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よい子よいい世来いよ
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二〇一九年の四月三〇日、平成最後の午後十一時五十分を過ごしたのは、京都行きの夜行バスの中だった。
カーテンは下ろされ、照明は落とされ、車内は暗く静まり返っている。時折バスはガタゴトと揺れ、私はその動きに合わせて身体を揺らした。動いた肩が隣で眠る彼にぶつかり、彼は目を擦りながら、その重そうな瞼を何とか上げて私の方を見てきた。
「ごめん、起こしちゃった?」
申し訳なさそうな私の言葉に、彼は首をゆるゆると横に振り、そして口を開く。
「大丈夫。それより、寝ないの?明日は朝から京都巡りだよ」
そう言う彼は、本当に眠たそうだった。無理もない。京都へ一泊二日の旅行に行こうと話し合ったのが二日前の夜。そこから急いで夜行バスと泊まれる場所の確保だけをしたのだ。突貫工事もいいところだろう。結果として、二人とも旅行のために終わらせなければならない諸々を片付けるのに必死で、この二日間はろくに休めていなかった。私だって、正直な話をすればかなり眠い。
それでも
「平成最後の瞬間と、令和最初の瞬間はちゃんと迎えたいの」
今までの時代が終わって、新しい時代が始まる。生きている間にそんな珍しい瞬間を味わえることなんてそうはない。
だから眠い気持ちを堪えて私は目を開けていた。
「……まあ、気持ちは分かる」
彼はそう言うと、顎に手をやり考え込むような仕草をして、それから
「うん、じゃあ僕も折角だからもう少しだけ起きていようかな」
頬にピシャリと平手を打ち、彼は無理やりに目を覚まそうとした。それでも相変わらず瞼は重そうなので、随分と頼りない覚醒だ。それでもまあ、十分ないぐらいなら粘ってくれんじゃないかな。
彼と肩を触れ合わせていると、伝わる熱とか聞こえる吐息とか、そういうものに注意に取られる。彼から感じる生命の営みの残滓と交わる度、私は時代の流れを朧気ながら感じた。
どちらにも、必ず終わりがあるからだろうから。
そんなことを考えていたら、道が舗装されていなかったのか、バスが大きく跳ねた。さっきまでよりも派手に身体を揺らされ、彼にゴツンと強めにぶつかってしまう。感じた痛みによって、一つ記憶の扉が開かれた。
懐かしい思い出だった。
私たちが大人に、社会人になる前の思い出だった。
「夜行バスって懐かしいよね。大学生の時を思い出すよ」
彼も同じことを思い返したらしく、回顧に浸るような口調で言葉を紡いだ。その言葉に、私は無言で首肯する。
大学生だったのは、もう五年も前のことだ。あの頃とは私たちは違う。若さとか、時間とか、体力とか、
………それから左手の薬指とか、色々。
「あの時もさ、よくこうやってドタバタしながら二人で旅行の計画を立ててたよね。安上がりのプランを血眼になって探してさ」
「今思えば、完全に若気の至りだよ。無茶でもいいからとりあえず旅行に行こうとしてたし」
「アハハ、確かに。「大学生なんだからっ!」って張り切ってたよね」
彼はそう言ってから、可笑しそうに肩を揺らした。私もまた、同じように笑顔をこぼす。思い出の海に身を飛び込ませると、身体を幸福の泡が包み込んでくれた。
大学時代、私と彼は二人とも旅行が好きだった。サークルの新歓の自己紹介で彼が「趣味は旅行です」と言っていたのが関わるきっかけで、それから私たちの中は縮まっていった。お互いのおすすめスポットを紹介し合ったり、旅先の写真を送りあったりした。彼が海外にはあまり興味がないと話していたのも、仲良くなる、親近感を感じる一つの要因だったと思う。周りは国内よりも国外に興味がそそられている人ばっかりだから、日本全国を色々回ろうとする友人は彼ぐらいだったのだ。
そうして旅行関連の話をするうちに私と彼は時間を共有し、最終的には付き合うことになった。その方が周りに何か聞かれたときに楽だったからだ。そんな付き合いが長く続き、まさか結婚することになるなんて、想像もしていなかったけど。
懐かしい日々を思い出し、私は少しその記憶に耽っていた。あの頃、私の旅行に対してのモチベーションは異様に、異常に高かったと思う。
何故かと言えば、それは……
「見栄張りたかったんだよね」
まるで思考を読み取ったかのようなタイミングで、彼は私が心の中で続けようとした言葉を呟いた。驚いて彼の方に視線を向けるも、彼はそれに気づかずに言葉を続ける。
「今だから正直に話すけどさ、学生時代あんなに熱心に旅行に行こうとしてたのは、見栄を張りたかったからなんだよ」
「………………………」
「「旅行が趣味です」って言って、ありがたいことに旅行友達が出来て、だけど僕が大して旅行への意欲がなかったら、せっかく出来た友達に呆れられるんじゃないかって、そう思ってた。言葉を選ばないではっきり言っちゃうと、拍子抜けされて嫌われるんじゃないかって不安になってた。だから旅行に行こう行こうってすごい前掛かりだったんだ」
恥ずかしながらね、と最後に付け足し、彼は後頭部を右手で掻いていた。その顔には照れ笑いを浮かんでいる。
なんだ、まったく……。
似た者同士じゃないか。これなら結婚もする。
私も同じだったよと、喉まで競り上がった言葉を飲み込み、代わりに私は彼の肩に頭をもたれさせた。特に意味はない。でもこうしたら、伝えなかった何かが伝わるような気がした。
彼は私の行動に一瞬息を飲んだものの、その後フッと柔らかく息を吐いてから後ろ髪にそっと触れ、それから指を髪に絡ませながら撫でるように手を動かす。くすぐったいが、悪い気はしない。どうやら言葉にしなかった何かは無事に伝わってくれたらしい。
「……本当に、今回二人でこうして旅行に行けて良かったよ」
しばらくしてから、彼は髪に沿わせながら動かしていた手を止めて、私の目を見つめながら静かな口調でそう言った。私はいやに真剣な声音のその言葉の意図がイマイチ掴み切れず、彼の目を見返しながら「その心は?」と視線で問う。
すると彼は、私から目を逸らし、カーテンに覆われた窓を見つめながらポツリと呟いた。
「……来年以降は、その…家族三人になるかもしれないから………」
「……………………………」
角度の都合上彼の顔を正面から見ることは出来ないが、彼の顔はリンゴのように赤く染め上げられ、耳たぶまで真っ赤になっている。迂闊に触れたら火傷しそうだ、色んな意味で。
大体そっちが照れるなよ。私の方が対応に困る。廊下側で視線を動かせる場所もないんだから。
……夜行バスの弱点発見。
人目があるからイチャつきづらい。
重大かつ致命的な欠陥だ。
おかげさまで、私から言えることなんて一言だけだった。
「…………ハッピーニュー令和」
時刻は午前〇時〇〇分。一日が終わり、一日が始まる。四月が終わり、五月が始まる。平成が終わり、令和が始まる。だというのに、新たな時代の幕開けは、どうにも締まらない感じになってしまった。
まあ、これが私たちらしさなのだろうか。
「これからもよろしくね」
私がそう言うと、彼は私の方を見てから満面の笑顔を浮かべて、
「うん、これからもよろしくね」
……そんな笑顔を見せられたら、私に言えることなんて何もない。
それから私たちは肩を寄せ合い、熱を共有した。日付が変わり、目的を達成したことで緊張感から解放されたのか、色濃い疲労を感じ始める。心地よい微睡みが身体を包み、全身が重くなるにつれて意識も少しずつフェードアウトしていく。
「幸せになろうね」
うつらうつらの思考のなか、不意に彼の声が聞こえたような気がした。でも夢現の狭間だったから、それがどっちの世界での出来事かは判然としない。
まあ別にどっちでもいいか。どうせ返す言葉は決まっているんだから。
……当たり前でしょ
独特の浮遊感、夢見心地を感じるなか、呂律の回らない口で言葉を返す。伝わったのかは知らないが、唇に一つ、柔らかな熱が押し当てられたような気がした。もっとも残念ながらその心地よさの真実を確かめる余力はすでになく、私の意識は抗いきれずに眠りに落ちていったのだが。
それでも
私と彼を乗せた京都直行夜行バスが、止まることなく進み続けるのだけはハッキリと感じられた。
カーテンは下ろされ、照明は落とされ、車内は暗く静まり返っている。時折バスはガタゴトと揺れ、私はその動きに合わせて身体を揺らした。動いた肩が隣で眠る彼にぶつかり、彼は目を擦りながら、その重そうな瞼を何とか上げて私の方を見てきた。
「ごめん、起こしちゃった?」
申し訳なさそうな私の言葉に、彼は首をゆるゆると横に振り、そして口を開く。
「大丈夫。それより、寝ないの?明日は朝から京都巡りだよ」
そう言う彼は、本当に眠たそうだった。無理もない。京都へ一泊二日の旅行に行こうと話し合ったのが二日前の夜。そこから急いで夜行バスと泊まれる場所の確保だけをしたのだ。突貫工事もいいところだろう。結果として、二人とも旅行のために終わらせなければならない諸々を片付けるのに必死で、この二日間はろくに休めていなかった。私だって、正直な話をすればかなり眠い。
それでも
「平成最後の瞬間と、令和最初の瞬間はちゃんと迎えたいの」
今までの時代が終わって、新しい時代が始まる。生きている間にそんな珍しい瞬間を味わえることなんてそうはない。
だから眠い気持ちを堪えて私は目を開けていた。
「……まあ、気持ちは分かる」
彼はそう言うと、顎に手をやり考え込むような仕草をして、それから
「うん、じゃあ僕も折角だからもう少しだけ起きていようかな」
頬にピシャリと平手を打ち、彼は無理やりに目を覚まそうとした。それでも相変わらず瞼は重そうなので、随分と頼りない覚醒だ。それでもまあ、十分ないぐらいなら粘ってくれんじゃないかな。
彼と肩を触れ合わせていると、伝わる熱とか聞こえる吐息とか、そういうものに注意に取られる。彼から感じる生命の営みの残滓と交わる度、私は時代の流れを朧気ながら感じた。
どちらにも、必ず終わりがあるからだろうから。
そんなことを考えていたら、道が舗装されていなかったのか、バスが大きく跳ねた。さっきまでよりも派手に身体を揺らされ、彼にゴツンと強めにぶつかってしまう。感じた痛みによって、一つ記憶の扉が開かれた。
懐かしい思い出だった。
私たちが大人に、社会人になる前の思い出だった。
「夜行バスって懐かしいよね。大学生の時を思い出すよ」
彼も同じことを思い返したらしく、回顧に浸るような口調で言葉を紡いだ。その言葉に、私は無言で首肯する。
大学生だったのは、もう五年も前のことだ。あの頃とは私たちは違う。若さとか、時間とか、体力とか、
………それから左手の薬指とか、色々。
「あの時もさ、よくこうやってドタバタしながら二人で旅行の計画を立ててたよね。安上がりのプランを血眼になって探してさ」
「今思えば、完全に若気の至りだよ。無茶でもいいからとりあえず旅行に行こうとしてたし」
「アハハ、確かに。「大学生なんだからっ!」って張り切ってたよね」
彼はそう言ってから、可笑しそうに肩を揺らした。私もまた、同じように笑顔をこぼす。思い出の海に身を飛び込ませると、身体を幸福の泡が包み込んでくれた。
大学時代、私と彼は二人とも旅行が好きだった。サークルの新歓の自己紹介で彼が「趣味は旅行です」と言っていたのが関わるきっかけで、それから私たちの中は縮まっていった。お互いのおすすめスポットを紹介し合ったり、旅先の写真を送りあったりした。彼が海外にはあまり興味がないと話していたのも、仲良くなる、親近感を感じる一つの要因だったと思う。周りは国内よりも国外に興味がそそられている人ばっかりだから、日本全国を色々回ろうとする友人は彼ぐらいだったのだ。
そうして旅行関連の話をするうちに私と彼は時間を共有し、最終的には付き合うことになった。その方が周りに何か聞かれたときに楽だったからだ。そんな付き合いが長く続き、まさか結婚することになるなんて、想像もしていなかったけど。
懐かしい日々を思い出し、私は少しその記憶に耽っていた。あの頃、私の旅行に対してのモチベーションは異様に、異常に高かったと思う。
何故かと言えば、それは……
「見栄張りたかったんだよね」
まるで思考を読み取ったかのようなタイミングで、彼は私が心の中で続けようとした言葉を呟いた。驚いて彼の方に視線を向けるも、彼はそれに気づかずに言葉を続ける。
「今だから正直に話すけどさ、学生時代あんなに熱心に旅行に行こうとしてたのは、見栄を張りたかったからなんだよ」
「………………………」
「「旅行が趣味です」って言って、ありがたいことに旅行友達が出来て、だけど僕が大して旅行への意欲がなかったら、せっかく出来た友達に呆れられるんじゃないかって、そう思ってた。言葉を選ばないではっきり言っちゃうと、拍子抜けされて嫌われるんじゃないかって不安になってた。だから旅行に行こう行こうってすごい前掛かりだったんだ」
恥ずかしながらね、と最後に付け足し、彼は後頭部を右手で掻いていた。その顔には照れ笑いを浮かんでいる。
なんだ、まったく……。
似た者同士じゃないか。これなら結婚もする。
私も同じだったよと、喉まで競り上がった言葉を飲み込み、代わりに私は彼の肩に頭をもたれさせた。特に意味はない。でもこうしたら、伝えなかった何かが伝わるような気がした。
彼は私の行動に一瞬息を飲んだものの、その後フッと柔らかく息を吐いてから後ろ髪にそっと触れ、それから指を髪に絡ませながら撫でるように手を動かす。くすぐったいが、悪い気はしない。どうやら言葉にしなかった何かは無事に伝わってくれたらしい。
「……本当に、今回二人でこうして旅行に行けて良かったよ」
しばらくしてから、彼は髪に沿わせながら動かしていた手を止めて、私の目を見つめながら静かな口調でそう言った。私はいやに真剣な声音のその言葉の意図がイマイチ掴み切れず、彼の目を見返しながら「その心は?」と視線で問う。
すると彼は、私から目を逸らし、カーテンに覆われた窓を見つめながらポツリと呟いた。
「……来年以降は、その…家族三人になるかもしれないから………」
「……………………………」
角度の都合上彼の顔を正面から見ることは出来ないが、彼の顔はリンゴのように赤く染め上げられ、耳たぶまで真っ赤になっている。迂闊に触れたら火傷しそうだ、色んな意味で。
大体そっちが照れるなよ。私の方が対応に困る。廊下側で視線を動かせる場所もないんだから。
……夜行バスの弱点発見。
人目があるからイチャつきづらい。
重大かつ致命的な欠陥だ。
おかげさまで、私から言えることなんて一言だけだった。
「…………ハッピーニュー令和」
時刻は午前〇時〇〇分。一日が終わり、一日が始まる。四月が終わり、五月が始まる。平成が終わり、令和が始まる。だというのに、新たな時代の幕開けは、どうにも締まらない感じになってしまった。
まあ、これが私たちらしさなのだろうか。
「これからもよろしくね」
私がそう言うと、彼は私の方を見てから満面の笑顔を浮かべて、
「うん、これからもよろしくね」
……そんな笑顔を見せられたら、私に言えることなんて何もない。
それから私たちは肩を寄せ合い、熱を共有した。日付が変わり、目的を達成したことで緊張感から解放されたのか、色濃い疲労を感じ始める。心地よい微睡みが身体を包み、全身が重くなるにつれて意識も少しずつフェードアウトしていく。
「幸せになろうね」
うつらうつらの思考のなか、不意に彼の声が聞こえたような気がした。でも夢現の狭間だったから、それがどっちの世界での出来事かは判然としない。
まあ別にどっちでもいいか。どうせ返す言葉は決まっているんだから。
……当たり前でしょ
独特の浮遊感、夢見心地を感じるなか、呂律の回らない口で言葉を返す。伝わったのかは知らないが、唇に一つ、柔らかな熱が押し当てられたような気がした。もっとも残念ながらその心地よさの真実を確かめる余力はすでになく、私の意識は抗いきれずに眠りに落ちていったのだが。
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