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1年生

第41話 俺の過去-2-

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俺はテニスがかなり上達していた。才能の開花はフィギュアスケートと同じく早くすぐ開花した。
 ある日、ジョンが突然引退宣言をした。これからはコーチ業に就き、自分の生徒を育てたい!という内容だった。
 ジョンの引退宣言から数日後、俺の元にテニス連盟とジョンからの手紙が届いていた。
やはり、俺にはテニスが向くのか。最近のフィギュアスケートの試合では国際大会に選ばれていなかったし、芸能活動においても新しい自分を探していたからこれも何かの機会だろう。俺はその日からテニス一本でやっていくことを宣言し、フロリダへ渡った。
 フロリダへ渡ると急遽ジョンが俺のコーチになると宣言してきた。ジョンの熱い思いに俺は受け入れることにした。
 俺がフロリダへ渡ってから一年後日本のじいちゃんは俺の為に俺専用のコートをフロリダにプレゼントしてくれた。
 それから、俺は初めての試合で好成績を出し、全米のスポンサーからオファーされ、CMにも出演し、全米で将来性のある期待度が高い注目選手へとなっていった。
 俺が選手として活躍するようになってからジョンは俺にプロになることを勧めてきた。
俺はこの時初めて絶対テニス選手になると宣言した!そして母さんを元気づけれる一人の人間になると決めた。
 元々おじいちゃんが用意してくれた【ソウジ】は俺の世話係だけでなくマネージャーにもなった。
 それから俺は世界大会で好成績を出し、ますます世界から注目される選手へと成長した。
母さんは俺の活躍を見て少しずつだが、元気を取り戻していった。
その頃姉のソフィアとエミリーは日本でモデルのオーディションに受かり、日本へ旅立っていった。
それから2年後、俺は初めて世界チャンピオンになった。チャンピオンになったことを気に俺はコーチやジョンの言っていたことは間違いないなかったのだと実感した。
ジョンとコーチ、全米テニス連盟に感謝した。
 俺が優勝を何度か重ねるうちに一人の生徒がクラブに入ってきた。【矢野菜央弥】だった。菜央弥はクールで口数が少なく初めは冷たかったけど、徐々に信頼関係を高めていった。

俺は飛行機に乗りながら昔のことを思い出していた。
この際、過去のことを全部話してしまおう。俺は覚悟を決めた。

-その頃の高嗣-

 ある程度時間が経過し、テレビを付けっぱなしにしながらボーと眺めていると、急にヒロの記者会見が放送された。
ヒロは今まで隠してきた家族のことを嘘つかずハッキリ記者に伝えていた。
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