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6巻
火の世界
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決意を決めた俺たちは、マレンの魔方陣を通って次の世界へと移動していた。華菜は、次の戦闘に備えて、俺の中に戻しておいた。
マレン「もう着くよ」
俺* 「早いな・・・で、どこに着くんだ?」
マレン「『火炎世界』だよ」
マレンがそう話すと、出口が見えてきた。
ナル「・・・着いたみたいだな」
俺*「そ、そうだな・・・」
外に出ると、そこは辺り一面が火の海だった。近くには今にも噴火しそうな火山があり、生物も全体的に火属性のようだ。何よりも・・・
俺*「暑いな・・・」
温度が異常に高かった。そりゃ、火の世界だから暑いのは当然なんだが、ここまで暑いとは思っていなかった。
マレン「やっぱり暑いね・・・」
ナル 「マレン、近くに安全な場所とかねぇのか?」
マレン「あるにはあるよ。でも・・・」
俺* 「ん?遠いのか?」
マレン「いや、近いんだ。近いんだけど・・・」
マレンは、何やら気が進まない様子だ。そんなマレンの様子にナルは心当たりがあるのか、少し考える仕草をする。
ナル 「マレン、まさかとは思うが・・・」
マレン「・・・兄貴の予想してる通りだよ」
ナル 「・・・・・」
何なんだこいつら・・・フィーリングで通じあってるくらい絆が強いのか?森林世界にいた時の戦闘も息ピッタリだったし・・・
俺*「なぁ、予想してる通りって?」
ナル「・・・ワープした場所が悪かったみてぇなんだ」
俺*「は?それってどういう・・・」
?*「誰だ、お前ら!」
俺*「っ!」
ナルに状況を聞こうとした時、俺の後ろで声が聞こえたので振り向く。そこには、鎧のようなものを着て太い剣を背中に背負い、腕を組んでいる女性がいた。
マレン「まずい・・・見つかった・・・」
俺* 「は?どういう事だよ」
ナル 「ここの警備員は厳重だ。だから、見つかると色々と面倒なんだ」
俺* 「な、なるほどな・・・」
?* 「何を喋ってる!ここに来た理由を言え!」
女性は男のような性格のようだ。しかし、警備員というのは、大体二人一組で行動したりするものだと思うのだが、この人は一人だけ。何か理由があるのだろうか・・・
マレン「僕達はある人を助けるために旅をしてます」
?* 「ある人?それは誰だ」
マレン「林篠梨由という女の子です」
?* 「林篠梨由?そいつがどうした」
マレン「・・・とある研究員に捕えられてます」
?* 「研究員だと・・・?」
ナル 「何か心当たりねぇか?」
そう言われた女性は、考え始める。しばらくだったった時、何かを思いついたように「あっ」と言った。
マレン「何か思い出したんですか?」
?* 「・・・まぁ」
俺* 「・・・どうかしたのか?」
?* 「いや、あまりいい事ではないのでな」
いい事ではない?まぁ、あいつらの事だからいい事ではないのだろうが、この女性の複雑な表情を見る限り、些細な事ではないのだろう。
マレン「何でもいいです。教えてくれませんか?」
?* 「そうか?なら・・・」
?* 「そいつを誘拐したのって『アース』じゃねぇか?」
俺* 「アース?なんだ、それ」
?* 「全世界で噂されてるグループだ」
俺* 「グループ・・・」
マレン「全世界って、そんなに有名なんですか?」
?* 「あぁ、少なくともこの世界では有名だな」
マレン「そうなんですか」
?* 「あ、そう言えば自己紹介してなかったよな?」
女性はそう言うと、俺に向かって手を出してきた。そして、先程の顔とは打って変わってさりげない笑顔を向けられる。
?*「私は、明日楓だ。この世界の警備の長を務めてる者だ」
俺*「お、長!?」
ナル「マジかよ・・・」
驚きだ。この女性がこの世界の警備の長を務めてる人だなんて思いもしなかった。
明日楓「お前らの名は?」
俺* 「お、俺は龍牙です・・・」
ナル 「俺はナル・・・」
マレン「ぼ、僕はマレンです・・・」
明日楓「あはは!そんなに固くならないでくれ。私は、そういうのは苦手なんだ」
俺* 「わ、分かった・・・」
・・・意外と接しやすい人だな。長というから、とても気難しい人で、話すのに勇気がいるのかと思った。
そんな事を思っていると、明日楓は何かを閃いたように俺らに話をしてくる。
明日楓「そう言えば、お前らここに来るのは初めてだろ?」
マレン「まぁ、そう・・・ですね」
明日楓「だったら、私が案内してやるよ!」
ナル 「えっ、いいのか?今は勤務の途中じゃねぇのか?」
明日楓「いや、もう時間だった時だ。丁度いい。戻るついでに案内してやる。付いてこい」
そう言うと、明日楓は俺達に背を向けてそのまま前に進んでいく。
俺* 「お、おい、どうするんだよ・・・」
マレン「とりあえずは付いていくしかないよ・・・」
明日楓「おーい!何をしている?早く来い!」
俺* 「お、おう!」
俺達は、明日楓に呼ばれ走って明日楓に付いていった。
マレン「もう着くよ」
俺* 「早いな・・・で、どこに着くんだ?」
マレン「『火炎世界』だよ」
マレンがそう話すと、出口が見えてきた。
ナル「・・・着いたみたいだな」
俺*「そ、そうだな・・・」
外に出ると、そこは辺り一面が火の海だった。近くには今にも噴火しそうな火山があり、生物も全体的に火属性のようだ。何よりも・・・
俺*「暑いな・・・」
温度が異常に高かった。そりゃ、火の世界だから暑いのは当然なんだが、ここまで暑いとは思っていなかった。
マレン「やっぱり暑いね・・・」
ナル 「マレン、近くに安全な場所とかねぇのか?」
マレン「あるにはあるよ。でも・・・」
俺* 「ん?遠いのか?」
マレン「いや、近いんだ。近いんだけど・・・」
マレンは、何やら気が進まない様子だ。そんなマレンの様子にナルは心当たりがあるのか、少し考える仕草をする。
ナル 「マレン、まさかとは思うが・・・」
マレン「・・・兄貴の予想してる通りだよ」
ナル 「・・・・・」
何なんだこいつら・・・フィーリングで通じあってるくらい絆が強いのか?森林世界にいた時の戦闘も息ピッタリだったし・・・
俺*「なぁ、予想してる通りって?」
ナル「・・・ワープした場所が悪かったみてぇなんだ」
俺*「は?それってどういう・・・」
?*「誰だ、お前ら!」
俺*「っ!」
ナルに状況を聞こうとした時、俺の後ろで声が聞こえたので振り向く。そこには、鎧のようなものを着て太い剣を背中に背負い、腕を組んでいる女性がいた。
マレン「まずい・・・見つかった・・・」
俺* 「は?どういう事だよ」
ナル 「ここの警備員は厳重だ。だから、見つかると色々と面倒なんだ」
俺* 「な、なるほどな・・・」
?* 「何を喋ってる!ここに来た理由を言え!」
女性は男のような性格のようだ。しかし、警備員というのは、大体二人一組で行動したりするものだと思うのだが、この人は一人だけ。何か理由があるのだろうか・・・
マレン「僕達はある人を助けるために旅をしてます」
?* 「ある人?それは誰だ」
マレン「林篠梨由という女の子です」
?* 「林篠梨由?そいつがどうした」
マレン「・・・とある研究員に捕えられてます」
?* 「研究員だと・・・?」
ナル 「何か心当たりねぇか?」
そう言われた女性は、考え始める。しばらくだったった時、何かを思いついたように「あっ」と言った。
マレン「何か思い出したんですか?」
?* 「・・・まぁ」
俺* 「・・・どうかしたのか?」
?* 「いや、あまりいい事ではないのでな」
いい事ではない?まぁ、あいつらの事だからいい事ではないのだろうが、この女性の複雑な表情を見る限り、些細な事ではないのだろう。
マレン「何でもいいです。教えてくれませんか?」
?* 「そうか?なら・・・」
?* 「そいつを誘拐したのって『アース』じゃねぇか?」
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?* 「全世界で噂されてるグループだ」
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?* 「あぁ、少なくともこの世界では有名だな」
マレン「そうなんですか」
?* 「あ、そう言えば自己紹介してなかったよな?」
女性はそう言うと、俺に向かって手を出してきた。そして、先程の顔とは打って変わってさりげない笑顔を向けられる。
?*「私は、明日楓だ。この世界の警備の長を務めてる者だ」
俺*「お、長!?」
ナル「マジかよ・・・」
驚きだ。この女性がこの世界の警備の長を務めてる人だなんて思いもしなかった。
明日楓「お前らの名は?」
俺* 「お、俺は龍牙です・・・」
ナル 「俺はナル・・・」
マレン「ぼ、僕はマレンです・・・」
明日楓「あはは!そんなに固くならないでくれ。私は、そういうのは苦手なんだ」
俺* 「わ、分かった・・・」
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そんな事を思っていると、明日楓は何かを閃いたように俺らに話をしてくる。
明日楓「そう言えば、お前らここに来るのは初めてだろ?」
マレン「まぁ、そう・・・ですね」
明日楓「だったら、私が案内してやるよ!」
ナル 「えっ、いいのか?今は勤務の途中じゃねぇのか?」
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そう言うと、明日楓は俺達に背を向けてそのまま前に進んでいく。
俺* 「お、おい、どうするんだよ・・・」
マレン「とりあえずは付いていくしかないよ・・・」
明日楓「おーい!何をしている?早く来い!」
俺* 「お、おう!」
俺達は、明日楓に呼ばれ走って明日楓に付いていった。
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