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神殿編
1.
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呆然としたまま金髪少年についていくと、市役所の窓口のようなところへ着いた。
窓口の上にぶら下がった看板には、『普通転生課』『普通転移課』『特殊転生課』『特殊転移課』『特別課』など様々書かれており、その前には待合ソファがいくつも置かれている。
盛況らしく窓口はほぼ全て埋まり、ソファも半分ほどに人が座っていた。
俺の夢にしては、リアルだし、芸が細かいな。
色んな漫画やラノベがごちゃ混ぜになった世界観だ。
取り敢えず、話を合わせてみよう。
「これは、どこに行けばいいんだ? 好きなところ選べるやつ?」
「すみません、通常はお選び頂けるんですが、牧野様の場合はもう決まっております」
「へ? そうなの?」
「はい。こちらの特別課で対応させて頂きます。担当者を呼んで参りますので、お掛けになってお待ち下さい」
「ありがとう」
「いえ!」
パタパタと音を立てて、金髪少年は特別課へ入って行った。
可愛いなー。こんな素直な息子育てたい。
しばらくして出て来たのは、ピンクブロンドの美少年。
「初めまして、牧野様。特別課担当のノインと申します」
「よろしくお願いします。ノインくんって呼んで良いのかな」
「はい!どうぞ、その名でお呼びください。では、さっそくですがこちらへご記入をお願いします」
そういってノインくんはA4紙を渡してきた。
スキルの希望とかかな。
「えーっと……」
名前や誕生日なんかの基本事項は既に印字されていた。
こういうの、すごく助かる。夢とはいえ、手間は省きたい。
なになに~。
好みのタイプを下記からお選びください。
ロング ・ ミディアム ・ ショート
長身 ・ 普通 ・ 小柄
スレンダー ・ 普通 ・ ふっくら
美人 ・ 清楚系 ・可愛い系
その他希望【 】
って、何これ?!好みのタイプ?!
異世界ハーレムとかそういう系?
俺、スローライフ楽しみたい派なんだけどな。持ってるラノベもそっち系多いし。
「ノインくん、これは一体何の質問なのかな? 普通こういうのって転生後に欲しいスキルとかギフトを書くんじゃないの?」
ジトっと見つめると、ノインくんは小首を傾げた。
「出来るだけお気に召す神をご案内しようとの質問ですが?」
え、神?? ノインくんって神様の使いなの?
「神って神様?」
「はい、神様です。特別課対応の方には、課をお選び頂けない代わりに見た目だけにはなりますが、お好みあった神を紹介することになっております。スキルやギフトは神と交渉してお決め頂くことになります」
そういう特典なのか。交渉相手の神様ならハーレムに関係ないか。
「なるほどね。でも、見た目より中身が大事じゃない?」
「そうですか?」
納得できないという顔。
この天使くん、ちょっとズレてない?
「まあ、いいや。好みに丸書けばいいんだね」
ロング、長身、スレンダー、美人っと。
その他の希望かぁ。
んーっと、交渉するならこれかな。
【話が合う神様】
と。
窓口の上にぶら下がった看板には、『普通転生課』『普通転移課』『特殊転生課』『特殊転移課』『特別課』など様々書かれており、その前には待合ソファがいくつも置かれている。
盛況らしく窓口はほぼ全て埋まり、ソファも半分ほどに人が座っていた。
俺の夢にしては、リアルだし、芸が細かいな。
色んな漫画やラノベがごちゃ混ぜになった世界観だ。
取り敢えず、話を合わせてみよう。
「これは、どこに行けばいいんだ? 好きなところ選べるやつ?」
「すみません、通常はお選び頂けるんですが、牧野様の場合はもう決まっております」
「へ? そうなの?」
「はい。こちらの特別課で対応させて頂きます。担当者を呼んで参りますので、お掛けになってお待ち下さい」
「ありがとう」
「いえ!」
パタパタと音を立てて、金髪少年は特別課へ入って行った。
可愛いなー。こんな素直な息子育てたい。
しばらくして出て来たのは、ピンクブロンドの美少年。
「初めまして、牧野様。特別課担当のノインと申します」
「よろしくお願いします。ノインくんって呼んで良いのかな」
「はい!どうぞ、その名でお呼びください。では、さっそくですがこちらへご記入をお願いします」
そういってノインくんはA4紙を渡してきた。
スキルの希望とかかな。
「えーっと……」
名前や誕生日なんかの基本事項は既に印字されていた。
こういうの、すごく助かる。夢とはいえ、手間は省きたい。
なになに~。
好みのタイプを下記からお選びください。
ロング ・ ミディアム ・ ショート
長身 ・ 普通 ・ 小柄
スレンダー ・ 普通 ・ ふっくら
美人 ・ 清楚系 ・可愛い系
その他希望【 】
って、何これ?!好みのタイプ?!
異世界ハーレムとかそういう系?
俺、スローライフ楽しみたい派なんだけどな。持ってるラノベもそっち系多いし。
「ノインくん、これは一体何の質問なのかな? 普通こういうのって転生後に欲しいスキルとかギフトを書くんじゃないの?」
ジトっと見つめると、ノインくんは小首を傾げた。
「出来るだけお気に召す神をご案内しようとの質問ですが?」
え、神?? ノインくんって神様の使いなの?
「神って神様?」
「はい、神様です。特別課対応の方には、課をお選び頂けない代わりに見た目だけにはなりますが、お好みあった神を紹介することになっております。スキルやギフトは神と交渉してお決め頂くことになります」
そういう特典なのか。交渉相手の神様ならハーレムに関係ないか。
「なるほどね。でも、見た目より中身が大事じゃない?」
「そうですか?」
納得できないという顔。
この天使くん、ちょっとズレてない?
「まあ、いいや。好みに丸書けばいいんだね」
ロング、長身、スレンダー、美人っと。
その他の希望かぁ。
んーっと、交渉するならこれかな。
【話が合う神様】
と。
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