族、巨人族、鬼族、霊族、オーク族、犬族、猫族、牛族、蛇姫族系統、人魚族etc…とにかくすーっごくいるの!」
「ほへぇ…やっぱりいっぱいいるんですね…。そう言えば、ディーナさんは何故魔女さんの所に?」
「魔法に憧れを持っているから!!」
「あ、誰でも魔法を使えるワケじゃないんだ…。」
「そーなの、長門ちゃんのいる世界とこの国は魔法を使うイメージが強すぎるの!長門ちゃんは分かってくれているみたいで嬉しいよ!」
「なんかすんなりと受け入れられているのですが?」
ディーナさんって女性は特にこれといった特別な人ではなく、ただ魔女さんの指示で来ていたようです。
彼女のお話を聞いてみたところ、俺達の住む日本や海外の方にも招待状をしていたようだったが、大体がハーレム狙いや好き勝手にやりたい放題かましたりしているようです。
あとは誰かのイタズラだろうという理由で無視をしたりする人もいて半分諦めていたとのこと。
俺は何も考えないで返事をしていたので内容すらも全く理解していません。
「そんで、あの手紙はどういうことなのです?」
「あー…あの文章の通りだよ。」
「魔界の運営って…。」
「うん、魔城そのものがヤバい。」
「なんとなく理解。」
「あとは私達が招待状を送ったせいで種族達が招待した人達と私達に不信感を抱いているの。」
「それはどう足掻いても確率だなぁ…。しかもそれって魔女さん達がやらかしたことでは…!?」
「だから私は思ったの!現界人の生活や行動をこっそりと見て動いてやっと見つけられたの!」
「行き着いた先が俺…ということですか。」
「そゆこと!それと長門ちゃんって女の子なのに一人称は"俺"なんだね?」
「あ、男です。」
「…え?」
「男です。」
「………マジ?」
「マジです。」
「可愛いが過ぎるッ!!!」
ディーナさんはめっちゃ驚いた表情を手で隠すように真っ赤にしていた。俺は何もしていません。相手が勝手に盛り上がっているだけです。そして本題の魔界運営の件だが、語彙力がなくなるくらい本当にヤバいらしくて、中々先へ進むことが全くないとのこと。
「長門ちゃん、あの手紙の通りここの生活はもちろんこのまま送った状態でいいから、魔界の運営や種族達を助けてほしいの!!」
「うわ急に変わった。んー…分かったには分かりましたが…向こうの時間とこっちの時間って一緒ですか?」
「魔界の一分は普通に現界と同じ60秒なんだけれど、ものすごくズレているの。現界の一分の10分の1が魔界の一分。そして1日が48時間。」
「んーとつまり…??」
「│現界《ここの世界》の6秒が向こうではそれが一分かかるの。」
「あ、つまり魔界の時間が常にスローモーション状態?」
「そんなところかな?」
「魔城の状況はどうなっています?」
「お城はボロボロで、近くの区域では種族達がお互い睨み合いをしたり紛争を引き起こすまでに至ってるの。まだ質問していないと思うけれど、魔界の頂点である魔王は私利私欲でまみれた連中によって囚われの身となっているってところかな…。このままだと運営がかなり厳しいし、色々なお店にも行けないし開けないの。」
「よし乗った。時間もこの世界よりも遅いことも分かったし、状況がかなり面倒な状態ってことですね?」
「え、いいの!?こんな見ず知らずのバグり散らかしたテーブルから出てきたよく分からん奴の私の言っていることを信じるの!?」
「困っているなら騙すも騙さないも関係ないですよ。まぁ、テーブルがバグり散らかしているのはしゃーないですが…。」
半信半疑で聞いていたのだが、種族の話も詳しく聞けたり魔界の状態や種族達の状況、私利私欲にまみれた連中達の動きもすんごい情報量だったのだが信憑性が高く、嘘を言っているようなものではないと確信した。あと嬉しいことはやっぱり時間が俺達のいる世界よりも時間の進みが早いことだ。いっぱい寝られるぜ。
「あ、ありがと…凄く助かるから嬉しいよ!それと、案内人もここに呼ぶね!ジフィル~!」
にゅっ
「呼んだ?」
「呼んだよ~!紹介するね!この子は魔界の案内人 ジフィル!種族は…なんだっけ?」
「把握してないのディーナ!?」
「見た感じは狼っぽいから…犬族の人ですか?」
「あ、凄い!この人一発で当てた!君、名前なんていうの?俺はディーナと同じ魔女の使いのジフィル=ツァンドだ。よろしく!」
「磯波 長門です。一応男です。ただの新米社会人です。」
「そうなんだ!?見た目は結構派手だが、どんなことしてるの?」
「コスプレとかイベントでの参加くらいですかね。」
「あ、君のいるこの国で一部の場所で集まってそういうことしているの見かけたことある!凄いよなあれ!もしかして現界人でも魔法は使えるのか!?」
「いや、使えないっす。」
ズイッ
「はーいお喋りはここまでにしよーねー!!長くなると大変だからすぐに向かおうね!!」
俺の平和な生活はこの日を境に超反転した。
現界生活を送りながら魔界の運営と私利私欲にまみれた輩達に支配されている種族達の救出をお願いされることになりました。
ここから強烈でハードな現界異世界往復生活の始まりです。
「あ、ありがとうございます。」
「しっかり休むんだよ~?」
「すみませんお先に失礼致します~。」
俺は磯波 長門。
ただの一般人でごく普通の人間。
趣味は大体ゲームかアニメか漫画か体育会系のスポーツかイラストか雑学系や神話や農業の知識を脳みそにぶち込むことくらいです。
あとは休日はよく黒ギャルになったり、コスプレをイベントでやったりSNSに上げたりすることくらいかな?
特に目立つようなことはなく、ただ普通の生活+陰キャ生活をしています。のんびりと帰宅してドアを開けた。
「ただいま~…って言っても誰もいないかぁ…ってうっわ!宗教勧誘の紙まで入れられてる…。お断りシール貼っているのに分からないのかなぁ…。ドアポストにデカデカと貼ってんのに!いつもは破いてゴミ箱に投げてっけど今日は燃やしたろ。あとは…水道光熱費の封筒に、不動産屋さんのチラシに飲食系のチラシにデパートのチラs今日特売日じゃねーかあああああ!!のんびりしている暇じゃねえええええええ!!!!」
ダッシュでデパートに向かい、特売日ミッション達成させました。
完結に言うと、大変でした。
特売日を狙ったお母様方が目的のものに襲いかかるかの如く波のように押し寄せてもみくちゃにされていました。髪ボッサボサです。
買い物から帰宅し、買ったものを冷蔵庫にぽんぽこ入れていたら一瞬声のような何かが聞こえてきた。
「───────。」
「ふぁっ!?……き、気の所為…??」
「あ、そう言えばこの封筒ってなんだろう…?俺宛でも宛先不明なのよね…。」
ピスーッと封筒を開け、中身を見てみた。
「─────.─────────.────────────.───────.」
「…あ???」
この世の文字ですらないめちゃくちゃ分からない文章みたいな何かが書かれていた。エジプトやマヤ文明の文字でもない、本当に超意味不明な何かが書かれていたのだ。
そして内容を見た数秒後に文字がカサカサと蠢いた。
「うおっ!?あ、新手の無駄な技術を使った手紙かよ!?…ん?」
『魔界の運営が困難な為、今大変世紀末と化しています。現界生活を送りながら魔界と魔界に住まう種族達と私達を助けていただけますか?"はい"か"いいえ"でお答えしていただけると幸いです。』
「はぁ…?魔界って…異世界転生ものじゃあるまいし、こんなのどうせ新手の技術の無駄遣いのイタズラだろう?こんなイタズラする奴って周りに…いない…。近所に友達いねぇんだった…ん???」
『現界での時間であと一分でこの手紙が消失します。答えがない場合はいいえとなります。』
「何これ強要!?あーもー分かった分かった!!"はい"!!」
投げやりにはいと答えてしまった。
そしてテーブルにぺしんと投げたその直後、テーブルにとんでもない変化が起きた。ザザザと音のノイズと共にテーブルの上だけがゲームで一番起こしちゃいけないバグのノイズが出てきたのだ。
「いやあああああああ!!!ちょっと待ってよおおおおお!!俺のテーブルがなんかゲームで一番起こしちゃいけないゲーム画面のバグノイズみたいな何かが目の前に出てきたんだけどおおおおおお!!!もしかして俺達の住む世界そのものがゲームだった…のか?ってちがあああああああああう!!!これどーやったら直るの!?つーかこれ現実なん!?」
自分で自分の顔面を殴ったが、めちゃくちゃ痛かったので現実でした。めちゃくちゃパニックになって触るにも触れないし、どうしたらいいか分からなかった。いや普通にそうなるよね。
そして少し冷静になることができ、気がついたことが一つあった。
「そう言えばこのノイズ…広がってないな?なんだろう?ゲートなのかnちょっと待て、なんか手が出てきたのですがなんですかこれ?!」
コスプレイベントやコ○ケで使う衣装と同時に使う武器(殺傷能力あり)を装備して身構えた。めちゃくちゃヤバそうな手が生えてきたので、攻撃してきたらほんの一瞬だけでも抵抗してやろうという気でいました。
ヒタッ…
「うぬぬぬ…!ま、まだだ…まだ攻撃してきてないッ…!やられたらやり返すのが俺の定義…!!」
ズッ…
「…うん?」
スカッスカッ
「あれ…?もしかして手を置く所がないのか…?あ、テーブルだからか…。なんか可愛いんだけど。」
手を置く場所がなくてとてもびっくりしている手だったので恐る恐る手を伸ばした。驚き方がとても可愛い手でした。
パシッ
「ひ、引きますよっ!よいs「ぷはあああああッ!!」ひゃああああああああッ!!?!?」
ドテッ
「いっててて…。」
「いやぁ~手を置く場所がなくてびっくりしたよ~!手を貸してくれてありがと!」
「あー…はい…ってあなたは誰なんです?あと靴はお脱ぎになって頂けると…。」
「わっ、ごめんね!?すぐに脱いでしまっておくね!」
(…これマジだな。マジの異界の人だ…。)
引っこ抜く体勢でいたが、タイミングがズレて向こうから出てきた。
ちなみに俺はびっくりして思いっきり尻もちをついて頭の中が真っ白になっていた。何故って?そりゃあバグり散らかしたテーブルから人が出てきたんだよ?普通にびっくりするじゃん?
あと、姿は猫っぽいような小悪魔っぽいような俺くらいの年齢の女性でした。
「自己紹介遅れちゃった!私は魔界に住む魔女の使い、ディーナ=アストリアっていうの!種族は猫魔族、聞いたことあるかな?」
「んー…いや、伝説でしか聞いたことないですね。俺は磯波 長門と言います。こう言った異界や魔界の人達って魔族とかダークエルフ族とか結構メジャーな種族が多いイメージがあるから…猫魔族は目の前で初めて聞きました。」
「ありがと!あとそりゃそうだよねぇ…。だけど魔界では本当に種族がいっぱいあって、魔族の系統だけじゃなくてヒト族の系統も居たり、妖精族、巨人族、鬼族、霊族、オーク族、犬族、猫族、牛族、蛇姫族系統、人魚族etc…とにかくすーっごくいるの!」
「ほへぇ…やっぱりいっぱいいるんですね…。そう言えば、ディーナさんは何故魔女さんの所に?」
「魔法に憧れを持っているから!!」
「あ、誰でも魔法を使えるワケじゃないんだ…。」
「そーなの、長門ちゃんのいる世界とこの国は魔法を使うイメージが強すぎるの!長門ちゃんは分かってくれているみたいで嬉しいよ!」
「なんかすんなりと受け入れられているのですが?」
ディーナさんって女性は特にこれといった特別な人ではなく、ただ魔女さんの指示で来ていたようです。
彼女のお話を聞いてみたところ、俺達の住む日本や海外の方にも招待状をしていたようだったが、大体がハーレム狙いや好き勝手にやりたい放題かましたりしているようです。
あとは誰かのイタズラだろうという理由で無視をしたりする人もいて半分諦めていたとのこと。
俺は何も考えないで返事をしていたので内容すらも全く理解していません。
「そんで、あの手紙はどういうことなのです?」
「あー…あの文章の通りだよ。」
「魔界の運営って…。」
「うん、魔城そのものがヤバい。」
「なんとなく理解。」
「あとは私達が招待状を送ったせいで種族達が招待した人達と私達に不信感を抱いているの。」
「それはどう足掻いても確率だなぁ…。しかもそれって魔女さん達がやらかしたことでは…!?」
「だから私は思ったの!現界人の生活や行動をこっそりと見て動いてやっと見つけられたの!」
「行き着いた先が俺…ということですか。」
「そゆこと!それと長門ちゃんって女の子なのに一人称は"俺"なんだね?」
「あ、男です。」
「…え?」
「男です。」
「………マジ?」
「マジです。」
「可愛いが過ぎるッ!!!」
ディーナさんはめっちゃ驚いた表情を手で隠すように真っ赤にしていた。俺は何もしていません。相手が勝手に盛り上がっているだけです。そして本題の魔界運営の件だが、語彙力がなくなるくらい本当にヤバいらしくて、中々先へ進むことが全くないとのこと。
「長門ちゃん、あの手紙の通りここの生活はもちろんこのまま送った状態でいいから、魔界の運営や種族達を助けてほしいの!!」
「うわ急に変わった。んー…分かったには分かりましたが…向こうの時間とこっちの時間って一緒ですか?」
「魔界の一分は普通に現界と同じ60秒なんだけれど、ものすごくズレているの。現界の一分の10分の1が魔界の一分。そして1日が48時間。」
「んーとつまり…??」
「│現界《ここの世界》の6秒が向こうではそれが一分かかるの。」
「あ、つまり魔界の時間が常にスローモーション状態?」
「そんなところかな?」
「魔城の状況はどうなっています?」
「お城はボロボロで、近くの区域では種族達がお互い睨み合いをしたり紛争を引き起こすまでに至ってるの。まだ質問していないと思うけれど、魔界の頂点である魔王は私利私欲でまみれた連中によって囚われの身となっているってところかな…。このままだと運営がかなり厳しいし、色々なお店にも行けないし開けないの。」
「よし乗った。時間もこの世界よりも遅いことも分かったし、状況がかなり面倒な状態ってことですね?」
「え、いいの!?こんな見ず知らずのバグり散らかしたテーブルから出てきたよく分からん奴の私の言っていることを信じるの!?」
「困っているなら騙すも騙さないも関係ないですよ。まぁ、テーブルがバグり散らかしているのはしゃーないですが…。」
半信半疑で聞いていたのだが、種族の話も詳しく聞けたり魔界の状態や種族達の状況、私利私欲にまみれた連中達の動きもすんごい情報量だったのだが信憑性が高く、嘘を言っているようなものではないと確信した。あと嬉しいことはやっぱり時間が俺達のいる世界よりも時間の進みが早いことだ。いっぱい寝られるぜ。
「あ、ありがと…凄く助かるから嬉しいよ!それと、案内人もここに呼ぶね!ジフィル~!」
にゅっ
「呼んだ?」
「呼んだよ~!紹介するね!この子は魔界の案内人 ジフィル!種族は…なんだっけ?」
「把握してないのディーナ!?」
「見た感じは狼っぽいから…犬族の人ですか?」
「あ、凄い!この人一発で当てた!君、名前なんていうの?俺はディーナと同じ魔女の使いのジフィル=ツァンドだ。よろしく!」
「磯波 長門です。一応男です。ただの新米社会人です。」
「そうなんだ!?見た目は結構派手だが、どんなことしてるの?」
「コスプレとかイベントでの参加くらいですかね。」
「あ、君のいるこの国で一部の場所で集まってそういうことしているの見かけたことある!凄いよなあれ!もしかして現界人でも魔法は使えるのか!?」
「いや、使えないっす。」
ズイッ
「はーいお喋りはここまでにしよーねー!!長くなると大変だからすぐに向かおうね!!」
俺の平和な生活はこの日を境に超反転した。
現界生活を送りながら魔界の運営と私利私欲にまみれた輩達に支配されている種族達の救出をお願いされることになりました。
ここから強烈でハードな現界異世界往復生活の始まりです。
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