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本編
7.調教の終わり *
しおりを挟む眼前にはさっきまで僕の中を犯していたものがある。
今からこれをしゃぶる……
意を決して、熱く猛ったウィリアムのものに目を閉じながら唇を寄せる。ミルクジャムの甘ったるい香りとバスオイルの薔薇の香り、それからウィリアムの吐き出したものの匂いが鼻腔を刺激した。
逃げ出したくなる気持ちを理性で抑え込み、口をいっぱいに開いてウィリアムを迎え入れ、頭を上下に振る。全てを口腔に含むことは出来ず、入りきらなかったところは手で愛撫した。
ミルクジャムの甘さと精液の苦さが混ざり合い酷い味がした。
吐き気を飲み込み、早く終わってくれと懇願しながら、しゃぶり続ける。
「んぅ……ふぁ……ぁ……」
自然と声が漏れる。唇が熱い肉塊に擦れ、快感を散らしたばかりの身体に熱が戻ってきた。男のものを咥えながら、快楽を得るこの身体が憎らしくて恥ずかしい。
僕の変化を感じとったウィリアムから命令が飛ぶ。
「気持ち良くなってないで、舌もつかいなさい」
片手で頭を掴んで陰茎を引き抜かれる。口紅を塗るように先端で唇をなぞられた。
「分かった?」
はい、と返事しようと開いた口に怒張を押し込まれる。吐きそうになるのを堪えて唾液を飲み込んだ。
「んぐっ」
奥まで入ろうとする陰茎を無意識に舌で押し返そうとするが、うまくいかない。結果的にウィリアムの命令通り、舌を絡めることになった。
「ん、く……んん……ッ」
息苦しくて涙が溢れるが、頭を押さえられているので、抜くことも出来ない。彼が望むようにするしかない。
思考力が低下し、もう何も考えられない。ただひたすら夢中で舌を使い、手での刺激を続ける。
「そうだ、そのまま続けて」
やっと頭から手が離れる。でも、ここで口を離せばまた同じことの繰り返し。
早くウィリアムが達するように、頭を振り、舌で苦い露を溢れさせる先端の穴を穿った。
「ん、んん…ぅ……く……」
口腔内でウィリアムのものが重くなる。じわりと苦い液の量が増える。舌の動きを早め、射精を促すと、ウィリアムの足に力が籠った。
解放はもう間近というとき、ウィリアムに頭を掴まれ、陰茎を引き抜かれた。
ーーえ?
と驚く間もなく僕の顔に熱いものが飛び散る。
ウィリアムの吐き出した精液が顔にかけられたと気付くまで、数秒かかった。
僕のすべてを塗り替えられたような衝撃に溢れ出す涙が止まらない。
僕の中で何かが壊れていく。
涙と白濁に汚れた僕の頬を撫で、支配者は満足そうに微笑み、自分の出したものに塗れた唇へ厭うことなく口づけた。
もう、この人から逃げ出せないかもしれない……
そう諦めると、心がどんどん軽くなっていく。
僕はウィリアム様の首に腕を絡ませ、しゃぶったことで熱を持った下腹部を押し付けるように腰を揺らす。
「ウィル様……ご慈悲を」
続きを強請る僕をウィリアム様は抱き上げ、最初の部屋へ連れ帰ると、ベッドに押し倒した。
「愛しているよ、リヒト」
「僕も愛しています……」
終わらない快楽が始まるのを感じ、溢れた涙がベッドを濡らした。
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