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しおりを挟む冬の寒さが武藤の手先まで来ていた。エアコンの暖房をつけたが、古いタイプの暖房のせいか、手先が寒い。エアコンの風によって乾燥した手先はパサパサしている。体の末端部分が冷えてきたと武藤は思った。暖房の風のせいで、顔だけが熱く、武藤の顔は真っ赤になっていた。
ノートパソコンで小説を書いていた武藤は手をさすっていた。が、彼は冷えた手を熱い湯のみで温める武藤がいた。
いきなり、背後から「よお。また仕事か?」と白木が問いかける。今日はロングスカートに暖かそうな白いセーターを着ている。むき出しの足が男の太さだ。しかし、白木がどんなにつくろって女装しても、白木は男である。武藤の目には。他の人達はかわいらしい女性に見えるらしい。武藤には、違和感しかない。
「なんだ。邪魔をするな」
「なあ、エッチをしよう。ムラムラしているんだ」
「白木、昨日もしたはずだ」
ニヤリと白木は笑う。そうして、武藤の背筋がぞわぞわと寒気のようなもの、それが走っていく。胸の辺りのものがツンっと立つような。武藤のアタマの中では、昨日の痴態が浮かぶ。
喘ぐ武藤に犬の交尾のような形で、後ろを向いた武藤の尻に白木の肉棒を突き刺す。そうして、何度も腰を動かし、どれだけ味わっても飽きないように白木がキスをねだってくる。熱い血を感じるように、二人は絡み合う。足も、腕も、舌も。そうして、下の穴も。
「おまえ、わざとこんなものをみせて」
「えっ、ダメ? あっ、もっとすごいのにするか?」
「いい、普通にしろ。やる」
いきなり、武藤は着ているセーターを脱いだ。白木は動じず、エアコンの設定温度を上げていく。
「ここでするのか?」
不安げな武藤に白木はうなずく。
「布団を出すから」と武藤。
「仕方がないな。前は、どこでも体をつなげたくせに。まあ、人間って面倒くさいから俺が譲る」
どこでもと言って、武藤は顔に血がのぼるような気持ちになった。過去を思い出したからだ。あれは、と考えている武藤に白木はキスする。
布団と思う武藤の体をまさぐる白木がいた。
性急な動きだと武藤は思う。人肌というものは異物とのふれあいと考えていた武藤は、白木の体温に触れるとなんとも言えない気持ちにさせられることに内心、驚く。
武藤はキスを応える。舌をお互いに刺激する。生温かい舌の味、武藤の唾液と白木の唾液が混ざり合い、赤い唇から漏れていく。鼻で息をすることを白木によって、教えもらい、その通りにする。それが癪に触るような気持ちになる。
かすかな嫉妬だろうか。それはありえないと武藤は思う。体を交えたからと言って情がわくなんてありえないのだ。女性ならば、わかるが。
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