異世界転移する前に神様と交渉することになったんだけど、それが性交渉だなんて誰が思う?!〜可愛い息子と一緒にスローライフ〜

茶味

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異世界編〜テイクアウトのお店はじめます〜

7.

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ウィンクルムに起こされて朝ごはんを食べさせた後、今日は商業ギルドと買い物へ行こうとウィンを誘う。
ノインくんのくれた資料に寄ると、この町で店を開くには商業ギルドへの登録がいるらしい。開店はまだ先だけど、早めに手続きしておいて損はないだろう。

「ウィン、今日はお店の登録で商業ギルドへ行こうと思うんだけど、ついて来てくれる?」

「いいよ! ウサちゃんもいっしょ?」

「う、ウサちゃんは置いていかない? 可愛いから誰かに盗られちゃったら大変だし。ね?」

ヴィータの化身なのでそう簡単に盗られないかもしれないが、大きなぬいぐるみはそれだけで目立つし、トラブルの原因になりそうだ。

「ウサちゃんつよいからとられないと思うの」

「え、そのウサちゃん、強いの?」

たしかにヴィータの分身だから強いかもしれないけど。
ぬいぐるみが強いってウィンクルの中でどういう設定が出来てるんだろう。

「パパだからつよいよ?」

「パパ……だって、知ってたの?」

「うん。あさ、ウサちゃんからパパのおはようって声きこえたもん。ママをおこしてあげてって」

ウィンクルムの話に頭痛を覚えた。
そんな簡単に修行中の息子に連絡とっていいのか。またノインくんに迷惑かけてるんじゃないだろうな。
色々確認しなきゃならないことがある。

「ヴィータ」

ウィンクルムの持つウサギに話しかけるが、返事はない。

「パパ、いまはいないよ?」

「ずっとウサギの中にいるわけじゃないの?」

「お仕事のきゅうけい?とかにいるって」

なるほど。仕事はしているらしい。

「そうなんだ。ウィン、パパがウサちゃんの中に来たら教えてくれるかな?」

「いいよ! だから、いっしょに行ってもいい?」

「落とさないようにね」

「うん!」

ヴィータめ、俺に話してないこと多すぎ!



町は今日も賑やかだ。商業ギルドへは歩いてすぐだった。大きな両開きの扉を開けると、たくさんの窓口があり、どこも行列だ。
『飲食業』『宿泊業』『小売業』『卸売業』『商品登録』『金融』『買取』『総合案内』……業種ごとの専用窓口があるのか。
俺たちは飲食業だな。

「ひろいね!」

「そうだなぁ」

「ママ! あっちはなに?」

ウィンは窓口の先にあるスペースが気になったらしい。広々としたスペースに椅子とテーブルが並んでいる。奥にはキッチンが見えた。

「お、レストランを併設してんのか。あとで見に行こうか?」

「うん!」

「3階にはホテルも併設してますよ」

突然声をかけて来たのは、身なりのいい年配の男性だった。

「そうなんですか。俺たち、ここへ来るの初めてで」

「いらっしゃいませ。職員のギルバートと申します」

丁寧にお辞儀され、俺も慌てて返した。

「俺はユウヤです。こっちは、息子のウィンクルム。ウィン、ギルバートさんにご挨拶して」

「ウィンクルムです。3歳です」

我が子ながらとても可愛く、元気いい挨拶が出来た。あとでヴィータに報告しよう。
ギルバートさんも目を細めて褒めてくれる。

「賢いお子さんですね」

「ええ、親似ず、とても可愛くていい子なんです」

俺は謙遜するタイプの親じゃない。ウィンクルムは誰がどう見ても、ヴィータそっくりの美形だし、生まれて数日とは思えない利発さだ。謙遜するだけ野暮だ。
ウィンクルムの頭を撫でていると、ギルバートさんは腰を折り、ウサギのぬいぐるみを検分するように見つめた。

「ーーこのウサギのぬいぐるみはどちらで買われたものですか?」

「あ、これはその、プレゼントなんです。この子が生まれた時にお祝いでもらったものでして。どこで買ったものかは……」

まさか作成者は神様ですともいえず、ぼんやりと誤魔化した。

「そうなんですか。とても素晴らしい品なので是非、作成者の方をご紹介頂きたかったんですが」

残念です、と言われてもどうしようもない。このちょっとえっちな機能付きウサちゃんについてあまり突っ込まれたくはないので、さっさと話題を変えた。

「あはは~。ところでギルバートさん、飲食店を開こうと思ってるんですけど、手続きはあの窓口でいいですか?」

「飲食店の開店手続きでございましたら、あちらの『飲食業』で大丈夫ですよ」

「あ、やっぱり。ありがとうございましたー! さ、ウィン。あの列に並ぼうか」

「はぁい!」

ギルバートさんから逃げるようにウィンクルムの手を引いて、行列に並んだ。






***************

久しぶりのR-18以外の更新でした。
次のR-18は28日更新予定の10話です。
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