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第四章 怪鳥
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白木がいなくなった。たまにそういうこともあるので武藤は気にしなかった。難しく考えて締め切りのことを忘れるより、締め切りを守らないと生活に困るのだ。そんなことが頭にあるせいか、武藤は白木を探さなかった。
白木は探してほしかったのかわからないが、武藤がてんてこ舞いのときにふらりと現れた。ファックスに原稿が送られてきたときのことだ。紙に書かれたそれを直していた武藤は原稿に夢中だった。白木が来ても別段驚かなかった。
「よお。相変わらず、仕事だな」
「どこに行っていた」
「偵察だよ」
それきり、武藤は黙ってしまった。紙に書き込んでいく。ものすごく早いスピードで。疲労がピークなのか目が紅い。武藤の様子を見ながら白木はただ見物をしていた。
一日経って、ようやく武藤は眠りについた。たまった仕事はあらかた片付け、一息ついたのだ。これからは仕事をためないと強く思ったが、それがいつまでつづくのか武藤にはわからなかった。
冷房が効いた部屋で武藤は仮眠を取ることにした。布団をかけて眠っていた。そうしてまたうなされていた。
目が覚めれば夕方でさすがに武藤も寝過ぎたということは理解できた。
まだ日が長いわけでもないが、夕暮れを見ながら武藤の体は食べ物を欲していた。布団の中で武藤は体を伸ばし、体がふわりとした。はっと見回すと白木がいる。慌てて自分がいる場所を見れば、抜け殻のように眠っている自分がいた。
「白木」
ニヤリと白木は笑った。
「見せたいものがあるんだ」
なにをという前に場面が変わる。場所を移動したことに武藤は気がついた。
白木はふわふわと暗い中を歩く。まるで怖いもの、障害物も感じさせないような動きだった。白木を目印に暗闇の中を武藤は漂う。
「ほら、たんと食べ。泣かないの」
子ども達がいた。子ども達は囲炉裏を囲むようにいた。小さな三歳児くらいの子から小学生までいる。女の子、男の子までいる。あれはと思っていると、あるものと目があった。
女だった。タオルを姉さんかぶりという古いスタイルのかぶり方をしている。表情は見えないが、それでも武藤と目があったような気がした。
「出ていけ」
そう言われたとたん、武藤は本当に目が覚めた。冷房が効いている部屋の中、のどがいがらっぽいと気がついた。台所に行き、水道水をコップに預ける。しばらくしてから白木が現れた。
「あれは一体」
「あれは子どもをさらっていた異界のやつの仕業さ。前、祐樹が言っただろう。あれさ」
白木の言葉で思い出した武藤はしばらく黙っていた。本当にあれは現実なのだろうか。そう考えている武藤がいたからだ。
「あれはおまえの幻か」
「違うさ。ならば、行ってみろよ」
あの暗さは山かとつぶやいた。深い山だということではないが、夏の山でも油断できない。低い山でも霧がでたら遭難してしまうことがある。
「白木。おまえが道案内してくれると嬉しいのだが」
「いやだ。ここまでヒントをあげたんだ。自力でなんとかしろよ」
そう白木はあっけらかんと拒絶したのだ。武藤はいらだちを隠せなかったが、抗議しようとする前に白木は姿を消えていた。
白木が与えたヒントは少ない。あの家はなんだと思って、ネットの地図を広げる。しかし、田舎のためかわからないが、地図は完璧ではなかった。武藤は買い出しついでに地図を買うことを考えていた。
外を出ると夏の強い日差しが武藤を迎えた。まぶしそうに武藤は目を細めて野球帽をかぶった。
いくらか視界はマシになるが、背中にじりじりと日が当たり暑い。
蟻が果敢に歩いているので武藤はほっとした。まだ日の弱い朝方だからいいものだが、日中になれば日差しもバカにできない、強くなるだろう。
まだまだ強くなる日差しを見ながら蒸し暑い一歩手前の町を歩いていく。道の真ん中で猫が死んだように横たわっている。ちらりと武藤を見たが、見ただけで鳴き声も上げなかった。
「あー暇だ」
武藤は思わず振り返った。猫の方から声が聞こえたからだ。そうして武藤は早歩きでその場から逃げようとした。
「ちょっと待ってよ。お兄さん。いやだね。世知辛い世の中。猫がしゃべったくらいで」
「おまえは猫又か」
「違います。猫の姿になっていただけ」
ゆっくりと影が揺れる。そこには正体は出ているのかと武藤はみていたが、猫の影だった。
「ちょいとお尋ねしたいんですが。白木さん家の武藤さんじゃないですか」
猫の顔がニヤニヤと笑っている。武藤は黙って立ち去ろうとする。白木に関わって余計なことに巻き込まれたことがあったからだ。猫は武藤のあとをついていく。
「いやだな。逃げるなんて」
「……」
「確かにうまそうな匂いはするが。なんだろうね。記しをつけられては仕方がない」
「早く行け。猫又がしゃべったなんて言ったら俺を殺すんだろう」
「いやだな。物騒な話だな。私はしませんよ。そんな約束もしません。白木さんに伝えてください。今宵、○○○山にいますと」
じゃあと猫は二本足で立ち去った。ふらふらとした足取りである。武藤にはまるで白昼夢を見たような気持ちになった。
「おっ。武藤。車に乗るか」
いきなり車が止まった。窓から祐樹が現れた。それを見たとたん、あれは現実かもしれないと思うようになっていた。白木に伝えたいが、気まぐれを起こさないといいがと武藤はつぶやいた。
「ん。なんか言ったか」
「今日は遅いんだな」
「悪いか」
「別に」
車のロックが解除され、武藤は車を開けて入ることにした。武藤は涼しい車内に入るとほっとした。
「六月なのに急に暑くなったな」
「このままだと梅雨明けかもな」
「顔色悪いぞ」
「大丈夫だ」
「また化け物関係か」
「違う」
武藤の返事が気に入らないのか祐樹は唇をとがらせていた。運転しながらよく会話ができると武藤は感心した。白木の目的がわからない、どうして山に行くのか。白木は慈善家でもない。なにか目的があるはずだ。白木はなにを隠そうとしている。
武藤はそのことばかりを考えていた。
「なあ。飲まないか。夜」
「あっ」
「友達も呼んでさ。おまえ、友達いるか。俺はな」
「いない」
「あっ。なんだよ」
「作るつもりもない」
「おまえ、中学高校のときも言っていたな。さすがに大学はいただろう」
「いた。だけど連絡は取っていない」
祐樹は沈黙した。
「それってやっぱりあれが関係しているのか」
「違う」
「違わない。だってさ、あれ以来友達を作ろうともしない。それに壁を感じる。俺の気のせい?」
「気のせいだ」
武藤の声に表情があれば、なにもないもないものだった。祐樹はそれ聞いて、ムッとしていた。
「おまえ、いつまでも俺がさえいればいいと思っていないか。両親だっておまえを心配していた。精神科にだって連れて行かれたこともある」
「だってそうだろう。見えないものが見えるんだ。お袋は戸惑うさ」
それが人を遠ざけている理由かはっきりと言わない祐樹がいた。武藤もなにも言わない。
「変な空気になったな」
振り返れば白木がいた。祐樹はびっくりしたようにバックミラーを見た。これで二度目だ。
「なあ。祐樹、こいつを○○○山まで連れて行くがいいか」
白木らしくないことを言い出す。祐樹は不思議そうな顔をした。
「ハイキングか」
「まだ行くとは決めていない」
「地図を買いに行くつもりだった」
白木はニヤニヤしながら言った。武藤は無神経な白木をにらみつけた。白木には武藤の視線はそよ風程度にしか思えないだろう。聞き流していた。
「化け物関係か」
「違う」
「そうだ」
二人は同時に言ったが、白木の言葉を祐樹は信じたというのが武藤にはわかった。祐樹の眼差しは険しくなるばかりだった。
「いい加減。化け物と付き合うのはよせ。それはおまえの得にはならない」
「うるさいよ。おまえが決めることじゃない」
白木が武藤の声で言った。祐樹はチラッと武藤を見た。
「腹の中ではそんなことを考えているんだろう。わかっている。だけどさ。おまえ、いい加減。結婚を考えろよ」
「いいんだ。俺は」
武藤の言葉に白木は笑っていた。
「本当か」
まるで面白がっているのか伝わってくる言い方だった。白木は顔を運転席に出す。
「やっぱりおまえでは武藤を救えない」
そう言ったとたん、白木は消えた。武藤は白木と叫んだ。
「いいんだ。わかっている」
暗い表情で祐樹は言った。いらだっている様子で、運転をしている祐樹がいた。荒っぽい運転の中、二人は沈黙を守っていた。
「ありがとう」
スーパーについたとたん武藤は言った。そのまま逃げるように立ち去った。武藤には今までの生活が頭によぎっていた。泣き叫んでいた母。憔悴した父。そうして異様なものが見える自分。薬は最初飲んでいたが、捨てた武藤を母は責めていた。
飲まず見えることを放棄した武藤がいた。それから彼の心は冷え切ってしまったのか、あまり笑わなくなった。そんな自分の顔を武藤はどう思っているのだろう。
「なにを考えているんだ」
白木が問いかける。武藤は無視して、買い物をつづける。なにか言いたいことはたくさんあったが、武藤には言えなかった。今言ったらぶちまけてしまう自分がいたからだ。
白木は探してほしかったのかわからないが、武藤がてんてこ舞いのときにふらりと現れた。ファックスに原稿が送られてきたときのことだ。紙に書かれたそれを直していた武藤は原稿に夢中だった。白木が来ても別段驚かなかった。
「よお。相変わらず、仕事だな」
「どこに行っていた」
「偵察だよ」
それきり、武藤は黙ってしまった。紙に書き込んでいく。ものすごく早いスピードで。疲労がピークなのか目が紅い。武藤の様子を見ながら白木はただ見物をしていた。
一日経って、ようやく武藤は眠りについた。たまった仕事はあらかた片付け、一息ついたのだ。これからは仕事をためないと強く思ったが、それがいつまでつづくのか武藤にはわからなかった。
冷房が効いた部屋で武藤は仮眠を取ることにした。布団をかけて眠っていた。そうしてまたうなされていた。
目が覚めれば夕方でさすがに武藤も寝過ぎたということは理解できた。
まだ日が長いわけでもないが、夕暮れを見ながら武藤の体は食べ物を欲していた。布団の中で武藤は体を伸ばし、体がふわりとした。はっと見回すと白木がいる。慌てて自分がいる場所を見れば、抜け殻のように眠っている自分がいた。
「白木」
ニヤリと白木は笑った。
「見せたいものがあるんだ」
なにをという前に場面が変わる。場所を移動したことに武藤は気がついた。
白木はふわふわと暗い中を歩く。まるで怖いもの、障害物も感じさせないような動きだった。白木を目印に暗闇の中を武藤は漂う。
「ほら、たんと食べ。泣かないの」
子ども達がいた。子ども達は囲炉裏を囲むようにいた。小さな三歳児くらいの子から小学生までいる。女の子、男の子までいる。あれはと思っていると、あるものと目があった。
女だった。タオルを姉さんかぶりという古いスタイルのかぶり方をしている。表情は見えないが、それでも武藤と目があったような気がした。
「出ていけ」
そう言われたとたん、武藤は本当に目が覚めた。冷房が効いている部屋の中、のどがいがらっぽいと気がついた。台所に行き、水道水をコップに預ける。しばらくしてから白木が現れた。
「あれは一体」
「あれは子どもをさらっていた異界のやつの仕業さ。前、祐樹が言っただろう。あれさ」
白木の言葉で思い出した武藤はしばらく黙っていた。本当にあれは現実なのだろうか。そう考えている武藤がいたからだ。
「あれはおまえの幻か」
「違うさ。ならば、行ってみろよ」
あの暗さは山かとつぶやいた。深い山だということではないが、夏の山でも油断できない。低い山でも霧がでたら遭難してしまうことがある。
「白木。おまえが道案内してくれると嬉しいのだが」
「いやだ。ここまでヒントをあげたんだ。自力でなんとかしろよ」
そう白木はあっけらかんと拒絶したのだ。武藤はいらだちを隠せなかったが、抗議しようとする前に白木は姿を消えていた。
白木が与えたヒントは少ない。あの家はなんだと思って、ネットの地図を広げる。しかし、田舎のためかわからないが、地図は完璧ではなかった。武藤は買い出しついでに地図を買うことを考えていた。
外を出ると夏の強い日差しが武藤を迎えた。まぶしそうに武藤は目を細めて野球帽をかぶった。
いくらか視界はマシになるが、背中にじりじりと日が当たり暑い。
蟻が果敢に歩いているので武藤はほっとした。まだ日の弱い朝方だからいいものだが、日中になれば日差しもバカにできない、強くなるだろう。
まだまだ強くなる日差しを見ながら蒸し暑い一歩手前の町を歩いていく。道の真ん中で猫が死んだように横たわっている。ちらりと武藤を見たが、見ただけで鳴き声も上げなかった。
「あー暇だ」
武藤は思わず振り返った。猫の方から声が聞こえたからだ。そうして武藤は早歩きでその場から逃げようとした。
「ちょっと待ってよ。お兄さん。いやだね。世知辛い世の中。猫がしゃべったくらいで」
「おまえは猫又か」
「違います。猫の姿になっていただけ」
ゆっくりと影が揺れる。そこには正体は出ているのかと武藤はみていたが、猫の影だった。
「ちょいとお尋ねしたいんですが。白木さん家の武藤さんじゃないですか」
猫の顔がニヤニヤと笑っている。武藤は黙って立ち去ろうとする。白木に関わって余計なことに巻き込まれたことがあったからだ。猫は武藤のあとをついていく。
「いやだな。逃げるなんて」
「……」
「確かにうまそうな匂いはするが。なんだろうね。記しをつけられては仕方がない」
「早く行け。猫又がしゃべったなんて言ったら俺を殺すんだろう」
「いやだな。物騒な話だな。私はしませんよ。そんな約束もしません。白木さんに伝えてください。今宵、○○○山にいますと」
じゃあと猫は二本足で立ち去った。ふらふらとした足取りである。武藤にはまるで白昼夢を見たような気持ちになった。
「おっ。武藤。車に乗るか」
いきなり車が止まった。窓から祐樹が現れた。それを見たとたん、あれは現実かもしれないと思うようになっていた。白木に伝えたいが、気まぐれを起こさないといいがと武藤はつぶやいた。
「ん。なんか言ったか」
「今日は遅いんだな」
「悪いか」
「別に」
車のロックが解除され、武藤は車を開けて入ることにした。武藤は涼しい車内に入るとほっとした。
「六月なのに急に暑くなったな」
「このままだと梅雨明けかもな」
「顔色悪いぞ」
「大丈夫だ」
「また化け物関係か」
「違う」
武藤の返事が気に入らないのか祐樹は唇をとがらせていた。運転しながらよく会話ができると武藤は感心した。白木の目的がわからない、どうして山に行くのか。白木は慈善家でもない。なにか目的があるはずだ。白木はなにを隠そうとしている。
武藤はそのことばかりを考えていた。
「なあ。飲まないか。夜」
「あっ」
「友達も呼んでさ。おまえ、友達いるか。俺はな」
「いない」
「あっ。なんだよ」
「作るつもりもない」
「おまえ、中学高校のときも言っていたな。さすがに大学はいただろう」
「いた。だけど連絡は取っていない」
祐樹は沈黙した。
「それってやっぱりあれが関係しているのか」
「違う」
「違わない。だってさ、あれ以来友達を作ろうともしない。それに壁を感じる。俺の気のせい?」
「気のせいだ」
武藤の声に表情があれば、なにもないもないものだった。祐樹はそれ聞いて、ムッとしていた。
「おまえ、いつまでも俺がさえいればいいと思っていないか。両親だっておまえを心配していた。精神科にだって連れて行かれたこともある」
「だってそうだろう。見えないものが見えるんだ。お袋は戸惑うさ」
それが人を遠ざけている理由かはっきりと言わない祐樹がいた。武藤もなにも言わない。
「変な空気になったな」
振り返れば白木がいた。祐樹はびっくりしたようにバックミラーを見た。これで二度目だ。
「なあ。祐樹、こいつを○○○山まで連れて行くがいいか」
白木らしくないことを言い出す。祐樹は不思議そうな顔をした。
「ハイキングか」
「まだ行くとは決めていない」
「地図を買いに行くつもりだった」
白木はニヤニヤしながら言った。武藤は無神経な白木をにらみつけた。白木には武藤の視線はそよ風程度にしか思えないだろう。聞き流していた。
「化け物関係か」
「違う」
「そうだ」
二人は同時に言ったが、白木の言葉を祐樹は信じたというのが武藤にはわかった。祐樹の眼差しは険しくなるばかりだった。
「いい加減。化け物と付き合うのはよせ。それはおまえの得にはならない」
「うるさいよ。おまえが決めることじゃない」
白木が武藤の声で言った。祐樹はチラッと武藤を見た。
「腹の中ではそんなことを考えているんだろう。わかっている。だけどさ。おまえ、いい加減。結婚を考えろよ」
「いいんだ。俺は」
武藤の言葉に白木は笑っていた。
「本当か」
まるで面白がっているのか伝わってくる言い方だった。白木は顔を運転席に出す。
「やっぱりおまえでは武藤を救えない」
そう言ったとたん、白木は消えた。武藤は白木と叫んだ。
「いいんだ。わかっている」
暗い表情で祐樹は言った。いらだっている様子で、運転をしている祐樹がいた。荒っぽい運転の中、二人は沈黙を守っていた。
「ありがとう」
スーパーについたとたん武藤は言った。そのまま逃げるように立ち去った。武藤には今までの生活が頭によぎっていた。泣き叫んでいた母。憔悴した父。そうして異様なものが見える自分。薬は最初飲んでいたが、捨てた武藤を母は責めていた。
飲まず見えることを放棄した武藤がいた。それから彼の心は冷え切ってしまったのか、あまり笑わなくなった。そんな自分の顔を武藤はどう思っているのだろう。
「なにを考えているんだ」
白木が問いかける。武藤は無視して、買い物をつづける。なにか言いたいことはたくさんあったが、武藤には言えなかった。今言ったらぶちまけてしまう自分がいたからだ。
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