2 / 20
第二話
しおりを挟む
「〇〇駅に行きたいんだけど、どっちに行けば良いかな?」
サラリーマンにしてはがっしりとしたガタイのいい男性がそう尋ねてきた。
「あー、〇〇駅すか。それならこの道をまっすぐ行って二つ目の信号機を右に曲がって…」
身振り手振りを交えつつ駅への道を説明する。職業柄、人に説明するのは慣れている。
「なるほどー、ありがとう」
僕も背が高い方だかこの人も背でけーな。男性は大きな身体を軽く曲げて会釈した。
「あ、良かったらこれ」
そう言って男性はレジ袋から何かを差し出した。
ん?これは、ポケモンパン?
「持ってるもんでお礼出来る物ってこれくらいしかなくてね」
男性は少し照れ笑いしながらそう言った。
「はあ…」
僕は少し困惑した。ポケモンパンて。好きだけど。
「まあ、貰っといてよ。じゃ」
男性はゆったりとした足取りで駅へと向かって行った。
何だったんだ。僕の手元にはポケモンパンが残った。
「さみー!雪かよ」
空からはちらちらと雪が舞ってきた。マフラーをキュッと巻き直し僕は寒空の下を歩き出した。
サラリーマンにしてはがっしりとしたガタイのいい男性がそう尋ねてきた。
「あー、〇〇駅すか。それならこの道をまっすぐ行って二つ目の信号機を右に曲がって…」
身振り手振りを交えつつ駅への道を説明する。職業柄、人に説明するのは慣れている。
「なるほどー、ありがとう」
僕も背が高い方だかこの人も背でけーな。男性は大きな身体を軽く曲げて会釈した。
「あ、良かったらこれ」
そう言って男性はレジ袋から何かを差し出した。
ん?これは、ポケモンパン?
「持ってるもんでお礼出来る物ってこれくらいしかなくてね」
男性は少し照れ笑いしながらそう言った。
「はあ…」
僕は少し困惑した。ポケモンパンて。好きだけど。
「まあ、貰っといてよ。じゃ」
男性はゆったりとした足取りで駅へと向かって行った。
何だったんだ。僕の手元にはポケモンパンが残った。
「さみー!雪かよ」
空からはちらちらと雪が舞ってきた。マフラーをキュッと巻き直し僕は寒空の下を歩き出した。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
サプライズ~つれない関係のその先に~
北川とも
BL
上からの命令で、面倒で困難なプロジェクトを押し付けられた先輩・後輩の間柄である大橋と藍田。
大らかで明るく人好きする大橋とは対照的に、ツンドラのように冷たく怜悧な藍田は、互いに才覚は認めてはいるものの、好印象は抱いてはいなかった。しかし、成り行きで関わりを持っていくうちに、次第に距離を縮めていく。
他人との関わりにもどかしいぐらい慎重な三十半ばの男同士、嫌でも互いを意識し始めて――。
表紙イラスト:ぬるめのおゆ。様

寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

馬鹿な先輩と後輩くん
ぽぽ
BL
美形新人×平凡上司
新人の教育係を任された主人公。しかし彼は自分が教える事も必要が無いほど完璧だった。だけど愛想は悪い。一方、主人公は愛想は良いがミスばかりをする。そんな凸凹な二人の話。
━━━━━━━━━━━━━━━
作者は飲み会を経験した事ないので誤った物を書いているかもしれませんがご了承ください。
本来は二次創作にて登場させたモブでしたが余りにもタイプだったのでモブルートを書いた所ただの創作BLになってました。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる