1 / 24
プロローグ*
しおりを挟む
何がどうしてこうなったーー
動くたびに卑猥にあがる水音も、肌同士がぶつかり合う音も、身体の奥を行き来する熱も。
全部が生々しく、快感を掻き立てる。
「あ、あぁん……も、むりぃ……、って……ひゃあっ」
懇願するように自分にのし掛かる男の腕に手を伸ばす。
あっさり捕まった手はギュッと握られた。
恋人にするような仕草で繋いだ手に口付けながら、男は残酷に告げる。
「まだだ……」
「お、ねが……ぃ……イキた……いぁ……いか、せ……てぇ」
喉が焼き切れそうなほどの悲鳴のような嬌声をあげ、犯している相手に燻る熱からの解放を希う。
男は安心させるように口付け、間も無くの解放を告げる。
「もう、すぐだ……くっ」
「ーーーー!!!」
低い呻き声とともに身体の奥深くに男から放たれた熱を感じた直後、心地よい解放感が訪れた。
ようやく終わった。
無意識に腹を撫で意識を飛ばした。
************
俺ーー牧野友也は、珍しく定時で上がれたことを喜びながら、スーパーで仕入れた沢山の食材を手に住宅街を歩いていた。
深夜と違い、いつもは聞こえない子どものはしゃぐ声が聞こえる。
うるさいと文句を言う人もいるらしいし、気持ちも分かるが、俺には心地良い声だ。
結婚して子どもを持ってば、毎日こんな声を聞いていられるかもしれない。
この先は公園だったな。
そんなことを思い出しながら、歩いていると5歳くらいの子どもが飛び出して来るのが見えた。
公園の前はすぐに車道だ。
そこからは、よく覚えていない。
全身の熱と、偏頭痛持ちですら感じたことのない頭の痛み、微かに聴こえるサイレン。
近くで聴こえる泣き声に安堵し、目を閉じた。
次に目が覚めたのは、真っ白い煉瓦造りの建物の前だった。
お城か神殿のような建物だ。
頭上からきらきらとした光が降り注いでいる。
ここは、どこだろうか。
もしかしなくても、夢の中か。
こんな夢は初めてみるな。
きょろきょろと見回してみても、この建物しか無い。
入ってみるしかないか。
重そうな扉に手をかけると、力を込める前に呆気なく開いた。
吹き抜けに作られた玄関ホールの中央に大きな階段があり、左右の二階へ行けるようになっている。
豪華な作りだなぁ。
ぽかんと見上げていると、シャツの袖を引かれた。
横を見るといつの間にか、白い神官服のようなものを着た小さな金髪少年が俺を見上げていた。
「受付は、こちらです」
「受付?」
「はい! 異世界への転生・転移希望の方は、こちらの部屋で手続きをして頂く決まりになっております」
異世界への、転生に転移ーー?!
動くたびに卑猥にあがる水音も、肌同士がぶつかり合う音も、身体の奥を行き来する熱も。
全部が生々しく、快感を掻き立てる。
「あ、あぁん……も、むりぃ……、って……ひゃあっ」
懇願するように自分にのし掛かる男の腕に手を伸ばす。
あっさり捕まった手はギュッと握られた。
恋人にするような仕草で繋いだ手に口付けながら、男は残酷に告げる。
「まだだ……」
「お、ねが……ぃ……イキた……いぁ……いか、せ……てぇ」
喉が焼き切れそうなほどの悲鳴のような嬌声をあげ、犯している相手に燻る熱からの解放を希う。
男は安心させるように口付け、間も無くの解放を告げる。
「もう、すぐだ……くっ」
「ーーーー!!!」
低い呻き声とともに身体の奥深くに男から放たれた熱を感じた直後、心地よい解放感が訪れた。
ようやく終わった。
無意識に腹を撫で意識を飛ばした。
************
俺ーー牧野友也は、珍しく定時で上がれたことを喜びながら、スーパーで仕入れた沢山の食材を手に住宅街を歩いていた。
深夜と違い、いつもは聞こえない子どものはしゃぐ声が聞こえる。
うるさいと文句を言う人もいるらしいし、気持ちも分かるが、俺には心地良い声だ。
結婚して子どもを持ってば、毎日こんな声を聞いていられるかもしれない。
この先は公園だったな。
そんなことを思い出しながら、歩いていると5歳くらいの子どもが飛び出して来るのが見えた。
公園の前はすぐに車道だ。
そこからは、よく覚えていない。
全身の熱と、偏頭痛持ちですら感じたことのない頭の痛み、微かに聴こえるサイレン。
近くで聴こえる泣き声に安堵し、目を閉じた。
次に目が覚めたのは、真っ白い煉瓦造りの建物の前だった。
お城か神殿のような建物だ。
頭上からきらきらとした光が降り注いでいる。
ここは、どこだろうか。
もしかしなくても、夢の中か。
こんな夢は初めてみるな。
きょろきょろと見回してみても、この建物しか無い。
入ってみるしかないか。
重そうな扉に手をかけると、力を込める前に呆気なく開いた。
吹き抜けに作られた玄関ホールの中央に大きな階段があり、左右の二階へ行けるようになっている。
豪華な作りだなぁ。
ぽかんと見上げていると、シャツの袖を引かれた。
横を見るといつの間にか、白い神官服のようなものを着た小さな金髪少年が俺を見上げていた。
「受付は、こちらです」
「受付?」
「はい! 異世界への転生・転移希望の方は、こちらの部屋で手続きをして頂く決まりになっております」
異世界への、転生に転移ーー?!
54
お気に入りに追加
3,434
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる